キャリブレーションを取りつつゼロ・モーメント・ポイント及びCPGを再設定……
っ……!!なら擬似皮質の分子イオンポンプに制御モジュール直結…!!
ニューラルリンゲージ・ネットワーク再構築。メタ運動野パラメータ更新。
フィードフォワード制御再起動、伝達関数、コリオリ偏差修正。
運動ルーチン接続、システムオンライン、ブートストラップ起動!!
概要
アニメ『機動戦士ガンダムSEED』シリーズにおけるモビルスーツ(MS)用のオペレーションシステム(M.O.S.)。
複雑化した分散処理をスムーズに行う目的でMSにはOSが採用されている。コズミック・イラのMSは、このソフトウェア立ち上げの際の起動画面にシステム名が表示されると言う特徴がある。
ザフトが開発して運用しているMSに採用されているOSは、鹵獲対策も兼ねてコーディネイターの高い能力と神経接合を前提とした一種の専用調整な上、開発時期によってはMSごとに仕様が異なるため、一部の例外を除けばナチュラルでは作業用としてしか扱えない(※)とされている。なお、これは習熟によってある程度解決可能な部分であり、適性のあるナチュラルであれば訓練を経てコーディネイターと遜色ない戦闘を行うことができるようになる。これらの事情についてアストレイシリーズの主任設計技師エリカ・シモンズは「基本的にコーディネイターの能力がナチュラルのそれを上回るのは避けがたい事実であり、インターフェイスの性能が同じならば、彼らの方が機体のポテンシャルをより有効に引き出すことができるのは明々白々なことである」と語っている。ただし、特定のOSにのみ、タツミ・ホーリのように極めて高い神経網の適合率を示すパイロットが(ナチュラル・コーディネイター問わず)稀に存在することがあり、そういった者は殆ど訓練を必要とせずに機体をコーディネイターのエースパイロット並の精度にて操作できる。逆にコーディネイターであっても適性が無ければ扱えない。
※:このため、ナチュラルでありながらオリジナル譲りの才能と常軌を逸した努力によりコーディネイター以上にMSを乗りこなせるまでに至ったラウ・ル・クルーゼは、コズミック・イラ中でも異常な実力を身に着け、それを成しえるほど世界を憎悪していたとも言える。
ソフトウェアとしては[MOBILE SUIT OPERATION SYSTEM]という標準規格となっており、起動画面にシステム名と共に表示される。一方、フォントやUIについては標準化されてないようであり、OSによって大きく異なる。
ナチュラル用のOS
地球連合軍はオーブ連合首長国のモルゲンレーテ社とのナチュラル用MSの共同開発の折にナチュラル用の新型OSを導入、第1期GAT-Xシリーズがロールアウトされる。
しかし、機体本体の完成度の高さとは裏腹に、新型OSの方は開発が間に合わずジンに搭載されていたコーディネイター用OSを中途半端に改造したものを搭載していた。そのため、動作に違和感を覚えたキラ・ヤマトが画面を操作して数秒中身を確認するだけで気が付くほど運動系のプログラムが未完成であり、歩行さえままならなかった。その後、ザフトに強奪された4機のOSは強奪されてから直ぐにコーディネイター用に最適化され、ストライクのOSもキラが自分向けに最適化させたことで実運用可能なレベルに至った。なお、ストライクのOSについては連合のトップガンであるムウ・ラ・フラガをしても「あんなもんが俺に……てか、普通の人間に扱えるかよ!」と評される代物となってしまい、ナチュラル用OSがインストールされるまでキラ以外に動かせる者がいなくなっていた。なお、OSを最適化前にロールバックすることも可能だったが、そうすると最高戦力であるストライクが戦力外になることから民間人のキラを乗せる前提にて現状維持が選ばれ、これにより友人を事実上の人質に取られる形でキラが戦わされることとなったのが『SEED』前半の物語である。
機能
度々OSの最適化や開発を行っていたキラの台詞からして少なくとも
- CPG(中枢パターン発生器の略、歩行の意志運動と自律運動を生成する神経回路)
- 疑似皮質の分子イオンポンプ(この分子構造がパイロットとの神経接合の相性を決定している)
- 内蔵量子コンピュータを用いた専用ルーチン(これを弄るとシナプス融合の代謝速度が変化する)
