概要
個体値とはポケモンの強さを表すパラメータのうち、その個体が生まれ持った才能・素質を表す数値である。後述する理由もあって確かに攻略本の表記上には存在はするが公式な呼称ではない。
現在公式には「生まれつきのつよさ」という表現を用いている。その他、公式攻略本では単に「のうりょく」という表現もある。
この数値によってレベルアップ時に上昇する各ステータス値の量が変化し、最大レベルに達した時点での能力が大きく変わる。
同じ種類のポケモンであっても個性を与える事ができ、他のポケモンとは違う「自分だけのポケモン」に愛着を持ってもらおうという意図があったのか、はたまた「生き物なのだから個体差があって然るべき」という認識があったのか、どういった理由で個体値が設定されたのかは定かではない(そもそも公式は個体値の存在をはっきりと認めるような発言を公ではしておらず、故に正式名称も存在しない)。…めざめるパワーの仕様やジャッジキャラ・ジャッジ機能の採用など、実質個体値の存在を暴露しているような要素を公式で扱ってもいたのだが。
2023年にはポケモン情報局公式Twitterの漫画「放課後ポケモン研究部」で「個体値」がはっきりと使われたが、ある程度RTで広まってからツイートが削除された。
しかしこの個体値は一定量の数値を各ステータスに割り振る形で個性を出す型式ではなく、各ステータスに割り振られる個体値の合計数そのものが変動するという形式が取られている(一定量の数値を各ステータスに割り振るという要素は基礎ポイントが担っているが、こちらはシステムを理解していればプレイヤー側が任意で調整できるという点で異なっている)。
つまり「全ステータスが最大値である個体」も「全ステータスが最小値である個体」も存在するという事であり、同じ種類のポケモンであっても明確に強い個体と弱い個体が存在するということになる。
つまるところガチ勢は対戦向けの強い個体を厳選する必要があるという事であり、これが廃人達に多くの苦行を強いてきた原因の一つとなっている。
作品ごとの個体値
本編第2世代まで
「こうげき」「ぼうぎょ」「すばやさ」「とくしゅ」の4つのパラメータにそれぞれ0から15までの値が割り振られる方式。
「HP」の個体値は上述の4つのパラメータをもとにして計算されていたため存在せず、第2世代の「とくこう」「とくぼう」は、同じ「とくしゅ」のパラメータを参照していた。
初代作の時点で捕獲した同種族・同レベルのポケモンのステータスが一定していない事は把握されており、一部の熱心なユーザーの研究で「個体値」の存在や「努力値」のシステムが明らかになった。
第1世代ではタマゴはまだ存在していないため、厳選手段は「ポケモンをひたすら捕まえる」以外の方法は無かった。そもそも三値の存在とそのシステムを知っているプレイヤー自体が少なかった。
元々対人戦要素はあくまで通信交換以外の通信ケーブルの使用用途としてのおまけ機能的に扱われていた(通信交換の為だけに通信ケーブル購入を要求する仕様ではマーケティング的に問題があるという判断があったのかもしれない)。
第2世代以降は、タマゴから生まれたポケモンが親の個体値の一部を引き継ぐようになり、「タマゴを使った厳選」も行われるようになった。
本編第3世代以降
「HP」「こうげき」「ぼうぎょ」「とくこう」「とくぼう」「すばやさ」の6つのパラメータに0から31までの値が割り振られる方式。
「ルビー・サファイア」時点では理想的な個体の厳選は非常に困難であり、廃人プレイヤーはともかく、カジュアルプレイヤーにはあまりにも厳しすぎるという批判の声が多かった。
開発側もさすがにこのままではマズいと感じたのか、これ以降の作品ではカジュアルプレイヤーでも手軽に厳選が行えるよう、世代ごとに厳選の手間が少しずつ緩和されていくことになる。
さらに、近年の作品では、大規模な大会が開催された際には好成績を残したプレイヤーが使っていたのと同じステータス調整を施したポケモンを配布する措置も行っており、カジュアルプレイヤーでも個体厳選する際の元手として利用できるポケモンが入手しやすくなるようにしている(後述の余談も参照)。
