機動戦士ガンダムSEED_SOLID
きどうせんしがんだむしーどそりっど
概要
『機動戦士ガンダムSEED SOLID』とは赤バンブル氏による『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ』と『メタルギアシリーズ』のクロスオーバー二次創作小説である。
『メタルギアシリーズ』のキャラクターであるネイキッド・スネーク(ビッグ・ボス)が原作通りの最期を遂げ、その転生先として『コズミック・イラ』の世界でキラ・ヤマトとして活躍する作品。
作風はメタルギアシリーズやASTRAYシリーズ、MSVの要素を取り入れながらもSEED本編をベースとし、尚且つ「続編」を意識したストーリー構成となっている。その為か、(SEED本編での)原作と異なる展開が出てくる事も。
ハーメルンで掲載されたエピソードのあとがきに『メタルギアシリーズ』の『MISSION FAILED』を意識したネタが描かれているが、バリエーションが尽きてしまったのでPHASE:21からMGSVでのカセットテープを基にしたやりとりに変更。
あらすじ
かつて「伝説の傭兵」と呼ばれた男は壮絶な運命を辿った末に、自分を倒した男に看取られながら最期を迎えた。
彼はキラ・ヤマトとしてコズミック・イラで第二の人生を送るのだが、同時にナチュラルとコーディネイターの戦争に巻き込まれる事となる。
登場人物
主要人物
本作の主人公。生涯を終えたネイキッド・スネークが転生先として『機動戦士ガンダムSEED』の主人公キラとして前世の人格・記憶・特技を受け継ぎ転生した姿。その為か地の文でもスネークと表記されており、趣味嗜好も前世から引き継がれている。具体的にはバルトフェルドのコーヒーやダブルソースケバブを美味いと絶賛し、葉巻も愛飲している。更には蛇を捕獲して食べようとしていたが、ミリアリアを怒らせてしまい没収となった。
前世の記憶を取り戻したのはやはりというかダンボール(折り畳みベッドが入っていたもので、カリダには「アスランと別れたショックで奇行に走った」と思われた)であり、所謂「ダンボール迷彩」で行動する事も(因みにサイからは「ダンボールに隠れて逃げる人物」と既に把握されたが)。
10代半ばの若人ながら「伝説の傭兵」としての前世を所持しており、故に戦争の何たるかを理解して覚悟を決めて戦っているタフガイ。危機的な状況でも皮肉やジョークなど軽口を叩いたり、やや斜に構えたニヒルな部分はありつつも、ダンディズムを感じさせるハードボイルドな本質を有している。無益な殺しこそ好まないが、撃つ必要があると判断したとあらば、例え敵対した相手が自分の顔見知りであったとしても、自分の感情を押し殺して止む無く殺す事も辞さない非情で冷徹な一面を持つ。
故郷とも言えるヘリオポリスを崩壊させたザフトに対しては(前世でマザーベースが壊滅された事もあってか)敵対する選択を取っており、旧友のアスランからの呼びかけも悉く蹴っている。ナチュラルとコーディネイター関係なく友人や仲間を守る為に戦い、フリーダムに乗り換えてからも、不殺戦法を取らずに普通に敵を撃墜している(事実、スピットブレイクではアークエンジェルに銃口を向けたジンを容赦なく撃ち落とした)。
あくまで自分は傭兵であるという点にアイデンティティを持っており、バルトフェルドとの問答で「どうやったら戦争が終わるか?」という点については、原作のキラのように自分だけで抱え込んで悩むような事はせず、「それを考えるのは政治家のお偉いさんの仕事であって、前線で戦う自分が考える領分じゃない」という見解を示している。
総じて、原作のキラとは異なり精神的に追い詰められる事はまずないものの、高圧電流の拷問や右目の失明など、肉体的にボロボロになる事態に遭った(奇しくもこれらは前世で味わった出来事である)。
