概要
本作は講談社の漫画雑誌月刊マガジンZに掲載されていたが、廃刊に伴いテレビマガジンの公式ホームページに連載され、現在に至る。
このマンガの特徴は「ウルトラマンが光の巨人となる前から、ウルトラ一族の歴史を描いていく」と言うものであり、作者独特の劇画調のキャラクターデザインや、TVより格段に強そうな怪獣やウルトラ戦士が特徴的でもある。
また、本作の世界観は、ウルトラ大戦争が起こっていないことなどからわかるように、いわゆるテレビ版ウルトラシリーズとはパラレル設定である。
あらすじ
太陽を失ったM78星雲光の国の住人は、人工太陽プラズマスパークを作り上げ、新たなる光を得た。だが、バルタン星人の陰謀により、プラズマスパークからは「ディファレーター光線」という電磁波が放たれるようになってしまう。ディファレーター光線はM78星雲をはじめとした宇宙全土に飛散し、光の国の住人は巨大化して光波熱線等の特殊能力が使えるようになり、また、特殊な生態を持った巨大生物『怪獣』が様々な惑星で出現した。
宇宙の平和を守るため、光の星の住人達は惑星を調査することにした。人は彼らをこう呼ぶ、『ウルトラの戦士たち』と。
登場人物
既存の登場人物
- ウルトラの父:宇宙警備隊の総司令官。タロウの父親。
- ウルトラの母:銀十字軍隊長。タロウの母親。慈しみ深い。
- ゾフィー:本作の実質的な主人公。まだスターマーク等の装飾は付いていない。真面目で勇敢な最強の戦士。多分絶対頭に火なんか点かない。必殺技のM87光線は街を一つ吹き飛ばしてしまうほどの威力を持ち、また、「砂漠の砂粒1つを撃ちぬくようなものだ」と言われた精密射撃をこの必殺技で完遂するなど、命中精度も非常に高い。
- ウルトラマン:初代ウルトラマン。以前はプラズマスパーク開発・打ち上げを担当する部署の主任を務めていた。因縁の相手、バルタン星人と戦う。
- ウルトラセブン:熱血漢の勇者。ミクラス、アギラ、ウインダムといったカプセル怪獣と知り合っていく過程が描かれる。別にゾフィーと仲が悪いとかそういうのはない。
- ウルトラマンジャック:初登場話では変身専用のブレスレットを使うがそれを破壊され一度は変身能力を失うが、真の力を手に入れ、TV版同様の感情の昂ぶりで変身可能に。ある星の守護神となる。強い信念を持つ戦士。
- ウルトラマンエース:ゾフィーに拾われて以来彼のことを慕っている。幼馴染みの恋人を策略により失う。やっぱりギロチン大好き。
- ウルトラマンタロウ:光の国を守る司令(ウルトラの父)と銀十字軍隊長(ウルトラの母)の実子。プラズマスパークで超人化した父と母から生まれた、純粋なる光の超人。まだ若いため非常識な点も多々見受けられる。
- ウルトラマンレオ:しし座L77星の王子。王家に代々伝わる指輪を身につけることで、光の巨人に変身できる。マグマ星人の襲撃によりすべてを失い、生き残りの仲間を捜しに果てしない旅に出る。
- アストラ:レオの双子の弟。
オリジナルのウルトラ戦士
身の丈ほどの隕石をバラバラにする程の剛腕の持ち主。いわゆる体力バカだが、誰よりも情に熱い熱血漢。
寒がりなウルトラ族では珍しく冷凍光線を主体として使う氷の戦士。カプセル怪獣フリーザスと言う相棒がいる。
- フレア(メイン画像)→フレア(ウルトラマンSTORY0))
体を光の粒子に変えたり、バリアーを貼ったりするのが得意な小柄な戦士。
タロウの教育係を務める慈愛の戦士。
L77星に逗留したレオとアストラの師匠。
- ルティア
エースの幼なじみ。
このほかにも数多くのウルトラ戦士が登場する。
主な登場怪獣
ウルトラ戦士と敵対した怪獣
- バルタン星人:全体が一つの思考で統一された種族。主だった個体は序盤でマンに倒されたが、それ以後もストーリーに影響を与え続けた本作の黒幕的存在。
- ゼットン:クワガタムシに似た昆虫が変異した存在で複数個体が登場。
- 巨大ゼットン:他のゼットンの数倍の巨体を持つ。
