概要
アムロ・レイとνガンダムが謎の光を発し、阻止限界点を超えたはずのアクシズの半分を押し返した謎の現象。
宇宙世紀の世界観において、後世で「アクシズショック」と呼ばれることになる。
物理法則もあったもんじゃない現象に最も衝撃を受けたのは連邦軍上層部だったようで、戦後数ヶ月には既にこの名が浸透している。
科学的な理屈
サイコフレームはサイコミュを高密度に集積したことで人の感応波を集積して物理エネルギーに転化する機能を獲得していたようで、実際に軍の調査班は「地球壊滅の恐怖を前に全人類の無意識が危機感を共有、νガンダムのサイコフレームを依り代に膨大な物理的パワーに転化させ、サイコ・フィールドを発生(させてアクシズ阻止限界点の外側へと弾き出した)」と言う見解を出している。
このため、νガンダムの少量のサイコフレームであれほどの奇跡なら、もっとサイコフレームの量を増やせばさらに楽に巨大な奇跡を起こせるのではという、マッドサイエンティストのロマンに火をつけてしまう。
が、研究すればするほどサイコフレームはなんで光るかわからないなどオカルトな面が明らかになり、数年後にはもっとメチャクチャな現象を引き起こすマシンすら生まれたことを考えればどこまで本質をついているか怪しい。
漠然と科学的な関連性があることだけは間違いないと思われるものの、それ以上の理屈は何もわからないまま、制御不能で危険という結論だけが残ったのである。
加えて、この奇跡を起こす組み合わせにおいて、サイコフレームの質や量と、中心になるニュータイプの持つ力と、そのどちらの方がより重要なのかといった点も不明瞭なままである。
後世への影響
「人の心の光」とも呼ぶべきものを地上から目視できるレベルで可視化してみせた奇跡ではあるが、大衆にとっては大きな影響は与えるわけもなく、世間全体には何も変わらなかった。
一応はこの出来事により「落下を阻止した事実」そのものは大きな影響ではあるもののアムロやシャアが叫んでいたほどのものは何も残せなかった。
一方で、この光の正体が「ニュータイプやサイコフレームに関連するのではないか?」と知る者にとっては、大きすぎる影響を与えた。
ニュータイプが奇跡の領域に踏み込んでその光を示したことは、ジオニズムを再興させるには強い旗印になりうる。また、この現象にサイコフレームが関連しているのであれば、それを発展させることで「科学的に神の領域に踏み込む」ことが可能なのではないか?という発想から、科学者達はニュータイプ(および強化人間)やサイコミュに関する研究を、さらに制御不能で非人道的な方向へと加速させていく。
そうした事情から、真相を知る者達は同時にその真相の危険性も理解しており、自分達だけが知る秘密として世間には「光の正体」を明かすことができなかったのである。
連邦政府は「アクシズの軌道が逸れたのはロンド・ベルの作戦が成功したからであり、その際の発光現象は爆発で飛散した破片が大気の摩擦熱で焼かれ生じたもの」と発表し、強引にでも隠蔽することを選んだ。
当事者の一人にしてニュータイプホイホイたるブライト・ノアを息子の不祥事をダシに遠回しな脅迫で口封じしてまで、である。
「ニュータイプを人柱に人類の集団無意識がサイコミュによってエネルギーに転化された」と言う事実はジオンとの戦争を西暦時代の泥沼の宗教戦争の再来に変えてしまう恐れがあったのも事実ではあるが、この奇跡を嘲笑するかのごとき対応は、現場で奇跡に感銘を受けた者達を連邦政府への更なる失望に突き落とすことになった。
挙句の果てにサイコフレームはUC計画として「人工の奇跡が、ニュータイプ神話を終焉させる」という思想のもとに、オカルトを発動させることを半ば意図して製作されたユニコーンガンダムを爆誕させ、これを巡り「ラプラス事変」が勃発。
結果として「ニュータイプとサイコフレームを使えば超常現象は起こせる」ことを可視化し、アクシズほどの規模では無いものの、バナージ・リンクスをネェル・アーガマ・ガランシェール関係者の総意の器として再び奇跡の光を放っている。
