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若桜鉄道

わかさてつどう

鳥取県八頭郡を走行する第三セクターの鉄道会社及び、JR西日本から転換された鉄道路線。
目次 [非表示]

本記事では運営会社及び運営路線の「若桜線」についても記載する。


会社概要編集

日本国有鉄道(国鉄)の第一次特定地方交通線として廃止承認されていた西日本旅客鉄道(JR西日本)若桜線を転換する為、1987年(昭和62年)8月6日に設立された第三セクター鉄道会社株式会社。同年10月14日から若桜線を運営している。

本社所在地は鳥取県八頭郡若桜町若桜駅構内。主要株主は沿線自治体及び地元銀行


当初は第一種鉄道事業者として自社で路線を管理していたが、2009年(平成21年)4月1日からは線路施設等を地元自治体に譲渡し、運営形態を上下分離方式に変更。若桜鉄道が第二種鉄道事業者、八頭町と若桜町が第三者鉄道事業者となった。これは慢性的な赤字経営が続き、2008年(平成20年)に赤字補填基金が枯渇する試算となった為の措置である。

八頭町からの財政支援もあり上下分離方式実施後3年間は黒字経営を達成したが、2012年(平成24年)以降は再び赤字に転落している。その為2016年(平成28年)4月1日から全車両が八頭町・若桜町に無償譲渡され、両町が維持費を負担・若桜鉄道に貸し出す形で運行されている。


2008年に若桜駅をはじめとした線内各種施設が一括して登録有形文化財に指定された。


公式マスコットキャラクター隼さくら。名前の由来は隼駅と若桜駅構内の

若桜鉄道オリジナルキャラクターであり、鉄道むすめではない。

隼さくら


路線データ編集

路線名若桜線
路線区間郡家〜若桜
路線距離19.2km
軌間1,067mm
駅数9駅
最高速度65km/h
単線区間全線
非電化区間全線
閉塞方式特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
保安装置ATS-SW
第二種鉄道事業者若桜鉄道
第三者鉄道事業者八頭町・若桜町

路線概要編集

郡家駅(鳥取県八頭郡八頭町)と若桜駅(若桜町)を結ぶ若桜鉄道の鉄道路線。

会社概要で記載した通り、国鉄時代に第一次特定地方交通線として廃止が承認されたJR西日本若桜線を若桜鉄道が引き継いだ。しかし赤字続きの為上下分離方式を採用し、現在は運行及び営業に関する業務を若桜鉄道が第二種鉄道事業者として、線路及び施設の保有・管理を八頭町及び若桜町が第三種鉄道事業者として行なっている。


運賃編集

郡家駅〜八頭高校前駅間は2007年(平成19年)3月31日まで運賃が60円と日本一安いものであった。しかし利用者減少が続いた為40円値上げすることとなり、日本一安い運賃の座を北大阪急行電鉄に明け渡すこととなった。だが2017年(平成29年)からは北大阪急行電鉄も初乗り100円に値上げしたため、1位タイではあるものの再び日本一安い運賃に返り咲いた。


観光列車計画編集

かねてから蒸気機関車による観光列車の運行を計画しており、2007年にかつて若桜線を走っていたC12を購入。またかつてJR西日本とJR四国が運行していた臨時快速「ムーンライト高知」で使用していたJR四国12系客車と、鉄道総合技術研究所(鉄道総研)が管理していたDD16形ディーゼル機関車も併せて用意したが、現在のところ本線を走行したのは2015年(平成27年)に1度若桜駅〜八東駅間で旅客を乗せずに試験走行したきりで、営業運転では使用されず若桜駅構内の動態保存に留まっている。C12はイベントで全身ピンクに塗り替えられたことがある。

なお若桜鉄道では2027年(令和9年)頃の営業運転を目指している。


若桜線の見た夢編集

若桜線は当初山陰本線八鹿駅まで延ばす計画だったが、結局着工される事はなく国鉄解体によって幻となった。

改正鉄道敷設法別表第88号

また地元側では現在の兵庫県宍粟市経由で姫新線播磨新宮駅まで延ばすよう要望もあった。(参考

一方、兵庫県城崎郡日高町(現・豊岡市)有力者は当路線を山陰本線江原駅まで延ばした上で出石鉄道と接続し、さらに出石鉄道を加悦鉄道とつなげる構想を打ち出し、鈴木商店から但馬軽便鉄道の免許を譲り受け一部を建設したが実現せず未成線となってしまった。


