アルターエゴ(Fate)
あるたーえご
概要
自我から分かたれた分身。オルターエゴとも。
アバターとは違いオリジナルからデザインされた生命であるが、自我を獲得し本体とは異なる行動原理や目的意識を持つ場合も少なくない。ただし、本体から抽出された感情などの一部を受け継いでいる場合もまた多い。
その英霊のペルソナの一つが別個体として独立した別人である。
初出は『Fate/EXTRA CCC』。上級AIであるBBから創造された5人の少女のクラス名であった。
その言葉の通り、このクラスに該当するサーヴァントは、ある人物の一面を取りだした存在に対するクラスになっているらしく、全員が正式な英霊ではないという共通点を持っている。
また、英霊本来の十全な人格ではなく、その一部が依代となった現代の人間と混ぜられた疑似サーヴァントもこのクラスに分類されうる性質を有している。
クラスカードの絵柄は、巴型に背を向け合う二人のピエロ。
ピエロには、人間の善性を賛美する「クラウン」と人間の醜悪さを体現する「オーギュスト」の2種があり、(どちらも人間の本質であるが見せ方一つで違ってくる)ことを暗示している。
またピエロはトランプのジョーカーにもよく起用されるが、これもジョーカーというカードにある「変幻自在の役者(ワイルドカード)」という性質を当てたものであると考え得る。
サーヴァント自体が英霊の一側面を切り出してコピーしたものであるため、自我から分かたれた分身=アルターエゴともいえる。だが通常のサーヴァントは、根本的には本体である英霊と繋がっており、現世での経験を通してお互いに影響を与え合う関係を維持している。
一方でアルターエゴとは、端的には本体から独立した端末である。
その基底こそ本体から生まれたものであるが、他のサーヴァントのように本体と相互に影響を及ぼさないため、最終的には別個に発達した自我を形成する。
同時に複雑化していない一側面だけが独り歩きしているためか、その側面に置ける強烈な自我・拘りを持つ。つまり純化する。
また、あくまで"一部"であるため存在強度は弱体化しており、そのままでは現界の維持も難しい儚い霊基になってしまう事が多い。それを補強するために他の神性や英霊の要素を取り込んだり、他者に憑り依くような形で現界するため、疑似サーヴァントやハイ・サーヴァントとして現界しやすい傾向にある。
元々、英霊の持つ強い感情が独り歩きし純化した結果生まれるため、純化したからアルターエゴになったのか、アルターエゴになったから純化したのかは、鶏と卵のどちらが先かという問題になってくる。
逆に召喚者の細工などで、英霊本人の意思を無視した意図的な分離が行われるケースもあるが、この場合、一介の精神として必要な雑味さえ欠落してしまうリスクも生じうる模様。
本編の一つ『虚数羅針内界 ペーパームーン』はこのクラスをテーマとしたシナリオになっており、劇中人物によってより深い掘り下げと研究が行われた。
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イデス。アルターエゴ達が生まれながらに持つ特殊能力。既存のスキルが変質・強化したもの。また精神のあり方が発露したもの(被虐体質、加虐体質など)もイデススキルとされることもある。
通常のサーヴァントには発現しないものが多い。『FGO』初出キャラの一部など持たない(言及されない)者も増えているが、所持者と非所持者の違いは現在不明。
サクラファイブ
元祖アルターエゴであり、BBの分身。彼女の感情をそれぞれ切り離したもの。
複数の霊基を抽出融合させたハイ・サーヴァントという存在であり、全員が「イデス」を所持する。
「愛憎」のアルターエゴ。
大きすぎる胸と凶悪な爪を持つ被虐の少女。
詳細はパッションリップを参照。
「快楽」のアルターエゴ。
槍のような脚と無駄のない華奢な肉体を持つ加虐の少女。
詳細はメルトリリスを参照。
「純潔」のアルターエゴ。
寡黙で知的な雰囲気の大人の女性。
詳細はヴァイオレット(Fate)を参照。
「渇望」のアルターエゴ。
全身に包帯を巻いた途方もなく巨大な少女。
詳細はキングプロテアを参照。
「慈愛」のアルターエゴ。
若草色の着物を着た幼い少女。
詳細はカズラドロップを参照。
Cosmos in the Lostbelt
『死想顕現界域 トラオム』
大規模特異点においてはキャスターとして登場し、7周年にてプレイアブル実装。
始皇帝の命により不老不死の秘薬を追い求めたとされる方士。
TYPE-MOON世界ではある長命種のために死を与える研究をしていた。
詳細は徐福(Fate)を参照。
『黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン』
カマソッソの手によりオルタ化し、冥界の番人となったキングプロテア。
南米の冥界に潜むイグアナの怪物のエッセンスを取り込み、人間に対しても攻撃的な態度を取る。
キングプロテアの霊衣としてプレイアブル実装。
詳細はキングプロテア・ソチナトルを参照。
イベント限定サーヴァント
ハロウィンイベント
2017年ハロウィンイベントに登場。
人呼んで「ハロウィンのアルターエゴ」。
領主として人の心に目覚めた、ちょっとやりすぎな正義の最終兵器。
詳細はメカエリチャンを参照。
2017年ハロウィンイベントに登場。
Ⅰ号機よりも『守護神』としての属性が強いクールガール。コンパチとか言ったら殺す。
詳細はメカエリチャンⅡ号機を参照。
『背徳果実都市 リリムハーロット』
本作の黒幕が自らを打倒した人類の行く末を見守るべく転生した姿。
『螺旋証明世界 リリムハーロット』ではなんとビーストクラスで実装。
詳細はソドムズビースト/ドラコーを参照。
クラス相性
防御面ではアヴェンジャーと同じくバーサーカーのみ有利を突かれる。
プリテンダーに対しては、攻撃防御不利をとられる。
また、CCCコラボイベントのラスボスである特殊クラス、『禁忌降臨庭園 セイレム』に新登場のクラスであるフォーリナーに対しても有利が取れる。これはそのような狂気に対抗するには、強固な『自我(エゴ)』が重要な要素となるからであろう。
フォーリナーは敵として出て来ると非常に手強い相手の為、このクラスを育てておくと非常に頼りになる。
その他公式で適性があると明言されている存在
これら適性を有する存在でも、他のクラスとして召喚、または後天的に変化する事例も確認されており、全ての該当者がこのクラスにしかならないとは限らない模様。
これはアルターエゴがクラスを指す名称だけでなく、単純に本体から独立して自我を得た存在を指す為でもある。
余談
その出自から、基本7クラスである修行時代のセイバーやさきゅっこなアーチャー、サンタさんなランサーも、分類上はアルターエゴであると言えるのかもしれない。
黒化も英霊の別側面を召喚する手段だが、変質した要因をはじめとして定義が異なる。そしてとうとう、オルタかつアルターエゴと両方の条件を満たしたサーヴァントも登場した。
ビーストが自軍入りする際は大半がこのクラスに入るが、その理由は「人類悪とは人類全体の特定の自我の肥大化した存在」だからと言える。