概要
『ファイナルファンタジーシリーズ』の各ナンバリングタイトルおよび番外作品にたびたび登場する男性名。
特定の人物のファーストネームもしくはあだ名・愛称として使用されている。
それぞれ別人であり、直接的な血縁関係はない。ただし、その多くは「主人公たちの協力者」「おっさんキャラ」「科学者もしくは技術者」「飛空艇(ゲーム内の飛行ユニット)に関連深い人物」など、一部設定が共通しているのが通例。
しかし、昨今の作品では上記のような通例となった設定は薄れつつあり、時には「イケメンの青年」「主人公」「悪役」として登場することもある。
ナンバリングタイトルの「シド」
- シド(FF1)
ファミコン原作には登場しない。GBA以降のリメイク版では、かつて飛空艇を作ったルフェイン人として名前のみが登場。
後の『ディシディア』シリーズに登場する「大いなる意思(ルフェインのシド)」と同一人物と示唆されている(後述)。
- シド(FF2)
事実上シリーズ初登場のシド。ややぶっきら棒な性格の飛空艇操舵手。
元騎士団長だが飛空艇に魅せられ騎士団を辞めた。
物語終盤に街を壊滅させるほどの威力を持つたつまきから自らの飛空艇を守って瀕死の重傷を負い、病床を訪れた主人公たちに飛空艇を「貸して」息を引き取る。
- シド・ヘイズ(FF3)
※イラスト左
ゲストキャラのひとり。カナーンで妻と2人で暮らす貿易商であり、飛空艇技師でもある老人。64歳。
パーティには加わるが戦闘には参加しない(リメイク版では援護攻撃を行ってくれるようになった)。
- シド・ポレンディーナ(FF4)
バロン王国の飛空艇技師。54歳。シリーズ初のプレイヤーキャラ。
- シド・プリヴィア(FF5)
カルナックの老学者。火力船や飛空艇の整備・改造を行いバッツ達の旅を助けた。
ちなみに、飛空艇改造を行う際にブリンクを使っているらしい。
- ミド・プリヴィア(FF5シドの孫)
シドの孫。祖父の助手として、バッツたちの旅を助ける。
元ネタは実在の人名のシド・ミードと思われる。
以後、「ミド」を名乗る人物が、主にシドの(血)縁者としての登場するようになったが、登場しない作品も多い。
- シド・デル・ノルテ・マルケズ(FF6)
※イラスト右
ガストラ帝国の科学者。シリーズ初(?)の飛空艇に関わっていないシド。
敵国の研究者だが、自責の念から主人公たちに協力する。
世界崩壊後にセリスががんばらないと死亡する。
- シド・ハイウインド(FF7)
CV:山路和弘(アドベントチルドレン、ダージュオブケルベロス等)、クリス・エジャリー(英語版)
32歳。『4』以来のプレイヤーキャラ。ロケットパイロットのおっさん。
クラウド&ティファが一時的にパーティから離れた際、ちょっとだけ主人公代行を引き受けた。
『キングダムハーツ』シリーズにも設定を変えてゲスト出演。
- シド・クレイマー(FF8)
スコールらの通うバラムガーデンの学園長。まま先生の旦那さん。
大らかで愛情深いが少しヘタレキャラ。
- シド・ファブール9世(FF9)
※手前
リンドブルム公国大公 兼 飛空艇技師。
浮気が原因で嫁さんの怒りを買っており、魔法をかけられてブリ虫にされてしまう。このため、初登場から終盤近くまでブリ虫→カエルとして過ごす。終盤に嫁さんとよりを戻し、人の姿を取り戻すも、口癖はしばしの間治らなかった。
- シド(FF10)
CV:坂口候一、マイケル・マクシェーン(英語版)
- シド(FF11)
バストゥーク共和国大工房工房長。ちなみに上半身裸+エプロン姿である。
- シドルファス・デム・ブナンザ(FF12)
CV:大塚周夫、ジョン・ラフター・リー(英語版)
通称「ドクターシド」。シリーズ初の敵キャラで、バルフレアの父。そのバルフレアの本名は「ファムラン・ミド・ブナンザ」で、彼が本作のミドである。
- シド・レインズ(FF13)
CV:中村悠一、エリック・デイヴィス(英語版)
聖府軍准将。イケメンシド。最終的にパーティとは敵対することとなる。
- シド・ナン・ガーロンド(FF14)
CV:小山力也(新生~)、グラント・ジョージ(英語版)
技術者集団「ガーロンド・アイアンワークス」のリーダー。今回もイケメン。
今作では『FF12』と逆に彼の父親がミド・ナン・ガーロンド。
- シド・ソフィア(FF15)
ルシス領にある整備工場「ハンマーヘッド」の店主。
30年前にノクティスの父レギスと共に旅をした仲間の一人。
