TobyFox
とびーふぉっくす
1991年10月11日生まれで、アメリカのマサチューセッツ州ボストン在住の作曲家・ゲームクリエイター。別名義でRadiationで活動する事もある。
『Undertale』の制作者であり、同作のプログラミング、脚本、音楽、グラフィックの一部を全て彼自身が担当している。後に本作が200万本を売り上げた功績が評価され、米フォーブス誌の『30歳未満の30人』に選ばれた。
ちなみに、大乱闘スマッシュブラザーズシリーズのディレクターである桜井政博とは面識があり、桜井によると以前スマブラで遊んだことがあるという。その実力は桜井政博をもってして「このようなゲスト系の中では1番強かった。戦績は五分五分、むしろ負けていたかもしれない」と言わしめている。
『桜井政博のゲーム作るには』の英語翻訳を担当している8-4(UndertaleやDeltaruneの日本語ローカライズを担当した会社)と桜井氏をつなげたのはToby氏が桜井氏に8-4の連絡先を教えたのが始まりである。
犬好きで有名。メディアの出演時に付けていた仮面や『Undertale』のゲーム内で自身の分身としてAnnoying Dog(公式日本語版:うざいイヌ)が出てきたりもする。
ただし、MOTHERシリーズのファングループのイベントや『Undertale』のとあるキャラクターのテレビの中では素顔も見る事が出来る。
因みに、1番好きなポケモンとしてワンパチを挙げている。公式メルマガではパピモッチ好きも公言。
また、deltarune開発進捗では「リアルでの喋り方は劇中に登場するあのウザい男の喋り方そっくり」とも語っている。
学生時代から手と手首に慢性痛という爆弾を抱えており、一時期は治まっていたものの、『Deltarune』の開発中にパソコンもまともに触れなくなるほど悪化してしまい、しかもコロナ禍によってリハビリや手術などの根本的な治療が思うようにできないという状態にある。
『Undertale』を手がけるまで殆どゲーム開発の経験が無く、子供の頃に『RPGツクール2000』を兄弟とプレイしてRPGを作ったり、高校時代に『MOTHER2 ギーグの逆襲』のROMハック(改造ゲーム)である『EarthBound Halloween Hack』を作ったりしていた程度だった。
因みに、この作品は海外の『MOTHER2』のファンサイト『Starmen.Net』の『Halloween Funfest』で公開された。
『Homestuck』のサウンドチームの一員でもあり、フラッシュアニメに使用される曲を数多く手がけている。関わりとしては、高校3年生のときに音楽を提供し始めていたが、Andrew Hussieが2009年4月に音楽チームを立ち上げて参加ミュージシャンを募集した当初は、チームに加わるつもりはなかった。
しかし、当時フォックスが『MS Paint Adventures』のフォーラムでWebコミックで投稿していた音楽のピアノカバー版をHussieが目をつけた事で、参加するきっかけとなった。
2018年8月6日に糸奇はなとの共作『74』がYouTubeに公開。フォックスは作曲と英語の歌詞を担当しており、ゲストボーカルとして参加している。
曲は糸奇はなのアルバム『PRAY』に含まれている。
影響を受けたゲーム
フォックスは多くの日本のゲームをプレイし、影響を受けた。中でも特にゲームクリエイター、トビー・フォックスを形成したゲームを紹介する。
(☆印は氏の代表作、『UNDERTALE』が特に影響を受けているゲーム。)
任天堂から発売されたRPGで、全3作(ファミリーコンピュータ・スーパーファミコン・ゲームボーイアドバンス)。主に現代の世界で起きた不思議な出来事を機に、超能力「PSI」が使える主人公の少年と仲間達が冒険で世界を救う物語となっている。
最も大きな影響を与えたゲームであり、トビーは「触れあってきた時間があまりに長すぎて、出会って以降、自分がどう変わったのか、よくわからない。出会う前の自分がどんなだったか覚えていない」、「僕の血となり肉となっているわけですね。もしその部分を奪い取られたら、死んじゃうかもしれないです(笑)」と語っている。
