キュアニャミー
きゅあにゃみー
猫屋敷ユキが変身するプリキュア。
放映前からビジュアルとプリキュア名は公開されており、2024年1月28日のオンライン会見にてキュアリリアンと共に声優の情報が明らかになった。
毎話のオープニングアニメ映像ではリリアンとコンビで活躍しているカットが最初から描かれているが、実際の作中での初登場は第11話から。
ただし、この時はラストに1シーンのみ登場しただけでセリフは無く、本格的な登場は第12話からとなる。
初期からの公開メンバーかつ3号キュアとしては最も遅い登場となった。
しかし、登場後も正体を明かすことなく、キュアワンダフル・キュアフレンディとは別行動を続けていた。第17話でようやく正体が明かされた。
ニャミーの変身者であるユキは、元々猫屋敷まゆ(キュアリリアン)の飼い猫であるため、レギュラーとしては初の純粋な猫が変身するプリキュアである。
これまで人に化けた姿が固定されてしまった猫型妖精が変身するキュアビート、人間の女子高生が変身する猫モチーフのキュアマカロン、猫型宇宙人が変身するキュアコスモが登場していたが、シリーズ21作目(チームとしては19代目)にしてとうとう本物の猫のプリキュアの登場となった。
またレギュラーのプリキュアとしても、初めて名前が既存の単語ではなく造語となっている。
由来としては猫の鳴き声に因んだものであるほか、英語圏で母猫、飼い主を指す「meowmmy(meow+mommy)」に着想を得ているという説がある。英語表記は「Cure Nyammy」。
他の説としては、ニャミーとリリアンの固有アイテムがアミティーリボンタンバリン(amitiéはフランス語で「友情」の意味)であることや浄化の際の掛け声が「ニャン(アン)、ドゥ、トロワ(フランス語で1,2,3)」である理由から、「にゃ」+「ami」(フランス語で「友達」の意味)の可能性も高い。
見た目的には白の要素が強いが、公式でのイメージカラーは青キュアとされる(担当声優の松田女史がXでイメージカラーは青と公言しており、公式サイトでもニャミーの紹介ページは背景カラーとフォントが青で統一されている)
変身バンクでは本名のごとく雪や氷の結晶が取り入れられている。しかし、戦闘で氷属性の力を使うわけではない(そもそも、本作の他のプリキュアと同じく暑さには弱い)。
銀髪のストレートロングとタレ目の碧眼が特徴で、青い王冠を付けている。王冠の後ろのピンクのリボンが猫耳を連想させる。
ひと目見ただけでは分かりづらいが、メンバーで唯一ピンク色のリップも付けている。
銀髪のプリキュアは6年前の追加キュアとして登場したキュアアムール以来であるが、実は青キュアとしては初である。(アムールは紫キュアであり銀髪も紫がかっている。そのため、純粋な銀髪のプリキュアはニャミーが初という事になる)
コスチュームは白をベースに青いラインが引かれたオフショルダーかつノースリーブのドレスに、リボン付きの白いハイソックスと青のパンプス。王冠型の青いイヤリングを付けている。胸のリボンは青緑色で、リリアンと対になっている。また,スカートの下には水色のスパッツを履いている。
キュアワンダフルやキュアフレンディと同様、左腰に変身アイテム用のポーチを身に着けている。
ワンダフル&フレンディ組に比べると大人びたエレガントな印象を与える姿で、頭身も高くなっている。
ワンダフル同様、動物の擬人化にはありがちな猫耳や尻尾等の動物的な意匠は取り入れられていない。
ただ、青キュアながら白基調の姿はユキ本来の姿である白猫としての特徴を受け継いでいるとも取れる。
なお、プリキュアに変身するには事前に人間態になる必要があり、猫の姿から直接プリキュアに変身というのは基本的に不可能らしい(特殊な状況下で猫から直接プリキュアになった事がある)が、戦闘で多大なダメージを負うと直接猫の姿まで変身解除されてしまう事もある。
初登場したその時点で、ニャミーはワンダフル&フレンディ組と馴れ合うことを避けており、二人とは連携せずに個人行動をしていた。
同じプリキュア同士でもワンダフル&フレンディ組とニャミーではガルガルに対するスタンスが大きく異なっていた。
ワンダフル&フレンディ組は「ガルガルに攻撃しない」路線を標榜しているが、ニャミーは当初攻撃への躊躇が一切なかった。
特に第12話では、フクロウのガルガルを一方的なリンチでダウンさせ、怯える相手の顔面にサッカーボールキックを見舞わせようとするという、プリキュア史上に於いて(悪役を含めても)類を見ない残虐ファイトを見せつけ視聴者を戦慄させた。この時はフレンディが身を挺してニャミーの攻撃を制止したが、もし放っていたならばこのガルガルは殺害されていたのではとも懸念されている。
