概要
東京駅(東京都千代田区)から蘇我駅(千葉県千葉市中央区)を結ぶ本線(総延長43.0km)と、西船橋駅(千葉県船橋市)三角形の頂点とした形の2つの支線(西船橋駅 - 南船橋駅間・西船橋駅 - 市川塩浜駅間)で構成される。
この支線を利用して武蔵野線に直通する列車も運行。
元々は木更津から品川・川崎塩浜を東京湾沿いに貨物線として計画されたが途中で旅客線を兼ねることになり、東京駅へ乗入れるために新木場駅から先の区間が追加された経過がある。
東京臨海高速鉄道りんかい線は本来貨物線としての京葉線延長として計画されており、両路線レールはつながっている。
ただし、現状ではりんかい線が別会社であるため、運賃問題より直通は行われていない。
また蘇我以遠の区間に関しては京葉臨海鉄道として一部開通している。
京葉線着工が決まるまでは京成電鉄も同様のルートで京成千原線千葉寺駅と営団地下鉄東西線東陽町駅を結ぶ新線を計画しており、東京ディズニーリゾートの運営会社が京成グループであるのはその名残である。
1975年に一部が貨物線として開通した(開通より11年間は蘇我より2km程度川崎製鉄(現・JFEスチール)専用線を経由する仮ルートを通っていた)後、1986年3月3日に国鉄路線として西船 - 千葉港(現・千葉みなと)まで旅客営業を開始。
1988年12月1日には蘇我 - 千葉みなと間、南船橋駅 - 新木場駅間、西船橋駅 - 市川塩浜駅間が開通。
1990年3月10日に東京 - 新木場間が延伸、京葉線が全通した。
なお京葉線東京は本来成田新幹線ホーム用地として確保されていた地下部分にあるが、他路線ホームより離れた位置にあり、動く歩道も整備されているが歩き慣れていなければ片道で10分近く掛かる場合もあるとされる。同ホームより地上へ出て直ぐの場所には、東京国際フォーラムが立地するが、京葉線東京延伸時には同じ場所に東京都庁が存在した(翌年に新宿区西新宿へ移転)。
沿線には舞浜の東京ディズニーリゾートを筆頭に、海浜幕張には幕張メッセと千葉マリンスタジアム、南船橋にはららぽーとTOKYO-BAYに船橋競馬場、幕張豊砂にはイオンモール幕張新都心、そして葛西臨海公園と観光施設や大型商業施設が多く立ち並び、特に休日利用客はそれらの施設に来場する人が多い。さらに開設当初の南船橋にはスキードームザウス(現・IKEA)、船橋オートレース場も存在した。
蘇我駅、海浜幕張駅、舞浜駅は、最寄観光施設をモチーフとした発車メロディが使用されている。
東京湾岸の高架線を走行する路線の性格上、武蔵野線同様強風で運休や遅れが発生する場合が多いのが悩みの種となっている。
加えて上述通り乗換が出来ない駅の多さから、緊急事態には乗客はバイパスとして東京メトロ東西線や中央・総武緩行線に流れ、同線混雑を引起こす。
種別
特急
当路線を経由して、外房・内房線へ向かう特急「わかしお」・「さざなみ」が運行している。これらは、特急「成田エクスプレス」運行開始に伴って総武・横須賀線において線路容量が不足したことが背景としてある。
当初は、京葉線内途中駅は無停車であったが、2000年12月2日改正で一部列車が幕張新都心の海浜幕張へ停車するようになった。そして、2007年3月18日ダイヤ改正より東京発16時までの下り同駅発11時以降の上り全特急列車が同駅へ停車するようになった。
これに伴い、同駅東京方面ホームには自由席特急券の自動券売機が新設された他、駅員がホームへ出て自由席特急券を販売したり、放送で同駅から東京駅まで直行することをアピールするなど、特急の短距離利用促進宣伝を行っている。
通勤快速
平日朝に上り4本、夜間に下り2本が運行されていた。
線内途中停車駅は八丁堀駅・新木場駅の2駅であり、東京近郊路線の中では最も少ない(それ故一部鉄道ファンよりチート快速と呼ばれていた)。
種別カラーは赤。
外房線内は快速運転を行うが、内房線内と東金線内は各駅に止まる。
外房線への通勤快速(土日祝日は快速)は東京駅 - 誉田駅間は外房線方面列車と東金線方面列車を併結して誉田駅で分離し、翌朝には誉田駅で両線の列車を併結して東京駅へ運転されている。そのため、この列車に関連する運用のみ分割併合に対応したE233系F51 - F54編成が充当されている。
2024年3月16日ダイヤ改正限りで廃止された。
快速
平日日中は30分間隔、土休日日中は15分間隔で運行され、上りは海浜幕張で同駅始発各停東京行と接続している。下りは平日日中以外はほとんどの電車が新浦安で各停に接続し、南船橋では当駅発着武蔵野線直通と接続する。