しかし、そうして研究が進められたからこそ「奇跡が起こせることはわかったが、何故そうなるのかは全く理解できない」という制御不能な技術であるという致命的な問題も鮮明となり、「アクシズの光」はニュータイプ関連技術の再加速と封印という、最後の花火を導くこととなった。
こうして、「ニュータイプの可能性の光」は、逆に政治的思惑や技術暴走によりニュータイプの時代を終わらせる皮肉な結果を招いてしまう。
しかし、そうしてニュータイプの時代が終わっても、アクシズショックの30年後も、そのまた30年後も戦乱は終わることなく、しかもそれから半世紀たった後に地球連邦が消滅して新政府が出来ても何も変わらず、最終的に時代は人の業に押し潰され新たな時代に取って代わられる。
影響を受けた人物
人の心の光否定論者筆頭その2。
しかし、2022年初頭の後付により人の心の光などなんの意味もない生きた証左から影響を受けすぎた故に連邦に失望して拗らせた男へと極端から極端への転身を遂げた。
と極端から極端に揺れ動いた男。
ホワイトベース正規クルー生き残りにしてフォーミュラ計画に携わるサナリィ重役。
ボッシュの設定追加に引きずられる形でアクシズショックを間近で目撃した人物となった。
そして、それに伴う矛盾からボッシュ共々オールズモビルに内通していた疑惑も発生。
そうなるにたるバックボーンがあるのも説得力を増す。
連邦軍特殊部隊シェザールの隊長。
事件から数年しか経っていないこともあり、いい意味での影響が強い。
なお、経験したのは漫画版『機動戦士ガンダムNT』のイアゴ・ハーカナとなっている。
押し返し参加組の一人。一年戦争時代から付き合ってた仲間たちも一緒である。
後の戦乱にて死の間際に当時の光景を思い出し、戦闘による爆発を「憎しみの光」ではなく「生命の輝き」と評した。
押し返し参加組の一人。ブライト以上に近くで奇跡を目撃した男。
アクシズショックを持って退役したため、後世の歴史には影響を与えていない。
……はずだが、今考えると色々と邪推できてしまう。
「一年戦争からの叩き上げで大佐かつオールドタイプの側」という、その気になれば軍の動きにそれなり以上の影響を与えられるであろう英雄である。またアクシズショックの光を見て一年戦争時の戦いの時に自分が関わった少女を思い出した。
彼の咎(無茶な行動の末に当時はまだ貴重なジェガンを壊した)をこれ幸いと前もってサイコフレームを巡る暗闘から退場させた可能性を考えられなくもない。
第2次ネオ・ジオン抗争でアクシズ・ショックを目の当たりにしたジェガンのパイロットの1人。あまりに強大な力の光に対して、『恐怖』を感じていた。その為かニュータイプに否定的になった。
説明不要、人の心の光否定論者筆頭。
当時はネオ・ジオン兵。彼もアクシズ押し返しに参加した。
アクシズショックの影響で連邦軍人を志した「連邦の青い閃光(初代)」。
ハウゼリー・ロナ
少年時代に父と共にシャトルからアクシズ・ショックの光を目撃した。彼にとっては温かな光であり、それ以来アムロをヒーローと信奉し、ニュータイプの可能性を信じ始めた。
100年以上先の時代で、ネジ曲がったアクシズショック信仰によって生み出された。
作品自体の扱いが微妙なのは気にするな。
メタ的な事情
『富野由悠季の世界展』in福岡美術館における公式図録内のインタビューによると
る。
サイコ・フレームについての指摘は、厳しいですね。映画のクライマックスにあれを持ち出したというのは、窮余の一策でも何でもない。「こういうことをやらなければSFっぽく見えないよね」っていうことだけです。だからその部分を拡大してシリーズを作るということは絶対にできないという自覚があった。もしそこを拡大して描いていったら、虚像を拝むカルトと変わらないことになってしまうからです。 |
とのこと。
スーパーロボット大戦シリーズでは
宇宙世紀と違い、個人で地球を壊せる連中が跋扈する魔境にて、人の心の光は確かな意味を持つ。
ガンダム史上最も憎悪に囚われた世界の棄民(※該当のスパロボ独自設定)が、スーパー系の化物の総攻撃でボロボロの地球にこれ幸いと追い打ちをかけようとしていたのをたった数ヶ月でも思い留まらせたほど。
……なのだが。
こんなのとか。
こんなのとか増えてきて。