- ニュートラルリンケージ・ネットワーク
- 伝達関数
- フィードフォワード制御
- コリオリ偏差(コリオリ効果)
- メタ運動野パラメータ
- 運動ルーチン
- エネルギー配分
- 搭載兵装
- 脚部ダンパー
- 射撃兵器の照準
- 自爆装置
の設定等についてはOS上で管理していることがうかがえる。ちなみに『SEED』PHASE-02のキラは、CPGの再設定に失敗したため、代わりに疑似皮質の分子イオンポンプを制御モジュールへ直結することでストライクを実運用可能なレベルまで引き上げていた(つまり自律制御を諦めてマニュアル制御する方向で最適化した可能性が高い)。また、高度に仮想化されているためか、キラがブートストラップを仕込んだためかは定かでないが、OS(システム)を再起動している間も姿勢制御やエネルギー配分等が可能となっており、再起動中のストライクは戦闘行動こそ一切取れなかったもののフェイズシフト装甲への通電を維持しつつ自立して姿勢制御まで行っていた。
内部に搭載機の設計データ(携行兵装も含む)や機体照合を行うための熱紋データ等が保存されているデータベースを有しており、ウイルス障壁により保護している。作中では、ザフト技術者たちがこのウイルス障壁を突破することにより1日足らずで強奪した機体の設計データを入手している他、早急にストライクの設計データを欲しがったジェラード・ガルシアがキラにデータベースを探らせたり、モルゲンレーテ社もここから設計データを入手することにより胴体と左手足以外を失っていたフリーダムを完全に復元したりした。また、起動プログラムをロックすることによりロックした者以外が動かせなくすることもできる(普段はメンテナンス性の都合によりロックはかけない様子)。
開発経緯
開発当初の連合は鹵獲したジンのOSをベースにして開発していたが、ナチュラル用に改良することができず暗礁に乗り上げていた。そこで、その分野ではより進んでいたオーブへの開発の打診を行うも、当時のオーブ代表ウズミ・ナラ・アスハの意向で一度断られた。しかし、サハク家が連合に接近して再度協力の申し入れを行ったことによりウズミのあずかり知らないところで許諾された。また、そうした中でキラが属するゼミの担当教員であるカトウ教授が開発の中心人物となっており、スーパーコーディネイター故に高いプログラミング能力を有していたキラは知らず知らずの内に主にジンのOSの解析という形でその手伝いをさせられていた。ちなみに、他のゼミメンバーにはモルゲンレーテ社からの仕事だと認識されていた(キラ自身も担当教員からの課題ということもあり出所に興味はなかった)。
上述の通り、第1期GAT-Xシリーズのロールアウト(C.E.71年1月頃)には間に合わず、間に合わせとしてジンのOSを改造したものが搭載され、後(C.E.71年4~5月頃)にストライクの戦闘データを元に開発された地球連合製と、キラがシステムエンジニア兼プログラマーとして開発に直接携わったオーブ連合首長国製に分岐した。
コーディネイターでさえ習熟に数カ月から年単位を要するコーディネイター用と比較して操縦難度はかなり下がっており、ナチュラルにとっては非MSからMSへの乗り換えという前提の下、ムウは唐突な初乗りにもかかわらず白兵戦を行うレベルで使いこなし、連合軍の一般兵も1か月程度で最低限の習熟訓練を終えている。
C.E.72年の「空白のニ年」では、アンティ・ファクティスによって世界中に戦闘用MSが横流しされ、ナチュラル用OSを搭載したザフト製MSや更に処理が改良されたOSを搭載した地球連合製MS等が登場した。
地球連合への不信から地球連合軍を脱走した元パイロットが民間施設への略奪行為に、地球連合の横暴な交渉で抑圧された市民達が武装蜂起に走るといった事件を発生させてしまっている。
- 地球連合製(第2期GAT-Xシリーズ、GATシリーズ)
地球連合軍では神経接合方式がナチュラルの手に余る代物と判断され、以降のGATシリーズではC.E.71年5月2日にアラスカ基地(JOSH-A)に辿り着いたアークエンジェルによってもたらされたストライクの実戦データを元にOSの処理の一部を自動化(パターン化)した半自動操縦方式を採用した新型コクピットに移行している。
