機体スペック
機体スペック
誕生
誕生
本来は汚染された地球環境を再生するためのネオ・ジャパン試作型モビルファイター「アルティメットガンダム」として開発されており、開発者であるライゾウ・カッシュ博士はこのガンダムに、地球再生プログラムを付与していた。
それが『自己再生・自己増殖・自己進化』の3つの能力を持つ「アルティメットガンダム細胞」である。
しかし、それを知ったネオジャパン軍部のウルベ・イシカワ少佐と、カッシュ博士の才能を妬んだミカムラ博士が本機を奪取すべくカッシュ博士の研究所を襲撃。
ガンダムはカッシュ博士の長男キョウジ・カッシュの操縦で地球へ脱出するが、大気圏突入の際にショックでプログラムが狂い、プログラムは「人類の存在こそが地球汚染の最大の原因である」と判断するに至り、機体は制御を失ってキョウジを生体ユニットとして取り込み、人類抹殺のため動き出す。
悪魔のガンダムの誕生であった。もはやガンダムの顔を持つ怪獣である。
カッシュ博士は以上のウルベ少佐、ミカムラ博士により捏造されたキョウジの謀反により冷凍刑に処せられ、その減刑を条件にドモン・カッシュは第13回ガンダムファイト大会へ身を投じるのである。
外装の一部(特に胸部周り)がシャイニングガンダムに似ているのは、モビルファイター部分を担当したのがミカムラ博士であったため。
生体コア
生体コア
デビルガンダムはプログラムされた目的(=人類絶滅)に従って自律行動するため、パイロットを必要としない。
しかしその制御には「生体コア」(生体ユニット)という形で人間を必要とする。
この生体コアには女性が最適であるらしく、コアとして取り込まれたレイン・ミカムラの姿は当時の視聴者にはちょっとしたトラウマである(性的な意味で)。
なお、コアとなった人間が自力で脱出するなり、コアを撃ち抜くなりして生体コアが失われるとデビルガンダムは崩壊する。
デビルガンダム細胞(DG細胞)
デビルガンダム細胞(DG細胞)
『自己再生・自己増殖・自己進化』の能力を持つ細胞から構成された本機には、必要に応じて子機を生成する能力を持つ。また、人体・機械を問わず浸食・変異させる、完全にモビルスーツ(モビルファイター)の枠を逸した特性をも持つ。浸食は縦長六角形のウロコのような模様で視認できる。
DG細胞に人間が浸食された場合、デビルガンダムの操り人形と化してしまう。また、脳まで浸食された場合の治療法はなく、浸食が進むとゾンビのような外見の「ゾンビ兵」にされ、デスアーミー等のパイロットとして利用されることになる。但し東方不敗マスターアジアは、強靭な精神力を持つためDG細胞に浸食されていない。※なお、マスターアジア並びにシャッフル同盟(後を継いだドモン達を含む)が「DG細胞に浸食されない/他者からDG細胞を除去できる」のはDG細胞の開発ベースが一種の「精神感応金属」の為である。また、カッシュ博士の(アルティメットガンダムとしての)運用構想としては「サバイバル・イレブン」で地球各地を転戦する際に同細胞を散布する事で環境中の汚染物質の除去を始めとする地球環境/生態系の回復、再生を行おうとしていた様だ(この際に野生の動植物に対して先述の浸食が起こるものの、プログラムが暴走していない状況では、むしろ生体の汚染除去や機能再生を促進する形となる。そもそもが、「その為の」生体同化機能の様である)。
進化
進化
第1形態
アルティメットガンダムが暴走を始めたときの形態。多数の脚部とエビのような鋏が特徴。この時はまだバルカン砲程度の武装しか持っていない。また、バンダイからリリースされていた「MOBILE SUIT IN ACTION!!」シリーズでは玩具独自の要素としてシャイニングガンダムと同等の脚部に換装可能となっている。
カニムシを彷彿とさせる外観だが、カッシュ博士的には(土壌生物としての)イメージを加える事で地球再生の意志を表明したかったのかも知れない(そんな事を知らない向きには敵意と威圧感の塊でしか無いが)。
第2形態
新宿での繭から復活した形態のデビルガンダム。脚部はなく、地面から生えたような状態となっており、地中に潜って移動する。多数のデスアーミーとゾンビ兵を取り込んだためかパワーははるかに増しており、新宿を特大のビームにより一瞬で焼き払った。
第3形態
ギアナ高地に現れたデビルガンダム3番目の形態。多数のガンダムヘッドを量産し、ドモン達を囲い込むが、明鏡止水の境地に至ったドモンに撃破され大破。しかし、残骸はネオホンコンによって秘密裡に回収されていた。
コンテナ形態
第3形態の残骸をネオホンコンが回収、移送した際の形態。多数のヘリに懸架されていた奇怪な立方体だが、これは完全な楽屋オチでカントクのスタトレ趣味の反映である(ボーグ・キューブが元ネタ)。※そもそも本機の設定自体ボーグと「巨人頭脳ブレイン」のインスパイアである。