ただ、この第12話でガルガルに対して苛烈な様子を見せたのは、飼い主であるまゆが襲われた事への怒りによるものであり、ニャミー自身はガルガルの殺害を目的に動いていたわけではない。事実、その前話の第11話ではクマのガルガルの額の宝石に傷を負わせたものの追い討ちはかけずに放置している上に、第16話のインコのガルガルに対しては変身せずに腰のポーチに手をかけながら警告するだけに留めており、ガルガルが飛び去った後も深追いはしていない(ただし、これらについては「ニャミーはスタミナ面に弱みがあるから無駄な戦闘を避けようとしてるだけで、情けをかけてるわけではない」という考察もある。詳細は後述)。
また、ワンダフル&フレンディ組がガルガルを浄化してニコガーデンに戻そうとしている行為に関しては何も干渉せず、好きにさせている。ニャミー曰く「貴方達がそうしたいならそうすれば良い。でも…わたしの邪魔はしないで」
ニャミーのプリキュアとしての活動目的は「ガルガルを助けること」ではないが、一方で「ガルガルを倒すこと」に執着しているわけでもない。
その真の目的については長らく不明であったが、そんな中でもワンダフル&フレンディ組はニャミーと協力関係を結べないかと模索してきた。
しかし、ニャミーの活動目的が「まゆを守ること」ということが判明した第17話で、ニャミーはワンダフル&フレンディ組に対して非力なまゆをプリキュア活動に巻き込んだことを理由に(一方的な)絶縁宣言を突きつけている。しかし、第18話ではその事がまゆを苦しめる要因になっていたことが判明、仲違いに発展してしまった。
第19話ではハムスターのガルガルによってワンダフル・フレンディもろとも縮小化、事実上無力化され窮地に陥るが、まゆがキュアリリアンに覚醒。彼女の活躍でガルガルは浄化され、お互いの心中を打ち明ける事で仲直りをするに至った。
まゆがプリキュアになった後も「あくまでまゆを守るために戦う」「知らない動物に興味は無い」とワンダフル達とは協力しない姿勢を崩さなかったが、キラリンコジカとの対話でガルガルの本質を理解し、リリアンの働きかけでガルガルを救済するスタンスに考えをシフトする。そして第20話にて正式に仲間入りを果たしたのだった。
当初は徒手空拳や引っ搔きによる物理攻撃を躊躇なく行っていた。
そのファイティングスタイルは「戦い」というよりも「肉食動物の狩り」を思わせるもので、獲物と定めたガルガルから決して目を逸らすことなく、猫が鼠をいたぶるかのように一方的に痛めつけ蹂躙するというもの。これについては、『アニメージュ』2024年7月号の高橋麻樹プロデューサーへのインタビューによると、これは動物の防衛本能が勝っていて、それを体現した形となっているためと語られている。
身体能力は非常に高く、飛行するガルガルの更に上空へ垂直跳びで舞い上がり、敵が放った弾幕を足場にして空中機動するほどの脚力と敏捷性、敵の攻撃を片手や片足で受け止め、肉弾戦で叩きのめすほどの超パワー、地面を砕く力を持つトラのガルガルに尻尾で薙ぎ払われても目立ったダメージを見せないほどの肉体強度を兼ね備えている。
動態視力にも優れており、ハリネズミのガルガルのローリングアタックを難なく躱し、高速回転しながら突っ込んでくるその背中を軽く蹴って跳躍して、あまつさえ「あなたの全速はその程度?」とでも言いたげな余裕の笑みすら浮かべてのけた。
さらに第18話では、キラリンウサギのヘルプ抜きで地中を掘り進むハムスターガルガルの位置を正確に割り出して待ち構え、地上に飛び出した端から迎撃するという、ずば抜けた聴力をも披露している。
一方で、(ワンダフル&フレンディ組と比べて)スタミナが弱いと思われる側面があり、第14話ではこれまでの活動の疲労でダウンしてしまい、第17話においては、当初は圧倒的なパワーでガルガルを追い詰めたものの、直後に息切れを起こしている。
さらに第19話ではハムスターのガルガル相手に猫である自分には勝てないと言い切るが、逆に小型化ビームを受けてパワーもタフネスも大幅に弱体化してしまうと、その後は相手の攻撃の前に為す術無くダウンしてしまった。戦闘中にワンダフル&フレンディ組が駆けつけた時は、自分の方が有利な状況であってもガルガルの処置はそちらに任せて戦場から撤退するのが定番であるが、これもワンダフル&フレンディ組を信用しているのではなく、自分がこれ以上戦うと疲労が溜まり過ぎるからという説もある。そもそも人間や犬に比べて長時間動き回れるほどの体力が猫にはないので、スタミナが弱い面は種族上の弱点と考えられる。