老齢の現在も超一流のメカニックの技術を持つ。
御年77歳と、ナンバリングタイトルでは最高齢のシド。
- シドニー・オールム(FF15シドの孫娘)
『FF15』のシドの孫娘。「ハンマーヘッド」の看板娘で、セクシーな出で立ちの女性。英語版ではCindy(シンディ)に改名されている。
職人気質な祖父の代わりに店と工場を回しており、メカニックとしての腕も確かなもの。
当初は史上初の女性シドかと思われていたが、『FF15』の体験版で彼女から「じいじ」と呼ばれているシドが居ると判明していた(それが上記のシド・ソフィア)。
つまり、今までのシリーズでいうところの「ミド」ポジに当たる存在。ただし彼女の父が「ミド」を名乗っているため、役割的に近い存在というほうが正確であろう。
当初は「シドニー・ダヴェンポート」という名前が出回ったがどうやらデマだった模様。
- シドルファス・テラモーン(FF16)
召喚獣ラムウのドミナント。序盤にあたる青年期にパーティに加わる(というより、主人公のクライヴがシドの目的に付き合わされる形)。青年期最終盤に謎の存在によって致命傷を負わされ、落命した。
- クライヴ・ロズフィールド(FF16シドの後継者)
上記の通り、FF16の主人公。シドルファスの死後、その活動を組織ごと引き継いだ。これに伴って「二代目シド」を名乗る。従ってシリーズナンバリング初の「主人公シド」の誕生となった。
- ミドアドル・テラモーン(FF16シドの養女)
シドルファスの養女。ナンバリングでは初の「女性ミド」である。
外伝作品でのシド
タクティクスシリーズ
- シドルファス・オルランドゥ(『FFT』)
南天騎士団の団長を務め、「雷神シド」と称された剣聖。物語終盤に仲間にすることができる歴代最強のシド。
あまりにも強すぎるため「バランスブレイカー」の代名詞としてしばしば挙げられる。
※ より詳しくは「オルランドゥ」の記事を参照。
- シド・ランデル(『FFTA』)
CV:加瀬康之(ラジオドラマ)
物語の主要人物・ミュートの父親。現実世界では毎日酒場に入り浸っている酔っぱらいだが、イヴァリースでは法の番人であるジャッジマスター(審判騎士)として登場。
戦闘開始時にたびたび登場してはルールを設け、そのルールを破った違反者を罰し、時にはプリズンに連行するなどしてプレイヤーを苦しめた。
女王レメディと王子ミュートに忠実に仕えていたが、異世界のひずみにより現実世界での本来の姿を思い出し、ふがいない自分のせいでミュートを思い詰めさせてしまった事を知り後悔する。以後はジャッジを女王から独立させ、あくまで中立の立場を貫くようになる。
- シド(『FFTA2』)
主人公ルッソの所属する「ガリークラン」のリーダー。
人間(ヒュム)ではなくレベガージ族と言う亜人で、ルッソ達の兄貴分的存在。
クリスタルクロニクルシリーズ
- モグシド(『小さな王様と約束の国 FFCC』)
FFCCシリーズ初のシドはモーグリ。主人公のレオを手助けするモーグリ兄弟の1匹。
飛球(飛空艇と気球を足して2で割ったような乗り物)を使って
移住者の家族を連れてきてくれる運び屋的存在。
ディシディアデュオデシムのモグネットにも同名のモーグリが登場している。
- シド(『FFCC クリスタルベアラー』)
CV:辻親八
工業都市「橋の街」で工房を営むリルティ族の技術者。見た目はどう見ても玉ねぎ。
元・王国筆頭技師であり、魔晶機関の生みの親だったが王国と対立し、
筆頭技師の地位を捨て蒸気機関の開発に転向した。
飛空艇で特攻をかますイカスおやじ。
その他FFシリーズ
- オットー・シド・ベッケンシュタイン(『FFUSA ミスティッククエスト』)
ウィンディアの町に住む天才発明家。ゲーム中ではオットーとのみ呼ばれる。
気さくな性格のグラサンハゲ爺さん。虹の橋を発明したが、飛空艇とは無関係。
ノーマという幼い娘がいる。
- シド(アニメ『FF:U』)
CV:関俊彦
上記のチョコボに先駆けてシリーズ初の若者シド。
レジスタンス組織「コモディーン」のメンバーの青年。天才発明家で一種妄信的な機械愛の持ち主。
普段は温厚だが、自分の発明品を傷つけられると攻撃的な性格に貌変する。
地下鉄エリザベート・潜水艇ジェーン・飛空艇シルヴィアなどを開発するが、総ての発明品には女性の名前が付けられている。
ちなみに中の人は後に『ディシディア』でウォーリアオブライトを担当。
- シド博士(劇場版『ファイナルファンタジー』)
