概要
「スポーツ」と「根性」を合わせた「スポーツ根性もの」を略した語。
スポーツをテーマにした熱血ドラマ、アニメなどの作品にあてるジャンルのひとつで、登場人物が特定のスポーツの特訓・練習に打ち込み、その競技の頂点を目指す物語のこと。
名称通り、根性や努力でスポーツに向き合うキャラ達の姿や、手に汗握る競技上の戦いを持ち味としている。
『熱意と根性さえあれば、どんな苦境も打破できる』といった精神論を基軸とし、それをスポーツに掛け合わせることで、熱いドラマ性を演出することを持ち味としたストーリーの作品として描かれてきたが、ギャグや恋愛、頭脳戦など他の要素と組み合わせて描かれることもある。その名称から泥臭い響きも感じられるが、美少年や美少女の努力が描かれることも多い。『萌え』ならぬ『燃え』として、ラノベでもそれなりに人気を博しているようだ。
『友情・努力・勝利』というジャンプ三大テーマと相性が良い事から、特にジャンプ系列の少年漫画では定番の題材として確立している。
この手の作品がジャンルとして確立したのは、1966年に『少年マガジン』で連載が始まった『巨人の星』が大ヒットしてからであり、梶原一騎作品に代表されるスポ根は70年代のアニメや漫画界で大きなブームになった。その現実離れした努力と必殺技の応酬は結果的に超能力バトルものに限りなく近いものになっていき、負傷や流血は当たり前、試合中に死者まで出る異様な試合を描く『侍ジャイアンツ』『アストロ球団』などの怪作も生まれた。一方で、この時期には『キャプテン』や『ドカベン』など、上述のような非現実的・超人的な要素が殆どない、比較的リアルなスポーツの描写を描いて大ヒットした作品も多く存在する。
スポ根の隆盛は『アタックNo.1』、『エースをねらえ!』などの少女漫画にも及んだ。
しかし、1980年代以降は汗臭い作風が敬遠されるようになっていき、古典的なスポ根は当時流行のラブコメ(『うる星やつら』など)で茶化され、時代遅れと見なされる存在となっていった。
1980年代に連載されたあだち充の『タッチ』はスポ根のストーリーの枠組みを踏まえつつ、恋愛をストーリーの軸に据えるラブコメ仕立ての作品として大ヒット。連載当時『タッチ』の軽いストーリーはスポ根のアンチテーゼと受け止められ、ラブコメの一種として見られていたが、実際には主人公の努力や友情、成長もきちんと描かれており、後のスポーツ漫画に多大な影響を与えたことから「新しいスポ根像を創出した」という評価もされている。ただし、本作は従来のスポ根をことごとく否定するような構成となっており、フォロワー作と比較しても著しくそれが目立つことから、単純に後年の視点からスポ根と見なすのは疑問の声もある。
『友情・努力・勝利』を看板にする『少年ジャンプ』では1980年代もスポ根を主軸とし、『リングにかけろ』、『キャプテン翼』は特に大ヒット。1990年代のジャンプ黄金期の一角を担った『スラムダンク』につながっていく。
現代のスポ根漫画は『はじめの一歩』などの熱血を看板にした古典的なスポ根もののほか、『テニスの王子様』のような荒唐無稽な技の応酬でバトル漫画に近いもの、『Mr.FULLSWING』のようなコメディ仕立てのものなどに分けられる。
競技内容としては野球やサッカーがよく知られている他、中にはマイナーなスポーツが取り上げられる事もあり、現実の人々のスポーツ新規参入に一役買っているジャンルでもある(例えば日本サッカー界の隆盛に『キャプテン翼』が大きく貢献したという話があったりする)。
表記揺れ
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スポーツ漫画 … 関連タグ・関連作品のまとめあり
『スポ根』に分類される作品一覧
※漫画に関しては『スポーツ漫画』の頁にも一覧あり。
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