しかし、この方式は複雑な操縦を行えないことに加えてイレギュラーな動きに対して弱く、反応速度にも限界があるという欠点を抱えている。このようなOSの癖はキラクラスのパイロットであれば直ぐに見抜くことができる。また、半自動化に伴うOSの複雑化による処理速度の低下を抑えるために最低限の動作プログラムとしたことで戦闘パターンが単純化されており、それを集団戦闘によって補うことを前提としている。一方、第2期GAT-Xシリーズに搭載されているものについては、高性能な機体に応じた操縦負荷の高さからブーステッドマンの搭乗を前提としているためか、キラがOSの癖を感じられない程の複雑な操縦と反応速度の速さを有しており、4度の交戦を通してキラはパイロットに対して「それに…ナチュラルでもないみたいだ」という中らずと雖も遠からずな所感を持つに至っている。そのような経緯により、コクピットの内装はそのままに半自動操縦方式仕様とエース仕様でさらに分岐している。
新型コクピットの内装については、モニターが全天球型に近いものへ変更された他、計器類のレイアウトもバッテリー残量計を中心とした同心円状に変更されており、ユーザビリティが向上している。
当時の連合においては必要十分と言えるものであり、これを搭載したMSによる部隊はザフトと互角以上の戦いを繰り広げたが、ソフトウェアとしての性能はオーブ製に比べると完成度は低くかったようで、アクタイオン・プロジェクトにて新規製造された第1期GAT-Xシリーズのカスタマイズ機のようにエースパイロットの操縦を想定した機体については神経接合方式の共通コクピットシートを採用しており、オーブ製に切り替えたか、再度神経接合方式にて完成させ直した可能性が高い。
- オーブ連合首長国製
C.E.71年3月28日、オーブ連合首長国のモルゲンレーテ社はキラの協力により神経接合方式のまま完成させることに成功した(キラが協力してから僅か3日後に機敏に動けるようになった)。既存OSからの主な改良点は「新しい量子サブルーチンを構築することによるシナプス融合の代謝速度の40%向上」「イオンポンプの分子構造の書き換えによる一般的なナチュラルの神経接合への適合」となる。
オーブはオーブ解放作戦に際して戦火に晒され終戦した(C.E.72年3月10日)後、このOSのパテント料によってマスドライバー「カグヤ」を再建している(軍事的交渉の下で開発したため多大な貢献をしたキラはパテント料こそ貰っていないようだが、地球連合軍少尉からオーブ国防軍三尉として編入してすぐに准将まで昇格できたのは身内人事だけでなくこの功績が考慮された可能性がある)。また、OSとの相性を調べるシミュレーターも開発されており、MSパイロットの適性検査などに利用されている。
なお、地球連合製ほどではないにしても、機体の動きの多くをコンピュータで補助している。それによる特徴の一つとして、拳法家の動作データを取り入れた高い接近戦能力や優れた機動性がある。これにより、タイマンであれば同性能の連合製量産MSを相手に優勢を取れることが多い。しかし、神経接合方式との間で不具合を起こしていたのか、完成直後は射撃戦闘中に格闘技の型を取る等のバグが存在しており(キラが開発に携わっていた時期は徒手空拳でのテストしか行っていなかったため気付きようが無かった)、叢雲劾がデバッグすることで解決した。
神経接合方式のまま完成させたためか、コックピット内装の更新はC.E.75年になっても一切行われていない。
後継規格
C.E.71年2月頃にザフトがZGMF-Xシリーズと同時に開発し、同モデルに搭載した新型OS。[MOBILE SUIT OPERATION SYSTEM]の後継規格であり、ソフトウェアとしては[MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM]という標準規格となっており、起動画面にシステム名と共に表示される。
