「聞けぃゴースト!この世への未練を、今ここで果たすのだぁ!行け、ゴースト!」
「勝利の提灯行列が、見たかったのにぃ~!」
概要
第41話「はぐれゴースト」に登場する妖怪軍団に連なる妖怪の1体。
真っ赤な提灯そのものというべき胴体を持ち、上部の破れがそのまま裂けた口となって鋭い牙を覗かせる。上の重化に目がある。
加えて名前に「小僧」とついているためか、半ズボンにスニーカーを履いて膝には絆創膏を張る等、申し訳程度に「小僧」要素を演出している。
恨めし気な白い顔の幽霊の意匠の提灯を右手に提げているのも特徴の1つ。
その能力は一言で言えば「ネクロマンサー」であり、この世に未練を残したまま亡くなった人間の霊を甦らせることができる。劇中では計5体のゴースト軍団を甦らせ、この世を地獄と化すために無差別テロや宝石泥棒等の犯罪行為を行わせた。
巨大化時には刀を使用する。
活躍
昔の「提灯小僧」が人間を驚かすだけだったのに対し、現代のチョウチンコゾウである彼はこの世に未練を残したまま亡くなった5体の悪人ゴースト達を甦らせて手駒にし、自分の欲望を満たすために暴虐の限りを尽くす。
甦らせたゴーストの1人を追うカクレンジャーの前に現れて交戦になると、ゴーストと共に口からの火炎放射で攻撃し退ける。
その後、世界征服の前祝いとして提灯行列を作って妖怪大魔王に謁見し、一万人のゴースト軍団を甦らせようとする。しかし、大魔王の指摘によって、甦らせたゴーストの1人である爺様ゴーストは孫の花田進也(演:大畑俊)(姉で、爺様ゴーストのもう一人の孫である亜紀(演:川崎愛)がいる)が心配で甦った善良なゴーストだったため(チョウチンコゾウは大魔王に指摘されて漸く爺様ゴーストに気付いた)、連れ戻そうと追い掛けるも結局はニンジャマンに阻まれ、連れて行かれてしまう。
その後、暴走ゴーストに進也をさらわせ人質に取り、大食いゴーストに「じじいに伝えろ、『戻ってこないと子供の命はない』と」という伝言役をやらせる形で、爺様ゴーストを呼び出そうとし、進也を助け出そうとするニンジャマンを火炎放射で退けるが、それに気を取られて背後で隠れ身しながら近づいたセイカイによって救出されて人質作戦はご破算。
祖父の懐中時計を落としたことに気付いて引き返した進也をドロドロを呼び出して襲わせるが、セイカイの活躍で懐中時計を取り戻されてしまう。カクレンジャーと全面対決になると配下のゴーストを相手にけしかけ、自身は火炎放射でカクレンジャーを圧倒する。だが、そこへ火球と化した爺様ゴーストが捨て身の特攻に出たために形成は逆転。
ゴーストと共に苦しみ出した隙を突かれ、レッドの隠流・雷鳴斬を叩き込まれて敗北し、それと同時にゴースト達も消え去った。
直後に妖怪エネルギーの落雷を浴びて巨大化すると、巨大戦ではニンジャマンを圧倒するが、彼に対して「青二才」と言ったためにサムライマンへの変身を許してしまう。
そしてサムライ激怒ボンバーを叩き込まれたところに隠大将軍がツバサマルと合体したスーパー隠大将軍の鉄拳フライングフィニッシュを止めに食らって爆散し、梵字の形になったまま上記2段目の台詞と共に昇天、妖怪エネルギーも消え去った。
ゴースト軍団
チョウチンコゾウが甦らせた5人の凶悪なゴースト。全員顔色が悪いのが特徴。
幽霊だけに壁をすり抜けたり、何もないところから突然現れたりと神出鬼没。
チョウチンコゾウに操られているかどうかは不明だが、爺様ゴーストの例を見るに、自らの意思でチョウチンコゾウに従っている可能性もある。
また、爺様ゴーストの件が発覚した際にその場で新たに殺人鬼ゴーストを呼び出さず、終始爺様ゴーストと取り替えようとしたのだが、おそらく意気揚々と前祝いを盛大に行っておきながら大魔王に失態を指摘された手前、汚名返上のために爺様ゴーストの始末に躍起になっていたと考えられる(爺様ゴーストを放置して殺人鬼ゴーストを呼び出したところで、失態によって大魔王からの印象が悪いままであり、そもそも殺人鬼ゴースト抜きでもカクレンジャーを圧倒できている)。
召喚できるゴーストに人間制限がある可能性も考えられるが、劇中にてチョウチンコゾウが「いよいよお次は、一万人のゴースト軍団を繰り出してご覧に入れましょう」と妖怪大魔王に述べている辺り、人数制限そのものに問題はない模様。