第4世代
「パワー○○」という持ち物が登場し、タマゴから生まれるポケモンに対し、(1種類のパラメータだけだが)確実に特定の個体値を遺伝させることができるようになった。
この時期に対応ハードであるニンテンドーDSのWi-Fi機能を利用してのインターネット対戦要素も追加されたが、メーカー側からはあくまで通信機能のオマケ要素としか捉えられていなかった。
第5世代
ここに至って、インターネットの普及・YouTubeやニコニコ動画といった動画投稿サイトの隆盛に伴い、誰でも気軽に対人戦が出来る環境が整った事や過去の大会の記録映像が見易くなった事・動画配信者側が自身の知識を披露する解説動画を投稿する等の活動を行った事でガチ勢とカジュアルプレイヤーの差が浮き彫りになり、「個体値」「厳選」といった用語が一般にも知れ渡るようになった。
また、ボタンを押しっぱなしで延々と走り続けられる施設や、コストさえ支払えば瞬時に卵を孵化出来る店などが導入され、卵孵化厳選を念頭に置いている様な要素を公式が追加してきた。
残念ながらメーカー側の経験不足もあってこの時期の対戦環境はあまりよく評価されてはいない。
第6世代
前作の反省もあってか、ここにきて厳選環境は大きな転換点を迎える。
まず、タマゴの親となるポケモンに「あかいいと」というアイテムを持たせることで、最大5個までの個体値が遺伝するようになった。タマゴが利用できない伝説ポケモンについても、最低でもいずれか3つの個体値が最大で登場するようになっている。
加えて、多数のポケモンのサブウェポンとして扱われてきためざめるパワーの威力変動が廃止され、60固定でタイプのみ変動となり、この点でも厳選難易度は低下した。
また、メーカー側でも対戦レギュレーションの整備や更新を行なう等の対応を順次するようになった。
第7世代
長年隠されてきた「個体値」のパラメータを、プレイヤーがグラフの形で遂に目視で確認できるようになった。もちろん、パワー系や「あかいいと」による個体値の遺伝の仕組みもそのまま引き継がれている。
更に、「すごいとっくん」が追加され、個体値が低いポケモンであっても最終的には個体値を最大まで強化することが可能になった。詳しくは当該項目参照。
ただし、すごいとっくんによって引き上げられた個体値パラメータは「さいこう」ではなく「きたえた!」と表示されるため、それを嫌って今までどおりの厳選を行っているプレイヤーも存在する。
第8世代
『剣盾』はシリーズ中、厳選環境が最も緩和されたと言ってもいい作品となっている。
まず、新要素のマックスレイドバトルで高個体値のポケモンと遭遇しやすくなっている。レベルが上がるほどポケモンの個体値は高くなり、基本的には挑戦するレベル-1個のステータスで「さいこう」の状態が保障されているが、ピックアップレイドでは挑戦するレベルと「さいこう」になっているステータスの個数が同じになっているため、最高ランクの★5のレイドをクリアできれば、5V以上の個体が確実に手に入ることになる(運が良ければ6V個体や即戦力として使える個体が手に入ることも)。もちろん最高ランクであることもあり、攻略難易度は相応に高いものの、苦労して挑戦するだけの価値は十分にあると言えるだろう。
もちろん、パワー系や「あかいいと」の仕様も前作から引き継がれている。
また、本作の預かり屋では「横並び遺伝」という新たな遺伝のシステムも確立(詳細は預かり屋の記事を参照)。加えて、めざめるパワーが廃止された代わりにわざマシンの種類が実質200種類に増加、めざパ依存だったポケモンも何らかの形でサブウェポンを覚えられるようになった。つまり、技の遺伝と個体厳選を同時に熟したり、めざパを気にしたりする必要がなくなったため、気兼ねなく5Vや6Vの個体を作れるようになったわけである。
