概要
運営会社は株式会社中日新聞社。名古屋市を中心とする東海地方で圧倒的なシェアを誇っており、系列紙である東京新聞を含めた場合は発行部数は毎日新聞や日本経済新聞を上回る日本有数の大手紙である。
その為、本来ならば読売新聞・朝日新聞(又は日本経済新聞)と並ぶ「真の三大紙」のはずである。
近年は電子版にも力を入れており、ネット上の進歩派を中心に読まれているようである。しかし、産経新聞程ではなく、有料記事も多い。なお、ホームページは中日新聞と東京新聞に分かれたままである。
論調
報道姿勢は左寄りで、基本的に政権に批判的な立場を取っていると言われる。年によってはやや右寄りになったり、船橋洋一のような右派を主筆にしたこともある朝日新聞と異なり「真っ当な左派」とされる。日本最大の左派メディア(朝日新聞は「中道」に分類するのが適切)である。ただし中京圏の地方行政問題では行政寄り・トヨタ自動車寄りの報道をすることが多い。しかし、中日新聞は他紙と比べると、労働者寄りなのか、大企業の不祥事についても報道することが多い。
両論併記はほとんどなく、かつ自民党政権でも総理大臣との会食を続ける朝日新聞・毎日新聞と異なり、自民党政権ではほとんど記者が会食を行うことはない(第二次安倍政権下では一回のみ)。「ジャーナリズムの守護者」として評価されている。
前身の新愛知と名古屋新聞(菅直人の師、市川房枝が従業員を務めていた)に関しては、それぞれ立憲政友会・立憲民政党という戦前の保守二大政党(両党とも、現在の自由民主党の源流)を支持する保守派の新聞だったが、中部日本新聞社(後の中日新聞社)の創立に関与した小林橘川が日本社会党の支援を受けて名古屋市長選に立候補(最初は落選、1952年の選挙で初当選。)した為、戦後社会党支持の左派の新聞として出発することになった。当然、現在は立憲政友会と立憲民政党を源流とする自民党には敵対的論調である。
かつては日本社会党、民主党・民進党を支持する立場であり、現在は主に立憲民主党を支持している。アメリカでは民主党寄りの報道姿勢である。岡田克也の弟、高田昌也が勤務しており、近藤昭一も元中日新聞社員だった。
読売新聞が自民党、日本経済新聞が財界の意見を代弁する報道機関であるとすれば、中日新聞は立憲民主党及び労働界の意見を代弁するメディアとされる。
平和憲法に関しては護憲を主張している。また、死刑制度に1997年頃から反対している(朝日新聞は2016年、日弁連の死刑廃止宣言)。
朝日新聞は韓国に対する認識が近年は厳しくなってきている一方で、親韓を堅持している。
東日本大震災以降は原子力発電の報道に力を入れており、福島県に支局を置いている。
近畿地方において
近畿地方においては、三重県(東海地方に含む)、滋賀県(中部圏整備法の対象)、和歌山県の一部でのみ販売している。
しかし、なぜ本格的に近畿圏での販売を行わなかったのだろうか。近畿圏さえカバーできれば名実ともに「準全国紙」となっていたはず。びわ湖放送以外の近畿広域圏内の独立局にも出資できた。なお、土井ブームもしくは民主旋風の時が最も進出するチャンスだったのかもしれない。しかし、土井たか子自身は阪神ファンである。
なお、大阪日日新聞は鳥取県の新日本海新聞社が発行しており、2000年に買収された。なぜ中日新聞が大阪日日新聞を買収しなかったのは謎であるが、大阪日日新聞が大阪においてもメジャーとは言えなかったこと、一時は一般紙でありながらゴシップ等、タブロイド紙に近い内容の記事を多く掲載していたことが理由かもしれない。もしくは、大阪に進出したとしても赤字になる恐れがあった可能性もある。また、近年は元NHKの相沢冬樹が大阪日日新聞に移籍することになった。彼は第二次安倍政権と戦い続けたジャーナリストであり、中日新聞社内の望月衣塑子に似ている。実際に傘下のMXTVの『モーニングクロス』にて彼女と共演したことある。
もし、日本社会党に政権交代能力があり、冷戦中に政権交代を実現していたら、間違いなく中日新聞は全国紙になっていたはず。読売の『中央公論』、朝日の『論座』、産経の『正論』のような論壇誌も持っていた。産経は、財界が支援したから全国紙になれたので、中日も労働界が支援していれば全国紙になれた。しかし、労働界が一企業を支援するのはなんとも云えないかも…
傘下の放送局
放送局と以下のつながりを持つ。JNNやFNNとの一部と関係を持っており、独立局との結びつきも強い。もし仮に独立局主体でTXNに次ぐ第6のテレビ系列が発足したら、MXと概ね関係の良好なCBCも加わるのだろうか。
- 中日新聞(本紙):中部日本放送、東海テレビ・東海ラジオ、ZIP-FM、FM愛知、テレビ愛知(日本経済新聞社と共同出資)、三重テレビ、FM三重、FM岐阜、テレビ静岡、K-mix、びわ湖放送、FM滋賀、長野放送(フジサンケイと共同出資)
- 北陸中日新聞:石川テレビ、FM石川、富山テレビ
- 日刊県民福井:福井テレビ
- 東京新聞:TOKYOMX、千葉テレビ、テレビ埼玉、tvk、群馬テレビ、とちぎテレビ
さらにはFM北海道(AIR-G')の株式を17.0%、静岡朝日テレビの株式を11.5%持っている。