生身での身体能力や操縦技術はコーディネイターの中でも群を抜いており、尚且つ前世から引き継がれた戦闘経験とCQCで生身の人間やモビルスーツ問わず敵対者を圧倒している。鋭い観察眼も健在で、初めて遭遇したある人物の立ち振る舞いを一目で軍人(それも所属している軍までも正確に当てる)と見抜き、モビルスーツとの戦いにおいても生かされている。反面、その戦闘能力の高さゆえに「種割れ」が初めて発動したのはバルトフェルドのラゴゥ戦となっている。また、モビルスーツ戦ではナイフ程のサイズの武器を好んで使っており、対艦刀と言った大振りの兵装はあまり使いこなせなかった。
ザフトの軍人。
大体原作通りであるが、本作のキラが伝説の傭兵であるスネークの転生である為、上記のヘリオポリスの襲撃・それによる崩壊の一件もあってかキラを説得しても一蹴される場面がある。
尚、父のパトリックに言われて先にプラントに帰郷して離れ離れになっていた間にキラが前世の過去を思い出した事を知らず、ヘリオポリスで再会して以降は軍人でもないのに、自分よりも覚悟を決めて戦っているという自分が知ってた頃の(我が強く自分が面倒を見なければならないくらいに手のかかる弟のような存在だった)幼少期の彼とは別人のようなキラの様子に戸惑いと違和感を覚えている。
本作でも勝つためならばどんな手段も厭わない戦い方をしており、第三者がトールのスカイグラスパーを攻撃された時にキラが動揺した隙をついて自爆攻撃を仕掛けた(ただ、ある人物からもザフトの戦力ではキラのストライクを倒すのはほぼ不可能と評しており、その戦闘でもSEEDを発動してもキラとの差を埋められ無かった)。
プラントの歌姫。
大体原作通りであるが、本作ではキラから教わった恋の抑止力を歌う場面がある他、その最中にフレイに人質を取られても、(キラに一喝されて考えを改めつつあったフレイが、事前に拙いながらも事情をラクスに説明した事もあって)すんなりと同行していた。
後にイージスの自爆に巻き込まれボロボロの状態で搬送されたキラと再会し、彼と対話したいと手を握った際に、キラの前世であるスネークの記憶を大まかながらも目の当たりにしてしまった。当然ながら、その壮絶な人生を前に尻込みしてしまったが、これがきっかけでキラに惹かれていき、同時に「普通の少女」としての姿を原作よりも多く見せるなどの影響を及ぼした(尚、一旦キラと別れる時に親密に接したせいでオセロットから嫉まれてしまった)。
オーブ連合首長国代表にしてアスハ家の当主のウズミ・ナラ・アスハの娘(養子)。
ほぼ原作通り、ではあるもののアフリカの砂漠で再会したキラに殴りかかるも返り討ちに遭い、自身の立場をキラに言い当てられてしまう。
アークエンジェル一行
アークエンジェルの艦長。
大体原作通りであるが、本作のキラはスネークが転生した設定である為、序盤でストライクの操縦の交代を頼んだキラの子供とは思えない覇気にたじろぎ、ストライクを目撃したトール達を拘束する際に軍の機密事項についてフォローしていた(その為か、原作の様に軍人としての行動を見せなかった)。尚、ストライクの搭乗を要請する見返りとして未成年なのに堂々と葉巻を要求したキラに対し、(傍らにいたトール達と共に)唖然としつつも「タバコは体に悪いからやめなさい」と年上の大人として忠告した(当の本人が喫煙者なのかは不明)。
アークエンジェルのクルーとなった地球連合軍の軍人。
小説版と同じように資産家の生まれでありながらも幼少期に火災で両親と家を失ったが、本作では母親が使用人と良好な関係を築いたおかげで天涯孤独にならずに済んだ事が語られている。
尚、ブリッツ撃破後のキラに自らの生い立ちを打ち明けていたが、時期的に踏まえれば原作より早い段階となっている。因みに葉巻を吸っている。
アークエンジェルの副長。
原作と同様、極秘任務でヘリオポリスを訪れたが、(伝説の傭兵としての前世の記憶を持つ)キラに直感で軍人、それもオーブ軍ではなく地球連合の人間だと看破されてしまう(同時にそんな人間が中立コロニーを訪問した事にきな臭さを感じた)。
軍務に忠実で頭が固いものの、キラの立場をよくするために書類上は志願兵として記入していた。結果的にアルテミスの一件で窮地に陥らせてしまっい、当人もその事で罪悪感を感じ、謝罪した。
その事もあってか、キラに対して気遣う場面も出ているが、アークエンジェルが「ジョシュア」に到着した後に転属を命じられた。
