概要
2017年11月7日より稼働を開始した『電車でGO!!』は、新作やそれ以前の『電車でGO!』シリーズを「旧作」と呼ぶことが一般的である。そのように区別される程度には前作からのインターバルが開いており、ゲームシステムにも新しい要素が盛り込まれている。なおジャンルも旧作の「電車運転シミュレーション」から「電車運転士体験ゲーム」に変わっている。
使用基板も同社の「TAITO Type X」の4世代目である「TAITO Type X4」が使われ、高精細なグラフィック表示を実現するために、本作のみGPUに稼働開始当時のハイエンドクラスに当たる、NVIDIAのGeForce GTX 1080が搭載されている。
※通常のType X4で使われているGPUはGeForce GTX 960なのでGPUのみだけ比較しても、いかほどの性能差があるかは知っている人にはわかるであろう。
なおよく間違われやすいのだが本作のタイトルは『電車でGO!!』と「!」が1つ多いのが正式タイトルなので十分注意されたし。
ゲームシステム
旧作と同じ点
原則として時間通りに運行し、所定の停止位置に停車させることで高得点を稼げるという点において同じである。
旧作と異なる点
- 筐体は3画面とタッチパネル・NESiCAリーダーを有する大型筐体(開発チームは「通常筐体」と呼称)となった。操作レバーは筐体では初のワンハンドルタイプが採用された。※旧作サイズに近いコンパクト筐体も2019年5月に登場した。
- プレイ料金が1プレイ100円から、区間に応じた料金(最低でも1区間・1プレイ200円)に変更となり、全体的に値上げされた。
- オンラインアップデートが可能で、同一筐体で路線を随時追加することが可能となった。
- 総合評価が持ち時間などによるkm数評価などではなくなった。停止位置・時間だけでなく「速度遵守」「安全運転」「熟練技能」の合計5項目の評価スコアとECO運転ボーナスの合計により算出される総合スコアによる評価となっている。
- 路線・運転区間・車両形式・乗車率のシチュエーションごとに「ミッション」が用意されている。それぞれのミッションには「初級」「中級」「上級」「GO級」が用意されており、難易度が高いミッションはそれよりひとつ難度の低いミッションをクリアすることでミッション毎に開放される。
- 警笛対象に警笛を鳴らしたり、タッチパネルで指差喚呼を行うことによって「速度遵守」「安全運転」「熟練技能」の各スコアを稼げる。級が上がるにつれてそれらの操作密度が上がる。
- ECO運転ボーナスやランダム要素があることによって「理論値」という概念が存在しない。ただし一部プレイヤーの間では経験的に得られた運転曲線をトレースし定着、停止位置が所定誤差以内で停車したときに得られる疑似理論値を「置きスコア」と称して用いている。
- ナビゲーションキャラが旧作の「鉄ちゃん」から、関東地区・中央線は「二葉」、近畿地区・名鉄は「六葉」に変更された(「復刻版」では引き続き鉄ちゃんが担当)。
ランダム要素
- 制動力ガチャ:同じミッションで同じ区間・同じ乗車率において、制動力が一定であれば旧作のように残り距離目安の緩めを行えば0cm停車が可能なはずである。しかし、新作ではそうではなく毎回微妙に制動力が異なるということが定説となっている。
- 発車時刻ガチャ:前区間で定着しているにもかかわらずある任意の区間において発車時点の持ち時間がプレイ毎に異なる場合がある。
ECO運転ボーナス
列車の運転の本質は惰行にある。自動車等と比して路面(線路)との摩擦係数が小さく惰行しても速度が落ちにくい。このことが列車が高エネルギー効率の輸送を実現させている面がある。惰行をうまく用いた運転がECOな運転で、惰行をどれだけ効果的に用いることができるかを列車の運転のうまさの評価に用いようという意図でこの項目が設けられているものと思われる。
リアルモード
前中央画面に表示される速度・残距離などの情報を非表示にすることができる機能。
GOマイスターショップ
プレイすると成績に応じてもらえるGMPというポイントで以下のデジタルアイテムを購入できる。
- GOワッペン:通常モード(非リアルモード)で左画面にGMPで購入したスタンプや文字列を表示させることができる。
- GOバッジ:購入して装着することによりミッションの実難易度を変化させることができる(ただし最高加点を獲得できなくなる)。
- ミッション開放チケット:長区間ミッションの開放チケットを購入できる。所有上限は原則10枚まで。
称号
- ステータス称号:各路線ごとに与えられる称号。最上位称号は「マスターオブ〇〇(路線名)」で、特に山手線(原宿~品川)の最上位称号は「MOY」と略される。
- イベント称号:以下のようなものを達成することで獲得できる称号。
- 特定条件のミッションをプレイする(例:山手線の雪ミッションを一度でもプレイする)
