波風ミナト
なみかぜみなと
「息子の為なら死んだっていい…それは父親でも出来る役目だ…」
物語開始の12年前に暴走した尾獣・九尾を封印した英雄と呼ばれている忍。
九尾封印時に自らの命を代償にしたことで、物語開始時点で既にこの世を去っている。そのため退任した三代目火影・猿飛ヒルゼンが再就任する事となった。
忍界最速と謳われ、里内外から「木ノ葉の黄色い閃光」と恐れられた天才忍者。第三次忍界大戦ではその機動力で活躍し、多大なる戦果をもたらした。
爽やかな風貌の二枚目な好青年。
容姿は息子のナルトとよく似ており、同様に金髪のツンツン頭に碧眼だが、より髪が長めでサイドが特に長い。
語頭に「ん」と言う口癖があり、「~だよ」という語尾など作中の男性では比較的柔らかい口調。
一人称は主に「俺」を使うが、幼少期は「僕」。
故人であるため、出番は少ないが毎回の人気投票で上位に食い込むほどの人気がある(人物像や設定が不明且つ写真でしか登場していなかった第2回の時点でも12位に食い込んでいた)。
師の自来也からは「やさしい男」だと評価され、うちはオビトのすぐ分かる嘘にもいちいち追求せず、怒るカカシを優しく窘めるなど常に余裕を持った寛大な人物として描かれている。
『カカシ外伝』や劇場版『ザ・ロストタワー』では忍然とした真面目で厳しい一面(監督曰く「ある意味イジ悪」)を見せるが、妻・うずまきクシナの出産に立ち会った際、陣痛で大声を上げて痛がる彼女を見て狼狽えており、割と天然かつ間の抜けた面も見られる。
波の国編で弟子であるカカシが語ったミナトの教えに「義を見てせざるは勇なきなり」と「勇将の下に弱卒無し」があり、この教えからカカシは本来なら契約違反で任務放棄も可能ながらも、教え子たちと共にタズナをガトーの手から守る護衛任務続行を決めている。
以上のような好人物だが、数少ない欠点が致命的なまでのネーミングセンスの無さ。新術を開発した際には無駄に長く術そのものに関係ない言葉(術完成時のエピソードなど)を盛り込み、周囲からは「ダサイし長い」と叱られていた。そのため、術の命名はクシナの案、子供の命名は自来也の案(正確には彼の著書の主人公の名)を採用している。
この欠点は一度死んでも治らず、ナルトとサスケの風遁・螺旋手裏剣+炎遁・加具土命の合体技にも長ったらしい名前を付けようとした。
幼い頃から火影になることが夢だったが、クシナが初めて彼を見た時の第一印象は「頼りなさそうで女男みたい」だったという。
恐妻家な一面があり、夫婦喧嘩では一度も勝ったことがないらしい(九尾封印の際の口論が初白星)。
生前
青年時代
上忍となり、カカシ・うちはオビト・リンとフォーマンセルを構成。
強く優しい性格で部下からは慕われていた。
しかし『カカシ外伝』にて橋を破壊するカカシ達の陽動として前線に出ていた別の部隊の増援に向かい、敵に囲まれたカカシとリンの救出には成功したものの、オビトを助けることはできなかった。
後に四代目雷影となるエーと彼の義弟・キラービーが所属していた小隊と交戦し、その際にエーによって九尾奪還任務を一人で阻止したことが語られている。
戦闘時にはエーの最速の攻撃を飛雷神の術でかわしており、撤退の合図を受けて退く前にはビーを一人の忍として称え、エーには次に会う時は互いに影の名をかけたものになると予見し「弟さんにとって大切なものが何なのかアナタが早く気付かなければ彼は人柱力でも人でもなくなりますよ」との言葉を送った。
TVアニメ『疾風伝』では、第三次忍界大戦で仲間を喪い心に傷を負ったカカシを身近に置くため、自身の火影就任後に暗部に配属した。
九尾との戦い、そして死
