概要
ファイアーエムブレムというゲームには様々なクラス(兵種)が存在し、それによって移動タイプや扱える武器が異なる。そして各キャラクターはこれらのクラスや個人成長率、支援相手、キャラクター性といった点で差別化されて、それぞれの個性が出されている。
しかしシリーズを通して操作可能なキャラ数がかなり多く、各マップの出撃制限の関係でどうしても2軍落ちになってしまう者が出てくる。
プレイヤーの育成次第でもあるが、初期値や成長率などの関係で性能面が他のユニットに比べて見劣りするユニットは総じて2軍落ちしやすく、「いらない騎士」→イラナイツと呼ばれるようになってしまった。
なお、「イラナイツ」という呼称は初期の作品でソシアルナイト系が多く、同兵種間での競合が激しかったため。
イラナイツになりやすいパターン
- 1:低成長
高齢であるなどで成長率が低いユニット。このパターンはジェイガンポジションなど初期値が高いケースも多く、加入マップのお助けユニットになることも多々ある。このため「後で2軍落ちする」パターンといえる。
- 2:低初期値
初期値が低いユニットは成長率が高いなどで晩成になることも少なくないが、ステータスによっては育てにくいことも。特にGBAの3作品に顕著。
- 3:見劣り
本人のユニット性能に問題はなくても、似た役割で上位互換のようなユニットがいると相対的に見劣りして使われにくくなる。
- 4:能力不釣り合い
魔道士なのに魔力が伸びないなど、兵種と能力が釣り合わなかったり、速さが重要なのに鈍足であるなど、能力バランスが悪いと使われにくい。
- 5:一時離脱
一時離脱のあるユニットは後から加入する際はもう見劣りしていることが多い。特に『暁の女神』に顕著。(その後の作品では一時離脱がある場合レベルが引き上げられるなどの救済措置が取られている)
- 6:上級加入
上級職で加入するユニットは、初期値・成長率によっては下級叩き上げに見劣りすることもあり得る。ただし性質上お助けユニット的な位置付けになることが多く、加入してすぐは活躍しやすいケースも目立つ。
- 7:仕様に恵まれない
作品自体の仕様のせいで使いにくいことも。例えば『蒼炎の軌跡』では、敵がジェネラル、ドラゴンマスターなど全体的に固めの兵種が多く、槍が多いため、火力が低く3すくみが不利なソードマスター(特に女性)がイラナイツ扱いされることがある。
イラナイツ該当者一覧
※執筆者の個人の感想が含まれています。
暗黒竜と光の剣/紋章の謎/新・暗黒竜と光の剣/新・紋章の謎
該当要素:1・6
上級加入で、高齢のため初期値は高めだが成長率が悪い。
ただし初期時点では他のユニットが弱く、どちらかというと序盤のお助けユニット的な位置づけで、こうしたユニットは後のシリーズでも恒例になっている。
英雄戦争ではユニットとしては登場しないが、軍師として同行するため会話での出番が多い。
該当要素:1
やはり高齢のため成長率が悪く、回復役としては後からレナ・(暗黒竜)やマリーシア・ユミナ(新紋章)が加入するとお役御免になりがち。
加入時の「戦いはできませんが、治療の杖が使えます」というセリフは僧侶系の特徴をよく表したものとして有名。僧侶がどういうユニットなのかの説明役のようなキャラ。
該当要素:4・6
同クラスの同僚のバーツの成長率が高めなため、下位互換になりやすい。
特に『紋章の謎』のマジは開発者のミスなのか、HP成長率10%が足を引っ張り非常に使いにくい。
『新・暗黒竜』では成長率が大幅改善され、また斧優遇になったためマジがイラナイツ脱退となった。
さらに『新・紋章』ではきこり3人でのトライアングルアタックがあり、高難易度での攻略の要となるため、見事サジもイラナイツを脱退した。
該当要素:1・4
自軍唯一の海賊だが、技が全く伸びず攻撃を当てれない。
『暗黒竜』では重く、命中率が低い斧が不遇ということもあり、非常に使いにくい。
該当要素:1・7
強制出撃のマルス、先に仲間になるジュリアンも鍵開け技能を持つため、盗賊ユニットが2人必要になる必要性は薄い。
該当要素:1・6
狼騎士団の騎士たち。ソシアルナイト2人とホースメン2人である。
ビラクの成長率は非常に低く、ほとんど武器レベルしか伸びず、他は2つ上がればラッキーほどしかない。
ロシェは『紋章の謎』以外ではビラクよりマシ程度の成長率しかなく、無理して彼を使う必要はなかった。
ウルフとザガロは『暗黒竜』では貴重なホースメンなのだが、2人とも成長率が低く、特にザガロはほぼHPしか伸びなかった。
この2人はなぜか『新・暗黒竜』で恐ろしい成長率になり、2人とも一度のレベルアップでHPが2つ、兵種によってはウルフは力が2つ、ザガロは守備が2つ上がるようになり、見事イラナイツの汚名を返上した。
