概要
池袋駅(豊島区)から大手町駅(千代田区)、新宿駅(新宿区)などを経由し荻窪駅(杉並区)までを結ぶ本線部(営業キロ24.2km)と、途中の中野坂上駅から方南町駅を結ぶ分岐線(通称方南町支線、営業キロ3.2km)からなる。
銀座線と並び東京メトロとしては2路線のみの第3軌条集電方式を採用しており、他会社との相互直通運転がない。
完全な環状線であるJR山手線や、一筆書きのラケット状に例えられる都営大江戸線と違って路線図に明確な例えがないため行き先が混乱しやすいが、言ってしまえばこの路線も線の繋がってないラケットや逆Cの字の環状線とも言うべき路線図をしている。
遠回りな路線図のため、池袋駅から荻窪駅まで丸ノ内線の全線を利用した場合は約50分で運賃は240円だが、山手線で新宿駅に出て中央線快速に乗り換えれば時間も20分足らずで運賃は210円。
池袋駅から東京駅の場合は丸ノ内線が山手線より5分程度早く(運賃は同額)、新宿駅から東京駅だと丸ノ内線が中央線快速より距離は短いが5分程度遅くなる(運賃は同額)。
これらのことより、都営大江戸線や名古屋市営地下鉄名城線と並んで、鉄道ファンの乗りつぶしや酔っ払いや寝過ごしなどを除けば、全線を乗り通す乗客は皆無な地下鉄路線である。
特に四ツ谷~後楽園間は南北線で3駅、池袋~新宿三丁目間は副都心線急行で1駅と、どちらも丸ノ内線利用より大幅なショートカットになる。
沿革
- 1954年1月20日:池袋〜御茶ノ水間が開業。
- 1962年3月23日:現在の路線が全線開業。1972年まで新宿以西は「荻窪線」と称していた。
- 1988年10月17日:02系が営業運転開始。1996年までに旧型車両(⇒本線車両については営団500形の記事を参照)の置換を完了。
- 2009年3月28日:全線でワンマン運転を開始。
- 2019年2月23日:2000系が営業運転開始。
- 2019年7月5日:本線から方南町支線の方南町への乗り入れを開始。
- 2022年8月26日:方南町支線の3両編成の運用が終了、02系80番台が運用撤退。
- 2024年12月7日:CBTC(無線式列車制御システム)使用開始。
使用車両
現在の使用車両
- 2000系:2019年導入。
過去の車両
2023年まで存在していた方南町支線専用車も記載する。
本線
- 300形:1954年導入。老朽化のため本線は1995年、支線は1996年までにそれぞれ引退。一部はメトロビアスへ譲渡された他、地下鉄博物館等複数の場所で静態保存されている。
- 400形:1956年導入の300形増備車。老朽化のため1991年までに引退。454号車がポッポの丘に静態保存されている。
- 500形:1957年導入の400形増備車。老朽化のため1995年までに引退。一部はメトロビアスへ譲渡された他、中野検車区で584・734・771号車が動態保存されている。また、メトロの管轄外でも日本各地で静態保存車がある。
- 900形:1965年導入の輸送力増強用中間車。老朽化のため1994年までに引退。大半がメトロビアスへ譲渡された。
- 02系:1988年導入。老朽化およびCBTC導入のため2024年までに引退。
支線
- 100形(画像は本線項の3枚目):1962年導入。銀座線からの転属車。元が東京高速鉄道時代の車両であるため老朽化が激しく、1968年までに引退。
- 2000形:1968年導入。銀座線からの転属車。老朽化のため1993年までに引退。丸ノ内線所属車のうち2040号車は銚子電気鉄道へ譲渡後、銚子電気鉄道で使用を終了した現在は民間での保存計画が立ち上がっている。
- 02系80番台:1996年導入。方南町支線6両化のため2023年までに引退。
その他
- 銀座線車両:現行車両の1000系が中野検車区入出場時に赤坂見附駅の短絡線経由で丸ノ内線を自走回送する(この関係上1000系もCBTC対応改造が施工された)。1000系以前にも01系をはじめとする過去の銀座線車両も同様の理由で丸ノ内線を走行していた。
運行間隔
本線は平日はラッシュ時が最短2分10秒間隔、昼間は5分間隔となっている。設備設計の都合上中型車6両編成以上の大型化・増車が不可能であるため、運転本数を増やす形で輸送量を補っている。中野坂上〜荻窪は方南町支線への直通列車があるため、7分ほど間隔が開くこともある。
方南町支線は平日は朝ラッシュが3~4分間隔、夕ラッシュは4〜5分間隔、昼間は7〜9分間隔。日中は毎時2本が池袋方面直通である。中野富士見町駅に車庫がある関係上、朝ラッシュの終わりと終電頃の入庫運用が多い。また朝夕には同駅始発列車の設定もある。
補足
- 銀座線の車両は中野車庫に入庫する際に丸ノ内線を走ることはあるが、車両の規格が違うため(丸ノ内線は1両あたりの全長18メートル✕幅2.8メートル、銀座線は同16メートル✕2.6メートル)、丸ノ内線の車両は銀座線を走行できない。
- このため、イベントなどで赤坂見附駅の短絡線を用いて直通列車を運用する場合は、必ず銀座線の形式が使われていた。
- 現在はホームドア設置により銀座線車両による丸ノ内線内の営業運転は物理的に不可能になった。車体長の相違により客用ドアの配置間隔も両線で異なっているためである。
