概要
『ポケットモンスター』シリーズに登場するフリーザー、サンダー、ファイヤーの総称。名前の由来はみな鳥の容姿をしているためである。
ちなみに公式の呼び名としては「伝説の鳥ポケモン」あるいは「幻の翼」(FRLG、LPLEより)である。
所謂伝説ポケモンのトリオの初代であり、これ以降第5世代までは作品ごとに必ず伝説ポケモンのトリオが出る伝統となった。
そのためトリオ系の中ではかなり人気が高く、所謂「三犬」と呼ばれるエンテイ、スイクン、ライコウを双璧を成す人気ぶりである。
伝説のポケモンのうち準伝説ポケモンは第六世代までは基本名称が全世界共通(濁点や発音などの影響で若干の差異はあるが)であるが、この三鳥は英語名が3匹とも全く異なる。
フリーザー=Articuno、サンダー=Zapdos、ファイヤー=Moltres
3匹それぞれに「uno(スペイン語で「1」)」、「dos(スペイン語で「2」)」、「tres(スペイン語で「3」)」の名が記されている。
フランス語版には世界各国の神話体系の神々の名前が組み込まれていて、フリーザー=Artikodin(北欧神話の最高神オーディン)、サンダー=Electhor(北欧神話の雷神トール)、ファイヤー=Sulfura(エジプト神話の太陽神ラー)となっている。
金銀には登場しなかったがリメイク版『HGSS』には登場。
『オメガルビー・アルファサファイア』では伝説のポケモンのバーゲンセール状態になっているが、こいつらは『X・Y』で登場。
しかしそれが災いとなっていて、色違いは第5世代から連れてくるしかない、カロスマークのせいでORASのランダムマッチに色違いは出られない…なんて差別に。
『剣盾』『スカーレット・バイオレット』でも登場。『BDSP』でも登場するが、こちらはシャイニングパール版でしか入手ができない(ブリリアントダイヤモンド版では三犬が入手できる)。
ポケモンGOではサービス開始当初から所属チームのシンボルとして三鳥が描かれていた(チーム・ヴァーラーはファイヤー、ミスティックはフリーザー、インスティンクトはサンダー)が、三鳥自体はサービス開始当初ゲーム内には実装されておらず、その姿を見ることはできなかった。
その後、2017年7月下旬にようやくルギアと共に期間限定で解禁、フリーザー→ファイヤー→サンダーの順に1週間交代でジムにレイドボスとして襲来し、その後9月2日まで3匹揃ってレイドボスになった。
捕獲難易度は高いが、タイプ一致技以外は習得せず、ノーマルアタックもそのタイプの技の中でも最も威力の高いもので固定されているため、性能面でも癖が少なく初心者でも扱いやすい(そういった点ではある意味ブイズに似た立ち位置にあるといえる)。
なお、実装当初は鳥の姿をしていながらなぜかひこう技を習得できなかったのだが、その後フリーザーは特別イベントのフリーザーデイの際に「ぼうふう」を、ファイヤーは同じく特別イベントのファイヤーデイの際に「ゴッドバード」をそれぞれ習得した特別な個体が配信されている。
また、2019年には新たにわざが追加され、3匹共通でいわ技の「げんしのちから」、フリーザーは通常技で「こおりのつぶて」、サンダーはゲージ技で「ドリルくちばし」、ファイヤーは通常技で「つばさでうつ」を習得可能になった。特にファイヤーは通常技でもひこう技を覚えられるようになったことで、ひこうポケモンとしても抜群の働きを見せられるようになった。
さらに、同年11月からはGOロケット団のリーダーであるサカキの手持ちポケモンとしても登場。戦闘時にはシャドウ化した三鳥を繰り出してくる。また、2023年には★5シャドウレイドのボスにも選ばれた。
対戦での性能
初代から登場しているだけあってその歴史は深い。
第1世代はフリーザーの独壇場。
タイプ一致でふぶきが撃てるため、使用率は三鳥の中で最も高かった。サンダーも使用率こそフリーザーに劣っていたものの、優秀なステータスは初代から健在で、安定した採用率を誇っていた。が、ファイヤーに関してはほのおタイプが貧弱すぎた事もあり、『真・唯一神』やら『にらみつけるさん』やらネタにされる程使用率が低かった。
第2世代ではふぶき及びこおり状態の弱体化により、フリーザーが一線から退いた。ガラガラの流行により、サンダーが採用率を伸ばし、今世代以降、三鳥最高の勝率を維持し続ける。ファイヤーも少しずつ強化はされているもののまだ対戦で使われるようになるのは少し先である。
第3世代~第7世代はそれぞれ強化こそされているものの、目立った変化は無い。強いて言うならサンダーはボルトロスの登場により、耐久重視の運用がメインとなっており、ファイヤーはリザードン、ファイアローに枠を取られがちな上にステルスロックの増加が逆風。フリーザーはこころのめ+ぜったいれいどのコンボが可能になったが、流石に一線に返り咲く程でもない。