- 月間店舗内走行距離順位100位以内にランクイン(順位毎に称号ランクが変化)
- 週間累計スコア全国順位100位以内にランクイン(順位毎に称号ランクが変化)
- その他イベントに参加
復刻版
2019年6月26日より実装されたモード。
AC版初代収録路線を、当時のグラフィックのままプレイができるようになった(使用するのは正面の画面だけで、左右の画面はAC版初代が登場した1997年当時のゲームセンターを模した映像が流れる。またアスペクト比は4:3のままで、残り部分は旧筐体の画面周囲を模したフレームとなる)。またNESiCAによってゲームの記録を残すことができる。ただし現行のプレイ料金に準じたため、当時よりもプレイ料金が高額となる。
2019年9月25日には『2高速編 3000番台』もプレイ可能となったが、北越急行ほくほく線など一部のダイヤや、盛岡駅での連結ボーナスゲームは未収録となったほか、207系は福知山線列車脱線事故の影響もあり新塗装に変更された。
はしろう山手線
2020年9月9日に発表された『電車でGO!!』初の家庭用ゲーム機移植作品。スクウェア・エニックスよりPS4・Nintendo Switchで発売。家庭用ゲーム機の純粋な新作は『特別編 〜復活!昭和の山手線〜』以来10年振り、AC版移植作品は『旅情編』(『がんばれ運転士!!』)以来18年振りとなる。
AC版登場初期からプレイ可能な山手線を中心に、山手線と並走する京浜東北線・上野東京ライン・埼京線・特急成田エクスプレスなどをオリジナル路線・車両として追加収録。またAC版で実装されたミッションを200個以上プレイできる。
PS4版はPlayStation VRに対応。なお据え置き機版で長らく販売されてきた専用コントローラーは、本作では「販売予定は無い」(公式Twitterアカウントによる回答より)としていたが、2021年8月末に、同社ライセンスのもとでサプライヤーメーカーの株式会社瑞起(任天堂ライセンス製品)よりSwitch用として発売された。
2021年2月28日放送の「有吉ぃぃeeeee!」で本作が取り上げられ、交代しながら「耐久走行モード」で山手線東京駅→新宿駅の走破にチャレンジした。
収録路線
最新版
(2022年4月現在)
収録路線 | 収録区間 | プレイ可能車両 |
---|---|---|
京浜東北線 | 品川駅→田端駅 | E233系1000番台 |
中央・総武緩行線 | 市ヶ谷駅→秋葉原駅 | E231系500番台 |
山手線 | E231系500番台・E235系0番台 | |
中央線 | 大曽根駅→名古屋駅 | 313系1100番台 |
名古屋鉄道名古屋本線 | 神宮前駅→栄生駅 | 3500系(2代目) |
大阪環状線 | 森ノ宮駅→大阪駅(内回り) | 201系・323系 |
阪神電鉄阪神本線 | 大物駅→甲子園駅 | 5500系・5700系 |
なお名鉄の車掌・運転士ボイスは濱崎勝明氏が担当。車掌・運転士のCVが明らかになるのは歴代初のこと。
復刻版
電車でGO!
(2022年4月現在)
2高速編 3000番台
(2022年4月現在)
収録路線 | 収録区間 | プレイ可能車両 |
---|---|---|
秋田新幹線・東北新幹線 | 秋田駅→大曲駅→盛岡駅→新花巻駅 | 200系・E3系 |
奥羽本線 | 秋田駅→大曲駅 | 701系 |
田沢湖線 | 田沢湖駅→盛岡駅 | 701系5000番台 |
京浜東北線 | 横浜駅→上野駅 | 209系 |
山手線 | 東京駅→新宿駅(外回り) | 205系 |
東海道本線(JR神戸線) | 大阪駅→神戸駅 | 221系・223系 |
はしろう山手線
(2022年4月現在)
収録路線 | 収録区間 | プレイ可能車両 |
---|---|---|
山手線 | 内回り全線 | 103系・205系・E231系500番台・E235系0番台 |
京浜東北線 | 品川駅→田端駅 | E233系1000番台 |
上野東京ライン | 品川駅→上野駅 | E233系3000番台 |
埼京線 | 池袋駅→大崎駅 | E233系7000番台 |
特急成田エクスプレス | 池袋駅→品川駅 | E259系 |
中央・総武緩行線 | 市ヶ谷駅→秋葉原駅 | E231系500番台 |
その他
連結! 電車でGO!!
モバイル用アプリゲーム『連結! 電車でGO!!』を開発し、『電車でGO!!』と連動する予定であったが、こちらは開発中止となったが、Facebook上のインスタントゲームにてその開発中のものを流用したものと思われる『TAIYAKI-電ねこでGO!!-』を遊ぶことができる。
でんしゃでゴー!!キッズ
2019年3月16日より稼働した、親子向け版ともいえる『電車でGO!!』シリーズ。
子供が気軽に運転士を体験できるゲームとなり、マスコンは「おす」「ひく」の2段階のみ、ほかに警笛やワイパーなどのボタンが並んでいる。
映像は『電車でGO!!』の山手線を使用している。