元々はZGMF-Xシリーズの専用OS(規格)だったが、C.E.73年になるとザフト製新型MSのOSとして標準化され、ZGMF-Xシリーズ改めファーストステージシリーズに続くセカンドステージシリーズとサードステージシリーズ、さらに量産用MSであるニューミレニアムシリーズにまで採用されている。なお、ニューミレニアムシリーズのみOSの起動画面の英単語が省略され、そのまま計器に切り替わる(「Z.A.K.U」と表示するのが考えられていたが没に成ったとのこと)。
これの登場により、ナチュラル用OSは[MOBILE SUIT OPERATION SYSTEM]、コーディネイター用OSは[MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM]と、実質的に区別されることとなった。
また、OSの更新に伴いコックピットの内装も更新された。しかし、ZGMF-Xシリーズで採用された全天球型に近いモニターはサードステージシリーズでしか採用されず、セカンドステージシリーズとニューミレニアムシリーズでは旧来のように正面に1枚・左右に2枚あったモニターを大型化して連結するに留まっている。
「新型OS」というよりは「新型OSの共通規格」といった方が正しく、この規格の下に後述の「G.U.N.D.A.M」を冠するOS群が存在する。現実のOS史で例えると、「Unix」から「Unix系OS」という括りが生まれ、その下で「Linux」「MacOS」といった類似OSが開発された流れに近い。
「G.U.N.D.A.M」
第1期GAT-Xシリーズとプロトアストレイに採用されたナチュラル用のOSの起動画面に表示される英単語の頭文字をとった略称が「G.U.N.D.A.M」である。
明確に「ガンダム」と呼んだのは主人公のキラぐらいだが、各勢力におけるコズミック・イラの1stガンダムである第1期GAT-Xシリーズに倣ったのか、以降のガンダムタイプに搭載されたOSの名称も勢力の枠を越えて略称が「G.U.N.D.A.M」になるようになっている。これについて、『SEED』小説版にてフリーダムの起動画面の「G.U.N.D.A.M」表記を見たキラは「拿捕した機体のOSを見た技術者の誰かが遊び心で名付けたのだろう」と予想している。
[MOBILE SUIT OPERATION SYSTEM]
地球連合・モルゲンレーテ社共同開発
- 単方向の分散型神経接続によって自律機動をおこなう汎用統合性システム
General
Unilateral
Neuro - link
Dispersive
Autonomic
Maneuver
(Synthesis System)
主な採用機は、第1期GAT-Xシリーズ、プロトアストレイ、その他多数。
[MOBILE SUIT OPERATION SYSTEM]の一つ。前述の通り、途中で地球連合製とオーブ連合首長国製に分岐したものの、ザフト以外が開発したナチュラル向けのモビルスーツはこの名称のOSが採用され、操縦系統は標準化されている神経接合方式の共通コクピットシートとなっている。
起動直後の画面には、「Welcome to M.O.S」と表示され、そのMSを開発・製造した勢力のシンボルとOS名が続けて表示される。地球連合製MSの場合は地球連合の国章、オーブ製MSの場合はオーブ連合首長国の国章となっている。シビリアンアストレイD.S.S.Dカスタムは不明だが、後述のスターゲイザーのOSがD.S.S.Dの組織章である事から、同じ表示とされる。また、勢力によってはMSに独自の機能を持たせる場合もあるため、OSも機能に応じたマイナーチェンジが加えられていることもある。例として、フェイズシフト装甲ないしアルミューレ・リュミエールを採用したMSにはそれぞれに搭載した機能のON/OFFを切り替えるシステム(物理的インタフェース込み)が組み込まれている。
MSをナチュラルでも扱えるようにするOSなため搭載する機種は非常に多く、大西洋連邦の第1期GAT-Xシリーズとその改修機、その内の1機であるストライクのデッドコピーのストライクルージュ、ユーラシア連邦のCATシリーズ、東アジア共和国(フジヤマ社)のライゴウ、モルゲンレーテ社で秘密裏に開発されたプロトアストレイ、オーブ国防軍のフラグシップ機アカツキに採用されている。ただし、第2期GAT-XシリーズとGATシリーズについては、同型のOSが採用されているかは明確に描写されておらず、操作系統としては半自動操縦方式仕様の新型コックピットが採用されている。モルゲンレーテ社のM1アストレイ・ムラサメ・ムラサメ改についてもOSの描写は存在しないが、神経接合方式の共通コクピットシートが採用されている。また、ジン等のザフト製MSにインストールすることでナチュラルでも操縦できるようになる。