特徴的な発行紙
北陸中日新聞・日刊県民福井
1952年3月に創刊。元々は富山県の地方紙・北日本新聞の石川県版である北陸新聞だった。石川県の新聞である北國新聞が、戦後に富山新聞を復刊させたため、北日本新聞社が対抗して北陸新聞を発刊させた。
だが石川県は北國新聞があまりにも強かったことから、北日本新聞はわずか1年で北陸新聞の経営を手放し、金沢資本の百貨店である大和が経営を引き継いだ。
その後1960年に中日新聞が北陸新聞社を買収し、現在の「北陸中日新聞」と名を改めている。
北陸中日新聞は石川県を中心に富山県と福井県に販売エリアを拡大したが、1992年に中日新聞が福井県の地元紙「日刊福井」(1977年7月に創刊)を買収し、1994年に福井支社発行の「日刊県民福井」として再発刊したため、販売エリアは石川県と富山県となった。
中日スポーツ
中日新聞によるスポーツ新聞。1950年にタブロイド週刊紙「中日ウィークリー」として創刊、1954年2月に日刊紙に昇格したうえで現在の名称に改めている。なお題字は、日刊紙昇格・改名の頃から、一度の変更もなく使用している。
1面ほぼ毎日ドラゴンズの記事が中心となっている。ドラゴンズが勝っても、負けても、引き分けても、シーズンオフでも、他のジャンルで話題が出てこない限りドラゴンズ一面にこだわる。
東京中日スポーツと同じく、モータースポーツの記事を掲載している。
家庭でも安心して読めるスポーツ新聞を基本理念にしており、風俗店などの広告は載せるが、駅売り版・宅配版のいずれもアダルト面は設けていない。
海外提携紙
- ソウル新聞 - 韓国の全国紙。
- ロサンゼルス・タイムズ - アメリカの大手紙でカリフォルニア州の地元紙。中道左派。読売新聞とも提携している。
- リベラシオン - フランスの全国紙。左派(歴史的)、中道左派(現在)。
中日クラウンズ
1960年に中部日本招待全日本アマ・プロゴルフ選手権としてスタートした、日本のゴルフ大会。1966年に名古屋ゴルフ倶楽部・和合コースに開催場所を固定したのを機に現在の名称に改めている。1926年に第1回が開催された日本プロゴルフ選手権(日清食品杯)、1927年に第1回が開催された日本オープンゴルフに次いで歴史がある。
ほとんどがトヨタ自動車の自動車車種のひとつであるクラウンの販売促進に使われている。
優勝賞品は、基本的にはクラウンが送られるが、他の車種が贈られる例外もある(東日本大震災の時は賞金追加に変更)。
テレビ中継はTBS系列局で放送されるのだが、実は2011年から2016年までは、最終日が15:30-17:30の放送であったため、「日5」の放送時間が30分繰り下がった。なお、日5廃枠後は15:00-17:00に放送時間が変更されている。
テレビ欄について
購読地域が広いためテレビ欄は地域ごとに異なる。ここではNHK以外の民放について扱う。
愛知県版
フルサイズ
左から順にCBCテレビ、東海テレビ、テレビ愛知、名古屋テレビ、中京テレビ
ハーフサイズ
なお岐阜放送が視聴可能な地域は愛知県内ではごく少なく、三重テレビも東三河北部地域などでは受信できないためハーフサイズでの掲載となっている。
岐阜県版
フルサイズ
左から順にCBCテレビ、東海テレビ、名古屋テレビ、中京テレビ、テレビ愛知
テレビ愛知はあくまでも愛知県域局のため、岐阜県内では受信できない地域が圧倒的に多いために最も右端に配置される。
ハーフサイズ
岐阜放送はライバルの岐阜新聞系列だが、岐阜県版ではハーフサイズながら左に掲載される。
三重県版
三重県版は伊賀版と紀州版、三重版の3種類に分かれる。
三重版フルサイズ
CBCテレビ、東海テレビ、三重テレビ、名古屋テレビ、中京テレビ
中日新聞資本の入った局を左端に固め、テレビ愛知はハーフサイズで掲載。
三重版ハーフサイズ
伊賀版フルサイズ
MBSテレビ、ABCテレビ、関西テレビ、読売テレビ、CBCテレビ、東海テレビ
伊賀版ハーフサイズ
三重テレビ、名古屋テレビ、中京テレビ
伊賀地域では関西広域局が広範囲で視聴可能なために三重テレビと非中日系の名古屋テレビと中京テレビをハーフサイズで掲載。テレビ愛知とテレビ大阪は受信不可能なため非掲載。
紀州版フルサイズ
CBCテレビ、東海テレビ、名古屋テレビ、中京テレビ、MBSテレビ、関西テレビ
紀州版ハーフサイズ
三重テレビ、テレビ和歌山、ABCテレビ、読売テレビ
静岡県版
西部地方版と東部地方版の2種類がある。
西部・東部共通フルサイズ
西部版ハーフサイズ
CBCテレビ、東海テレビ、テレビ愛知、名古屋テレビ、中京テレビ
東部版ハーフサイズ
日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京
主な連載漫画
- ほえろブンブン(1981年、日曜版に掲載)
- 焼けあとの元気くん(1983年6月~2008年12月、日曜版に掲載)
関連タグ
KADOKAWA SONY - 東京の企業の中では中日グループと仲良い。
MSNBC - アメリカにおけるそれに近い立場のメディア。