こうしたテコ入れもあり、第8世代はこれまでの作品と比較しても厳選の難易度が劇的に低下しており、カジュアルプレイヤーであっても、遺伝の仕組みやタマゴグループに関する知識さえしっかり身に着けることができれば孵化厳選も含めた個体値厳選が比較的手軽に行えるようになった(タマゴグループや技遺伝の複雑な経路に関しても、現在は攻略サイトの充実もあり、少し調べれば簡単に情報を入手することができるので、わざわざ暗記する必要がなくなった点も大きい)。
このため、孵化厳選で5Vや6Vを狙っている程度ではもはやポケモン廃人とは呼べなくなったという声も一部ではある(理由は後述)。
…そうしたこともあってか、BDSPでは、ポケモンの個体厳選や育成の仕様がDPt当時に近いものに戻ってしまったため、特に剣盾でのお手軽さに慣れてしまったプレイヤーの間ではかったるいと感じる者が続出することになった。グラフによるステータスの可視化や、遺伝用のアイテム、すごいとっくん等、剣盾からそのまま引き継がれた要素も多いのだが……。
幸いなことに、現在はポケモンホームとの連動が解禁されているので、どうしても厳選するのが面倒だという場合は、高個体値のポケモンの手に入りやすい剣盾で厳選してから連れてくるという選択も十分ありだろう。
一方、『LEGENDSアルセウス』では個体値は存在しない。
これは、そもそも個体値厳選が意味を為す対人戦要素自体が現状採用されていないことも影響していると考えられ、このため過去作と比べると厳選の難易度が低くなっている(というか、厳選する重要性すら薄れている)。
本編タイプのスピンオフで個体値がシステムとして実装されていないというのは中々に珍しいと言えるだろう。
その代わりに「がんばレベル」というものが実装されている。本編作品に移した際の個体値は初期がんばレベルによって決まり、がんばレベル3で個体値31となる。ただし本編での「おうかん」と違い、道具を使って上げた分は考慮されない。
従って、本編作品でも使いたい場合はがんばレベルにも気を遣うと良いだろう(特に下げた方が良いステータス)。
第9世代
『SV』ではすごいとっくんがレベル50から可能となり、ぎんのおうかんもデリバードポーチにて20000円で市販されている。
金策手段を考える必要はあるが、5Vや6V相当のステータスにするハードルが大きく下がったと言える。このため、後述するA0個体やS0個体等を粘る場合を除いて、個体厳選をするメリットはほぼなくなったと言える。
もっとも、これはあくまで金策手段が確立されていればの話であり、そうでないプレイヤーの中には出費を抑えるために止むなく従来通りの個体厳選をしている者もいないわけではない。厳選の必要性がかつてほどでなくなったとはいえ、公式もこうしたユーザーがいることは承知しているようで、最強レイドで6V確定のポケモンを配布したり、2023年4月上旬に5V以上が確定したメタモンのイベントレイドを実施する等、個体厳選をしたいユーザーに対する救済措置と思われるゲーム内イベントを行っている。
総じて、厳選したいユーザーもそうでないユーザーも楽しめるようバランスが取られているというべきか。
あえて個体値を下げるメリット
こうしてお手軽に最高値を狙えるようになった個体値だが、実をいうとメイン画像の台詞のように6Vのポケモンが常に理想個体になっているかというと必ずしもそういうわけではない。というのも個体値を下げる事に大いに意義があるケースが多々あるからである。
先述の通り31は狙いやすくなっているが、31に固定化されるということは0を狙いにくくなっているということであり、厳選はやや面倒となっている。これから厳選することを考える場合、もしもどこかしらのステータスが「ダメかも」になっている個体を持っていた場合は、手放さずに遺伝要因として残しておくことを強くお勧めする。
なお、個体値を下げるメリットとしては以下の例がある。
素早さ個体値を下げる(通称“S0”)
- トリックルーム下で先手を取る
最もメジャーな0を狙う理由。
基本的に素早さの極端に低い種はむしろ素早さ最低を狙った方が有利になるケースが多い。
が、もちろん狙い過ぎると枷になるのでそこは要相談。
