「俺は尾上亮。愛剣はこの、土豪剣激土だ 」
「一ぉつ、非道な悪ぃヤツにゃ……」
「二つ、震える大地の怒りを……」
「三つ!見舞ってやるぜ、問答無用!!」
演:生島勇輝
概要
ソードオブロゴスに所属する男性。年齢36歳。
「土」の聖剣・土豪剣激土に選ばれた最強の誉れ高き剣士であり、土の剣士・バスターに変身する。そらという名の一人息子がおり、「最強の子育て王」を自称している。
かつてロゴスを裏切ったカリバーとは親友の間柄だったと言う。
最強の剣士の肩書きは伊達ではなく、初登場の第3章冒頭では復活したゴーレムメギドを、同話終盤ではハンザキメギドを一撃で倒している。
変身前もその怪力は健在で、そらを左肩で軽々と肩車する程。
デザストとの会話から察するに、「最強の剣士」の肩書きは15年以上も前から頂いていると推測されるが、「当時と比べ腕が落ちている」ようであり、本人も歳を取ったのを自覚している。
(もっとも、「腕が落ちている」よりは「加齢による肉体の衰え」と見た方が正確かも知れない。)
人物像
性格はその体格に似合った、豪放磊落を地で行く豪傑。
親分肌で面倒見も良いが、言動の一つ一つが大振りなため、大秦寺からは「鬱陶しい奴」とやや嫌厭されており、その性分は尾上自身も認めている。
高い自負に見合った確かな実力を備え、そらからは「強くカッコいい父」と信頼と尊敬の念を向けられており、自身もまた常に「尊敬される強い父親」であろうと努めている。
それ故に、息子を戦場に連れ出す事を倫太郎に咎められても、「万が一もそんな事はない。俺は“最強の子育て王”だからな!」と断言する自信過剰な一面や、何事も己の力だけで切り抜けようとし、他人の助けを借りるのを嫌う無頼な一面が見られる。
その結果、そらの存在は自身の強さの根源であると同時に、唯一にして最大の弱点にもなっている。
実際にそらが敵に拐われた際には、激しく動揺して普段の豪胆さや自信を失い、そらが拐われる遠因となってしまい謝罪する芽依に、「アンタが謝ってもそらは帰って来ねぇよ!」とやや粗暴な物言いで突き放したり、飛羽真が「そら君を必ず助けると約束します」と口にするや、「軽々しく約束とか言ってんじゃねぇよ!お前に親の気持ちが分かるか!」と八つ当たり同然に激昂してしまう等、自分と息子の世界を大事にし過ぎる余り、それ以外の存在をやや軽んじている節がある。(ただし、親友のカリバーがロゴスを裏切った事実を考慮すれば、こうなるのも致し方ないと言える)
しかし、信頼に足ると認めた人物に対しては、自ら殿を買って出たり、父の事で悩む賢人に親身になって相談に乗る等、年長者としての配慮や協調性も示す。
また、自省もしっかり身に付けており、上記の一件でそらに危険が及んだ事態を経験して以降、そらとは行動を共にしていない(恐らくその事件を境にそら本人が本を好きになり始めた事もあって、ノーザンベースに預けていると思われる)。
現状、ソードオブロゴスの所属戦闘員としては最年長・最ベテランに相当し、先輩や同期等の剣士を失う辛さを多く経験してきたと思われる。
登場時既に組織に所属していた剣士の中では一番私服姿の描写が多く、剣士としての姿も私服の上に組織のコートを着用という他の剣士と比べてラフな格好となっている。
ハイパーバトルビデオ「集え!ヒーロー!!爆誕ドラゴンてれびくん」では『子連れ狼』や『桃太郎侍』と言った時代劇を好む一面が判明しており、ストリウスが芽依から奪った原稿を基に作った雑誌「めぎどくん」から実体化した子連れ狼は、尾上親子そっくりの姿をしていた。
飛羽真の離反
第16章で飛羽真が裏切り者の疑惑を掛けられ、彼から聖剣とワンダーライドブックを回収することを図る。
しかし、上條の離反を止められなかった責任感からか、飛羽真の弁解が却って疑惑を深める結果となってしまった(大秦寺も同様の反応を見せている)。
但し、年長である尾上と大秦寺は感情的にならず、なるべく穏便に運ぼうとし、セイバーに対する攻撃を控え、その動きを止めるに留めようとしており、仮面ライダー最光によって変身解除されると引き際だとして、変身解除されても感情的になって暴れる蓮を強制的に連れて退いている。
