概要
武田鉄矢原作、小山ゆう作画の漫画作品。及びそれを原作としたアニメ。
1986年から1996年までヤングサンデーで連載された。
元々は、岡田以蔵を主役にした短編漫画の企画だったが、武田鉄矢への連絡不足から坂本龍馬を主役にした長編の幕末歴史ものになった。
作品の特徴
武田氏・小山氏の二人曰く、「嘘と本当のギリギリのところを狙った」と言われる通り、独自設定が多く、フィクションとしての側面が大きい。
特に龍馬と武市半平太(瑞山)と岡田以蔵の三人が幼なじみであるという大胆な設定は、本作から竜馬を知った人間に史実であるかのような誤解を植え付けたほど。
また、司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』に対抗して、『竜馬がゆく』が書いていない龍馬の幼少時代から描き始めるという形をとられており、竜馬の伝記としても一つの大きな物語となっている。
あらすじ
1835年11月15日、高知城下・坂本家の末女・坂本乙女はほうき星を見ていた。その日は母・幸がまもなく出産を迎えようとしていた日。
ほうき星に天翔ける竜と白馬の姿を見た乙女は、その星にこう叫ぶ。「今夜生まれてくる子は男にしておくれ!私がきっと強いサムライにしてみせるから!」その言葉に、ほうき星は優しい輝きを見せた。
まもなく、産声があがった。産まれたのは元気な男の子。だがちぢれ毛で、背中にたてがみが生えている変な子であった。そんな我が子に呆然とする父・八平を尻目に、乙女はその子を抱きかかえ、「竜馬」と名付けた。
竜馬はすくすくと育つものの、泣き虫で弱虫。岡田以蔵を始めとする、近所の子供達からもそのちぢれ毛を馬鹿にされ、いじめられる毎日。
勉強もからっきしで、塾から放り出される始末。そんな竜馬を乙女や二番目の姉・栄は見放すことなく、厳しく育てる。だが竜馬の長所は、その優しい心だった。
そんな竜馬の心は、ふとしたきっかけで以蔵たちいじめっ子をもとりこにしてしまう。竜馬の面倒を見てきた武市半平太も、竜馬の器の大きさに感服してしまう。
そんな平和な毎日を過ごそうとしていた竜馬だったが、土佐藩には上士と郷士という差別があり、郷士は上士に逆らう事が出来ないという理不尽を知ってしまう。
その理不尽は、藩主・容堂によって友達や母をも死に追いやってしまった。「強くなりたい!」そう強く心に誓う竜馬は成長し、16歳になった。
16歳の竜馬は、その幼少期からは想像もつかないほど、精悍な青年になっていた。
だが、どんなに強くなっても上士と郷士の溝は埋まりようもなかった。
それでも、竜馬には強くなる事しか成すべき事がない。18歳になり、江戸の千葉道場へ剣術修行にでた竜馬は江戸の文化にカルチャーショックを受け、故郷の小ささを思い知る。
そんな時、前代未聞の大事件が起きた。黒船来航である。あわてふためく幕府の対応を目の当たりにする竜馬。
そして一目黒船を見たいと思った竜馬は海辺近くで不思議な一団を見つける。
それは吉田松陰と、桂小五郎、高杉晋作といった松蔭の門下生達であった。
そしてそれまでの竜馬には想像もつかなかった言葉を松蔭から聞く。
「異人におびえる、腐った幕府などぶっこわしてしまえ!」
登場キャラクター
坂本家
- 坂本竜馬(CV:高山みなみ / 関俊彦)
- 坂本乙女(CV:小林優子)
- おりょう
- 坂本八平(CV:青野武)
- 坂本権平(CV:森川智之)
- 坂本栄(CV:島本須美)
- 坂本千鶴(CV:白石文子)
- 坂本春猪(CV:高山みなみ)
- 岡上新輔(CV:鈴木清信)
- 源爺(CV:八木光生)
- 坂本幸(CV:池田昌子)
土佐関係
- 武市半平太(CV:緑川光 / 堀秀行)
- 岡田以蔵(CV:千葉繁)
- 中岡慎太郎(CV:中原潤)
- 山本琢磨(CV:稀代桜子 / 真殿光昭)
- 後藤象二郎(CV:荒川太郎)
- 乾退助(CV:金丸淳一)
- 福岡藤次(CV:森川智之)
- 吉村寅太郎(CV:三木眞一郎)
- 那須信吾(CV:宇垣秀成)