- ジャイロボールを採用する
ゆうかんナットレイ(素早さ種族値20)が撃つ場合、個体値Vだと最速レジエレキ相手ですら最大威力を出せないが、0だと最速キノガッサでも最大威力を狙える。逆に言えば、素早さが重要ではないポケモンは相手のジャイロボールの威力を下げるために素早さ個体値を下げてくる可能性も考えられる。
- 天候・フィールドを奪う
アナウンスされる特性は基本的に素早さの高いポケモンから発動するため最後に発動して上書きする。ユキノオーやカバルドン、コータスなどが代表格。
- スピードスワップを使う
相手と自分の素早さを入れ替える技「スピードスワップ」を使用するポケモンの場合、当然自身の素早さは下げた方が良いことになる。
ギルガルドは、特性バトルスイッチにより「シールドフォルムで相手の攻撃を受ける→フォルムチェンジをする→アタックフォルムで攻撃する」という順序で行動する場合に実質的なステータスが大きく上がるポケモンである。そのため「相手より後に行動する」ことがメリットになるため、狙って素早さを下げる事が少なくない。
相手に攻撃したのち控えと交代するこれらの技は後攻で打つ事で控えへの負担0で交代することができる。
優先度による後攻の補正がないカウンター技のメタルバーストやほうふくは、相手より遅くなくてはまともに使えない。
- TOD時の回復技
TOD戦術、すなわち時間切れによる判定勝ちを狙う場合、最終ターンに後攻で回復技を使えた方がHP量の判定で有利になる場合がある。
ほろびのうたは行動順が遅いほど後に倒れる。この技により戦闘が終了すると最後にポケモンが倒れた側の勝利となるため、素早さを下げて判定勝ちを狙う戦術がある。
攻撃系個体値を下げる(通称“A0”、“C0”)
特殊アタッカーや攻撃技を使用しないポケモンは基本的にこうげき個体値は下げ得と言える。一応、こだわりスカーフを持たせたポケモンがかなしばりを受けてわるあがきを出すなど、こうげき個体値が高い方が得をする場面も存在しているが、後述のようにメリットの方が圧倒的に大きいのでそこまで気にする必要はないだろう。
一方で、とくこう最低(通称C0)は現状A0と比べるとパワーシェア対策と味方攻撃時の被ダメージ軽減、第9世代のテラバースト関連以外でこれといったメリットがなく、無理に厳選する必要はないとする見方が多い。
- イカサマのダメージを減らす
相手の攻撃力の高さを参照してダメージを与える「イカサマ」の存在により、特殊アタッカーのAを0にすることは上級プレイヤーの間では必須と言われている。特にあく弱点のエスパー・ゴーストタイプのポケモンの場合、Aが最低か否かでイカサマを喰らった時のダメージで雲泥の差が出る。
とはいえダブルバトルでは等倍以下かつ特殊型の相手に「イカサマ」をポチポチ押すのが非合理なプレイングであるため、そうしたポケモンのAは妥協することが多い。第七世代の公式大型大会の優勝パーティの個体を再現した配布ポケモンも日本勢のものを再現した場合はA妥協が多く、極端な例ではWCS2017優勝パーティのゴルダックを再現したA30個体というものまである。
もっともこのような傾向は「いばる」が弱体化した第七世代以降の事で、第六世代は特にボルトロスが「いばる」サポーターとして猛威を振るっていたためA0厳選が半ば必須な環境であった。
- こんらん自傷時のダメージを減らす
あく弱点でなくともこんらん時の自傷ダメージを軽減できるというメリットもある。
- ちからをすいとるの回復量を減らす
相手の攻撃能力値に依存する回復技、ちからをすいとるを使用する相手に対してその回復量を減らすことができる。
- パワーシェアで相手を弱らせる
攻撃・特攻を搾り取って弱らせる。ツボツボに使わせる場合はほぼ必須。
ただ、パワーシェアは現状かなり使いどころが限られる技なので、これを理由に0を狙うというプレイヤーはあまり多くない。
- ステータスが下がった際にもテラバーストで攻撃か特攻の内の狙った方を参照できるようにする
