カミツルギ
かみつるぎ
「ヤー! ターン!!」
基礎データ
他言語版の名称
カミツルギ
英語 | Kartana |
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イタリア語 | Kartana |
スペイン語 | Kartana |
フランス語 | Katagami |
ドイツ語 | Katagami |
韓国語 | 종이신도 |
中国語 | 紙御劍(繁体字)/纸御剑(簡体字) |
UB-04 Blade
イタリア語 | UC 04 Sectio |
---|---|
スペイン語 | UE-04 Tajo |
フランス語 | UC-04 Lame |
ドイツ語 | UB-04 Schwerthieb |
韓国語 | UB04 슬래시 |
中国語 | UB04:劈斬(繁体字)/UB04:劈斩(簡体字) |
概要
初登場は『ポケモンSM』。アローラ地方を脅かす謎の存在ウルトラビーストの一種。
UB04 SLASH(スラッシュ)というコードネームを持つ。
『サン』にしか出現せず、『ムーン』では代わりにテッカグヤが登場する。
熨斗と折り紙を組み合わせた式神のような姿をしたウルトラビースト。
「紙の剣」かつ「神の御剣」というハイセンスなネーミングが光る。
英語名についてもカルタ、カルテ(いずれもカード類を指す外来語由来の言葉)+刀、カーテナ(イギリス王家に伝わる剣)という、シンプルながら洒落のきいた物である。
その名の通り、薄く鋭く研ぎ澄まされた鋭利な身体は、正に全身が刃物。中でも腕の先の切れ味はずば抜けており、巨大な鉄塔も一刀のもとにバッサリ斬り捨てるほど。
斬撃を放つ際は胸の中心から生えている両腕を合わせ、一本の刀の様な形態にして振るう。
その薄い身体でひらひらと踊るように攻撃を避け、カミツルギを攻撃しようとした者は誰であれ、その”刀身”によって一刀両断されてしまうという。
ただカミツルギ自身が先に攻撃を仕掛けることはないらしい(鉄塔を切り倒したのは、ウルトラホールで突然別世界に呼び出されたことにより気が立っていたのかもしれない)。
その凶悪な攻撃力と防御力から非常に危険な生物ではあるが、身体の性質上火と湿気には酷く弱いとのこと。しかしゲームではみずタイプの攻撃はしっかり半減するので安心。
重さは無いに等しく、ゴースやコスモッグのようなガス状ポケモン並み。言うまでもないがはがねタイプでは最軽量。
また、0.3mはキャタピーやイーブイと同サイズなので描く時は注意。
設定画では、時代劇がかった「ござる」口調に、渋い性格だが仰天する事もあるという、某斬鉄侍に瓜二つなキャラ付けがされている。
ウルトラフォレスト
ソルガレオやルナアーラに乗って無数のワープホールのある空間を移動する中で訪れることができる場所。
ウルトラビーストにはそれぞれ固有の世界に棲んでおり、カミツルギはウルトラフォレストという場所に生息している。こちらは「ウルトラサン」でのみ行く事が可能。
ウルトラフォレストはその名の通り、松の木が複数存在している緑豊かな森であり、BGMと枯山水のようなフィールドも相まって和風な雰囲気を醸し出している。
ウルトラビーストの世界にしては珍しく人間が存在し、人間とウルトラビーストの共存関係が明確になっているのが特徴的。
この世界に存在している「かみつかい」というトレーナー達は、カミツルギを彷彿とさせたような和装を身に纏った老人の姿をしている。主人公と目が合えば会話もするが、その内容は「キレルカ トラエルカ」「メン コテ ドウ ツキ」と何故かどれも片言口調ばかりである。
カミツルギの下へ辿り着くまでに2回かみつかいとバトルする事になるが、どちらも手持ちポケモンとしてカミツルギを連れている。ちなみにモンスターボールは使用していないのか(もしくはこの世界にモンスターボール自体が存在していないのか)、バトル開始の際はカミツルギが最初からフィールドに出ている。
かみつかい達とのバトルに勝利して奥に進むと、大きな岩の前で静かに浮遊しているカミツルギの姿が確認できる。このカミツルギに話しかける事で、カミツルギが目の前の大きな岩を一刀の下に斬り捨てた後、主人公の方へと振り返り戦闘になる。
ここで戦うカミツルギのレベルは60。
ゲーム中の性能
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ |
---|---|---|---|---|---|
59 | 181 | 131 | 59 | 31 | 109 |
全ウルトラビーストの中でもとりわけ歪な能力値の持ち主。
特筆すべきはその異常とすら言えるほどの攻撃力。この攻撃力は禁止級やメガシンカを含めても全ポケモン中堂々の3位であり(1位のメガミュウツーXと2位のメガヘラクロスはメガシンカポケモンであるため持ち物が縛られるが、カミツルギは自由に選べるため、持ち物次第では一番火力が高い)、あのデオキシス(アタックフォルム)すら凌駕する。
