概要
レベル | 成長期 |
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タイプ | 天使型 |
属性 | ワクチン |
必殺技 | グランドクロス |
モードチェンジが進化を兼ねている特殊なデジモン(※詳細は「余談」にて後述)で、便宜上当項目ではフォールダウンモード(傲慢を司る七大魔王の一体)、サタンモードも扱う。
名前はイタリア語で「光」を意味する「luce」から。
ルーチェモン
生まれながらにして12枚の翼と4つのホーリーリングを持つ天使型デジモンで、かつて混沌としていたデジタルワールドに平和と秩序をもたらしたとされる偉大なる存在。ちなみに、ホーリーリングは2つ持っているだけでも、とてつもない力を持つ聖なるデジモンとして認識される代物である。
少年のような姿だがその力と叡知はすさまじく、完全体(成体に進化して強大なパワーを得たデジモン)を凌ぎ、究極体にすら匹敵するほどだとも言われている。
混沌のデジタルワールドに泰平をもたらした存在でありながら、後に自らが起こした反乱の影響でデジタルワールドは永き暗黒の時代を迎えることに。
伝説の十闘士の活躍によってルーチェモンは敗北、その能力はセラフィモン・ケルビモン・オファニモンの三大天使が分割して受け継ぎ、力を失った彼はデジタルワールドの最下層部に封印されたと伝えられる。
十闘士は現在の究極体と比べても強力とされるデジモンたちだが、ルーチェモンは単体でその十闘士を8体(2体を除く)撃破している。設定だけ見ると「完全体を凌ぐ」という表現では済まない強さである。
光を意味する名を持つ自分がデジタルワールドに齎したのは秩序であると同時に暗黒の時代であり、それを終わらせたのは混沌の時代に生きていた火の闘士と光の闘士であったのはなんとも皮肉である。
ちなみに媒体での初登場はカードゲーム(ブースター13~覇空の鎧鎗騎~収録)だが、こちらのパックは2001年12月発売。ちょうど『デジモンテイマーズ』が放送されていたころに発売されたパックで、同パックに収録された同期にはデュークモン(グラニ搭乗形態)・ジャスティモン・ベルゼブモン(通常パックでは初収録。ベルゼブモン自体は同年7月発売のディーアークVersion 2.0および9月発売の「拡張ボード2」で初登場)といった『テイマーズ』終盤を盛り上げた主役級のデジモンたちやグラップレオモン(同作に登場していたレオモンの完全体)などがいる。
同パックのルーチェモンのカード(Bo-610)は成長期にしては異様に高い攻撃力(必殺技「グランドクロス」が520)を有してはいたが、結局『テイマーズ』には「真なる敵」としてデ・リーパーが登場。ルーチェモンは登場せず進化形態も不明のままだった…が、次作『デジモンフロンティア』開始直後から同作の黒幕であることが判明。後述のようにカードゲームでの初登場から1年の時を経て、進化形態が判明した。
余談だが、十闘士は後の世代のデジモンの祖先になった存在であり、光属性や闇属性の闘士が存在する一方で、天使型や悪魔型デジモンの祖先になった個体は皆無となっている。
三大天使に力が受け継がれたという設定を鑑みるに、ルーチェモンが天使型デジモン(あるいは、彼らから堕天して誕生する悪魔系)のエンシェント(古代種)だと考えればある程度辻褄が合うだろう。
公式設定
デジモンウェブ「デジモン図鑑」
遥か昔、古代デジタルワールドに降臨したといわれている、子供の姿をした天使デジモン。まだデジタルワールドが混沌としていた時代に現れ、この世界に秩序と平和をもたらしたと言われている。しかし、その後ルーチェモンの"反乱"により、永き暗黒の時代を迎えた。
子供の姿をしているとはいえ完全体デジモンをも凌駕するほどの力と英知を持っている。現在ではルーチェモンの能力は三大天使に分割して受け継がれていると言われている。
必殺技は10個の超熱光球を、惑星直列の様に十字の形で放つ『グランドクロス』。この技はセラフィモンの「セブンヘブンズ」を凌駕する威力を持つ。
フォールダウンモード
レベル | 完全体 |
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タイプ | 魔王型 |
属性 | ウィルス |
必殺技 | パラダイスロスト、デッド・オア・アライブ |
聖と魔を併せ持つ究極の魔王型デジモンで、七大魔王に属し、七つの大罪のうち「傲慢」を司る。「七大魔王」の他のデジモンたち(いずれも究極体)とは異なり完全体ではあるが、彼らを差し置いて七大魔王最強の存在として君臨している。