この技は、自分のランク補正込みのステータスが攻撃>特攻なら物理技になる特殊技だが、この時物理技になるか特殊技になるかでテラバーストを放つ側が受ける側に正常な役割を持てない場合がある。そこでA0厳選やC0厳選が行われる。
やや冗談に近いが、パオジアンのC0を粘る者が挙げる理由としては、A2段階下降時にギリギリAを参照できるというものがある。もっとも、パオジアンの場合はそもそもA2段階下降していればその時点で通常火力を撃たずにカタストロフィで後続に繋いだ方が得策なので、机上の空論に近い話だったりするが。
物理技・特殊技のうち一方にしか影響しない火力強化系特性を持っているパオジアンもそうだが、「ちからもち」を持つマリルリのように攻撃の実数値と実際の火力がかけ離れている種族の場合も、このような厳選は意味を持つ。参考までに、A無振りマリルリのA実数値70はCVマリルリのC実数値72を下回る。まぁ随分特殊な調整でもない限りA実数値がC実数値を下回るマリルリなど環境にはいるはずもないのだが。
第一パオジアンやマリルリのような(事実上の)火力強化系特性を持たない種族の場合、テラバーストの純粋な火力を追求するならA0やC0よりVであった方が好都合であったりする。
- 味方に攻撃する際のダメージを減らす
など
ダブルバトル、トリプルバトルにおいて、味方に攻撃するギミックでダメージを減らす。
ただし、残りHPの少ない敵ポケモンにこおりのつぶてを打つ場面で確定数がズレるなど、裏目に出る場合もあるので自身のPTと要相談。
防御系個体値を下げる(通称“D0”・“B0”)
- 反射技のダメージを増やす
上級者の間で好んで使われる襷カウンターが好例で、防御・特防が中途半端に高いと反射ダメージが足りない、という場合。第8世代のダイマックス環境では結構重要。
- ダウンロード対策
特性「ダウンロード」(ポリゴン系統等が持つ)は、相手の「ぼうぎょ」と「とくぼう」の能力値のうち「ぼうぎょ」の方が低い場合に「こうげき」が、「とくぼう」の方が低い場合に「とくこう」が上がる効果を持つ。
対戦でよく使われるポリゴン系統は種族値的に特殊型のパターンが多いため、あえて「ぼうぎょ」個体値を下げる事で上がるステータスを「こうげき」にし、相手の特性を腐らせる事ができる。ただしポリゴン2の中には物理技採用の型もいるので逆に調整が腐ることも。
ヌケニンとメタモン対面でのみ発動。変身後もHPは据え置きの関係上ヌケニンをメタモンにへんしんされると普通にHPが高いヌケニンが生まれてしまうため、こちらの技で倒しやすくするため防御系個体値を下げる。そもそも本物のヌケニンはHP1固定のため防御系能力は事実上使用されておらず、下げるデメリットなし。
HP個体値を下げる(通称“H0”)
- いのちのたまの反動ダメージを減らす
攻撃後に自分の最大HPの1/10を減らすいのちのたまを使う場合、HPを調整し下げる事で反動ダメージを減らし、逆に得をするパターンが存在する。
自身のHPを削り身代わりを生み出す技「みがわり」と、HPが1/4になった時にランク上昇などの効果を発動するきのみを組み合わせる際、3回のみがわりでちょうどきのみ発動圏内に入るようあえてHP個体値を下げる調整をする場合がある。
- 一部の回復技を使う
「やどりぎのタネ」や交換後の「ねがいごと」など、自分のHPに関係ない量回復する技を使う場合、自分のHPを下げた方が「きあいのタスキ」などの発動条件を満たしやすくなる。
HP&防御系個体値を下げる(通称“最脆”)
- がむしゃらを使う
相手を自分の残りHPと同じHPにしてしまう「がむしゃら」を使う事が想定される場合、あえてHPを少なくした方が与えるダメージを増やせる。上記の「じたばた」、「きしかいせい」のパターンと共通する部分が多いが、きあいのタスキを用いて耐久をギリギリまで下げるパターンが多いため、防御系個体値下げと同時に行う事が多い。
- 倒れやすくする
ギミックパーツなどの役割を果たした後すぐに後続に繋ぐ必要があるポケモンは、相手や味方の攻撃で倒れやすくするため個体値を下げることがある。しれいとうシャリタツ等が有名。