CV:小林清志(DVD吹替版)、ドナルド・サザーランド(英語版)
主人公アキと共に生体反応エネルギーを研究する老科学者。NYバイオエセリックセンター所長。
ガイア理論を提唱し、スピリットを集めるアキを手助けするが、軍から異端扱いされ対立している。
- 大いなる意思(『ディシディア』シリーズ)
CV:菅原文太、ロジャー・パーソンズ(英語版)
ナレーション(語り手)として登場。姿は登場しない。
ルフェインのシド(Cid of the Lufaine)が、次元の狭間に漂う神竜と契約し、意思だけの存在となった。作中のレポートの記述などにより、リメイク版『FFI』で名前が語られていたルフェイン人のシドと同一人物であることが示唆されている。
- 情報屋のシド(『光の4戦士 FF外伝』)
プレイ時間や宝箱収集率などのプレイデータを教えてくれる情報屋。
言うなればFF5の物知りじいさん的人物。やっぱり飛空艇とは無関係。
- シド(『FFレジェンズ 光と闇の戦士』)
アヴァロン帝国飛空艇の艇長で飛空艇の開発者。悪役として登場。
元々は民間人の出であったが、飛空艇の発明により成り上がった。
ナハト達にルクスのクリスタル強奪の任務を下す。
- シド・オールスタイン(『FF零式』)
CV:森山周一郎
47歳。ミリテス皇国の元帥。各国に存在するクリスタルを全て手中に収めようと目論み、クリスタルを封印する技術を開発した。
CV:速水奨
パラデイアの8盟傑のひとりにして飛空艇技師。700年前から生きている。ドワーフたちに飛空艇の技術を教え、その功績でシドという称号を贈られ、以後ディルナドではその時代の優れた飛空艇技師がシドの称号を受け継いでいる。
- シド(『ワールドオブファイナルファンタジー』)
CV:森久保祥太郎
- シド・ブライト(漫画『FINALFANTASY LOSTSTRANGER』)
飛空艇「プリマヴィスタ」の整備士。ガラの悪い獣人の青年。
幼い頃に故郷の村を滅ぼされて以来素性を隠して暮らしており、現在は「ウラカ・ブナンザ」と名乗っている。また、弟の「ミド」(偽名は「ハイユ」)は、新進気鋭の役者として活躍している。
戦闘では「魔銃(まがん)」を使用し、『FF:U』の黒き風と同様に三色のソイルを合成して召喚獣をモチーフとした魔法弾を作り出す。
チョコボシリーズ
- シド(『チョコボの不思議なダンジョン』シリーズ)
CV:北沢力(GP)
『ダンジョン2』から登場した仲間キャラ。ヒゲ親父の姿。
シドタワーに住む技師。戦車「シドタンク」を初めとした様々なマシンを使う。
スパナを使った打撃の他、地雷をセットする能力を持つ。
(左上がシドタンク)
『レーシング』『スタリオン』『はたらく』『GP』にも同様の設定とデザインでスターシステム的にたびたび出演したが、やはり各作品毎に全て別人である。
- シド(『時忘れの迷宮』)
CV:三木眞一郎(Wii、DS)、中村悠一(エブリバディ、GP)
過去のチョコボシリーズから大きく一変して若いお兄さん風デザインになった。
発明好きのトレジャーハンターのメガネ青年。
DS版はタイトルに「シド」がつき、主人公の一人になった初めての作品。
『GP』では「トレジャーハンター・シド」として登場。中年のシドと競演することとなった。
- シド(『チョコボと魔法の絵本』シリーズ)
作品によって技師だったり絵本作家だったりするメガネ青年。
その他関連作品
- シド(『キングダムハーツ』シリーズ)
『FF7』のシドをベースにしたパラレル。
ラクダシャツに腹巻という、おおよそディズニー世界にそぐわぬであろう「昭和のおっさんスタイル」で登場した。
- シドもじゃ(『スライムもりもりドラゴンクエスト』シリーズ)
スクエニ合併記念でドラゴンクエストとのコラボで登場。
その名の通りももんじゃの技師。
元は主人公に敵対するしっぽ団に所属するももんじゃであったが、
しっぽ団に見限られて以降主人公に協力することとなる。
(スラもり3のみ、しっぽ団と無関係の人物となっている。)
- シド(『イマジナリーレンジ』)
FFシリーズと関連のあるiOS向けゲームコミックの主人公。27歳。
サイコセラピストという特殊な技師。
- セド(『ロストオデッセイ』)
かつてFFシリーズを手がけた坂口博信総指揮のRPGに登場するおっさん。
名前がシドっぽいが、こちらは飛空艇ではなく潜水艦ノーチラス号の船長。
かつて義賊として活動しており「海賊王」と呼ばれていた。