大食いゴースト
演:岡田正典
背中にナップサックを背負った、スキンヘッドで髭面のタンクトップ姿の大男。常に何かを食べている。壁をすり抜けてレストランを襲い、怯えて逃げた客達のテーブルに残された食べ物を横取りして食い荒らす。
ニンジャレッドとニンジャブルーを片手で持ち上げるほどの怪力を誇り、ニンジャホワイトの投げつけた鶴手裏剣をキャッチして受け止めて食べてしまう(「不味い!」と言って投げ捨てたが)。口から煙を吐く。
演じた岡田氏は特救指令ソルブレインにて、Mr.Xの部下の一人を演じている。
暴走ゴースト
演:高橋輝夫
額に「怨」のプリントが貼られたフルフェイスのヘルメットを被った暴走族のゴースト。「ヒャッホゥ!」と奇声を上げながらバイクで爆走し、人々を跳ね飛ばしたり、正面から車をすり抜け、交通事故を引き起こしている。
カクレンジャーとの戦いでも、何もないところから突然現れて奇襲を仕掛けてきたり、進也を攫う等してきた。
最後まで素顔を見せていない。
強盗ゴースト
演:荒井ゆか
宝石店に現れては宝石を奪い、逃走する。強盗というより、泥棒や万引きの方が近い。
しかし、見た目に反して戦闘能力は高く、口から煙を吐いたり、鋭い爪によるひっかき攻撃が得意。強盗らしくピストルも使う。
演じた荒井氏は五星戦隊ダイレンジャーにて、ネックレス官女を演じている。
破壊ゴースト
演:石垣広文
口にタバコを咥えた、軍人姿の男。
狂ったように笑いながら、機関銃やバズーカを撃ちまくり、人々を襲った。ゴースト軍団の中では一番被害が洒落にならない。
当然、戦闘力も高く、重火器や手榴弾でカクレンジャーを苦しめた。
石垣氏は大戦隊ゴーグルファイブから戦闘員や戦隊ヒーローのスーツアクターを演じており、ニンジャイエローのスーツアクターも担当している(同話にてセイカイが別行動していたり、ニンジャイエローのアクションシーンがあまり描かれなかったのもそのため)。
爺様ゴースト
演:杉義一
進也の祖父。本来なら殺人鬼ゴーストが呼び出されるはずだったが、進也を心配する思いから殺人鬼ゴーストを押し除けて甦った。
幽霊であるため、浮遊するように移動したり、何もないところから突然現れる。
最初はセイカイに対して進也を虐めたと勘違いして襲ったが、チョウチンコゾウに追いかけられたところをカクレンジャーに助けられ、事情を話した。
ニンジャマンの協力で逃げ延びたところをいじめっ子に虐められる進也を見つけ、いじめっ子に襲いかかろうとするが、セイカイに今のまま進也に会っても、弱虫で泣き虫の甘えん坊のままになってしまうと説得される。
暴走ゴーストに進也を攫われ、人質に取られてしまうが、ニンジャマンの奮闘とセイカイの奇襲で進也が無事救出されて安堵する。そして、懐中時計を落とした進也が危険をものともせずに勇気を出して飛び出したことや、セイカイ達と共に戦うと言い出したのを見て、もう自分がいなくても大丈夫だと安心する。
ゴースト軍団に苦しめられるカクレンジャーの前に現れ、セイカイ達に礼を言うと全身を火の玉と化してチョウチンコゾウに特攻して消滅した。
結局、進也に会うことはなかったが、事件解決後に止まったままだった懐中時計が動き出し、セイカイは「おじいさんは『もう過去を振り返るな、未来に向かって進め』と言っている」と解釈した。
余談
妖怪モチーフはそのまま提灯小僧。更に提灯や子供もモチーフに含まれる。
提灯がモチーフの戦隊怪人はチョウチンラー以来である。
彼の持つ提灯は葛飾北斎が描いた『四谷怪談』の「提灯お岩」がモデルであるが、そのデザインは現代的なメカニックなそれとなっている。
声を演じた千葉氏は昨年の『五星戦隊ダイレンジャー』でも、歌舞伎小僧というこれまた「小僧」繋がりの怪人の声を担当。次の戦隊出演は17年後の『海賊戦隊ゴーカイジャー』の行動隊長エルダー役である。
関連タグ
ハチョウチン:『侍戦隊シンケンジャー』に登場する後輩。
墓荒らしサイマ獣ゾンビースト、復活忍者バンパ・イヤーン、サウナギンナン、バングレイ、ネクロマンサーマイナソー:後のシリーズに登場するネクロマンサー繋がりの後輩達。この内、ゾンビーストは人間の霊を専門に扱う繋がり、バンパ・イヤーンは善良なゴーストも出現させた繋がりを持つ。