以降は大秦寺と共に、飛羽真の心意やソフィアの行方を探りながら、精神的に危うい状態にある若い2人の世話役を買って出る等、年長者としての対応に徹している。
その後、飛羽真が火炎剣烈火の力の片鱗を見せて、彼の可能性を見出だした大秦寺が組織の離反を決意、その旨を伝えられた尾上は怒らずその決断を受け入れ、その場は大秦寺を見逃した。
しかし、幾度にも及ぶ神代の一方的かつ理不尽な命令に、尾上は日に日に組織への不信感を抱くようになり、遂にそれが爆発し「マスターロゴスに会わせろ」と直談判をするも一蹴された上、神代から愛息を人質に取るような発言を貰う事態に。
そして、自身の胸中を察したそらの後押しを受けた尾上は、飛羽真との最後の一騎討ちを決行、飛羽真の揺るぎない信念を目の当たりにした為、自身の敗北を認め、飛羽真との共闘を選び、組織の離反を決めた(それに伴い、飛羽真を当初の呼び名であった『小説家』から、呼び捨てに改めている)。
その後、大秦寺と共に倫太郎と蓮を説得、倫太郎は苦渋の決断の末に断られるも、迷う蓮に「自分で考えろ」と告げるに留め、敢えて『誰かからの強制』ではなく『自分で熟慮した上で共に戦って欲しい』と頼んだ。
しかし、遂に神代の逆鱗に触れてしまい、ノーザンベースで仮面ライダーサーベラの襲撃を受けてしまった。
しかも、飛羽真はプリミティブドラゴンに変身して暴走、万事休すに陥った中、新たな仮面ライダーカリバーとなった富加宮賢人が現れ、どうにか飛羽真を止められたのだが……。
飛羽真がプリミティブドラゴンの制御に成功し、新たな力を手にして、暴走の心配がなくなり安堵したものの、倫太郎がソードオブロゴス離叛を決めた際に得た「組織に潜む真の敵はマスターロゴスだった」事実を皮切りに、新たなるマスターロゴスの側近の登場に見舞われてしまう。
幸い、賢人の暗躍でソフィアがノーザンベースに帰還した為、尾上は蓮をノーザンベースに連れ戻そうと行動を開始した。
だが、賢人に為す術もなくやられた蓮は、尾上の「自分で考えろ」発言を逆恨むように剣戟をぶつけてきた為、尾上は敢えてそれを受け止め、今は時期ではないと断念するしかなかった。
だが、ソフィアのノーザンベース帰還を契機に、本腰を入れたマスターロゴスにより神代兄妹の襲撃に遭ってしまう。
飛羽真の提案で『襲撃者の迎撃』と『ソフィアの護衛』とで剣士達が別れるも、ストリウスの策謀で現れたズオス・プレデターから倫太郎をソフィアの許へ向かわせる為、尾上は単身でズオス・プレデターに立ち向かった。
しかし、結果は惨敗な上に土豪剣激土を奪われてしまった。その後は傷も癒えたらしく、聖剣のない状態でもマスターロゴスへの抵抗を決意、第35章では飛羽真達の活躍でマスターロゴスの儀式が中途半端な形で終了した為、奪われたワンダーライドブックと土豪剣激土も手元に戻って来た。
メギドとの決戦後
全ての戦いが終わった後は、師匠と同じ教師の道に決めたらしく、教員試験の勉強に勤しむ姿が描かれた。
8年後では念願の教師として小学校で勤しんでいたが……。
スピンオフ
他の剣士達と同様に剣士列伝がある他、東映特撮ファンクラブ(TTFC)でスピンオフ漫画の連載が発表された。
剣士列伝「an episode of仮面ライダースラッシュ&バスター」
本編8・9話の間に位置する番外編。
『萬画 仮面ライダーバスター』
全6話。
最強の青春編(第1~3話)
高校時代の尾上と先代バスターにして古典教師である亀巳川寿和が登場。TV本編からは20年前の話となる。
ふとしたきっかけから剣士やメギドの存在を知った尾上が、修行と激闘の末に亀巳川から土豪剣激土を託され、新たなるバスターとなりソードオブロゴスの一員となるまでが描かれている。
「かがり高校の喧嘩番長」を自称し(当時としても時代遅れ)、正義感が強く弱いものいじめは許さない。コーラが好物。土豪剣激土を使いこなす特訓をさせてもらうのを条件に、喧嘩を辞めている。