これにビーストブーストが乗る為、下手に犠牲者を出すとだんだん止まらなくなる。
また紙の癖して防御も131ある。やっぱりはがねタイプが入っているからか。
その一方で、特防は壊滅的に低い。対戦における紙特殊防御の代名詞であるパルシェンにすら劣るのだ。
その特殊耐久や特殊アタッカーの一致半減攻撃ですらHPが抉れ飛ぶレベル(具体的にはスターミークラスの「ハイドロポンプ」ですら余裕の確2)。さらに酷い事にカプ・テテフのフィールド込みサイコキネシスに至っては確1圏内である。半減なのに。
そしてほのお技に至っては「かえんほうしゃ」どころか「ひのこ」ですら致命傷になりかねないレベル。
耐性は優秀(ナットレイと同タイプ)だが、受けに出すには限度がある。弱点でなくかつ物理技なら一撃は耐えられるので、繰り出す先を考えることが大事といえる。
また、高い攻撃力を備えながら高威力の技に恵まれず、一致技の通りも微妙という難点を持つ。
一致技の最高威力ははがね技が「スマートホーン」の70、くさ技が「リーフブレード」の90と若干不安を抱えている。
教え技でも何と「アイアンヘッド」を覚えない。紙だからか。
見た目が剣である為か相手を「斬る」様々なタイプの技を多く習得できるため、対応できる範囲自体は広い……が、その一方で技マシンへの対応が異様に貧弱であり、思ったほど幅広い戦略を取れない。
一応「つるぎのまい」を習得できる為火力の底上げも出来るが、基本的に積む暇はない為攻撃力の上昇は「ビーストブースト」に頼りがちになる。
また物理攻撃特化の宿命か、「いかく」ややけど状態など、攻撃低下にもすこぶる弱い。(1ランク低下程度であれば脆い相手なら構わず貫けることもあるが)
基本的には「上から弱点を突いて相手を仕留め、ビーストブーストで火力を確保する」動きを意識するのが吉。低威力技は命中率に優れる為、どちらかと言うと威力より安定性を取った形と言える。
総じて、不安要素が多めだが刺さる時には滅法刺さるポケモンといえる。
しっかりと状況を読んで運用してあげる必要があるので、トレーナーの腕が試されるだろう。
ちなみにこのポケモンはダブルバトルで高い評価を受けている。
くさタイプのZ技でガブリアスを押し切れる上、サブ技はポリゴン2やギルガルドに刺さる(確定1発は無理だが)。そもそもフェアリータイプが環境に多いので抜群を取れる相手は存外多い。
「はがね枠やほのお枠を抜いたりすると実はコイツが刺さっていた」、あるいは「対戦中にいつの間にかコイツに縛られていた」というケースもよくあるほど(特にWCSルールではコイツの上をとれるポケモンが少ない)。
更に鋼タイプが全体的に不利であり、弱点が9個であるにもかかわらずさかさバトルでも活躍できる。
Zリーフブレードでメガガルーラを仕留められることも大きいが、
草技の一貫性が大きく向上し、水タイプや電気タイプに一致鋼技をぶちかませるのも○。
さかさダブルではジャラランガがトップメタに進出したことにより更に需要が増している。
元々タスキ持ちも多いカミツルギにとって、耐性の貧弱さは攻撃性能の向上に比べればどうってことないデメリットである。しんそく以外の先制技も普通に耐えるし。
かつてPGLのランキングにおいてダブルで18位、WCSルールでは何と4位にランクインしたことがある。相性の良いパーティの開発も後押しし一躍メジャーになった。
ちなみにダブルバトルの全体攻撃用として「はっぱカッター」が採用されることがある。攻撃力の高さのおかげで十分な威力が出る。
但しダブルはリザードン・ウインディ・ヒードラン・ガオガエンの数が多いので、ランクインしているとはいえ油断は禁物。特にリザードンは相性最悪。
ウルトラサン・ウルトラムーンで追加された教え技では、念願のアイアンヘッド習得はできなかったが、はたきおとす、おいかぜ、てっぺきなどを習得。
特においかぜは自発的に素早さを上昇させるだけでは無く、Zワザ化するときあいだめ状態になる。
急所ランク+1技を多く覚えるので確定急所になり、威嚇などによる攻撃低下に強くなった。
2017年6月に開催されたインターネット大会「プリティプリマ」(体長1.0m以下のポケモンのみ参戦可能のダブルバトル)では、0.3mという小さな体によってUBの中で唯一参加権を獲得していた。
ただし同大会にはこれまたシャンデラやコータスなどの苦手なほのおタイプまで参加可能となっていたため、対策サポートはやはり必要。
ちなみに第7世代では「いあいぎり」を自力習得できる唯一のポケモンだった(第8世代では原種カモネギも習得)。
第7世代にはこの技のマシンが存在しないので、アローラマークつきでこの技を持つポケモンはこいつだけとなる。