第8世代は三鳥のリージョンフォームが追加。ファイヤーはガラル種に採用率こそ劣るものの、ダイマックスとの相性が良く、ファイアロー弱体化に伴い採用率は伸びている。フリーザーは使用率150位以内と圏外を行ったり来たりしている。サンダーはぼうふう習得によりダイマックスアタッカーが増えた他、どくどくを没収されたとはいえ耐久型も健在であり、何と使用率1位の座に鎮座した。
リージョンフォーム
名称 | ガラルフリーザー | ガラルサンダー | ガラルファイヤー |
---|---|---|---|
分類 | れいこくポケモン | けんきゃくポケモン | じゃあくポケモン |
タイプ | エスパー・ひこう | かくとう・ひこう | あく・ひこう |
特性 | かちき | まけんき | ぎゃくじょう |
高さ | 1.7m | 1.6m | 2.0m |
重さ | 50.9kg | 58.2kg | 66.0kg |
『ポケモン剣盾』のDLC『冠の雪原』にて登場する、三鳥のガラルのすがた。
伝説のポケモンでは初のリージョンフォームである。
ガラル地方の環境に応じて姿を変えた存在・・・と言うリージョンフォームの中では少々事情が異なる存在。
詳細はガラル三鳥参照。
生態/伝承など
詳しい生態や伝承などは各項目で紹介するが、基本的にその世代を代表する伝説のポケモンというのは、世界の構成に関わっていたり、英雄の相棒だったりと神話的な存在である事がほとんどであるが、三鳥はホウオウと直接の関わりがある三聖獣と比べても伝説のスケールが狭く、どちらかといえば民間伝承クラスの存在である(おまけに『伝説の鳥ポケモン』と総称されているだけで、三者に深い繋がりがあるわけでもないし、後続の禁止級のようにストーリーに彼らの伝承が絡んでくる事もない、いわばやり込み要素の一つでしかないのである)。
生息地の傾向としては山や島といった人里離れた場所を好む傾向にある…サンダーに関しては発電所に出現するため、この点を突っ込まれる事が多い(HGSSで有人発電所になった事もあって余計にネタにされている)。一方で徘徊性が強いのか、第4世代ではシンオウ地方中を飛び回ったり、第6世代ではカロス地方中を徘徊した末に海神の穴に渡るようになる。ファイヤーに至っては第二世代ではシロガネ山、第三世代ともしび山に住んだりと一定しない(残りの二鳥は生息地を変えない)。
第7世代におけるウルトラスペースゼロでは山岳地帯に出現する。
なお、タイプ相性はフリーザー→サンダー→ファイヤー→フリーザーと三竦みになっているものの、これはひこうタイプ込みの場合であり、彼らが司る属性だけでは三竦みにはならない。
というか、厳密にはフリーザーとサンダーは互いに弱点を突き合う関係にあるため完全な三竦みでもなく、実際に戦ったときの勝敗も型による。
トリオマスターについて
公式では便宜上、トリオマスターはルギアとされる事があるが、現在に至るまで接点がある作品もあれば、ない作品もあったりと疎ら。というか原作ゲームでは伝承面での接点があまりにもない。
明確な接点があるとされるゲームは外伝作品の『赤・青の救助隊』や『超不思議のダンジョン』ぐらいと言っても過言ではない(後述)。
近年では三犬が生まれたきっかけにルギアが関わっている事が明かされたため、ますます三鳥のルギアの眷属という立場が危うくなっている(原作ゲームでもかつてルギアが住んでいたカネのとう=やけたとうに出現するのが三犬である)。
そもそもルギア自体がアニオリとして用意された存在であり、三鳥は元々縁もゆかりもなくて当たり前の存在なのである。ゆえにルギアがマスターという関係は映画『ルギア爆誕』で生まれたもの=アニオリと考えるのが自然であろう。その後もアニポケでは「Ready Go!」では三犬とホウオウがセットにされていたようにルギアと三鳥がセットで登場している。
一方、本家作品でもルギアとの接点が描かれたり、仄めかされる事もある。
例えば『HGSS』のCMではルギアと一緒に登場したり、『X・Y』で三鳥が出現するマップの名前が「海神の穴」となっていたり(※ルギアは出現しません)、『BDSP』でのルギアの出現条件が三鳥の捕獲となっている(シャイニングパール限定)などの例が挙げられる。
『ポケモンXD』では前作『ポケモンコロシアム』のホウオウ&三犬ポジションとして三鳥とルギアが登場している。
ポケモンセンターオンライン限定グッズのクリアファイルでもルギアとセットで描かれている他、『ポケモンGO』ではフリーザーとルギアが同時に解禁され、ファイヤーとサンダーも後を追うように解禁されており、公式的にはルギアの眷属は三鳥であるという路線を推していきたい模様。