該当要素:1・4
レナのバカ兄貴。やはり成長率がまずい上に暗黒戦争では幸運の初期値がゼロ。
そのため仲間にして使おうとしても、必殺の被弾に怯えることとなる。
該当要素:1
高齢のため伸びが悪く、すごい勢いで伸びるチキが加入するとお役御免となる。一応チキの説得のため使用しなければならない。
該当要素:1・3
誰もが育てたくなるごく一般的な少女のシスターだが、前述のビラクと同じく成長率が非常に悪く、ほぼ武器レベルしか上がらないため、同じシスターのレナや爺さんながら攻撃兼回復役になれ、成長するウェンデルを押しのけて使う価値がない。
該当要素:1・6
暗黒戦争ではサムソンとの二者択一、英雄戦争では序盤のお助けユニット。
英雄戦争では病のため成長率が悪い。また『新・暗黒竜』では初期値そのままにレベルだけが1から10になってしまった。
- ジョルジュ(新・暗黒竜)
該当要素:6
原作では成長率が悪いものの初期値が高く、1軍になれたが、リメイクの『新・暗黒竜』では全体的に敵の能力が上がる、上級職で複数の武器を使えるなど、仕様が大きく変わったのに彼は初期値そのままに登場。周りについていけなくなってしまった。
またこの『新・暗黒竜』では彼に限らず、初期上級職の大半がイラナイツ扱いされることも。
外伝/Echoes
該当要素:1・3
成長率が悪い上に魔防が1しかなく、3章で同職である恋人のマチルダが加入すると2軍送りになりがち。その低い成長率はリメイクの『Echoes』でもあまり変わっていない。
ただし立場上、会話での出番は終盤まで多い。
該当要素:1・3・4
命中・射程に優れた魔法を中心に覚えるが成長率が不味く、魔道士に必要なステータスが悉く伸びない上に少し先で仲間になる妹のデューテが加入すると2軍送りにされやすい。
リメイクの『Echoes』では魔道士にとってほぼ死にステータスである技の成長率が高いという謎の補強がなされた。
該当要素:3・6
中盤で加入。やはりセリカやソニアが強くなっていると彼女らに見劣りしがち。
リメイクの『Echoes』では敵の能力が上がっているのに彼は初期値も成長率も原作ほぼそのまま、追加魔法一切なしで登場と、より冷遇キャラとなった。
聖戦の系譜
全員が出撃できるため、イラナイツになるようなユニットはあまり出ない。
該当要素:7
初期メンバーの重騎士なのだが、『聖戦』はマップが広いため移動面で見劣りしやすい。
該当要素:3・6・7
アーダンと同じく、重騎士ってだけでまず使いにくく、子世代は敵の能力も自軍の能力も神器やスキルなどでインフレしているので平凡な彼の能力ではまずついていけない。
トラキア776
該当要素:2・7
加入時期に比べて初期値が低い。そのぶん成長率は高いのだが、屋内戦では槍が使えず育成機会が少ないため不遇。
該当要素:2・6
こちらも加入時期に比べて初期値が低い。また同じパラディンでも女性のため杖が使えるアマルダとの二択になっている。
封印の剣
該当要素:1・6
ジェイガンと同様。高齢のため成長が悪い。とはいえ初期値が高いため特にハードでは序盤にお世話になる。
該当要素:2・3
最初から使える弓兵で、成長率は比較的高い方なのだが、初期値があまりにも低すぎて使いにくい。
さらに騎馬+弓兵である遊牧民、ハードブーストがつくクレインなどがいるため、とりたてて彼を使う必要がない。
該当要素:2・4
速さの初期値、成長率が悪い。このFEはシリーズの中でも特に速さが重要なのでそれだけでも使いにくい。
該当要素:2・3・6・7
上級加入だが、加入時期に対してステータスがあまりにも低い上に登場章が騎馬に不利な砂漠。下級上がりのクラリーネを押しのけて使う価値が薄い。ロイと支援があるのが一応の利点か。
該当要素:2・3・4・7
加入時期に対して低レベルの晩成型のユニットであるが、速さが伸びにくく、砂漠マップでの加入など、育成環境が悪すぎる。ロイとの支援目的でもない限り、同クラスのレイにお役を奪われがち。
烈火の剣
該当要素:1・4
初期値は悪くないのだが、速さの伸びが非常に悪く、また守備もあまり伸びないため、かなり使いづらい。
さらにヘクトル編ではカアラの加入にバアトルの育成が必須なので大抵使われない。
該当要素:1・3・5
貴重な女性パラディンだが、速さ以外はセインやケント、ロウエンといった下級たたき上げには劣ってしまう。
特に体格が低く、剣や細身の槍以外はほぼ攻速落ちするため、自慢の速さも霞みやすい。
該当要素:2・4・6
終盤の助っ人だが、魔法職なのに魔力が低く使いものにならない。
