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1.bus
1-a.大型乗合自動車等を利用した公共交通。
1-b.1-aに使われる自動車の形態。バス車両。
1-c.コンピュータの内部および外部の各回路がデータを交換するために使用する共通の経路。語源は1-a。
1-d.電力系統の母線のこと。読みに関しては"bu"の読み方の違いから「バス」と「ブス」が混在している。
2.bass
2-a.低音楽器またはそのパート。ベース。
3.bath
英語で風呂、浴槽(人が入るものに限らず、薬品槽なども含まれる)を意味する単語。
1-a(バス事業)
大型の乗用自動車を用いた旅客運送事業のこと。公共交通機関の一つ。
道路運送車両法の定めにより、事業用バスと自家用バスに分類される。さらに事業用バスは運用目的に応じて路線バス、貸切バス、特定バスなど細かく分類される。
事業用バスと自家用バス
事業用バス
日本の道路運送車両法では、道路運送事業(自動車で人・貨物を輸送し対価を得る事業)に用いる自動車は事業用登録をしなければならないと定められており、この内旅客自動車運送事業に使われるバスを事業用バスという。一般乗合バス、貸切バス、特定バスの3種がある。事業用登録のバスは緑色のナンバープレートをつける。事業用自動車は自家用自動車に比べ自動車税が著しく軽減される。
バス事業を行う事業者は、国土交通大臣から旅客自動車運送事業の許可を受けなければならない。これは一般乗合、貸切などの種別ごとに受ける。この許可を受けるには、運転士および運行管理士の雇用と各種保険の加入が必須である。
一般乗合バスについては路線バスを参照
貸切バスについては観光バスを参照
特定バスは、正式には特定旅客自動車運送事業といい、シャトルバスや送迎バスなどの運行を受託する専用のバスのことである。但し後述するように「送迎バス=特定バス」ではない。
自家用バス
事業用登録の不要な、もっぱら自己の用に供するためのバスを指す。このバスはナンバープレートが白いため白バスと通称される。白バスを用いて有償で人を輸送する行為は違法であるが、以下の例外がある。
- 道路運送事業者でない者が、自己の提供する他の事業の顧客の便宜をはかるため、自家用のバスを用いてその顧客等を無償で輸送する行為。教育機関、教習所、福祉施設、商業施設などのいわゆる送迎バスが該当する。これら施設の利用料には当然送迎バスの利用料も含まれるが、運賃という形では利用料を徴収しないため、自家用バスを用いても合法である。ただし、この送迎事業をその事業者が自ら行うものに限る。バス会社等に委託されている場合は上記の特定バスに該当する(特定バス事業の許可を申請するのは委託元ではなく委託先バス会社である)。
- 公共の福祉のためにやむを得ない場合に、国土交通大臣の定めるものが自家用のバスを用いて有償で旅客を輸送する行為。一般に自主運行バスといい、過疎地域などで路線バスが廃止され地域住民の交通が著しく不便とされる場合に、自治体等が自家用のバスを用いてバス事業を運営する廃止代替バスの一種である。但し廃止代替バスでも上記同様にバス会社に委託する場合は白バスであってはならない(一般コミュニティバスに該当する)。
自家用バスの運転手は、客を乗せる場合であっても二種免許は必要ない。
なお、空港のランプバス(航空機と空港の搭乗口を結ぶバス)は空港構内のみしか走行しないので、そもそも法律上の自動車として扱われず、道路交通法・道路運送車両法の規制対象ではない。遊園地内の周回バスなども同様で、車検も免許も許可も一切不要である(但し、通常は事業者が自主的に私製免許等を設けている事が多い)。
また、テレビ番組の撮影や取材に使われるロケバスは、人を載せる場合は貸切バス、機材のみを載せる場合は事業用貨物運送自動車として登録する。
1-b(バス車両)
日本においては、道路交通法において「大型乗用自動車」、あるいは「特定中型乗用自動車」に分類される自動車の総称。
大型乗用自動車とは、専ら人を乗せる構造の自動車であって、定員が30名以上のものを指す。