- ペダン星人:バッファロー星を侵略した。1コマだけ影のかかってない素顔が登場したがウルトラギャラクシー大怪獣バトルとは大分異なる。
- キングジョー:ペダン星人のロボット。本家に比べ装甲が弱い。
- キングザウルス:ジャックの訪れた星に棲む怪獣。水棲動物だったがプラズマ鉱石を食べて陸上型に進化した。
- 改造光の戦士:バルタンによってサイボーグ化されたウルトラ戦士たち。
- ベムスター:惑星ほどの大きさの超巨大怪獣。四肢がある部分全てから頭部が生えているという異形。
- アントラー:地球のバラージで神として恐れられていた。
- ゴモラ:地球に出現。逆関節に前傾姿勢と、より恐竜らしい姿にアレンジされている。
- レッドキング:ゴモラと共に出現。EXレッドキングのような巨大な腕が特徴。頭はあまり良くない。
- ザンボラー:火山が怪物化したような巨大怪獣。本家やパワード版とは違い邪悪な存在。
- マグマ星人(先遣隊司令):L77星を襲撃した宇宙人。アストラに敗れるがL77星を爆破した。
- マグマ星総統:マグマ星人の総統で先遣隊司令の弟。正々堂々とした戦いを旨とする武人。右手のサーベルは光線銃にも変型可能。
- イエローギラス、グリーンギラス:ギラス兄弟の同族。
- デスギラス:マグマ星総統が騎乗獣として連れている四足歩行のギラス。単体でのデススピンが可能。恐怖を感じないように両目を潰されている。
- イカルス星人:多数の怪獣を率いてウルトラ戦士の抹殺を目論む。
- ブルトン:イカルスの仲間の怪獣。多数の怪獣をカードの中の異空間に閉じ込めている。
- ジェロニモン:本作より数千年前の地球にいた怪獣。「竜の戦士」というゾンビを操って人間を襲い生命エネルギーと恐怖心を食べていたが、タイムスリップしてきたセブンに敗れる。元は人間ほどの大きさだったが数千年の間に巨大化し再生怪獣軍団を率いて復讐に現れる。
- バニラとアボラス:封印されていたがジェロニモンの宮殿の崩壊と共に復活。セブンと後の時代の防衛隊員を思わせる戦士達の活躍で倒された。
- ケムラー、ガボラ:地球に出現。合体するがセブンとゾフィーに敗れる。
- ベムラー:異なる個体が数回に渡って登場している。
- ギャンゴ:思考を反映する特殊な隕石によって生み出された怪獣。外見はベムラーをモデルにしている。
星間連合
後半の敵。宇宙支配を企む宇宙人達の連合。
- ババルウ星人:圧倒的な力で星間連合のリーダーとなる。本作のラスボス。
- ボーグ星人:ババルウの副官的存在。星間連合に囚われたウルトラの父を救出するヒントをウルトラ戦士に与えるなど、その言動には謎が多い。
- メフィラス星人:明晰な頭脳と強大な念動力の持ち主。
- メトロン星人:星間連合で最初にウルトラ戦士に接触。惑星メトロプラネットを裏から支配し様々な薬品を開発している。後に自分のやり方で宇宙征服を目指すとして星間連合を脱退。
- ザラブ星人:兵器開発を担当し宇宙戦艦アイアンロックスの量産を目指す。本作ではゾフィーに化けた。
- ガッツ星人:分身宇宙人。惑星エレメンターに眠る「究極の力」を手に入れようとする。
- ナックル星人:惑星オズをブラックキングをはじめとする怪獣を飼育する「怪獣牧場」に変える。TV版同様に卑劣漢。
- テンペラー星人:星間連合きっての武闘派でウルトラ戦士を何人も破った実力者。
- ヒッポリト星人:ヒッポリトタールの開発を行う。テンペラーの腰巾着を装っているが、彼の高い戦闘力を利用するためであり本心では見下している。
- 双頭のゲラン:一兆度以上の炎を吐くがテンペラーに脳を破壊され死亡。
- 人造光の戦士:ウルトラ戦士を模したロボット。スペックは本物以上に設計されているがババルウにデモンストレーションとして全て破壊される。
- アイアンロックス:ザラブの巨大宇宙戦艦。惑星をも破壊する威力の主砲を持ち、ビルガモや恐竜戦車を搭載する。脚部パーツとドッキングして巨大ロボットにもなる。