第4形態
ランタオ島での最終バトルロイヤルに現れたデビルガンダム。敗退した各国代表のガンダムを次々とDG細胞に感染させ、シャッフル同盟を襲撃するが、ドモンがシュバルツとキョウジの命と引き換えに石破天驚拳でこれを撃破し、機体はネオジャパンに回収された。
デビルガンダムコロニー
クライマックスにおいて、デビルガンダムがレイン・ミカムラを生体ユニットとして復活し、ネオジャパン・コロニー全体を浸食した姿。このデビルコロニーをガンダムとするならば、ガンダムタイプの中で最大の大きさを誇る。
前期OPからその存在は示唆されている(ただし、前期OP版は「地球その物を同化」している為、本編のデビルガンダムコロニーはダウンサイジング版だったりする。それでも馬鹿デカイ事に変わりは無いが)。
最終形態
ネオジャパンのコロニーを取り込んだデビルガンダムが、コア部分のみを自身の体内に独立させて作り出した形態。サイズはMFの数倍程度であるが、破壊力は健在で、小型化により機動性も通常のMFに劣らない。
通常時はガンダムヘッドから本体が生えたような外見だが、戦闘時にはガンダムヘッド部が脚部に変形する。
ドモンの告白によりレインが自我を取り戻したため機体は弱体化し、最後は二人の「石破ラブラブ天驚拳」により撃破される。この時のデビルガンダムは生体ユニットを奪われた事への怨嗟の念を現したかのごとく、スリットの入った赤い顎を持つ所謂「ガンダムフェイス」から無数の牙を生やしたおぞましい形相へと変貌していた。
関連機体、子機
関連機体、子機
デスアーミー
最も多数生成される子機。質より量の物量兵器である。バリエーションとして四足歩行型、空戦用の「デスバーディ」、水中用の「デスネービー」、ドラゴンガンダムやマスターガンダムに偽装した「デスドラゴン」「デスマスター」がある。
デビルガンダム四天王
グランドガンダム
ネオイングランド代表・ジョンブルガンダムが変異した機体。
通称「獅王争覇」。
小さな頭部とは不釣り合いな程に肥大化した4つの脚部を備え、その両脇からは4本の腕が生えており、他のモビルファイターが豆粒に見えるくらいの巨体を持つ。
パイロットはドモンとの闘いの末死亡しているジェントル・チャップマンであり、DG細胞によって蘇生した一種のゾンビである。
ガンダムヘブンズソード
ネオイタリア代表・ネロスガンダムが変異した機体。
通称「天剣絶刀」。
モビルファイター形態から鳥型の空戦モードに変形する。
パイロットはドモンへの復讐に燃えるあまり自らDG細胞に浸食されたミケロ・チャリオット。
ウォルターガンダム
ネオスウェーデン代表・ノーベルガンダムが変異した機体。
通称「笑傲江湖」。
水中戦を得意とする機体である。
パイロットはDG細胞に浸食されバーサーカーシステムでウォン・ユンファの操り人形と化したアレンビー・ビアズリー(ただし、決勝大会直前の本機はアレンビーがパイロットでは無いと考えないと本編描写に矛盾が有る)。
レインのライジングガンダムとの闘いでバーサーカーシステムは破壊され、アレンビーも救出された。
後にウォンを取り込んで復活し、宇宙に向かうゴッドガンダムを妨害をしようとするが、所詮ウォンは鍛えられたファイターでは無かった為に、駆けつけてきた風雲再起に蹴られて完全敗北してしまうことになる。
グランドマスターガンダム
デビルガンダム四天王が合体した機体。
デビルガンダムコロニーの動力システムがDG細胞によって変異したものであり、パイロットは地球圏支配の野望に燃えるウルベ・イシカワ。
その圧倒的な戦闘力でシャッフル同盟を苦しめるも、合体攻撃「シャッフル同盟拳」によって撃破され、ウルベも崩れ去った。
立体物
立体物
1/144シリーズ、BB戦士シリーズにラインナップ。前者は最終形態限定であるが、従来型の倍の大きさの体格を持つ。 後者は、第1形態限定だが各部関節が可動し、クロー展開ギミックが組み込まれている。
ガシャポンSDガンダムフルカラーシリーズにラインナップ。※現在、入手困難
ゲームにおける扱い
ゲームにおける扱い
SFCソフト「機動武闘伝Gガンダム」のストーリーモードのラスボスとして下記の姿で登場。
モビルファイターのような人型となっている他、ロケットパンチを始めとした技を駆使する。
本編のと区別するためかアナザー形態とも呼ばれる。
SDガンダムGジェネレーションFではデビルガンダムの息子として『デビルガンダムJr.』というオリジナルガンダムが登場する。生き残ったデスアーミーが進化し集合、合体した後、更に進化を遂げた結果誕生したデビルガンダムの末裔とされる機体。上下が逆転しており、脚部に当たる部分は植物の葉の様なパーツが4つ繋がり、その先端を分離、変形させることで『四天王ビット』という独自の兵器として操る。