機体に備え付けられたキーボード等でシステムに手を加えると再起動がかかりつつ「SYSTEM UPDATED」と表示される。
バージョンが存在しており、ストライクとストライクEに搭載されていたものは「Version NV8-N099」、アカツキに搭載されたものは「AKATSUKI-1000」と表記されている。さらに、アカツキのみ画面下部に機体の型式番号「ORB-01」も表記されている。
なお、ネロブリッツなどの核エンジンを搭載したナチュラル用のMSも存在することから、このOSの調整次第では核エンジンを制御するプログラムなども導入できる事がうかがえる。
地球連合軍開発
- 巨大制圧火器集約要塞
Gigantic
Unilateral
Numerous
Dominating
Ammunition
(Fortress)
主な採用機は、GFAS-X1 デストロイ。
[MOBILE SUIT OPERATION SYSTEM]の一つ。高度な火器管制能力を問われるためか、操縦難度が非常に高く、ナチュラルの場合はエクステンデッド(生体CPU)でないと操縦自体が不可能である。さらに、機体やOSのポテンシャルを最大限活かせるのはエクステンデット内でも極一部に限られる。
他のOSと異なり、OS起動時にOS名が表示された後に、「OPERATION STATUS EXECUTED GO」「STANDBY FOR ACTION」とオーバーレイ表示され、制御が一時的に管制室に移される。
バージョンが存在しており、「G.F.A.S ver1.3」と表記されている。
オーブ連合首長国開発
- 詳細不明。
主な採用機は、MVF-X08 エクリプス1号機、MVF-X08R2 エクリプス2号機。
[MOBILE SUIT OPERATION SYSTEM]の一つ。アカツキ等に採用されているオーブ国防軍仕様の起動画面が確認できることから、OSの下地にはいつもの共同開発OSが使われているものの、その中身はエクリプス専用の設計とされている。これはアカツキやハイペリオン、デルタアストレイのOSと同様にMSに搭載された機能を制御するためである。核エンジン駆動を想定したOSであり、その存在を秘匿するためなのか恒例のシステム名は「G.U.N.D.A.M」で省略されている。
バージョンかは不明だが、ストライク(ストライクE)やアカツキにおけるバージョンの箇所には「ECLIPSE」のみ表記されている。
一方、エクリプスのフレーム構造はフリーダムのものをベースとしているため、コクピットシートの仕様もフリーダム(ZGMF-Xシリーズ)に準じている。それに伴い、OSはマルチロックオンシステムに対応している。
D.S.S.D開発(民間開発)
- 無人・自律運用展開教導機
Guider
Deployment
Autonomic
Manipulation
主な採用機は、GSX-401FW スターゲイザー。
[MOBILE SUIT OPERATION SYSTEM]の一つ。民間組織D.S.S.Dがスターゲイザー専用に開発した独自OSである。OS起動時には「Now Booting M.O.S」と表示され、D.S.S.Dの組織章とOS名が続けて表示される他、完全な専用OSであることから機体の型式番号とコードネームまで表示される。
スターゲイザーは長期間の宇宙探査を目的としているため、無人運用のために胸部ブロックに内蔵したAIユニットを用いた自己対話型複列分散処理AIによる高度な自律性を備えており、本OSはAIのための運用支援システムとして位置付けられている。AIに対して操縦データをフィードバックして経験値を積ませる必要があるため有人での運用にも対応している。
遠隔にてキャラクタユーザインタフェース(と英語)を用いた対話により制御することができる。その際、機体側は「GSX-401FW」という名前にて制御側の入力(指示)に対して応答を返す(例えば「GSX-401FW:I will.」「GSX-401FW:Next command.please.」)。