ポケダン
『救助隊』では三匹揃ってボスとして登場し主人公とパートナーに立ち塞がる。
フリーザーは氷雪の霊峰、ファイヤーは炎の山の主人であり、サンダーは沈黙の谷で眠っていたが覚醒し、雷鳴の山に陣取るようになる。
クリア後に仲間にすると伝説の孤島という後述の映画を基にしたと思しき友達エリアが追加され、三体を揃えると彼らからうずしおの石を渡され、ルギアが住む銀の海溝に行けるようになる。
ちなみに、ファイヤーはこのイベントでのみ、丁寧な口調で話す。
『探検隊』で通常プレイで登場するのはファイヤーとサンダーのみだが、コイツらがボスとして登場する固有ダンジョンはない(サンダーは謎のパーツや秘密の石板所持状態でエレキ平原7F、ガラガラチグサ道場最後の間40Fに出現)。フリーザーのみパスワード入力で行ける雪崩山のボスとして出現する。なんだこの扱いの差は…。
『超不思議のダンジョン』では三鳥撃破がルギアの出現条件となっている。
ポケモンレンジャー光の軌跡
オブリビア地方に生息しており、フリーザーはソピアナ島のソルベラス山、サンダーはライウン島のライウン山、ファイヤーはファルデラ島のファルデラ火山を縄張りにしていて、各々はそれぞれの象徴となるもので山頂に巣を構えている(ファイヤーは炎、サンダーは雷雲、フリーザーは氷柱)。しかし、ポケモンナッパーズのせいで眠りを妨げられて主人公にキャプチャする事になる。
キャプチャ後はレンジャーサインが入手できるが、使用できるのはクリア後であり、それぞれの縄張りである山頂でレンジャーサインを描くと再戦できるようになる。
アニメ
アニメ映画『ルギア爆誕』では、『火の神』『雷の神』『氷の神』と謳われる、通常よりも巨大かつ強力な三鳥が登場(CVはファイヤーが愛河里花子、フリーザーが冬馬由美、サンダーが小西克幸となっている)。
オーキド博士は、この特殊な三羽が海に熱、冷気で海流を作り出し、そして電撃を加えることで生命の元となるタンパク質を作り出した、という仮説を語っており、ぶっちゃけ原作よりも伝説のポケモンしているような気もしなくはない。これが本当ならばこいつらの年齢は30億歳以上ということになる。凄い。
彼らを収集しようとするジラルダンのせいで縄張り争いを始めた影響により、季節外れの雪が降るなど自然界のバランスは崩れ、あわや世界の滅亡寸前にまで発展してしまう。それを鎮めるべく、『優れたる操り人』たるサトシは彼らの住む島々にある三属性の宝玉をアーシア島本島に納める大冒険をする事に…。ルギアの助けもあって宝玉はフルーラの吹く笛の音色と共にアーシア島本島の祭壇に奉納され、三鳥は自分たちの住んでいた島へと帰っていった。
新無印編では3匹とも、サトゴウ達と1回はレイドバトルをしたことがある。いずれも簡単には倒されないほど、サトシ達の手持ちを圧倒した。
余談
世界を滅ぼせるほどのやばいポケモン!?
『ポケモン空想科学読本②』(オーバーラップ刊)における柳田理科雄氏の考察によれば、三鳥があのような属性なのは科学的にも理に適っている事らしく、ファイヤーが上昇気流を、フリーザーが下降気流を作り出し、その影響下でサンダーが住む雷雲ができるのだと考察しており、加えて彼らの体温を科学的に分析した場合、ダウンバーストや激しい暴風雨を引き起こして回る恐れがあるとの事。劇場版で世界滅亡寸前の天変地異が起こったのも納得というものである。
三鳥のモチーフ
三鳥のモチーフは公式から明言されていないが、各種族の特徴からサンダーはアメリカ先住民族の神獣サンダーバード、ファイヤーはヨーロッパやエジプトに伝わる火の鳥伝承との共通点が見られる。
一方で、フリーザーが一体何に対応しているのかはファンの間では意見が分かれており、アイヌ神話のフリカムイやペルシャ神話のシームルグなどが挙がっている…が、どれも氷との関連性があんまりないので確証の域にはない(そもそも氷の特性を持った鳥の魔獣の伝承自体があまりない)。
三鳥という概念自体、鳥という神聖そうなモチーフに伝説っぽい属性を当てはめただけなのかもしれないが。
ポケパルレでは
三匹とも胸辺りを撫でると喜ぶが、嘴を撫でると嫌がる。
また、フリーザーは鶏冠を触ると凍る、ファイヤーは鶏冠と翼を触ると燃える、サンダーは尖っている所を触ると感電する。
シンクロマシンでは
やはりというか、飛行モーションが存在するが、実は地面に降りて走る事が可能である。
これは(ガラルサンダー)を除いたガラル三鳥も同様であり、地面に降りると翼を広げたまま爆走する(ただし、ガラルフリーザーはゆっくり歩く時は平時の翼を畳んだ状態になる)。
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