基礎データ
概要
初登場はポケモンSV。
コライドン及びミライドンを小型化・簡略化したような、深緑の体色を持つトカゲポケモン。
目の後ろにはイグアナの鼓膜下大型鱗に似た丸い器官が見られ、胸にはコライドンらと同じく大きなタイヤ風の喉袋があり、尻尾を丸めると後輪の形になる点も同様。
古くからパルデア地方の多くの家庭で人と一緒に生活してきた種族で、穏やかな気質のもと、日常的に人間を背中に乗せ移動するライドポケモンの代表として親しまれており、街には専用の駐輪場ならぬ駐竜場まである。
本来希少種であるドラゴンタイプでこうした性質は珍しく、人を乗せる事を嫌がらないのは、搭乗者の体温で苦手な寒さをしのげるかららしい。
少なくとも1万年前には人間と共生する個体がいたらしく、当時の壁画にその様子が描かれている他、200年前の某著名人もモトトカゲを相棒とし探検に同行させたという。
無論足腰は強靭で、走行スピードは人を乗せた状態でも、時速120kmほどの最高速度を誇る。
非常に硬い頭部としなやかで太い尻尾は、走行時の衝撃を和らげバランスを取るために役立つのはもちろん、バトルでも強力な攻撃手段として活用できる。
そのため、フィールド上では物凄い速さで走り回る。追いかけるにしても逃げるにしても、コライドン/ミライドンのダッシュじゃないと追いつけないor振り切れない。たまに立ち止まるので、止まったところを狙うのがベスト。
色違いだろうとモタモタしていると一瞬で距離が離れて消滅するので見つけたら素早い判断と行動が必要となる。
倒すと素早さの努力値を2つ貰えるので、序盤ですばやさを上げたい時の格好のカモになり得る。
ネーミング
- 名前の由来は恐らく「moto(西:オートバイ)+トカゲ」に「元or素+トカゲ」辺りが掛かっていると思われる。
- 英語名は「Cyclizar」(サイクリザー)で由来はmotor cycle(英:オートバイ)+lizard(英:トカゲ)か。サイクロンライザーではない。
- フランス語名だと「Motorizard」(モートリザード)とかなり直球なネーミング。
- ドイツ語名は「Mopex」(モペックス)。これはMoped(ペダル式オートバイ)あるいはmorph(変形)+ 恐竜の名前によく見られるsaurus(サウルス)若しくはrex(レックス)か。
性能
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
70 | 95 | 65 | 85 | 65 | 121 | 501 |
攻撃がそれなりに高く、素早さが大きく伸びるといった数値。
比較的序盤でもゲット可能であるにもかかわらず、恐ろしいことに素早さの数値は121。これは禁伝を除くドラゴンタイプではドラパルト、オンバーンに次ぐ数値で、アーゴヨンと同率の3位タイ。同期ドラゴンのトドロクツキを2上回り、ドラゴンタイプの素早さの基準の1つであるガブリアスを遥かに凌ぐ数値である。
ノーマルタイプとしてはオオスバメに次ぐ2位につけ、3位のチラチーノに6差をつける。
地味に通常の無進化ドラゴンとしても合計種族値は高い方の501で、同じ無進化のクリムガン、進化系ドラゴンのチルタリスやドラミドロなどを上回っている。
耐性としては地味だがノーマルタイプを持つためゴーストタイプが無効なのが嬉しい。
おまけにレベル40で素早さが2段階、攻撃が1段階上がるギアチェンジを習得するのでガブリアスには許されなかった疑似竜舞戦法が実現可能。AS同時上昇は先祖・子孫であるコライドンやミライドンにも無い強みであり、攻撃が100を超えていないのはバランス調整のためといえよう。