特に好きなナンバリングは『MOTHER3』だが、実は同作はアメリカ未発売。なので糸井重里にこのことについて語った際、驚かれたという。
アトラスから発売されたスーパーファミコン向けRPGで、『女神転生』の続編。不吉な夢を見た後にPC内の召喚プログラムによる悪魔の出現を機に、ヒーローの主人公が非日常へと変わっていく世界で仲間と出会い、彼らと共に東京で悪魔との戦いに身を投じる物語となっている。
スクウェア(現:スクウェア・エニックス))発売されたスーパーファミコン向けRPG。7つの異なる時代と場所で構成されたオムニバス形式のシナリオで、それぞれの主人公達が活躍する物語となっている。
本作屈指の人気曲である特定ルートボス曲『MEGALOVANIA』は、同作のボス曲『MEGALOMANIA』から影響を受けて作られた事が語られている(語源は『"MEGALO"MANIA』+ルーマニアの地名『TRANSYL"VANIA"(トランシルヴァニア)』)。ただし、曲調は似ているものの、当然ながら両曲のメロディーは全く違っている。
『MEGALOVANIA』については、外部リンクの下村氏とのインタビューで語っている。
ZUNによって製作され続けているPCの弾幕アクションゲーム。結界で現実世界と隔離された土地「幻想郷」で、特定の少女が起こした「異変」と呼ばれる事件を博麗霊夢や霧雨魔理沙などが解決するのが主な物語となっている。
もともとは親戚がプレイしていたものをさせてもらった結果、はまったらしい(初プレイ作品は「東方妖々夢」)。
その後、同人ゲー界隈の大御所ともいうべきZUN氏との会談を行っている。
本人曰く、好きな東方のキャラは八雲紫で、好きな曲は「ネクロファンタジア」。
主にBGMや弾幕要素から影響を受けているらしく、『Undertale』でもその片鱗を確認することができる。
その後、アンノウンXによる二次創作ゲーム『東方ダンマクカグラファンタジア・ロスト』にてZUN氏との共同で「U.N.Owen was Hero?」を作曲したと発表。こちらはゲームのリリースと同時に無料DLCとしてプレイできる。
この楽曲は東方Projectでも人気の高い楽曲「U.N.オーエンは彼女なのか?」のToby氏によるアレンジと『Undertale』にてヒーローになったUndyneとの戦闘曲でもあり東方Projectの影響を受けている楽曲「本物のヒーローとの戦い」のZUN氏によるアレンジをマッシュアップしたもの。作曲するにあたって、Toby氏は音ゲーの楽曲を作った事が無かった為、誰かと一緒に作りたいとアンノウンXを通じて相談したところ、その協力者がまさかのZUN氏だった事に驚いたそう。また、Toby氏の提案で「ZUN氏に東方Projectの楽曲をアレンジさせる訳にはいかないので、僕が作ったゲームの楽曲をアレンジして頂きました。」とコメントし、ZUN氏もノリノリで了承したとの事。更に、メッセージ動画内にて八雲藍を主人公にしてくださいとZUN氏に懇願のメッセージを送っていたが、6日後頒布された東方獣王園にて八雲藍は自機キャラとして登場していた。Toby氏の願いは既に叶っていた事になり、この一件はX(旧Twitter)でもトレンド入りする程話題にもなっていた。
そしてNintendoSwitch版発売前夜の2024年9月4日には第二弾コラボが決定。
やっぱり東方獣王園にて八雲藍が自機キャラになったことを喜んでいた。
新作楽曲を流す権利は0.1秒しか無かったらしいものの、多くのファンはこの0.1秒だけで次の楽曲を察した。
任天堂発売のRPG。主にキノコ王国やその周辺国で起きた様々な出来事を機に、マリオとルイージが力を合わせて冒険する物語となっている。
ゲーム
- Undertale (2015年)
2015年9月15日にSteamでWindows版・Mac OS X版、Linux版をリリース。
後に、日本でも8-4によるローカライズでPlayStation 4やPlayStation Vita、Nintendo Switchで移植版が発売された。
- Deltarune (2018年~)