総武線快速では1つの市・区に1つの停車駅が存在する傾向にあるが(新小岩駅は葛飾区、市川駅は市川市、船橋駅は船橋市、津田沼駅は習志野市等)、京葉線では江戸川区、市川市、習志野市には快速は止まらず通過して行く。
ダイヤ変更により、途中駅での特急列車の通過待ちまたは時間調整をする電車が多く、最速の各駅停車よりも所要時間がかかる電車もある。また一部下り列車は海浜幕張駅で通勤快速の通過待ちをする。
日中は1時間あたり1本が外房線の上総一ノ宮駅まで直通運転を行っており、外房線内は各駅に停車する。
種別カラーは緑(幕式・フルカラーLED共通)。朝時間帯は行われていない(通勤快速除く)。
2024年ダイヤ改正以降は一部を除いて日中のみ運行となっている。
各停
京葉線内では平日日中は1時間当たり4本運行されており、海浜幕張駅発着と蘇我駅発着が2本ずつ運行されている。土曜・休日日中も平日と同じくらいの運行がされており、この時間帯は全て海浜幕張駅発着で運行されている。
平日の日中以外は新浦安で快速待ち合わせを行うことが多い他、一部電車は千葉みなと・海浜幕張・新習志野・新浦安・葛西臨海公園で特急列車通過待ちを行う。夜間一部電車が内房・外房線より直通するものある。
また、後述の武蔵野線直通を補完する形で、京葉線10両編成で西船発着便も運行されている。
種別カラーは青(E233系フルカラーLED表示機のみ設定)。
武蔵野線直通列車は、東京発着と南船橋発着が1時間当たり各3本運行される。日中の南船橋駅発着の電車は南船橋で蘇我・東京方面両方に接続している。
海浜幕張着1本のみ新習志野で特急「さざなみ」の通過待ちをする。
2013年3月16日ダイヤ改正前は、東京駅発着系統は快速(武蔵野快速)運行であったが、武蔵野線直通列車は全て各停となった。これに合わせて快速通過駅では、停車本数が大幅増加している。
2024年3月16日にラッシュ時間帯が京葉線系統を含め全て各駅停車となり、快速通過駅の停車本数がさらに増加したが、快速停車駅の自治体から反発する事態となっている。
詳細は別記事を参照。
車両
255系500番台・E257系は幕張車両センター、209系500番台・E231系900・0番台・E233系5000番台は京葉車両センター所属。
現在の車両
E233系5000番台
2010年7月1日より運用開始。また増備途中で6+4両分割編成が製作され、2011年3月7日より分割運用開始。
209系500番台(ケヨ34)
予備車。
現在の武蔵野線乗入車両
E231系0番台
E231系900番台
209系500番台
過去の車両
2005年11月18日で運用終了。
2011年6月20日で運用終了。
2011年7月25日で運用終了。
E331系(ニートレイン)
2011年10月1日で運用終了。
255系
さざなみとわかしおで使用されていた。
2024年6月末で運用終了。
過去の武蔵野線乗入車両
2005年12月8日で運用終了。
武蔵野線列車8両化に先立ち1996年10月20日を最後に当線での運用を終了。
2020年10月19日で運用終了。
駅一覧
●…停車
レ…通過
▲…「わかしお」の一部が停車
駅名 | 快速 | 特急 | 乗換路線 | |
---|---|---|---|---|
東京(JE01) | ● | ● | ||
八丁堀(JE02) | ● | ㇾ | 東京メトロ日比谷線(H12) | |
越中島(JE03) | ㇾ | ㇾ | ||
潮見(JE04) | ㇾ | ㇾ | ||
新木場(JE05) | ● | ㇾ | ||
葛西臨海公園(JE06) | ㇾ | ㇾ | ㇾ | |
舞浜(JE07) | ● | ㇾ | ディズニーリゾートライン | |
新浦安(JE08) | ● | ㇾ | ||
市川塩浜(JE09) | ㇾ | ㇾ | 武蔵野線(直通) | |
二俣新町(JE10) | ㇾ | ㇾ | ||
南船橋(JE11) | ● | ㇾ | 武蔵野線(直通) | |
新習志野(JE12) | ㇾ | ㇾ | ||
幕張豊砂(JE13) | ㇾ | ㇾ | ||
海浜幕張(JE14) | ● | ▲ | ||
検見川浜(JE15) | ● | ㇾ | ||
稲毛海岸(JE16) | ● | ㇾ | ||
千葉みなと(JE17) | ● | ㇾ | 千葉都市モノレール(CM01) | |
蘇我 | ● | ● | 内房線(一部直通)/外房線(一部直通) |
イメージキャラクター
1990年の京葉線全通時に、高橋留美子氏の手により広報用キャラ『マリン』(トップ画像のキャラクター)が作成された。(参考)
関連イラスト
関連動画
http://www.youtube.com/watch?v=RzmbslrK_Xs