ドラゴンクローやげきりんといったドラゴンタイプの基礎技やすてみタックルが習得でき、メインウェポンとなる。どちらも通らないはがねタイプへの攻撃技は物理型であろうが特殊型であろうがオーバーヒート一択。
おまけにドラゴンテールも覚えるので苦手な相手を強制退場させるのもあり。
サブウェポンとしてはフェアリー対策にアイアンヘッド、それ以外のタイプ用としてかみくだく、ワイルドボルト、アイススピナーなどが候補に挙がる。
一応攻撃のほうが高いのだが物理技はどうしても大ぶりで動きづらいものが多く、うち逃げしたり小回りのきく技は特殊技のほうが多い。
新技として「みがわり」を発動しながら控えに戻る「しっぽきり」を習得する。離脱用としてとんぼがえりも覚えるが、ダメージを受けたくないなら後者を取るのも手。
両者に共通してさいせいりょくの恩恵を受けやすいという共通点がある(前者の場合はしっぽきりの代償となるHPの回収目的としての使用が想定される)。
使った後に特攻のランク補正が下がる「りゅうせいぐん」は交代技である「しっぽきり」と好相性。自身の特攻も最低限レベルは備わっているため、ただ面白いだけの動きにとどまらずきっちり仕事になる組み合わせと言えよう。
ノーマルタイプであるため技範囲はなかなかに広いものの、種族値的にも習得技的にも微妙に安定感に欠ける点が弱点となる。一致技となるノーマル・ドラゴン技ではドラゴン相手にしか弱点を突けないため等倍を火力で押し切る必要があるのだが種族値が足りず、不一致技で弱点を突くには技の威力や命中が心もとない(特に3色パンチがないのは致命的)。そのため単にギアチェンジして殴るだけなら他のドラゴンタイプがりゅうのまいをする方が結局大体の場面では強い。
単なるアタッカーとしての運用は厳しいが、試合の流れを変えうるしっぽきりの存在をいかにチラつかせて相手に行動を読まれないようにするかが重要になる。上手いこと後ろに身代わりを残しながら登場させれば、一気に逆転のチャンスを作れるかもしれない。
俊足でパワーも最低限あるので、「しっぽきり」や「とんぼがえり」を覚えさせつつ「すてみタックル」や「げきりん」を仕込んだ「こだわりハチマキ」型として育てるのも1つの手。
勿論反動のある「すてみタックル」や一度使うと2ターンから3ターンは強制的に使うことになる「げきりん」は「しっぽきり」とアンチシナジーだが、この内「すてみタックル」は「しっぽきり」対策として安易に出てきたニンフィアを狩るのに役立つ。
「フェアリースキン」+「ハイパーボイス」を行う暇も与えず、相手が余程HBに厚く振ったりテラスタルでノーマルに耐性を持たせたりしない限り1発で落とせるのが大きい。
この他にもストーリー戦でのタイプ補完としてはありだが、威力こそ微妙な技としてほのおのキバ、かみなりのキバ、くさわけ、つばめがえしを、威力は高いが命中が安定しない技としてアクアテール(タマゴわざ)、パワーウィップ(タマゴわざ)、アイアンテール(タマゴわざ)、ギガインパクトを覚える。
なお、からげんきが習得できるものの、だっぴ型とは相性が悪いので候補から外れる。
とくこうは攻撃よりもやや低めに設定されているが、ガブリアスより"5"高い。バイクがモチーフなだけにオーバーヒートを習得できる。
一方で耐久はガブリアスほど高くなく、弱点タイプもアタッカーが多いのでギアチェンジを積む際には道具などで補うと良いだろう。なお、微妙に足りない火力を補おうといのちのたまを持たせてすてみタックルを連発しようものなら一瞬で先制技圏内に入るため注意が必要。消滅したあの技があれば…
一緒に組むならパルシェンなどの先制攻撃技に弱い積みアタッカーがベターである。「しっぽきり」で用意したみがわり人形を盾に積み技を積めば本体のHPを温存できるため、先制攻撃技による事故死の確率を下げることができる。