起動描写があるOSの中でバージョンが表記されていない数少ないOSの一つでもある。
[MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM]
ザフト開発
- 抑制されていない核駆動を使っている強襲モジュール複合体
Generation
Unsubdued
Nuclear
Drive
Assault
Module
(Complex)
主な採用機は、ZGMF-Xシリーズ(ファーストステージシリーズ)、ターミナル製ZGMF-Xシリーズ、GSF-YAM01 デルタアストレイなど。
[MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM]の一つ。その名の通り核エンジンMS専用のOSであり、ニュートラルリンケージ・ネットワークだけでなく原子炉(核エンジン)の状態までモニターにしている。加えて、『SEED DESTINY』PHASE-39におけるキラの台詞からして、ナチュラル用OSと同様にCPGや分子イオンポンプ、メタ運動野パラメータの設定が可能なことがうかがえる。
機体に備え付けられたキーボード等でシステムに手を加えると再起動することなくそのまま「SYSTEM UPDATED」とオーバーレイ表示される。
他のOSと同様にシリーズ(バージョン)は存在するが、搭載機に合わせた専用仕様となっている。例えば、フリーダムのものは「Series AVIC-T1 Freedom LA-SE3P」、ジャスティスのものは「Series AVIC-T1 Justice LA-SE3P」、ストライクフリーダム(とインフィニットジャスティス)のものは「Series SD100-09 SF/IJ 01-34152」となっている。特に「Series SD100-09 SF/IJ 01-34152」は新型核エンジンであるハイパーデュートリオンエンジンに対応している。
- 無制限のネットワーク駆動世代の強襲モジュール兵装
Generation
Unrestricted
Network
Drive
Assault
Module
(Weaponry)
主な採用機は、セカンドステージシリーズ。
[MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM]の一つ。セカンドステージシリーズの開発コンセプト的に、MS形態とMA形態の変形(合体)機構に適したものだと思われる。
単機による安定した大気圏突入を行うためか、自動姿勢制御システムをはじめとする専用プログラム(シーケンス)が用意されている。
バージョンが存在しており、カオス・インパルス・セイバーに搭載されていたものは「Ver.2.5.3 Rev.07」と表記されている。このことから、ZGMF-Xシリーズとは異なり、全機共通のバージョンである可能性が高い。
- 核・デュートリオン統合先進機動砲撃システム
Gunnery
United
Nuclear
Maneuver
(SYSTEM)
主な採用機は、サードステージシリーズ。
[MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM]の一つ。その名の通りハイパーデュートリオンエンジン搭載機専用のOSであり、専用コックピットと合わせることにより、通常モードとハイパーモードの二種類に機体出力の調整を行うことができる。しかし、採用機諸共工廠が不休の急ピッチにて開発していたことから、ロールアウト直後の採用機に搭載していたものは調整が不十分だったため、エンジンへの高負荷時にエンジンとバッテリーの相互補完関係が乱れてパワーダウンを起こすといった問題が生じていた。
バージョンが存在しており、デスティニーとレジェンドのものは「Ver.1.62 Rev.29」と表記されている。
オーブ連合首長国開発
- 単方向の分散型神経接続によって自律機動をおこなう汎用複合体
General
Unilateral
Neuro - link
Dispersive