この他にも第27話では苦手なヘビに似たツチノコのガルガルにも凄まじく怯えるなど、ワンダフル同様、本来の動物としての本能や性質が戦闘で不利に働くケースがある。
浄化技については全く確認できず、序盤のワンダフル&フレンディ同様にまだ覚醒していなかったと推測される。初期のワンダフルやフレンディ、リリアンのようにガルガルを直接抱擁することで浄化できるかは不明だが、仮に出来たとしても(ニャミーの行動目的上)やらなかった可能性が高いと思われる。
だが、第20話でキラリンアニマル達からガルガルとニコガーデンの生き物達の関係を知り、改めてガルガルと対峙した際に話を思い出し、キュアリリアンと共に初めて浄化技を扱えるようになった。
それ以降はワンダフル・フレンディと同様、リリアンと共にガルガルを極力傷付けず抑え込むようになった。
ただし肉弾戦を仕掛ける方針を決して捨てたわけではなく、第29話ではザクロやガオガオーン相手に大立ち回りを演じている。ただしガオガオーンに対してはガルガル相手のように攻撃を簡単に避けることはできずダメージを受けてしまうことも多くなっている。
第11話における初登場時点から6話に渡って変身者が開示されておらず、正体を明かした第17話の時点でもどのような経緯で覚醒したのかは明示されていなかったが、第18話でプリキュアに覚醒した経緯が判明した。
第10話から第11話にかけての時期である、とある月夜の晩に、ガルガル(正体はキラリンベアー)が猫屋敷家に接近し、「まゆを守りたい」という気持ちからガルガルに立ち向かった時に人間態とプリキュアへの変身能力を獲得したと語っており、すなわちニコガーデンとは無関係に覚醒したことになる。そのためメエメエはその存在を知らず、本人(本猫)もニコガーデンや鏡石等の存在は認識しておらず、第15話でまゆ達がキラニコトランクに吸い込まれる所を目撃して異常に警戒していた。
尤も、ワンダフルもニコガーデンの存在を知らないまま覚醒しているのだが(プリキュアの覚醒には妖精枠といった「後の変身者に助けを求める存在」が関与するのが典型的だが、ワンダフルの場合はそれに当たる人物(動物)が初陣の敵だった)。
本編登場から数話にわたって変身者が明かされていない初期メンバーは11年前のキュアソード以来だが、そもそもソードは(企画時点では)追加キュアとして登場する予定だった事を考えると、ニャミーの登場経緯は基本メンバーとしては異例と言える。
アニメージュ2024年7月号に掲載された髙橋麻樹プロデューサーへのインタビューによると、ニャミーとリリアンの本格参戦は第2クール以降と企画時点で決まっていたものの、当初はリリアンと同時期に登場させる構想であった。
しかし、「ニャミーはすんなり気を許すタイプではないだろう」「第10話付近で山場が欲しい」という理由から、シリーズ構成の成田良美氏の提案でこのような登場の仕方になったという。
仮にまゆと同時期に変身していたなら、こむぎといろはがプリキュアである事を知るより、先にユキがプリキュアである事を知ってからプリキュアになるifのストーリー(群像劇とも言う)が展開されていたと思われる。
前記のように、前作に登場したキュアウィングも「初期メンバーかつ登場が遅い3号キュア」に該当するのだが、それでも第9話で登場しているため、「歴代で最も遅く登場した初期メンバーの3号キュア」の記録は彼女が塗り替える事になった(ウィングからでも3話分上乗せされているため)。
当時のメインプリキュアをもう1人の敵として捉えているプリキュアはハピネスチャージプリキュア!のキュアフォーチュン以来10年ぶりである。
フォーチュンは序盤から登場しているものの、本編では実質の追加キュアとされており、基本メンバー扱いのプリキュアがそのような立ち位置になるのはやはり異例である。
その他、他の歴代プリキュアメンバーとは異なり、初登場時からユキがニャミーと判明してもなお続く冷淡な態度、あまりに苛烈で無慈悲な戦闘ぶり、それにワンダフルとフレンディに不信感を抱いている点から、一部の視聴者からは「キュアニャミーがいつかワンダフルとフレンディを攻撃するのではないか?」と心配の声と考察が上がっていた。
実際、第18話では両者の考えの違いから一触即発となる事態となっている。
しかし、その後にまゆがキュアリリアンに覚醒したことで杞憂に終わった。
また、案の定「なぜか猫のまま変身してしまう」というシチュエーションを描いたイラストもちらほら見かける。
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