沿革編集

1930年(昭和5年)1月20日鉄道省の路線として郡家駅〜隼駅間が開業した事が始まり。同年12月1日には若桜駅まで延伸し現在の区間が全線開通した。


その後は無煙化の達成等はあったものの大きな変化は暫くなかったが、1974年(昭和49年)10月1日貨物営業を廃止。


1981年(昭和56年)9月18日には第一次特定地方交通線に指定され廃止が承認された。


国鉄末期の1986年(昭和61年)10月7日に第三セクター転換が決定。翌年の1987年4月1日の国鉄分割民営化に伴い一旦JR西日本が第一種鉄道事業者として継承した。同年8月6日には若桜鉄道株式会社が設立され、10月14日にJR西日本の第一種鉄道事業が廃止、若桜鉄道が第一種鉄道事業者として継承した。


2009年4月1日には経営改善の為上下分離方式を導入。若桜鉄道は第一種鉄道事業者から第二種鉄道事業者となり、八頭町と若桜町が第三種鉄道事業者となった。


2020年(令和2年)3月14日ダイヤ改正で八東駅に交換施設を新設。それまで若桜線は列車交換が不可能だったが、設備完成により増発が可能になった。なお同日JR西日本のキハ47形一般形気動車乗り入れを終了した。


運行形態編集

全列車が全区間を走破する普通列車で、途中駅発着の列車は設定されていない。1両で運行される列車はワンマン運転を行なっている。

平日は1日14往復、休日は1日13往復で、6往復はJR西日本因美線鳥取駅まで直通運転を行う。直通列車は2010年(平成22年)3月11日ダイヤ改正までは因美線内も若桜鉄道乗務員が越境乗務していたが、同改正以降は郡家駅で乗務員交代が行われている。


前述の通り2020年3月14日ダイヤ改正までは国鉄時代から使用されていたキハ47形が乗り入れていた為相互直通運転の形態だったが、同改正でJR車の乗り入れが中止された為現在は若桜鉄道がJRに片乗り入れする形態に変更されている。


駅一覧編集

※:若桜鉄道転換後に開業した駅

駅名乗換路線備考
JR因美線鳥取まで直通運転
郡家JR因美線JR西日本管理駅
八頭高校前
因幡船岡
安部
八東列車交換可能
徳丸
丹比
若桜

使用車両編集

現在の使用車両編集

自社車両

開業時から使用されている気動車。

当初は「WT2500形」を名乗っていたがエンジン載せ替えを実施し改番。2017年度以降は再改造され水戸岡鋭治によるデザインに変更された。WT3001、WT3003、WT3004にそれぞれ「八頭」「昭和」「若桜」の愛称がつけられているが、WT2502は改造されず廃車された。


鉄面画 若桜鉄道WT3300形

ステンレス製の気動車が1両在籍。2016年(平成28年)3月20日からスズキGSX1300R Hayabusaのラッピングが施されている。


JR西日本所属

キヤ141系気動車

吹田総合車両所京都支所所属の事業用気動車(検測車)。

不定期で若桜鉄道に入線する。


過去の使用車両編集

JR西日本所属。若桜鉄道転換後の車両のみ記載。

キハ47

後藤総合車両所鳥取支所所属の一般形気動車。国鉄時代から長らく若桜線の列車にも使用されており、転換後の下り一番列車でも運用された。

2020年3月14日の運用変更に伴い若桜鉄道乗り入れを終了した。


展示用(車籍無し)編集

ぴくてつ・若桜駅

蒸気機関車。167号機が若桜駅で保存されている。圧縮空気による自走が可能で、イベント時に若桜駅構内を走行している。


  • DD16形

DD16 逆側から

ディーゼル機関車。7号機を所有。自走可能な為若桜駅〜八東駅間で12系・C12形を牽引して試験走行を実施した。


  • 12系

国鉄12系客車

かつて臨時快速「ムーンライト高知」で使用された客車。


車掌車

車掌車。ヨ8627号車を所有。


貨車長野電鉄にいたト6号を所有。


関連タグ編集

第三セクター 鉄道 気動車 ドーンデザイン研究所水戸岡鋭治デザイン

因美線

SUZUKIバイク。同線の隼駅がオーナーの聖地とされている。

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