クシナがナルトを出産する際、弱まりつつある九尾の封印を維持しつつ妻に付き添い、ナルトの誕生に立ち会うが、父親になった喜びもつかの間、仮面の男の襲撃を受ける。敵の実力や九尾を操る能力から、正体を「うちはマダラ」と推測したが、真の正体にまでは最後まで気付けなかった。
軽傷を負いつつも産まれたばかりのナルトを避難させ、クシナを連れ去った男を追うが、既に九尾の封印は解かれた後だった。
その後は瀕死のクシナを救出し、彼女をナルトの傍に残すと再度戦いの場に戻り、男に手傷を負わせ契約封印で彼と九尾の繋がりを絶つ。同時に枷が外れ里を襲う九尾をガマブン太の助力で捕え時空間忍術で里外に移動させた。
後世の里のためにナルトを人柱力にすること、自分が禁術「屍鬼封尽」で九尾の陰のチャクラと心中することを選び、自分達の息子なら九尾をコントロールできると妻を説き伏せて屍鬼封尽を使用。続いてナルトに九尾のもう半分を封印しようとするが、封印を阻止すべくナルトを殺そうとした九尾の攻撃をクシナと共に受け、ナルトを庇い腹を九尾の爪で貫かれる。封印の代償で死が迫る中、妻と共に息子へ最期の言葉を残し、八卦封印を発動させその生涯を終えた。
チャクラ体として
ナルトに九尾を封印する際に、万が一に備えて自分やクシナの精神、チャクラの一部もナルトの中に残し、死後もナルトを内側から見守り続けていたが、ペインとの戦いで憎しみに飲み込まれたナルトが精神世界の封印の札を剥がそうとした瞬間にそれを阻止すべく現れる。
その後、困惑するナルトに自分が父親であるという事実を明かし、ナルトに九尾を封印した理由や16年前(ナルトが生まれた日)に九尾を操って木ノ葉を襲わせた黒幕が「うちはマダラ」らしき人物であることも明かす。
また、忍の世の無秩序や平和について説くと共に、その答えを見つけるようにナルトを諭し、また「おまえを信じている」と力づけて残り僅かなチャクラで九尾の封印式を組み直した後にナルトに全てを託して消えて行った。
穢土転生体として
第四次忍界大戦にて屍鬼封尽を解除した大蛇丸の手により先代の火影達と共に穢土転生体として蘇るが、忍とは何かを火影達に問うサスケの話を聞いて里と妻の意志を守るためとはいえ、自ら死を選んだためにうちは一族の滅亡を阻止できなかったことを悔やみ、「自分が生きていればうちは一族のクーデターを未然に阻止できていたかもしれない」とサスケに詫びた。その後、サスケがマダラと戦うべく戦場へ行く決意をしたことで彼や再結集した「鷹」の面々や先代の火影達と共に戦場に向かい、飛雷神の術によって先んじて到着。念願だったナルトとの対面を果たすと同時に、忍連合に迫っていた尾獣玉を被害の少ない海に転送し皆を救った。
千手柱間達の到着後は四人による結界で十尾を閉じ込めていたが、神威の時空間から出てきたマダラの共犯者の気配を感じ取り、それがかつて戦った仮面の男と悟って以前の戦いで付けたマーキングを頼りに跳躍し、その場で斬りつけた。しかし、その時に彼の正体が戦死したと思っていたオビトであることに気付き、「ナルトに与えるはずだった幸せを奪われた憎しみ」よりも「オビトが変わってしまった悲しみ」を感じて「生きていたなら火影になってほしかった」と無念の気持ちを吐露したが、止めを刺すには至らず、オビトは十尾の人柱力となってしまう。
しかもオビトの陰陽遁の術で右腕をもぎ取られた上、オビトから一方的に罵られ、後悔の念から戦意喪失しかけるが、火影の存在を否定したこともあって激怒したナルトや、自分の体内に封印していた「陰」の九尾(九喇嘛)との共同戦線によって解消された。その後、オビトに止めを刺そうと現れたカカシから息子と共にオビトを庇い、こんな状況を作ってしまったことに二人に対して詫びた。