Autonomic
Maneuver
(Complex)
主な採用機は、STTS-909 ライジングフリーダム、STTS-808 イモータルジャスティス。
[MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM]の一つ。名前は第1期GAT-Xシリーズの搭載されているものと殆ど同じ(末尾が「Synthesis System」か「Complex」かの違い)だが、採用機の開発経緯からしてモルゲンレーテ社製のものをプラント製の標準化規格[MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM]にて再設計したものと考えられる。
また、採用機はC.E.75年時点の準ハイエンドに相当する性能を持つ=ナチュラルではOSを最適化しようと手に余る高性能機体であることから、プラントの標準化規格に従ってコーディネイター用の調整が施されている可能性が高い。
起動描写があるOSの中でバージョンが表記されていない数少ないOSの一つでもある。
コズミック・イラにおける「ガンダム」の名称について
実は、SEEDシリーズには「ガンダム」の名称は劇中において正式な機体名としては存在しない。例を挙げるならストライクガンダムについて言えば、正式な名称は単に「ストライク」である。
強いて言うなら使用されるOSの名前であり、起動時にディスプレイに表示されたOSの頭文字「G.U.N.D.A.M」の文字を、キラが咄嗟に「ガンダム」と読んだことから彼がストライクに付けたニックネームの様なものである。実際、ストライクガンダムはどの形態で有っても劇中ではほとんどの人物から「ストライク」と呼ばれていた。
その他の「ガンダム」もザフト製で有ってもOSの頭文字が「GUNDAM」となっている(デストロイガンダムの「G.U.N.D.Am」等こじつけ臭いものも多いが……)ので、『頭文字が「GUNDAM」のOSを搭載しているMSが「ガンダムタイプ」』と一応定義できるものの、やはり「ガンダム」と呼ばれることは基本的に無い。とは言え、少ないながらキラ以外の人物が「ガンダム」の名前を使う場面もあり、俗称としての「ガンダムタイプ」は存在するらしい。また、OSの起動画面の表記もあからさまに「GUNDAM」と呼ばせるものとなっており、OS開発の担当者の間では通称に成っていた可能性が高い。
また、この定義をコズミック・イラの全てのMSに適応してしまうと、今度はM1アストレイやムラサメと言った見た目が完全にガンダムタイプでガンダムとは呼ばれないMSもこの「G.U.N.D.A.M」のOSをインストールしていることが劇中で確認できるため、更にややこしい事態を起こしてしまう。極論言えば、その気に成ればジンもシグーも該当OSをインストールしてガンダムになれてしまう。
現実で例えるなら、OSにAndroidを搭載しているスマートフォンないしタブレット端末を総じて「アンドロイド(端末)」と呼ぶ感覚に近い。
一方で、フリーダムの外見を見ただけのキラが「ガンダム」と呼んだことから、少なくともキラの認識では「G.U.N.D.A.M」OSを搭載した機体が総じてガンダム顔であったために、そうしたガンダム顔を持つ機体を「ガンダム」としている可能性が高い。
また、敵役のガンダムタイプとして登場した第2期GAT-XシリーズはOSの起動画面は特に描写されていない。新型コクピットを採用したため内装が変更され、ダガー等のGATシリーズと共通の構成になったのが原因なのかは不明。また、ダガーやウィンダム等のOSもストライク等に採用された「G.U.N.D.A.M」のOSを改良したものだとすると恐らく起動画面は同じである可能性が高い。
補足として、PS2ソフト「機動戦士ガンダムSEED 終わらない明日へ」に収録されているムービーでは、レイダー制式仕様のコクピットの描写がされている。しかし、第1期GAT-Xシリーズの様なOSが表示されるモニター画面は確認できない。
正式名称としてガンダムと付けられている機体にはインパルスガンダムブランシュがある。この名称はデスティニーの名の代わりに流行りのガンダムタイプにあやかって名付けた経緯がある。とされているが、正式名称としているのは現状この機体のみとなっている。