特定中型乗用自動車とは、専ら人を乗せる構造の自動車であって、定員が11~29名のものを指す。
一般に後者をマイクロバスと呼ぶ(和製英語 - 英語ではMinibus)が、マイクロバスには中型乗用自動車も含まれる場合がある。
大型乗用自動車の運転には大型免許、特定中型乗用自動車の運転には中型免許(8t限定免許でないもの)が必要。またこれら車両を旅客運送事業として運転する場合はそれぞれの第二種免許が必要(事業用登録車でも回送など旅客を乗せない時は二種免許は不要)。
バス車両の形態
概ねボンネット型バス、アンダーフロアエンジンバス、リアエンジンバス、コミューターバスがある。
- ボンネットバスは日本では昭和40年代以前に広く使用された形式で、基本的にボンネット型トラックの荷台を客室に変えたものである。頑丈で不整地走行に強いが乗り心地は悪く車格に対して定員が小さい。日本では昭和を象徴する存在である。米国では今も少なからず使われる。エンジン配置は必ずFRまたはフロントエンジン4WDである。
- アンダーフロアエンジンバスはマイクロバスに多い形式で、運転席の真下または直後にエンジンがある。これも基本的にはトラックの車体をバスに変えたものである。低床化ができずエンジンの騒音がうるさいが、低価格である。リアエンジンバスが普及するまでは大型バスもあった。かつては燃料の臭いが車内に入り込むものもあった。輸入車でまれに前輪駆動のものがある。
- リアエンジンバスは、大型バスとして標準的な形態で、車体後部にエンジンを搭載する。車体は箱形になり、低床化が容易でホイールベースも小さくなる。当然RR車となる。
- コミューターバスは、ワゴン型乗用車あるいは商用バンの車体を延長してマイクロバスにしたものである。アンダーフロアエンジンバス同様安価なマイクロバスだが、乗用車ベースのため乗り心地や静粛性に優れる。国産車は全てMRレイアウトだが、輸入車ではFF車も多くある。
コミューターバス以外は原則として非常扉を設置しなければならない。これは日本特有の規制であり、外国車は特注改造で対応するが、窓の大きい車両では窓割りハンマー等を設置することで免除される場合がある。
一般路線バス車両はハイブリッド化がいち早く行われた。これはバスのような大型乗用車は車両価格や重量からハイブリッド化によるコスト・追加重量を吸収しやすいこと、走行頻度や特性からハイブリッド化によるメリットが大きいと考えられたためである。また都市部では天然ガス車も普及している。
シャーシと車体
バスはシャーシと車体が別れており、自動車メーカーが車体も製作する場合と、自動車メーカーはシャーシのみを製造し、車体はコーチビルダーと呼ばれる車体架装専門業者が制作する場合がある。このため、同じ車種にもかかわらずコーチビルダーが異なったために全く外観の異なる車体を持つバスが多数存在している(特に一般路線バスのスケルトン車体で顕著)。最盛期には大手架装業者は6社ほどあった(帝国車体・呉羽自工・川崎ボデー・富士重・西日本車体・北村製作所)。
しかし、1990年代末からバス架装は不採算事業になり始め、業界の統廃合が進む。帝車は日野自動車、呉羽は三菱ふそう、川ボはいすゞ車体工業と早々に合併(IKコーチ)、残った富士重と北村も大赤字を出す前に特殊車体製作へ転業。取り残された西工だけが最後までバスボデーを作り続けたが、結びつきの強かった日産ディーゼルがUDトラックスとなってバス市場から撤退し、そのあおりを受けて廃業した。それ以来、日本製バスは原則自動車メーカーで架装まで行われるようになった。
なおコーチビルダーは完全になくなったわけではなく、主に特殊な車体のバス(遊園地バスやレトロバスなど)の製作などを行うメーカーがいくつか残っている。また、海外にはコーチビルダーが今も多数存在している。
エンジン・トランスミッション
バスは車体が大型で重量もあることからマイクロバスを除きディーゼルエンジンを搭載する。かつては大型車・中型車・小型車で別々のエンジンを積んでいたが、近年は大型車でも中型車と同じエンジンを積んでいることが多い。これは排気量を小さくすることで燃費の改善を考慮しているため。ただし中型車と同じエンジンをそのまま積むとパワー不足で使い物にならないので、過給器を取り付けたりファイナルギアのローギヤード化などで対処している。