- 丸ノ内線はかつて新宿から練馬区を経て朝霞付近へ至る計画や方南町支線を京王井の頭線方面へ延伸する計画があったらしい。(参考)また池袋からも成増方面への延伸計画が存在していたが、こちらは後に有楽町線・副都心線計画に組み込まれる形で発展的解消となっている。
- 沿線に大学が多く、大学生の乗降も顕著である。
- 大学生のみならず著名な中学高校も沿線に多く、その通学路線でもある。
駅一覧
本線
駅番号 | 駅名 | 乗り換え路線 | 備考 |
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M-01 | 荻窪 | JR中央線快速(JC 09)/中央・総武線各駅停車(JB 04) | |
M-02 | 南阿佐ケ谷 | 1961年11月1日から1962年1月22日までの起点駅 | |
M-03 | 新高円寺 | ||
M-04 | 東高円寺 | ||
M-05 | 新中野 | 1961年2月8日から同年10月31日までの起点駅 | |
M-06 | 中野坂上 |
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M-07 | 西新宿 | 連絡業務は行っていないが、都営大江戸線都庁前駅と地下通路で繋がっている | |
M-08 | 新宿 |
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M-09 | 新宿三丁目 |
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M-10 | 新宿御苑前 | ||
M-11 | 四谷三丁目 | ||
M-12 | 四ツ谷 |
| 地上駅 |
M-13 | 赤坂見附 |
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M-14 | 国会議事堂前 | ||
M-15 | 霞ケ関 | 日比谷線(H-07)/千代田線(C-08) | 1958年10月15日から1959年3月14日までの起点駅 |
M-16 | 銀座 |
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M-17 | 東京 | 1956年7月20日から1957年12月14日までの起点駅 | |
M-18 | 大手町 | ||
M-19 | 淡路町 |
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M-20 | 御茶ノ水 | JR中央線快速(JC 03)/中央・総武線各駅停車(JB 18) |
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M-21 | 本郷三丁目 | 都営大江戸線(E-08) | 都営大江戸線とは地上乗り換え |
M-22 | 後楽園 |
| 地上駅 |
M-23 | 茗荷谷 |
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M-24 | 新大塚 | ||
M-25 | 池袋 | 車止めの奥に副都心線との連絡通路があり、乗り換えが有楽町線よりもしやすい。 |
方南町支線
駅番号 | 駅名 | 乗り換え路線 | 備考 |
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Mb-03 | 方南町 | ||
Mb-04 | 中野富士見町 | 中野工場・中野車庫があり当駅折り返しの電車がある。また、方南町のホーム改造工事が完了するまで、本線乗り入れ電車は全て当駅折り返しだった。 | |
Mb-05 | 中野新橋 | ||
M-06 | 中野坂上 |
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災害・事故・事件
赤坂見附駅浸水
1993年8月27日、台風11号による豪雨で赤坂見附駅が浸水し、丸ノ内線は14時間以上不通となった。
また同駅で02-103Fが浸水被害に遭っている。線路復旧後に別の車両の牽引により中野検車区へ回送され、修復されている。
原因は当時工事中の溜池山王駅付近から雨水が大量に入り込んだ為だった。
地下鉄サリン事件
1995年3月20日、地下鉄サリン事件が発生。丸ノ内線では2本の列車で犯行が実行された。
当該車両はA777列車として運行していた02-116Fの02-316号車(3号車)、B701列車として運行していた02-150Fの02-550号車(5号車)がそれぞれ被害車両となった。いずれも後に除染されて運用復帰している。
関連タグ
名古屋市営地下鉄:ブエノスアイレス地下鉄へ移った車両がいる。
機動武闘伝Gガンダム:新宿編で登場。
劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライト:ある意味物語の主要ステージ。
椎名林檎:アルバム「無罪モラトリアム」ではこの路線がフィーチャーされている。「丸の内サディスティック」も参照。