スーパーロボット大戦シリーズではデビルガンダム細胞がクロスオーバー要素となり、『蒼き流星SPTレイズナー』のキャラクターであるゴステロがデビルガンダムに搭乗したり、他作品の要塞を侵食して、デビルアクシズやデビル機動要塞、デビルウルタリアというオリジナルユニット(デビル機動要塞を除く)が誕生する事もある。
また、DG細胞がイデに近い存在と化している(実際にこうなったのはスーパーロボット大戦Rからでありオーラバトラー大戦の様に旧時代では分割されていた)。
つまり、スパロボのデビルガンダムは人工的に作られた「因果律」と言え、進化の行きついた先がイデオンと言える。
今の所、イデオン化はスーパーロボット大戦Jを除き全て阻止されている。
しかし、スーパーロボット大戦Tではなんとイデオンへの進化を自ら拒否した。
デビルガンダムコロニー形態がゲーム『ガンダムVSガンダム』シリーズにおいて、サイズこそ大幅に抑えられているもののボスキャラクターとして参戦している。一切の攻撃を遮断するバリアフィールドの展開や大質量攻撃など攻撃のバリエーションが増えている。
体格が体格ゆえに動かないものの、時折現れるデビルガンダムヘッドはバリアを発生させてこちらの攻撃を妨害してくるので放置し辛い。また、専用のGクロスオーバーを持っており、巨大パンチが飛んでくる。
撃破後のエンディング画面では破壊されたデビルガンダムの残骸が映される。
『スーパーヒーロー作戦』では、ユーゼス・ゴッツォがそもそもの設計者であり、カッシュ博士を促して造らせた、という設定になっている。その目的はこの世界において神に近い力を持つウルトラマンの力を収める容れ物である。
更にユーゼスによって構築された「クロスゲート・パラダイム・システム」(ゲーム開発者曰く、もしもボックスとタイムマシンが一緒になったようなもの)が組み込まれており、時空を跳躍する事が可能。
最終決戦では、カラータイマーのエネルギーで満たされたデビルガンダムにユーゼスが生体コアとなる事で超神形態・ゼストとして最終ボスとなり、プレイヤーの前に立ちふさがる。
余談
余談
- 上記のデビルガンダムに先駆けて、ホビー漫画プラモ狂四郎作中にて同名の機体が登場。主人公のライバルであるサッキー竹田が制作した4本腕の紅いガンダムで、グラスファイバー強化プラスチックやラテックスなどの異種素材を用いている他、隠しギミックとしてガンダム風頭部の中にクリーチャー然とした真の頭部が隠されている。サッキーの命名では本来は「ブラッディー=マリー」なのだが、『狂四郎風に名付ければ』ということでデビルガンダムと劇中でサッキー本人が呼んでおり、続編である「新プラモ狂四郎」でもその名で通ってしまっている。むしろ、本名であるブラッディー=マリーで呼ばれることがほとんどなかったほど。デザインはストリームベースの小田雅弘。さすがに現在では区別のためにブラッディー=マリーで呼ばれている。
- Gの影忍では、他者の精神を取り込み、肉体もろとも侵食する宇宙生物が登場。主人公の記憶を取り込むことで『バイオ・ガンダム』と呼ばれる(作中人物は誰一人として呼んでいないが……)最強の分体を得た。デビルガンダムと似通った要素もあるが、こちらは純然たる宇宙生物である。
- 海外版ではデビル(悪魔)という名称は(ゴッドガンダムと同様に)宗教的な理由で使用できないため「Dark Gundam(ダークガンダム)」という名称に変更されている。
- ラスボスであるが本来は自然や地球の為に造られた善意の被造物にも関わらず悪人に殆どのモビルスーツのようにただの戦闘兵器に使われてしまった皮肉なガンダムであり、「何らかの救済を…」な意見も無くはない。
しかし本作終盤の内容が実質この二人の恋愛ドラマと化しており、その(文字通りの)最後の障害として立ち塞がる必要が有った為、本編の形での退場となったようだ(そもそもカントクに「ラスボスも救う発想自体が無い)。※これに関連して「CONTINUE」誌Vol.33での都築真紀氏のインタビュー内容から「夜天の書周りの設定は本機周りの設定の換骨脱胎では?」と考える向きもあるらしい。
・・・「スーパーロボット大戦T」のあるルートで(アルティメットガンダムの記事参照)で救済がなされていた。
関連タグ
関連タグ
マスターガンダム ガンダムヘブンズソード グランドガンダム ウォルターガンダム グランドマスターガンダム ガンダムヘッド
イデオン:スパロボでは近い存在にして自己進化の行きつく先
異次元獣:2016年度の異次元獣がこれに近い存在
赤い木(ケムリクサ):善意の被造物が災厄と化してしまった繋がり。こちらは純然たる「事故」の結果であることが相違点。
通信衛星アーク:同じく「人類を滅ぼすべき害悪」と判断して暴走した機械繋がり。