ヘリオポリスに住むキラ・ヤマトの同級生であり友人。
本作ではスカイグラスパーに加えてグリーンアストレイにも搭乗しており、二コルのブリッツを撃破した。自らの手で二コルを手にかけた恐怖と罪悪感に苛まれるもキラから「銃を持って人を殺した感覚」を説かれた(尚、二コルが脱出して生存した事を知らないアスラン達から、ストライクと共にニコルの仇と認識される)。
後にキラやミリアリア達の為にも引き金を引く覚悟を固めてスカイグラスパーで出撃をしたが、オセロットのテスタメントに撃墜されてしまう。
結果的にアークエンジェル側はMIAとして扱われていたが、ダイアモンド・ドッグズに身柄を保護されている形で生存した。とはいえ、右足を負傷してオーブの軍病院送りとなった。
キラの友人。肉体がボロボロになったキラの身を案じる一方、彼が捕獲した蛇を食しようとした時は怒って没収し、蛇の丸焼きを砂漠に投げ捨てた。
アークエンジェルの操舵手。
キラの友人。
本作では彼が捕獲した蛇を食しようとした時はショックのあまり吐いたり、失言したディアッカに激怒して殺しにかかろうとしたミリアリアを止めに入る等、原作以上に気苦労を見せている。
一方で、オペレーション・スピットブレイクでは自分の出来る事をやる形で奮闘していた。
アークエンジェルの整備主任。キラから「親父さん」と呼ばれる事に不服を申し立てているが、原作におけるSEEDの時点でも31歳である。
オーブ連合首長国
オーブ連合首長国の前代表。
代表を務めていた頃にGATシリーズの開発に関与した責任を取って辞任をした。
本作では激化し行く戦局を見定める為にダイアモンド・ドッグズの支援をしている。
モルゲンレーテ社の技術主任。
仕事に多忙であるカズヒラから娘のキャサリーを預けている。
M1アストレイ隊。大体原作通り。
アルスター事務次官の娘。
原作と同様、コーディネイターへの警戒心(とそれによる差別意識)を見せており、目の前で唯一の家族である父親を失った。
一方で本作では良心的な部分もあり、父ジョージを死なせまいと(勿論、原作と異なり事前に事情を説明し、ラクス本人の了承を得た上で)ラクスを人質に取っていたものの葛藤した末に行動しており、直前のキラとのやり取りもあってか悲しみに暮れつつも憎悪をぶつける事はなかった。
そしてラクスとの引き渡しも自ら率先しており(当然、軍規違反である為キラは艦内で裁判を受ける羽目になったものの、フレイが庇った事で事なきを得た)、別れ際にもしまた会えたら友人になってほしいと約束するしており、コーディネイターに対する憎悪に囚われる事は無くなった。
第8艦隊合流を機にサイと共にアークエンジェルを離脱。これにより彼女が関わる「原作準拠」エピソードは無くなったが、結果的にクルーゼに誘拐されずに済んだともいえる。
その後はオーブでサイの両親の世話になりながら、慣れない花嫁修業に励んでいるが、実はある人物を祖父に持っている。
キラの友人。
本作では第8艦隊合流を機にフレイと共にアークエンジェルを離脱。これはキラから父を失ったフレイを支える役割があると諭された事による。
よって、フレイとの婚約関係は続いており、あの場面も発生しない(そもそも本作ではその話に至るまでの要因がなくなっている)。とは言え、ディアッカの失言に怒りを爆発したミリアリアを止める役割はカズイが行う羽目になったが。
その後はアークエンジェルがオーブに入港した際にキラたちと再会を果たす。
地球連合軍(大西洋連邦/ユーラシア連邦/ブルーコスモス)
地球連合軍の軍人で、ユーラシア連邦の宇宙要塞アルテミスの司令官。
大体原作通りであるものの、(先に横暴を働いた結果の自業自得とはいえ)副官や部下たちをCQCで迎撃した(副官に至っては右腕の関節を外された)キラに高圧電流の拷問を仕掛けた。
一方でアルテミスの関係者達が勝手に組み立てた事で、結果的にグリーンフレームの完成期間を前倒しに出来た。
大西洋連邦外務次官にして、フレイの父親。
本作では声のやり取りという形でフレイと再会できたが、キラの奮戦も空しく搭乗した艦モントゴメリィと共に宇宙の塵となってしまった。