ヒロインとして幼馴染であるバレーボール部主将の桐谷晴香が登場。尾上より好意を向けられていたが、手のかかる弟のように思っていた為に全く気づいていなかった。しかし改めて正面からの告白を受けると、笑顔で快諾した。昔は尾上の方が喧嘩が弱く、晴香に助けてもらってばかりいた為、「最強の男」を目指している事情が判明、ゴブリンメギドに襲撃された際に当初は1分も持てなかった土豪剣激土に認められ、仮面ライダーバスターへの変身を遂げた。
尚、変身していない生身の状態でシミーの顔に振り回すのに苦労するであろうトンボ1本でダメージを与える、蹴飛ばされてもかすり傷程度で済む等、仮面ライダーとなる前から戦闘力は高かったようだ。
最強の子育て王編(第4話~6話)
青春編から11年後。晴香とは結婚しており、息子であるそらの誕生も描かれた。
好物は妻の手料理とコーラ(「コーラは週に一本まで」と自制中)。
6年前に起きたとある事件により、ノーザンベースでは唯一の変身可能な剣士となっており、歴戦の勇士として最前線で戦いに明け暮れている。
しかし妻である晴香が過労で倒れた為、そらの世話をすることになるが、不器用な自分には剣士との両立は困難だと実感。自身も父親との記憶が少なく寂しい思いをしたこともあり(幼い頃に病死している)、剣士を辞め育児に専念することを考え、激土を大秦寺へ託した。
その隙を突かれスパイダーメギドの襲撃を受け窮地に陥るも、そこに現れた晴香の激を受け、改めて剣士として戦うことを決意。
腕に毒を打ち込まれ「一度剣を振るえば腕が腐る」という状況まで追いつめられるが、『奴を倒して毒が消えるなら一発でしとめりゃいい』という考えのまま、その一振りでスパイダーメギドを撃破。剣士と育児を両立させる『最強の子育て王』となることを決意した。
そして時は流れ、本編の時代。「火炎剣烈火に選ばれた奴」の顔を拝んでくると言い、メギドとの戦いへ向かった。本編の第3章にそのままつながるラストになっている。
ソードオブロゴスサーガ
『セイバー』における重要事件「15年前の戦い」を描くスピンオフドラマ。
尾上と大秦寺(スラッシュ)以外の剣士は全員が先代となる。
仮面ライダーサーベラ&デュランダル
本編の最終回から一年後が舞台で、家族の晴香、そらとともに登場する。
余談
名前の由来は『子連れ狼』の主人公の「拝一刀」からと思われる。
歴代にも子持ちの戦士は数多く存在していたが、意外にも「子連れ」のライダーは非常に珍しい。
いわゆる子連れを行ったライダーは、『仮面ライダーカブト』の風間大介/仮面ライダードレイクぐらいしかいない(しかも風間の連れている少女ゴンは、あくまで実親とはぐれたところを保護しただけで血縁はない)。
「子連れ」を「息子・娘と行動を共にしている」と拡大解釈すれば、滅亡迅雷.netの滅と迅も該当するが、そこまでしてこの二例のみである(ちなみに石動惣一/仮面ライダーエボルは仮面ライダーとなる以前に娘と別れているので、どうあがいてもこのケースには該当しない)。
演じる生島勇輝氏は、フリーアナウンサーの生島ヒロシ氏の実子である。
関連タグ
関連・類似キャラクター
- 桃太郎侍:口上の元ネタ
- 尾上タクミ/仮面ライダーファイズ:姓が同じ過去作品の仮面ライダー。
- 鳴海荘吉/仮面ライダースカル:変身してすぐに一つ、二つ、三つと言う点や父親ライダーである点が共通。
- 九条貴利矢/仮面ライダーレーザー/仮面ライダーレーザーターボ:主人公と共闘しながらも呼び名などで一定の距離を置いていたが、後に認め合い本名呼びに改めるキャラクター。4号ライダーという点も共通している。
- ゾウガメロン、ボンゴ:同じく仮面ライダー界での「親子亀」だが、父であるゾウガメロンは、尾上と違い父親の風上にも置けない悪役である。
- 冴島大河/黄金騎士ガロ:子連れの特撮ヒーロー繋がり。こちらも剣士。
- ダディボア:父親であり子連れ、パワータイプと共通点が多い同じニチアサのキャラ。こちらは4人の子供を持ち子連れ破壊王。
歴代父親ライダー
本編終了後または最終回にて父となった者については( )を付記。
(風祭真) トウキ ハバタキ 桜井侑斗 (紅渡) 紅音也 キング
(照井竜) 鳴海荘吉 山本昌宏 笛木奏 葵連 (泊進ノ介) 本願寺純 蛮野天十郎
(天空寺タケル) 天空寺龍 深海大悟 檀正宗 南雲影成 葛城忍 石動惣一
4号ライダー変身者