ナルトの説得によりオビトはかつての自分を取り戻すが黒ゼツに取り付かれてしまい、カカシと共に応戦。しかしその間にナルトが「陽」の九喇嘛を抜かれて瀕死状態になったため、我愛羅によって搬送されてきたナルトに自分の中の「陰」の九喇嘛を入れて蘇生を試みるも黒ゼツの妨害を受けて失敗。更には十尾の人柱力になったマダラの襲来に対して仙術で応戦するも仙法・螺旋丸を弾き返され、左腕までも失ってしまう。その後は救援に来たマイト・ガイのサポートに回り、ガイに飛んで来る求道玉を全て体で受け止めて飛雷神の術で求道玉ごと木ノ葉隠れにある自身の顔岩へ飛んで意識を失った。そして無限月読発動後に意識を取り戻し、神樹の根に囚われた人々の救出を試みるも失敗。戦場に戻って先代の火影達と合流する。
その後、サスケが切断したマダラの下半身から出現した大筒木ハゴロモから大筒木カグヤと戦っているナルト達の状況を教えられ、カグヤの封印を確認したハゴロモの指示で、浄土から呼び寄せられた歴代五影と共に口寄せの術でナルト達と尾獣達をカグヤの空間から連れ戻した。
その後、ハゴロモによって穢土転生の術を解術される直前に10月10日の朝日を向かえ、息子に「誕生日おめでとう」と最初で最後の誕生日祝いの言葉を贈った。実の親との別れに悲しむナルトから、自分を超える火影になることと「自分のことは何も心配いらない」というクシナへの伝言を伝えられ、笑顔で昇天していった。
最終回では孫に当たるうずまきボルトに自らの顔岩に「ジジイ」と描かれていた。間違ってはいないが故人とはいえ享年24歳でジジイ呼ばわりはあんまりな気がするが…。
時空間忍術の使い手で、風・火・陰陽のチャクラ性質を持つ。大戦時に木ノ葉の黄色い閃光と称された。
九喇嘛曰く「初代柱間以来の忍」と称するほどの実力と忍として図抜けた才能を持っている。
得意忍術は「瞬身の術」と、マーキングをつけた場所に飛ぶ「飛雷神の術」。
また、後のナルトの必殺技となる「螺旋丸」を編み出し、それに性質変化まで加える事を考案していたが、完成までは至らなかった(後に息子であるナルトが修行により完成させた)。
うずまき一族である妻クシナから封印術を教わっていたため、強力な封印術を扱う事が可能。
実際に九喇嘛を封印する際は四象封印を自己流で増強するといった離れ業を見せている。
なお、師同様に仙人モードも習得していたようだが、ミナト自身はあまり仙術が得意ではないらしく実戦ではほぼ使っていなかった。
基本戦術としては、マーキングされたクナイを戦場のあらゆる場所に配置し、クナイの場所へ縦横無尽に瞬間移動しつつ敵の死角から螺旋丸を叩き込むスタイル。また、それで仕留めきれずとも敵に触れたた際にマーキングを刻み、逃走する敵へ直接飛んで攻撃する事も可能。印を結ばずに発動できる飛雷神と螺旋丸の機動力を最大限に活かした、遠近無視の対人特効スタイル。
また、九尾封印の際に一家全員が(九尾の)人柱力という極めて珍しい事態になった。死後、体内の「陰」の九喇嘛と和解していたらしく、第四次忍界大戦では息子同様に九喇嘛モードへと変化。尾獣化まで行った。
- 原作者曰く、犬塚キバと赤丸のデザインを混ぜ混んでいた時に偶然出来上がったらしい。火影岩の面影と実際の人物像に差があるのはこの為だろうか。
- また、口寄せの契約書に載っていた名前から、当初は名前をカヤク(カップ麺などの萱草)と予想されていた。
- 誕生日は1月25日であるが、CVを務めた森川智之氏と1日違いである。
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- 自来也が調べたところつむじが2つある模様。それも左巻き右巻き一個ずつのようだ。
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