また、原作と異なり万一の場合は艦と運命を共にする覚悟と、フレイを想う「父親」としての側面を見せていた。
ブルーコスモスの関係者。
教え子であるアズラエルに事後を任せるはずだったが、アークエンジェルとキラがこのままアラスカに向かえばよからぬ結末を迎えると予測したのか、通信越しにオセロットにある依頼をした。
カズヒラから送られた戦闘記録でキラが前世で深い関わりのあるスネークである事を把握している。
また、フレイ・アルスターを孫に持つ他、妻と娘もいた事も判明(両者とも既に故人)。
- ジョージ・シアーズ
この人物によりブルーコスモス内で過激派が勢力を増している事からゼロも調査に乗り出している。オセロットはその名前から三人目ではないかと推測されている。
サザーランドらに地球連合軍最高司令部「ジョシュア」に仕掛けた戦略兵器サイクロプスの起動、並びにアストレイグリーンフレームのOSデータ回収を命じていた。
地球連合軍最高司令部統合作戦室所属。階級は大佐。
大体原作通りであるが、本作では「ジョシュア」に到着したアークエンジェルを試験部隊として存続させるように「シアーズ大統領」に進言していた。
ザフト
ザフトの軍人。
ほぼ原作と同じ立ち位置となっているが、ダイアモンド・ドッグズの暗躍によりザフトが被害を被った事をアスラン達に告げる場面がある。
また、キラがストライクではなく、グリーンフレームに乗ってラクスを返還しに来た時には、その機体がストライクや他に奪った4機のGAT-Xシリーズと異なり、PS装甲ではない事を外見だけで見抜くなど、キラにも負けず戦術眼も高い。
何やら、ジョージ・シアーズとつるんでいるらしく、影で原作以上に暗躍している模様。
ザフトの軍人。
プライドが高く、年相応に頭に血が上りやすい性分で、ザフトアカデミー時代から一度も勝てなかったアスランへの対抗心から、ストライクの打倒に執念を燃やす。だが感情的な部分が起因してか、序盤からキラのストライクに一瞬で無力化され、グリーンアストレイとの戦いで顔に傷を負うなど戦況面では散々な目に遭っている(当然デュエルも損傷しているので、ザフトの整備兵も部品の調達に苦労している)。
一方で、原作で引き起こした民間人の避難用シャトル撃墜はキラが身を挺して防いだ事で未遂に終わったが、結果的にキラの右目を潰してしまった。
ザフトの軍人。
本作ではイザークがアスランに突っかかっても便乗しておらず、寧ろ何かと熱くなりやすいイザークの抑え役としての側面が最初の段階で出てきている。初戦でもデュエルを一瞬で無力化した上に、アスランのイージスを突破し、自身のバスターもストライクにシールドを叩きつけられて、フェイズシフトダウンを起こしてしまったためか、ストライクの異常な強さを見抜き、アスランが(戦闘中にキラに言い負かされて動揺していたのもあるが)追撃しなかったのも、「アスランが追撃しても勝てたかどうかわからない」とフォローするなど、4人の中では中立的な立場を取っている。
尚、彼もやはり序盤からストライクに圧倒され、ムウとの戦闘によりアークエンジェルの捕虜となる。
本作におけるミリアリアを激昂させた「失言」はトールがMIAになった事に悲しんでいた姿が軍人らしくないという皮肉と解釈されていた(とは言え、トールが生き延びている為、ミリアリアとのフラグが立つかは微妙となっている)。
ザフトの軍人。
本作ではトールが乗るグリーンアストレイにブリッツを撃墜されたが、コックピットではなくランサーダートを所持した左腕をアグニで撃ち抜かれた事で負傷こそしたものの一命を取り留めた。
その後の身柄はオセロットに回収、ダイアモンド・ドッグズに保護された。尚、プラントでは戦死扱いとなっており、パトリックに黙殺されるリスクを踏まえて返還は保留になった。
ザフトの軍人。原作同様ジンを駆ってヘリオポリスを襲撃するが、キラの乗るストライクに倒されて戦死。
ただし第二戦に刺されたトドメが対艦刀ではなく、ビームブーメランに加えて装備した重斬刀で仕留められた。
アスランによって作られた小型ロボット。