実際にやらかした娘まで出てきた。
シャア涙目。(になったことは2021年現在、実は無い。わざと悪役やってたり、他のやつが落としたりする)
なので…
というわけで流石にツッコミを無視できなくなってきたのか、近年では他作品とのクロスオーバーにより(現実的な物理学的理由も含め)壊せるけど壊しちゃいけない何らかの理由づけがされていることが多い。
ガンダム史上最低最悪のガンダムの細胞で満たされていて壊したらパンデミックで地球終了とか。
あるいはアクシズ落としが描かれないことが増えたり、宇宙世紀ガンダム関連のストーリーがUCやNT、クロスボーン中心ですでに起きた後の作品もあったりする。変わったところではアクシズが落とされない代わりに別物が落とされる、ということも。
- スーパーロボット大戦BXではアムロ、シャア共にこの時に戦死したと言われている。むしろ、これで涙目なのはシャアでもアムロでもなくこの人かもしれない。
- スーパーロボット大戦Vでは舞台となる3つの世界のうち、新正暦世界(スパロボオリジナル、ヤマト、クロスボーンの世界)と宇宙世紀世界(クロスボーン以外の宇宙世紀ガンダム、マジンガー、ゲッター、ヱヴァ、フルメタの世界)ですでに起きた出来事として語られている。その後の顛末に差異はあるが、大きな共通点はこの時にシャアは戦死したと思われることだろうか。
- 新正暦世界ではアクシズショック後にマフティーの反乱(本編で味方になるハサウェイとは別人、ないし並行同位体)と【空白の10年】を経て100年後と設定されている(メタに言えば、サイコフレームの光がその後の歴史に何の影響も及ぼさなかった事の作中の皮肉かもしれない)。その為宇宙世紀世界のモビルスーツ(特にνガンダムとZZガンダム、Ξガンダム)のことを知っていたり、相互に乗り換えが可能だったりする(ただし、真田志郎の分析やキンケドゥ・ナウの宇宙世紀のモビルスーツに対して「見た目はレトロ~」というセリフを裏返せば、新正暦世界の同一機体は本編のモノより性能が低かった(特にサイコミュ関連)ともいえる)。
- 宇宙世紀世界では、サイコフレームの共鳴が第三の世界である西暦世界(劇場版ナデシコ、SEED、00、無敵シリーズ、マイトガイン、クロスアンジュの世界)の演算ユニットにも影響して、アムロとνガンダムはイネス・フレサンジュと演算ユニットと入れ替わるような形で異世界転移してしまった。その後、アムロは火星の後継者に拘束され、演算ユニットの代用品とされてしまうが、イネスはオードリー・バーン(ミネバ・ラオ・ザビ)、スベロア・ジンネマンらネオ・ジオンのハト派に極秘で保護された。
- スーパーロボット大戦30ではアムロ、シャア共に絶望的状況から生還を果たしたが、アムロは幽閉先のシャイアン基地で隠遁生活を送り(ながら一年戦争時の愛機の再現機を趣味で造っていたり)、シャアは過去の偽名を使って活動を再開した。しかし自業自得とはいえ、原作通りの展開の後の原作終了後参戦で歴代シャアで最も情けない立場に追いやられている(通称「生き恥ノースリーブ」「格納庫飯」)。
- Another Century's Episode:Rではアクシズショックの事でキンケドゥがクワトロを初対面にもかかわらず警戒視していた。時系列は同じとはいえまだ機動戦士Ζガンダムの頃なので事を起こしてもいないので「色眼鏡で見ないでほしい」と返している。
1アクシズ=1真ゲッターロボ?
多分。
Aでは「全部の機体が真ゲッター並みのパワーだったらなんとか(破壊できる)」と言われ
SC2では下位互換のゲッターライガーがこれまた質量的に下位互換のユニウスセブンの破片を破壊している
逆に上位互換の真ドラゴンは原作で月より大きいガニメデを破壊したし、
皇帝陛下に至っては「月ごとふっ飛ばしてやる!!」を有言実行した。
今後はますますアレがアニメ化した影響であんなのとかこんなのとかそんなのとか本格参戦不可避なのでシャアとスパロボスタッフの胃に穴が開かないか心配される。
またスパロボではないロボットクロスオーバー作品ではこのアクシズショックの力をとんでも無い事に利用した輩が現れた。