アニメ版
『アニポケ・サトシの旅シリーズ』
- めざポケ10話
- オマケコーナー『ひらめきゲット!Let'sポケなぞ!!』の問題に登場。
余談
- いかにも今作の伝説ポケモンであるコライドンとミライドンに関係がありそうな容姿だが、これは両者がモトトカゲの先祖たる古代種と、子孫たる未来種だからであり、前作のヒスイのすがたが最も近い概念である。
- 一般ポケモンと血縁関係にあると明言された幻のポケモンとしては、メレシー/ディアンシーなども前例にあたる。
- ストーリー上ではこれと言って出番はないが、序盤でコライドンとミライドンに対してネモが「モトトカゲってポケモンに似てるけど…」という台詞がある。更に探索をしっかり行ったプレイヤーは「パルデアではモトトカゲが定番のライドポケモン」という説明を受けたり、「あなたどうやってここ(大岩の上)まで?」「ライドポケモンでのぼったんですね モトトカゲでそんなことできたっけ?」と話すからておうにロースト砂漠で出会ったりなど、ちょくちょくコライドン/ミライドンと比較される場面に出くわすことができた。これらが彼らの正体の伏線として機能しており、モトトカゲはさりげなく配置された重要な謎のヒントとなっていたのである。
- 尤もそれだけではなく、「コライドン/ミライドンを持たない一般生徒は何を足にして宝探しを行うのか?」という当然の疑問に応えるためにデザインされた部分もあるだろう。フィールドを駆け回る野生個体や街中でNPCを乗せている個体を見て「自分も乗ってみたい」と思うプレイヤーも少なくない様子。SVでは現状乗る手段がないものの、後の作品でLPLEの連れ歩きのようなシステムが導入されれば乗るチャンスがあるかもしれない。
- 公式イラストではスター団の手持ちの様に描かれた物があるが、対戦において(団ラッシュを含めて)モトトカゲを扱うメンバーは一人もいないが、クリア後の団ラッシュにはモトトカゲを使用するメンバーが(どこの組にも)いる。基本的にはスターモービルに組み込まれたブロロロームのように、移動手段として用いられているのだろう。
- また、コライドンが可視光線最大値(ゲージにすると右端=人間の感覚で過去)の赤外線、ミライドンが可視光線最小値(ゲージにすると左端=人間の感覚で未来)の紫外線、モトトカゲがその中間の緑(ゲージでもちょうど真ん中=人間の感覚で現代)と言う意見もある。
- コライドンとミライドンの名が明かされた際、ファンの間で「第3伝説はゲンダイドンなのでは」という予想が(半ばネタ的に)なされていた。そんな中での発表だったので、案の定ゲンダイドンの異名を付けられるようになる。発売後には本当に「ゲンダイドン」と言える立ち位置であったことや丁度6文字であることからニックネームに選ばれることも多い模様。なお、SVの第3伝説は今のところ未登場である(しかし、スカーレットブック/バイオレットブックに書かれた「■盤のポ■■ン」の正体だと思われるこのポケモンこそが、SVにおける第3伝説ではないかとプレイヤー達からは考察されている)。
- ちなみに、前作ではこの系統が「ザイエロー」と呼ばれていたりした。
関連イラスト
関連タグ
0966.ブロロローム→0967.モトトカゲ→0968.ミミズズ
同複合タイプ
トカゲ仲間
関連ポケモン
- コライドン・ミライドン:血縁
- ドンファン(イダイナキバ/テツノワダチ)・ウルガモス(チヲハウハネ/テツノドクガ):同じく古代・未来の姿を持つポケモン…だが、モトトカゲらと異なり血縁は明らかにされていない。
- ゴーゴート:同じく分類が『ライドポケモン』で人を乗せて走る事に適した性質を持つ。
- ラプラス:意味は同じだが日本語で『のりものポケモン』の大先輩