ルーチェモンが成長した高貴な青年といった出で立ちで、成長期時代の面影は残しつつも、左半身の翼6枚は悪魔のように変わっている。右半身の翼6枚は形こそ天使の翼のままではあるが、首元の1枚は(左半身の悪魔の翼と同じように)黒く染まっている。
成長期が登場してから約1年後の2002年12月に発売された「ディースキャナ3.0」にて初登場。カードゲームでは2003年2月発売の「ブースター19~黙示録の暗黒魔竜(DARK WING APOCALYPSE)~」にてサタンモードと共に初登場を果たし(カード番号はそれぞれBo-968・Bo-969)、同時期に放送されていた『デジモンフロンティア』でラスボスとして暗躍した。
ちなみにデジモンストーリーシリーズには長らくこの姿のみが登場しており、第2作ではエンジェモンとデビモンのジョグレス体という扱いであった。第4作でようやく成長期が参戦するも、その頃には進化が廃止されてしまっていた。
なお、必殺技の『デッド・オア・アライブ』はフロンティアでは◯、×、△、□の4つの記号が描かれた光球を投げつけるという技になっている(おそらくプレイステーションのボタン配置が元ネタ)。
公式設定
デジモンウェブ「デジモン図鑑」
聖と魔を併せ持つ究極の魔王型デジモンで“七大魔王デジモン”最強の存在。超古代に反逆戦争を起こし、多くの魔王型デジモンと共にダークエリアに封印されていた。
その力は他の究極体をも超え、“神”と呼ばれる存在に匹敵すると言われている。全てのものを慈しむ神のような一面も持ちながら、この世界全体を破壊せんとする悪魔の様な相反する存在である。そのためこの世界を一度破壊し、新たなる新世界を創造することを目論んでいた。
必殺技は打撃の乱舞で敵を空高く舞い上げたあとに、敵の四肢を固定して地面に叩きつける破壊技『パラダイスロスト』と、聖と魔の光球で立体魔方陣を作り出し敵を封じ込める『デッド・オア・アライブ』。この魔方陣に閉じ込められると完全に消滅するか、大ダメージを負うか1/2で決まってしまう。
サタンモード
レベル | 究極体 |
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タイプ | 魔神型 |
属性 | ウィルス |
必殺技 | パーガトリアルフレイム、ディバインアトーンメント |
最終形態。
ルーチェモンの究極体に相当し、球体を抱えた邪悪なドラゴンのような姿をしている。
公式設定
デジモンウェブ「デジモン図鑑」
黙示録に登場する竜の姿をした、ルーチェモンの最終形態。黙示録に伝わるように頭上には7つの大罪の冠を抱き、あらゆる攻撃を吸収する暗黒の球体「ゲヘナ(地獄)」を持つ。全ての攻撃は「ゲヘナ」の前に無効化し、ルーチェモンがこの姿を現した時に世界は滅びると言われている。
しかし、ルーチェモンの本体(ルーチェモン・ラルバ)は「ゲヘナ」の中に存在しており、サタンモードはルーチェモンの影に過ぎない。その為、サタンモードを幾ら攻撃しようとも、その攻撃は本体であるルーチェモン・ラルバには届かない。
必殺技は全てを浄化する破壊の炎『パーガトリアルフレイム』と、七つの冠から放つ消滅の光『ディバインアトーンメント』。
ルーチェモン ラルバ
レベル | 究極体 |
---|---|
タイプ | 魔神型 |
属性 | ウィルス |
必殺技 | - |
公式設定
デジモンウェブ「デジモン図鑑」
サタンモードを影で操るルーチェモンの本体。
サタンモードの抱える暗黒の球体“地獄(ゲヘナ)”に身を潜めており、その存在はルーチェモンの邪悪な意思そのものであるといわれている。
ルーチェモンX抗体
レベル | 究極体 |
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タイプ | 魔王型 |
属性 | ウィルス |
必殺技 | パラダイスロスト、パーガトリアルフレイム、セブンス・ディバイン・クルス |
公式設定
デジモンウェブ「デジモン図鑑」
魔王型でありながらも、六対となった黄金の翼が輝きを放つ様はまるで天使型のような神々しさだ。
見た目だけではなく、その力と頭脳はかつてのルーチェモンを遙かに上回り、神をも凌駕する完璧なる存在へと昇華した。ありとあらゆるものを意のままにする究極の知恵と力を手に入れたルーチェモンは、破壊と創造の化身としてデジタルワールドに君臨したのだ。