トランスミッションはマニュアルトランスミッション(MT)、オートマチックトランスミッション(AT)、セミオートマチックトランスミッション(AMT)の3種類が存在する。一般路線用ではMT、ATが主流で高速・観光バスではMTが主流である。
MTは運転手がクラッチを操作しギアを切り替えるもので、フィンガーシフトと呼ばれる変速指示を電気信号で送る物が主に使われている。現在MTが一般路線用で設定されているのはポンチョ、エアロミディのみ。送迎・自家用も含めるとブルーリボンIIにも残っている。
ATは車速・アクセルの踏み込み量に合わせて自動で変速していくもので、CVTの設定はなくトルクコンバーター式のみ。運転手目線ではクラッチ操作・ギア選択操作が不要になり生まれた余裕を安全確認や乗客へのサービス向上に振り向けられ、整備士目線ではクラッチ板の交換が不要になることからその分のメンテナンスコストが減る。ただし燃費はMTに比べるとあまり良くない。
AMTは別名機械式ATとも言い、クラッチがないが運転手がギアを自由に選択出来るものである。20世紀の終わりごろから21世紀初頭にかけて各メーカーがこぞって採用したが現在は日野自動車のブルーリボン、レインボー、いすゞのエルガ・エルガミオのみで採用されている。ATのイージードライブ・省メンテナンス、MTの燃費性能を両立できる。先述の4車種では従来のMTを廃止している。
特殊バス
2つの車体を持つ連節バスというものもある。通常のバスの後ろに関節でもう一つの車体をつないだものであるが、日本の法律上の解釈は車体が屈曲可能な構造のバスということになるのでけん引自動車ではない(構造的にも、後ろの車体に駆動軸がある場合もあるのでけん引とは限らない)。そのためけん引免許は不要だが、全長が道路運送車両法の車両限界を超過するため路線バスとして運用する場合には特別の許可が必要で、他の路線へは転用できない。このため日本の運用例はごくわずかである。なお、連接バスに限らず全長12m以上のバスは特別の許可なしには運用できない。
トロリーバスとガイドウェイバスは自動車として見た場合はバスの一種であるが、日本の法律では鉄道に分類されるものであるので無軌条電車操縦免許を取得した運転士と鉄道事業法または軌道法に基づく鉄道施設が必要である。後者は一般道路上も走るため、バスの免許も必要である。
また、水上をそのまま航行できる水陸両用バスもあり、主に遊覧バスとして使われる。水上航行する時は船舶の一種として扱われるため、運転士は小型船舶操縦士免許が必要である。
メーカーと車種
※加筆お願いします
日野…ポンチョ、リエッセ、リエッセII、セレガ、メルファ、ブルーリボン、ブルーリボンII、ブルーリボンシティ、レインボー、レインボーII
三菱ふそう…ローザ、エアロバス、エアロスター、エアロミディ、エアロエース、エアロキング、エアロクイーン
いすゞ…キュービック、ジャーニーK、ジャーニーQ、ジャーニーJ、ジャーニー、エルガ、エルガJ、エルガミオ、ガーラ、ガーラミオ、スーパークルーザー、コモマイクロバス、ファーゴマイクロバス
日産…シビリアン、キャラバンマイクロバス、ホーミーマイクロバス
ジェイ・バス…日野、いすゞの一部車種の生産・架装を担当
ボルボ(日本市場撤退済)…B10M、アステローペ、オリンピアン
かつて生産されたメーカー
UDトラックス…ユーロツアー、スペースランナーUA、スペースランナーRA、スペースランナーRM、スペースランナーJP、スペースランナーRP、日産ディーゼルRN系・スペースランナーEN、スペースランナーA、スペースウィング・スペースウィングA、スペースアロー・スペースアローA
クセニッツ…シティII、シティIII
オムニノーバ…マルチライダー
富士重工(車体のみ)…富士重工5E/富士重工6E/富士重工7E/富士重工新7E/富士重工8E
関連タグ
マイクロバス ワンマンバス ノンステップバス ボンネットバス レールバス 二階建てバス 観光バス
都営バス/都バス はとバス 高速バス 水上バス スクールバス