商品としてのガンダム
一方で、アニメ側の公式サイトや関連書籍、バンダイから販売される商品・キャラクターとしての正確な名称には「ガンダム」が付けられ、ストライクであれば「ストライクガンダム」なので、ややこしい話である。
この影響か、アカツキは公式での設定の通り「アカツキ」が正式名称だが、プラモデル等の商品では商標などの問題から「アカツキガンダム」という名称であるが、一方でSEED DESTINYの「HDリマスター」版ではOP内で各ガンダムタイプともども「~GUNDAM」と記述されている。公式や商品名ではガンダムと表記される一方で世界観内でこの呼称が扱われないという点では、平成仮面ライダーの幾つかの作品にも通ずる部分がある。
この他に、民間機のスターゲイザーも「スターゲイザーガンダム」である他、カスタム機のストライクノワールは「ストライクノワールガンダム」で商品化している。
例外としてストライクルージュとストライクEはそのまま商品化ができている。ストライクノワールは登場作品の主要な機体だからなのだろうか?
他のメディアでは混乱があったのか面倒になったのか不明だが、ストライク等はストライクガンダムだが、アカツキはアカツキのままで通していることもある。
また、MSV関係の機体は大多数がガンダムを省略した名称でテレビゲームやソーシャルゲームに参戦することが多く、本編中の機体が「ガンダム」付けながら、バリエーション機は劇中の名称そのまんまと言うケースが多い。
例えば、ソードカラミティとデスティニーインパルスは名称の省略がゲーム作品ごとに異なる。特に前者が「ソードカラミティガンダム」と記載される作品はトレーディングカードゲーム『GUNDAM WAR』くらいでしか見られない。
後者の「デスティニーインパルスガンダム」の名称は立体化などで使われるため、今後ソードカラミティの立体化次第とも思われる。などと言ってる内にカラミティのバリエーション機が「エールカラミティガンダム」として立体化されている。
なお、このように「ガンダム」呼びが作中と商品展開で割れる事例は過去作にも前例がある。
神経接合について
コズミック・イラのMSにはバイオコンピュータが搭載されているため、この「神経接合」が神経接続のことなのか、あくまでバイオコンピュータの動作方式なのかが判然としない。
一応、作中には「一般的なナチュラルの神経接合に適合するよう、イオンポンプの分子構造を書き換えました」「生体CPU、リンケージ同調率87%。システムオールグリーン」のように、機体とパイロット間で何らかの接続を行っていることをうかがわせる描写が存在する。
余談
- 20周年記念オフィシャルブックによると、OS名を「G.U.N.D.A.M(ガンダム)」と読めるバクロニムにするというアイデアは監督の福田己津央によるものだったが、具体的な部分は全て設定担当の森田繁へ丸投げしていた。
- それに対して森田は「日がな一日、英語辞典をパラパラとめくってました。例えばGの項目を繰り返し繰り返し読んで、使えそうな単語がねぇかなというところから始めて。もう使い切った感じはあるよね。あれも楽しかったですよね」と語っている。
- なお「ガンダム」というバクロニムを設定する試みは『SEED』前にもあった。
- ガンダム・センチネルの頃には「General purpose Utility Non Discontinuity Augmentation Maneuvering weapon System(全領域汎用連続強化型機動兵器機構)」というものがあった。パーフェクトグレードRX-78-2ガンダムのデカールに使われたこともあるが、現在顧みられることはあまりない。
- ∀ガンダム制作時にもバクロニムが構想されていたがこの時は実現に至らず、3年越しの『SEED』で実現した事になる。
関連タグ
機動戦士ガンダムSEED 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM 機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 機動戦士ガンダムSEED ECLIPSE