さらにそもそもわざマシンを使用できない場合を除きほとんどのポケモンが習得できる「からげんき」を習得できない非常にレアなポケモンでもある。
仮に習得できた場合、状態異常時の威力(140)は一致リーフブレードの威力(135)を上回るものとなってしまう。急所期待値を加味した場合もからげんき144vsリフブレ143でわずかに負ける。
火や湿気に弱いのに火傷状態で最大火力を出させるわけにはいかなかったのかもしれない。
サンではイベントの都合上4匹も捕まえることになる。
ただやはりあまり型が作れないポケモンであるためか、かなりの確率でGTSに放流されてしまう。
一方で採用率が上がっている為、放流した瞬間結構早く持ち去られる。超高性能GTS通貨である。
大体の型がようきかいじっぱりで、努力値に多少の違いがあるもののそれ以外が似たり寄ったりなせいで余計に放流されやすい。
ただ、技マシンで「めいそう」を、教え技で「ギガドレイン」を、自力では貴重な先制技の「しんくうは」を覚えるため、まさかの特殊型も不可能ではなかったりする。
そのためにひかえめやおだやかにしたり、おいかぜを使わずに素早さを上げる手段として実数値が攻撃<素早さになるように個体値と努力値を徹底的に調整にした「おくびょう」の個体まで存在したり…
単純に防御種族値の高さとこうごうせい・ハサミギロチンの存在からわんぱくの耐久型もある。
普通の型に育て飽きたら、これらの型にも手を出してみてはいかがだろうか。
ウルトラサンでは他のウルトラビーストの例に漏れず何匹でも入手可能。
第8世代ではダイマックスとの相性が非常に良く注目を高めている。
ダイマックスすることによってカミツルギの最大の欠点だった「技の威力不足」を完全に補うことができる。しかもサブウェポンで採用されることの多かったせいなるつるぎとつばめがえしをダイマックスわざにすると「ダイナックル」と「ダイジェット」になるのだが、追加効果がダイナックルはこうげき1段階上昇、ダイジェットはすばやさ1段階上昇とカミツルギの戦法に完璧にマッチしている。
ダイマックスによりHPも2倍になるので、不一致炎物理程度では落ちなくなる。
これらの点からダイマックスするエースアタッカーとしての立場を確立している。
この世代のダブルバトルでは通常環境・禁止級伝説環境を問わず、最速にしつつ「とつげきチョッキ」を持たせ、特殊耐久調整した型が広く使われている。
その火力はダイマックスアドベンチャーのボスとしても存分に振るわれ、こちらのポケモンを一撃で倒してはビーストブーストで更に攻撃力を高めていく凶悪な性能を誇る。
一方でその貧弱な特殊耐久力も健在で、ボスでありながらこちらの特殊炎技で一撃のもと消し炭にできる。実に両極端である。
アニポケのカミツルギ
CV:浪川大輔
『サン&ムーン』125話で漸く登場した最後のUB。
アローラの上空から現れ、立ち塞がる物や斬りがいのありそうな物を片っ端から斬ってしまう迷惑を起こしたが、生物は決して傷つけなかったり、サトシの説得でポケモンスクールを斬ることは止め大人しくなったりと、設定通り人間社会に対する理解が無い訳ではない。
特に特徴的なのが鳴き声。小さい体に見合わぬ渋い声であるだけでなく、声優のセリフを逆再生したものになっているという、一風変わった演出がなされている。
ちなみに逆再生された大本のセリフがこちら。
……中の人繋がりも含め、上記の設定画ネタそのまんまである。
捕獲用のウルトラボールすら斬ってしまい対処の施しようがなかったが、成層圏のレックウザとデオキシスによる喧嘩で小さな隕石がスクール目掛けて落下する事態に対し、事情を察して自らサトシたちに協力。
隕石すら木っ端微塵に斬り捨て、被害を最小限に食い止めてみせた。
そして彼が出現した原因は素振りで時空を切り裂いたことでウルトラホールが発生したためだったと判明。皆に感謝の言葉を告げられながら、同じように発生した次元の切れ目からアローラを去っていった。
劇中で斬った物として
- ブルガン所有のスタジアムに飾られた悪趣味な純金像を両断
- 自身を撮っていた監視カメラもV字に
- アイナ食堂のキャベツを千切り
- リーリエの屋敷の庭木を綺麗に剪定
- 授業で使う巻き簾も切り倒す
- モアニの店の果物もカット
- 美容院のトリミアンの毛も見事にトリミング
- ブルガンが通販で自慢下に豪語した金の金庫を両断
- 外に出る為建物の壁を円状に切り抜く
- 投げられたウルトラボールをバラバラに
- カキのガラガラとのバトルではペンダントの鎖だけを切断
- ロケット団の口上を乗ってきたメカごと両断
- 隕石を両断のち細切れに
- 破片の落水で発生した虹は流石に切れず、ムキになって振りまくった結果、なんと時空を切り裂いてしまう
と、それまでの設定や攻撃種族値に違わぬ切れ味であった。
ただの脳筋という訳でもなく、斬るものを限定する器用さや、芸術を解するセンスも持ち合わせている模様。