- アーストロンとゴーストロン:特殊なカプセルの力で命を吹き込まれた鉄の像。アーストロンの両手は鎌になっている。
- 破壊神:惑星エレメンターに封印されていた「究極の力」の正体。封印を解いたガッツと融合する。
- ブラックキング:ナックルの操る怪獣。遺伝子操作や異種交配で飛行型や水中型など様々なタイプが存在する。
他にもザラブの配下にダダとクール星人、ウルトラの星を襲った怪獣軍団の中にササヒラー、ベル星人、アトランタ星人等が登場している。
友好的な怪獣
- ミクラス:バッファロー星の住人から「バッファローの王」と呼ばれる。キングジョーと戦い、後にセブンのカプセル怪獣になる。
- ウインダム:複数の個体がバルタンによって操られていた。その中の一体が後にセブンのカプセル怪獣となる
- アギラ:惑星オズの怪獣。ナックル星人との戦いで力尽き、己の卵をウルトラ戦士達に託す。角は二本で人間に近い体型をしている。
- ミンティオス:セブンのカプセル怪獣。意思を持った霧。
- フリーザス:ザージのカプセル怪獣。アンキロサウルスに似た冷凍怪獣。
- 「星の声」:ゾフィーを導く存在。地球ではドドンゴに似た龍として実体化し、アントラーと戦うゾフィーに加勢した。
- ロン:レオのペット。TV版の回想シーンでは小さな龍のような姿だったが、この作品では背中に瘤のある犬に似た生物。
- ピグモン:地球に移り住んだ異星人の族長が死後に転生した姿。
- シュガロン:エレメンターの「地の国」の守護獣。
- シーモンス:エレメンターの「水の国」の守護獣。魚竜のような体型。
- パンドン:エレメンターの「火の国」の守護獣。
- ヒドラ:エレメンターの「風の国」の守護獣。TV版より鳥に近い姿をしている。
- ベロン:宴会をしていると現れる酒好きな怪獣。大きさは人間程度。
主な舞台
- M78星雲光の国:ウルトラマン達の故郷。ストーリーの展開上、登場する度に襲撃されている。
- バッファロー星:セブンが訪れたミクラスの故郷。牛を飼う遊牧民が住んでいる。元は温暖な惑星だったがプラズマの影響で寒冷化している。
- 海の惑星:ジャックが訪れた水棲人が暮らす星。海には凶暴化した怪獣の他、普通の魚のムルチが生息する。
- バルタンの基地:宇宙各地に存在する。怪獣の製造や改造、バルタンの繁殖等を目的とした施設。
- L77星:レオの故郷。一見中世程度の文明レベルだが、対空レーザー砲、戦闘機、惑星脱出用の大型宇宙船が存在するなど高い科学力を持つ。
- 地球:プラズマに汚染されていない惑星。時期的には昭和シリーズの数千年前であり、文明レベルはバラージを除くと小さな集落がある程度。今作よりさらに数千年前には特殊金属オリハルコンを精製する文明が存在した。バルタンによって怪獣の幼生体が射ち込まれた。
- 鉱山の星:ザラブが本拠地とする惑星で基地の他に兵器の製造工場と超エネルギー物質ゴルドニウムの採掘場がある。採掘場では大量の異星人が奴隷として働かされており、監視役としてユートムが配備されている。
- 惑星ギガント:高度な科学力を持つ植物人間が住む森林の星。
- 惑星エレメンター:かつて異星から移住し四つに分かれた種族が暮らす星。
- 惑星オズ:犬に似たリリパット族が暮らす星。ナックルの実験場として多種多様な怪獣が飼われている。
- 惑星メトロプラネット:一見科学が進んだ平和な星。その正体は子供がロボットに育てられ、大人になれば薬物の実験台となるメトロンの秘密プラントである。
- 惑星ディープ・シー:蟹に似たアブアブ族やブラックドームが住む霧深い星。ヒッポリトが救世主を装いアブアブ族の遺体からタールを作っていた。
関連項目
仮面ライダーSPIRITS - 同じくマガジンZの主力だった特撮原作のアクション漫画。
なぜこんなことになってしまったんだ - 3巻にてウルトラマンの放った台詞。