ファンからは「リザーブさん」と言われたり、持参品のリザーブの杖が本体と言われることも。
聖魔の光石
該当要素:2・3・4
年のせいなのか、速さの成長率がかなり低く、戦士なのに力の初期値はなぜかフランツと同じ数値。
さらに伸びしろが大きくてレベルアップ回数の多い息子のロスとほとんど被り、斧にこだわるにしてもソシアルナイトのクラスチェンジでグレートナイトを選ぶなど、いくらでも手段があるため、彼は使われないユニットの筆頭といえる。
該当要素:3
エフラムお付きの赤の騎士。しかし加入時点で同職の弟フランツと初期値も成長率も大して変わらない上にフランツが彼以上に育っていることが多く、上級加入で最初から強いゼトもいるため無理して使う必要が薄い。
該当要素:1・2・3・6
ラーチェルの付き人の盗賊だが、初期値と成長率があまりにも低く、下級上がりのコーマをローグにクラスチェンジさせた場合、完全に出番を失ってしまう。
海外版では彼の初期値と成長率が改善されている。
蒼炎の軌跡/暁の女神
この2作は特にラグズで能力差が顕著。
該当要素:3・7
『蒼炎』ではフォルカの下位互換。特にラグズ、初期上級を除けば唯一クラスチェンジができないのが痛い。
『暁』では最初から強いがすぐにタウロニオ、ニケ、漆黒の騎士といった強力なお助けユニットが入るため、影が薄い。
さらにクラスチェンジがイベントなのに汎用職、その汎用職の長所はほぼ剣聖並みの速さのみ。奥義が敵のHPを絶対に1残す「瞬殺」とことごとく仕様に潰されてしまっている。
該当要素:3・5
ラグズ奴隷解放軍。ステータス、成長率は高いのだが、出撃機会が壊滅的。3人とも1部で離脱したあとの再加入が、ほとんど終盤の4部である。これではよほど意識して育てない限り、折角の高成長が活かされない。
加えてトパックとビーゼは再加入時にサナキ(専用炎魔法持ち)、ネサラ(常時化身可能)といった強者が参戦してしまっており、ムワリムも後でカイネギス(常時化身可能)とジフカが参戦してしまう。
該当要素:3
ハタリの狼。半化身状態で犬扱いとして暁の団に送り込まれるが、少し後に常時化身可能かつ戦闘力も段違いなニケが参戦してしまう。
該当要素:4・7
『暁』のみに登場する竜。最終盤で加入するが、物理タイプのステータスなのに対し敵が魔法系ばかりのため同時加入の白竜ナーシル(魔法タイプ)に比べ活躍しづらい。
赤の波動でのサポートに徹するにも魔防が高いイナがいるため、大抵は使われない。
覚醒
該当要素:2・3・4
どのFEにも欠かせない風魔法使いの若い男性魔道士だが、魔力、速さの伸びが悪く、実質主人公であるルフレ、先に加入するミリエル、後に仲間になるサーリャと比べるとどうしても劣ってしまう。
該当要素:3
加入時期や成長率・初期値は悪くないが、強制出撃で魔法面以外がまんべんなく伸びるクロムや、同傾向の成長ながら鍵開け技能を持つガイア、ペガサスナイト系になれるため疾風迅雷が使えるサイリに比べると中途半端。
また男性専用素質や有用な奥義を持たないため、父親としては「余り」になりがち。技・速さの伸びを生かしたい。
if
該当要素:1・6
初期クラスはグレートナイトなので武器を3つも使えるため序盤で重宝するが、初期クラスのせいか魔法攻撃に弱く、獣馬と重装、特効を2つも潔く受けるためすごい打たれ弱い。
彼の固有スキル「絶対進攻」は若干便利だが、透魔王国ルートでは彼の支援会話が存在せず、カムイのスキル「不思議な魅力」の対象外にもなる。
該当要素:1・3
下級での加入ではあるが年長者であり魔力・速さ以外の成長率に難あり。暗夜ルートはともかく、透魔ルートではその前にオロチやツクヨミといった白夜の呪い師ユニットが加入していることや、少し後にレオンが加入することもあり活躍機会がほとんどない。
母親としては、父親を選ばずダークマージ素質を与えられる点や魔力の伸びのよさから魔法系の子の母親に向くが、魔法系としてはロッドナイト素質のエリーゼやフェリシア(透魔では加えて呪い師素質のオロチや修験者・巫女素質のサクラ)もいるため兼ね合いに注意。
固有スキル「呪詛返し」は、性能上「魔法カウンター」の劣化型である。
風花雪月
ルート分岐の関係でスカウトしなければユニット数が少なくなるため、イラナイツは出にくい。また2軍落ちしても副官起用できるためある程度のフォローがある。
該当要素:3・4
シリーズにちょくちょくいる学者系魔道士で長射程魔法のメティオを覚える数少ないユニットだが、魔法系では最鈍で追撃しにくく、同じくメティオを使うドロテアと比較すると普段使いで見劣りしてしまいがち。
※他にもイラナイツにされがちなユニットがいれば、追記お願いいたします。