解説
イタリアで発展した料理を指す。イタリアはフランス、スペインなどと並ぶ欧州きっての美食の国として知られる。
フランス料理と比べると手軽な大衆料理としてのイメージが強く、料理の初心者でも挑戦しやすい。レストランや家庭ではスパゲッティをはじめとするパスタ、ピザなど一品料理として供されることが多く、欧米や日本など世界各地で冷凍食品としても常食される。
一方でフランス料理の雛型という側面も持っており欧州料理全般の家元に当たる。実際、本格的なイタリア料理は【アペリティーヴォ(食前酒、軽いつまみがつくこともある)→アンティパスト(前菜)→プリモ・ピアット(パスタ、リゾットまたはスープ料理)→セコンド・ピアット(魚料理または肉料理)→コントルノ(野菜料理)→フォルマッジィ(チーズ盛り合わせ)→ドルチェ(デザート)→エスプレッソ】と、かなりのボリュームである。いわゆるコース料理の形式であり、その源流と言える。
トマトやクミンなどが共通し、意外にも中国料理とも接点を持つ。
台湾出身で日本で活動していた作家・実業家で中国料理に関する著作も多数有る邱永漢も、著書で「フランス料理よりもイタリア料理の方が中国人の嗜好に合っている」「中国料理といずれが兄たり難く弟たり難い」と評している。
一口にイタリア料理といっても地域性豊かであり、地方によってそれぞれ趣が異なる。北イタリアではリゾットやドリアのような米料理が好まれ、バターやチーズを使った濃厚なソースを多用する。南イタリアではオリーブオイルやトマトを多用したさっぱり・はっきりした味わいに特色があり、地中海で採れる魚介類や様々な野菜を扱う。南北を通してハーブ・燻製肉・ワインを多用する傾向にあり、風味豊かで濃厚な旨みを持つ料理が多い。また地中海に面しているだけに、海沿いでは海鮮も積極的に取り入れている。イタリアの地方では曜日によって食べるメニューを決める風習が残っている。
日本におけるイタリア料理
明治以来、日本の西洋料理に絶大な影響を与えたのはまずイギリス料理、続いてフランス料理であり、イタリア料理の存在感はほとんどなかった。これは日本に定住したイタリア人の数が少なかったことも関係している。早くも1880年に新潟県にイタリア人による日本初のレストラン「イタリア軒」が開業しているが、日本全体に広まるほどの影響力はなかった。西洋料理店ではスパゲッティやマカロニ、ラザニアなどのパスタ料理が作られていたが、これはナポリタンなどのフランス料理由来のレシピによるものであり、イタリア料理とはかけ離れていた。
日本で本格的なイタリア料理が知られるようになったのは、イタリアの元軍人や軍属が日本に定住した第二次世界大戦後のことである。特にラム2世に乗っていたシェフであるアントニオ・カンチェーミが有名で、彼は1948年に日本で初めてとなる本格的なイタリアンレストラン「アントニオ」を開業している。1960年には日本人による初の本格イタリアレストラン「キャンティ」が開店。三島由紀夫らの文化人や富裕層に贔屓にされ、イタリア料理を嗜むのが粋であるという風潮が生まれた。
バブル期に『イタメシ』(イタ飯)と呼ばれ一大ブームとなり定着した。フランス料理よりカジュアルで、しかもお洒落なイメージがあるため、デートの時の食事として好まれる傾向にある。
日本のイタリア料理チェーン
イタリア料理の一覧
米料理
パン
パン料理
パスタ
調理方法
スープ
チーズ
パルミジャーノ・レッジャーノ ゴルゴンゾーラ マスカルポーネ
野菜料理
海鮮料理
肉料理
肉加工品
卵料理
ドルチェ(デザート)
飲み物
スプマンテ カンパリ リモンチェッロ アマレット マラスキーノ オルヅォ
関わりのある著名人(キャラクター)
トニオ・トラサルディー、第5部の登場人物…一部のキャラクターの名前がイタリア料理に由来する。(ジョジョの奇妙な冒険)
竹原慎二…プロボクサー引退後の一時期、イタリア料理店のオーナーをしていた。