その他
ビーストブーストは相手を倒した際に自分の最も高いステータスが1段階上昇するため、これをどうしても特定のステータスに掛けたい場合に本来最も高いステータスになる部分の個体値を意図して下げる場合がある。
- めざめるパワー関連(第7世代以前)
「めざめるパワー」は6Vの際は確定であくタイプになるが、あく技を追加効果なしのサブウェポンとして採用するメリットはかなり薄いため、何かしらのめざパを狙う場合は必然的に意図して個体値を下げる事になる。
なお、剣盾およびBDSPでは技自体が存在しないため厳選の際にこれを考慮する必要は無くなった。
能力ランクが変化する技(りゅうせいぐんなど)を使用した際に、テラスタル「テラバースト」が物理/特殊のどちらになるかが変わる。明確な仮想敵がいるなら、個体値によって打ち分けが可能。
救済措置など
上記のように、第8世代以降はマックスレイドバトルやテラレイドバトルにおいて優良な個体値のポケモンを手に入れることができるようになり、わざわざ連鎖を狙う必要がなくなったことから、ライトユーザーでも手軽に個体値厳選に手を出せるようになった。
加えて、近年のシリーズでは、ポケモンWCS等の国際的な大会が開催された際に、チャンピオンが使っていたポケモン1体を期間限定で全ユーザーに配信するという措置が取られるのが恒例となっている(予選・本戦共に)。ガチ勢が厳選しただけのことはあり、6V個体はもちろん、A0個体やS0個体といった、自力で孵化厳選する際の元手としても極めて有用な個体が配信されることもあるのは嬉しいところ。
ただし、肝心の配信期間が1日~数日と非常に短いので、できるだけ逃さずに入手していくようにしたい。大会が開催されることが告知されたら、どのようなポケモンがいつ配信されるのかといったことにも気を付けながら情報を入手していくようにしよう。
ポケモンSVでは、不定期で配信される最強のテラレイドバトルにおいて確定で6Vの個体を入手できる。最高難易度のレイドバトルということもあり、こちらもポケモンの育成など相応の労力をつぎ込まなければならないのが難点であるが、見返りは大変大きいので、腕前に自信があるのであれば狙っておいて損はない。
ポケモンGOにおける個体値
「HP」「こうげき」「ぼうぎょ」の3つの個体値パラメータが存在し、第2世代までと同様、0~15までの数値で評価されるという方式。
実装から長らくは大まかな値を教えてもらえるだけであったが、2019年7月のアップデートでグラフによる可視化(本編でいうジャッジ機能)が実現され、完全な確認が可能になった。
個体値の厳選は基本的には不可能であり、ひたすら数を捕まえるしかないが、「天候ブーストを受けている」「タマゴから生まれた」「レイドバトルやフィールドリサーチで出現」等のポケモンは個体値が高くなりやすい。
2019年9月時点で、ポケモンの個体値を変化させる手段は「ポケモン交換」と「リトレーン」の2つだけ。
ポケモン交換は自分が捕まえたポケモンしか行えないので、同じポケモンを何度も交換に出して個体値を厳選することはできない。
リトレーンは個体値を確実に高めることができるが、「シャドウポケモン」と呼ばれる特殊なポケモンでなければ行うことができないため、普通の個体には縁がない要素である。
ただ、本作は個体値が0~15の範囲で変動となっている関係上、原作と比べると個体値による性能差が極端に大きいわけではないため、そこまで個体値にこだわる必要はないと言われている(ただし、GOバトルリーグで好成績を残したいのであれば話は別で、しかもランクによっては指定されたCP内で強化しなければならない関係上、本編とはまた違った基準での個体値の判別が必要となる)。
そのため、個体厳選はどちらかといえば一種のやりこみ要素としての趣の方が強い。
関連タグ
めざめるパワー:個体値でタイプや威力が決まる。ただし狙うタイプによって細かい調整が必要になり、単純に全能力最高値(6V)を狙うより難度が高くなる。