必殺技は、10個の超熱光球を惑星直列の様に十字の形にし消滅の光を放つ『セブンス・ディバイン・クルス』。この技を受け死んだデジモンは、デジコアを傲慢の冠に吸われルーチェモンの血肉に変換されるという。
活躍
デジモンフロンティア
CV:西原久美子 → CV:中尾隆聖(フォールダウンモード)
物語のラスボスとして登場。一人称は成長期時は「僕」、フォールダウンモード進化後は「俺」→「私」、ラルバは「我」。
かつて十闘士によりデジタルワールドの深層に封印されていた諸悪の根源。
封印後、その力はセラフィモン・オファニモン・ケルビモンの三大天使にそれぞれ受け継がれ、十闘士たちのスピリットも彼ら三大天使が管理していたが、ケルビモンをコンプレックスに付け入って邪悪化させ、さらに配下にロイヤルナイツであるデュナスモンとロードナイトモンを引き入れて、彼らに完全復活のためのデジコードを集めさせていた。
拓也達がケルビモンを倒したことでその楔が解かれて出現し、ロイヤルナイツの2人をけしかけて十闘士の抹殺を図る。
最初は天使型の姿で登場したが、愛らしい姿ながら無邪気に破壊を楽しむなど、既にえげつない性格の片鱗が現れていた。デジモンの転生に関わる始まりの町の破壊にも躊躇を見せておらず、ロイヤルナイツのセリフからコピーやクローンのほうが支配しやすいと考えていることが窺える。
デジコードの回収が達成されると、今度は拓也達に倒されたデュナスモンとロードナイトモンのデータを吸収して『フォールダウンモード』へと進化し、カイゼルグレイモンとマグナガルルモンを圧倒。さらに輝一(レーベモン)が魂だけの存在であること見抜き、彼をデジタルワールドから消してしまう。
しかしその所業に怒りを爆発させた拓也と、輝一から闇のスピリットを継いだ輝二の2人の力が共鳴してスサノオモンになり、戦況を五分にまで立て直され、さらに最大の必殺技である「デッド・オア・アライブ」も、デジコードを分離して2人に戻るという奇策で破られてしまう。
そして最終的に「天羽々斬」で倒され、フォールダウンモードを構成していたデータのうちの半分(聖なるデータ)をスキャンされる。
ところが今度は残った邪悪なデータが『サタンモード』に変化し、なんとリアルワールドを破壊しようと侵攻を開始する。この際にスサノオモンを圧倒するも、リアルワールドを守ろうとする子供たち全員がその意思を融和させてスサノオモンへと進化し、リアルワールドまであと一歩のところでデジタルワールドへと引き戻されてしまう。そして死闘の末に「八雷神」で捕縛され、「天羽々斬」で本体のラルバを砕かれ、最後はスサノオモンから分離した伝説の十闘士一体一体に斬られて遂に消滅した。
デジモンシリーズでも屈指の強さとしぶとさを兼ね備えたラスボスであり、三形態それぞれに違った性格を持つ、味のあるキャラとなった。
デジモンセイバーズ_アナザーミッション
CV:関俊彦
七大魔王の中でも強力な「超魔王」の名を持つ魔王で、同作のラスボス。ダークエリアの研究者・神楽司の手により復活する。
デジモンワールド リ:デジタイズ
『デコード』から追加されたシナリオ、「策謀の魔王編」で登場。バルバモンの現実世界侵攻への切り札として利用され、デジタワー70Fの牢屋に幽閉。絶えず拷問を受け続けていた。
やがてその怒りと憎しみはバルバモンのみならず自分以外の全てへ向けられる事となり、一度消滅してからフォールダウンモードに進化し、最終決戦では今までリナに集められた魔王の力をバルバモンから与えられた事でサタンモードに進化した。
主人公に敗れた後は成長期の姿に戻り、自分を解放してくれた主人公へ礼を言いながら、天界へと戻っていった。
立ち位置こそラスボスだが、そこに至るまでの経緯を見れば一番の被害者でもあると言える。
デジモンクロスウォーズ
CV:松野太紀
バグラ軍所属。一人称は「僕」。
ヘブンゾーンに潜入し、スラッシュエンジェモンの対抗馬として「愛と平和」を掲げ大統領選に出馬。
見事当選し、大統領にしか解除できない封印を解除。ヘブンゾーンを混乱へと陥れた。
フロンティアのように表向きは善人キャラであったが、上記の前科があるため視聴者は疑っている者が多数だった(もしくはクロスウォーズならではの善人キャラを期待していた人も)。
サタンモードとなり暴走、天野ネネやヘブンゾーン中の闇のエネルギーを吸収し続けるものの、シャウトモンX5には終始圧倒され続けており、最期はメテオインパクトで撃破され、消滅。
ちなみに、今作では同じ七大魔王であったリリスモンの部下という設定だったり、ラルバの設定がオミットされていたり、対決していたシャウトモンX5がのちに完全体に設定された事を思うと結構ツッコミどころ満載な役回りである。