2018年10月31日に公式サイトでPC(Windows&Mac OS X)版のチャプター1がリリース。後にPlayStation 4やNintendo Switchへの移植体勢も整い、2021年9月にはチャプター2がリリースされた。
今作は制作当初から8-4がローカライズに関わっており、英語版と日本語版が同時にリリースされている。2022年3月現在はWindows、Mac OS X、PlayStation 4、Nintendo Switchでチャプター1と2を無料でプレイする事が出来る。
なお、チャプター3以降はボリュームも金額もUndertale以上のものにして発売される予定で、「6〜7年以内を目安にラストまで一気に仕上げる」とコメントしているが、完成時期はトビーの体調もあって現時点では未定となっている。チャプター1のリリースは新たなスタッフ募集の意図も兼ねているらしい。
楽曲提供
- Homestuck(2009年〜2016年)
楽曲提供(他の作曲家と共同で)
- Rose of Winter (2016年、PC)
女騎士が主人公の乙女ゲーム(英語のみ)
本作の楽曲から1曲が『Deltarune』にも使用されている。
- Hiveswap (2017年、PC)
Homestuckのスピンオフアドベンチャーゲーム。4部作予定で、2017年時点で第1章のみ発売(英語のみ)
作曲はJames Roachと共同
- 大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL (2018年、Nintendo Switch)
自ら編曲した『Undertale』の楽曲「MEGALOVANIA」を提供
- YIIK: ポストモダンRPG (2019年、PlayStation 4/Nintendo Switch/PC)
他の作曲家達と共同
- リトルタウンヒーロー (2019年、Nintendo Switch)
2019年10月17日に発売されたゲームフリークのRPG。同年9月5日に投稿された「Nintendo Direct」の紹介PVで突如公開された為、多くのファンを驚かせた。
作曲は佐藤仁美と共同
- ポケットモンスター ソード・シールド (2019年、Nintendo Switch)
2019年11月15日に発売されたゲームフリークのRPG。同年11月1日に彼のTwitterで一部の楽曲を担当した事が告知され、後にそれが『バトルタワー』である事が明らかになった。
- ポカリスエット2022年新CM
ポカリスエットの2022年新CM「『羽はいらない』篇」で流れた曲「Pale Rain」の作曲に携わった。
元々、「夢と希望」をCMに起用したいとのオファーだったが、「彼自身の個人的な遺産」と考えたトビーは代わりの曲として制作するに至った。
作曲はPUNPEE、imaseの2名と合同
- ポケットモンスター スカーレット・バイオレット (2022年、Nintendo Switch)
2022年11月18日発売予定のゲームフリークのRPG。同年6月2日にTwitterにてゲームフリーク原案のフィールド楽曲をアレンジしたものがゲーム全編で流れることが発表された。
公式トレーラではその楽曲を一部聞くことができる。また、他にもいくつかのToby氏作曲の楽曲もあるとのこと。
最終的に公式メルマガで「テラレイドバトル!」、「学校最強大会!」、「戦闘!ゼロラボ」の作曲を発表。また、「エリアゼロ」はToby氏の作曲後、一ノ瀬剛さんにより再アレンジされた楽曲とのこと。
- 東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト (2024年、Steam/Nintendo Switch)
詳細は上述の通り。「U.N. Owen Was Hero?」を提供。
同曲のジャケットはtemmie Chang氏描き下ろしのもの。
同楽曲中には「I'm Your Treasure Box *あなたは マリンせんちょうを たからばこからみつけた。」のフレーズも使われており、同作の作詞作曲者「U.Z.INU」氏もTobyFox氏の別名義なのではないかと推測されている。