- 安岡嘉助(CV:梁田清之)
- 大石団蔵
- 望月亀弥太
- 北添佶摩
- 清岡道之助
- 平井収二郎
- 間崎哲馬
- 弘瀬健太
- 田中顕助
- 山田広衛(CV:椎橋重)
- 松井繁斎(CV:津久井教生)
- 佐々木三四郎
- 福岡藤次
- 岩崎弥太郎(CV:中尾隆聖)
- 中浜万次郎(CV:荒川太郎)
- 吉田東洋(CV:加藤精三)
- 佐々木加代(CV:井上喜久子)
- 河田小竜(CV:肝付兼太)
- 山内容堂(CV:江原正士)
幕府・江戸関係
- 勝海舟
- 大久保一翁
- 徳川家茂
- 一橋慶喜
- 松平春嶽
- 川路聖謨
- 松平容保
- 近藤勇(CV:山寺宏一)
- 土方歳三
- 沖田総司
- 藤堂平助
- 山南敬助
- 芹沢鴨
- 佐々木只三郎
- 千葉定吉(CV:糸博)
- 千葉重太郎(CV:森川智之)
- 千葉さな子(CV:島本須美)
薩摩関係
長州関係
海援隊関係
その他
- 姉小路公知
- 岩倉具視
- 小曽根乾堂
- ジョン・エリック(CV:屋良有作)
- マーガレット・エリック(CV:平松晶子)
- 清河八郎
- 三岡八郎
- 平助(CV:中原茂)
- グラバー(CV:大友龍三郎)
- お登勢
- 佐久間象山(CV:牛山茂)
- 日根野弁治(CV:玄田哲章)
- 武市富(CV:島本須美)
- 池田寅之進(CV:高山みなみ)
- 宮部鼎蔵
- 河上彦斎
- おたね(CV:巴菁子)
- 中国人少年(CV:嶋村薫)
- アメリカ人少女(CV:嶋村薫)
- ナレーション(CV:大和田獏)
アニメ
1992年4月から1993年3月まで全39話がNHK総合テレビにて放送された。
ただし、実際に放送されたのは第34話までで、その後第35話から最終話をダイジェストにしたスペシャル版で締め括られ、第35話以降は映像ソフトに収録された。
アニメーション制作はアニメーション21と日本ヘラルド映画であったが、いずれも現存していない。
主題歌
オープニングテーマ
「くそったれの涙」
作詞:大津あきら・作曲:鈴木キサブロー・唄:武田鉄矢
エンディングテーマ
「風の一歩」
作詞:大津あきら・作曲:鈴木キサブロー・唄:武田鉄矢
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1話 | 竜馬誕生 |
第2話 | 弱虫竜馬 |
第3話 | 剣士の魂 |
第4話 | 塾生失格 |
第5話 | 強くなりたい! |
第6話 | 逃げ腰竜馬 |
第7話 | 対抗試合 |
第8話 | 勝負…あった! |
第9話 | 天狗退治 |
第10話 | 天狗の正体 |
第11話 | 天狗救出大作戦 |
第12話 | 三日三晩の意地 |
第13話 | 母さんの教え |
SP | 母さん、ぼくきっと強くなるよ! |
第14話 | 青春の夜明け前 |
第15話 | 心の中の英雄 |
第16話 | 父と子 |
第17話 | 恋の真剣勝負 |
第18話 | 江戸剣術修行 |
第19話 | 黒船来襲 |
第20話 | 江戸の土産を手のひらに |
第21話 | 熱き日本の志士となれ! |
第22話 | 八平、最後の教え |
第23話 | 御前試合 |
第24話 | 勝った決った、胴一本! |
第25話 | 琢磨、死んだらいかんぜよ! |
第26話 | さらば江戸、さらば千葉道場 |
第27話 | これぞ北辰一刀流! |
第28話 | 一触即発!上士対郷士 |
第29話 | われら土佐勤王党 |
第30話 | 以蔵の書いた?ラブレター |
第31話 | 夢は世界の海へ… |
第32話 | 土佐よさらば!竜馬脱藩 |
第33話 | めざせ長崎、乗るぜ黒船 |
第34話 | ようこそ竜馬、船上の再会 |
SP | おーい!竜馬完結編世界の海へ! |
第35話 | 世界の海へ第一歩 |
第36話 | 半平太・最後の切り札 |
第37話 | あこがれの異国で見たものは… |
第38話 | 立ち上がれ、友よ! |
第39話 | 日本へ |