デジモンリアライズ
この世界でも古代デジタルワールドに降臨し、秩序を齎した後に自らが望む世界を創る為の大破壊を行った事から十闘士に封印された点は同じである。
しかし、詳細が一部異なっており、七大魔王や堕天使型デジモンが志に共感して軍勢に加わったとされる。
その後、「ルーチェモン:サタンモード」撃退戦シナリオにて登場。スパイラルによってダークエリアから復活し、ロイヤルナイツと対決する。戦闘力はフォールダウンモード時点でエグザモンを苦戦させるほどであり、当初は余裕を保っていたが、ロイヤルナイツとテイマーたちの共同戦線で傷を付けられるとプライドを傷付いたのかスパイラルを吸収し、サタンモードとしての姿を表し、ロイヤルナイツ数人がかりの攻撃をゲヘナで吸収していく。マスティモンの力を借りて残りのロイヤルナイツが集結しても戦力差は埋められず、ロイヤルナイツは劣勢に追い込まれていく。
そこでロイヤルナイツはドゥフトモンが分析し、組み上げた再生阻害ウィルスをエグザモンのアヴァロンズゲートで打ち込み、動きを止める賭けに出た。賭けは成功し、動きが止まったところにアルファモン王龍剣の一撃を浴び、ゲヘナに吸い込まれるようにして消滅した。ただし、完全に滅びたわけではないらしい。
ちなみに『フロンティア』では部下だったロードナイトモンからはそのあり方を「美しくない」と評されている。加えてデュナスモンも今回は純粋にロイヤルナイツの一員として活躍する為、敵対する事はない。
余談
デジモンフロンティア放送時には「ルーチェモン フォールダウンモード」が長すぎるため、スタッフクレジットで「ルーチェモンF」と書かれていた。
後に『さよなら絶望放送』で、『フロンティア』で源輝二を演じていた神谷浩史氏が、木村輝一を演じていた鈴村健一氏に「Fて何の略だ?」と質問したところ、「フル○ン」と回答が返ってきたというエピソードを暴露するという珍事があった。
なお概要で述べたように、ルーチェモンはモードチェンジにより進化レベルが(成長期→完全体などのように)変動するという、デジモンの中でも珍しい種である。モードチェンジするデジモンとしては他に以下のような種がいるが、これらのデジモンはいずれもモードチェンジ前後で進化レベルは究極体のまま変化しない。
- インペリアルドラモン(通常形態〈ドラゴンモード〉→ファイターモード)、シャイングレイモン(通常形態⇔バーストモード)
- ロイヤルナイツ所属のデジモン…デュークモン(通常形態+グラニ→クリムゾンモード)、ドゥフトモン(通常形態⇔レオパルドモード)
- ルーチェモンと同じ七大魔王所属のデジモン…ベルゼブモン(通常形態→ブラストモード)、ベルフェモン(スリープモード⇔レイジモード)
関連イラスト
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デジモンフロンティア デジモンクロスウォーズ リ:デジタイズ
- マスティモン…そっくりさん。ルーチェモン:フォールダウンモードと同じく右半身に天使・左半身に堕天使(悪魔)の翼を持つが、あちらはエンジェウーモン(大天使型)とレディーデビモン(堕天使型)のジョグレス進化により誕生したデジモンである。
- プライド(セリム・ブラッドレイ)…荒川弘原作の漫画『鋼の錬金術師』の登場人物(「ホムンクルス」の一体)。ルーチェモンと同じく、七つの大罪のうち「傲慢」の象徴。また「一味で最強の存在」「表向きには善良な少年に見えるが、本性は邪悪そのもの」「メンバーのうち、『憤怒』と何かしらの関連がある(ルーチェモンは先述の『サタン』繋がりでデーモンと関係があり、プライドは『憤怒のラース』が表向き自身の義父を装っている)」といった点もルーチェモンと共通している。なお、アニメ版『FULLMETAL ALCHEMIST』(2009年版)でプライド(セリム)を演じた三瓶由布子女史は『デジモンアドベンチャー:』(2020年版)で主人公・八神太一を演じている。ちなみに、パラレルワールドとなっているアニメ第1期(2003年版)では、セリムが普通の子供として登場しているため、原作のラースがプライド本人となっている。
- マスターロゴス(イザク)/仮面ライダーソロモン…世界を滅亡しようとするキャラクター繋がり。今の世界が退屈で戦争を起こそうとした・圧倒的な力などの点では共通。主人公が変身した最強形態に敗北し続けた末最終的に敗北することも共通しているが、その最期が異なり、こちらは真の黒幕の手で消されるという自業自得な最期だった。