「砂漠の虎」の異名を持つザフトのエースパイロット。独自にブレンドしたコーヒーが(スネークが転生した)キラに好評であった。
それだけにキラは戦う覚悟を見せつつも、同時にコーヒーが飲めなくなることに哀愁を見せている。やはりキラが駆るストライクに敗れたのだが……
バルトフェルドの恋人。キラの駆るストライクに倒されるも、バルトフェルド共々ヴェノムに回収されていた(プラントでは戦死扱いとなっている)。
後にフリーダムの件で指名手配を受けたラクスの逃亡を手助けする形で(バルトフェルドに先駆けて)再登場しており、生存が判明した。
バルトフェルド隊の副官。
クライン派の人間であり、クライン親子の追っ手を仕留めていた。しかしラクスの逃走を稼ぐ事やパトリックに命じられたアスランが怪しまれない為とは言え、心ならずもシーゲルを銃撃してしまった。
プラント
プラント最高評議会の一員。
原作同様、妻レノアを血のバレンタインで喪った事で憎悪に達する程の反ナチュラルの姿勢を強め、所謂過激派である「ザラ派」のトップとなり、後にシーゲルにとって代わる形に最高評議会議長に就任。
ナチュラルに対する憎悪に呑まれたせいで戦争の早期終結ではなくナチュラルの殲滅を優先しており、同時に目の前にいる者が敵としか見えなくなった。それは、カズヒラからも(過激派に転身したユーリに知られる訳にはいかないとして)プラントに返還した二コルを偽物扱いとして始末するだろうと評されていた。
尚、オセロットをザラ派に引き入れているものの、当の彼がスパイである事を知る由もない。
初代プラント最高評議会議長。
原作と同じくパトリックに議長の座を明け渡してしまい、穏健派である「クライン派」のトップである事やドレッドノートを横流しにした事から常に監視されている。
本作ではラクス共々ブルーコスモスの襲撃に遭ってしまうものの、オセロットたちの尽力により事なきを得た。しかしザラ派の追撃を撒くことは出来ないと悟ったのか、ラクスの逃げる時間を稼ぐためにダコスタに自らを銃撃させ(これは、ザラ派に傾きゆくザフトにアスランが怪しまれないようにする為の方便も含まれている)、オセロットが連れてきた部隊に捕縛されてしまった。
また、レノアを亡くした時にパトリックに親身にしていれば暴走せずに済んだ事や、(性質を知らなかったとはいえ)ニュートロンジャマーを打ち込んだせいで地球連合各国に深刻なエネルギー危機に陥らせてしまった事を悔いており、上記の捕縛もそれらのケジメを付けるためのモノであった。
プラント最高評議会議員。クライン派の一員。
原作同様、パトリックが評議会に黙って「オペレーション・スピットブレイク」の真の作戦を実行させた事をシーゲルに伝えた。
ダイアモンド・ドッグズ
- ヴェノム・スネーク/エイハブ
ダイアモンド・ドッグズの首領。地の文ではヴェノムの他にもエイハブと表記されている。
ストライクに倒されたバルトフェルドとアイシャを回収していた他、ボズゴロフ級「コストー」を生身で制圧した後にモビルスーツ数機と一緒に鹵獲した(因みにモラシム隊とモンロー艦長らクルーはゴムボートに乗せられて海上を漂流されたものの、救助されて生き延びた)。
本作ではコーディネーターであり、出身地であるユニウスセブンの外壁メンテナンスをしていた所を血のバレンタインに巻き込まれてしまう。自身は宇宙服を着用したおかげで宇宙に漂流しながらも生存したものの、前世と同じように左腕を失い、頭部に破片が突き刺さる重傷を負った(ちなみに本作での容姿は前世と同じ、尚且つ生まれつきとの事)。またカズヒラ共々、本作から2、3年前に前世の記憶を思い出した。
ダイアモンド・ドッグズの副司令。
オーブからアークエンジェルの護衛を引き受けていた。
本作ではTPPのような報復心に駆られる姿は殆どなく、非常に剽軽かつフランクで女好きな性格となっている。これは前世で決別したスネークを最終的に打倒を果たしながらも、リキッド達に暗殺されるまで虚しさを抱えたまま一生を過ごしていた事によるもの。その為か、キラを手にかけたアスランに怒りをぶつけるカガリに対して思う所を見せていた。なお、そのスネークがキラに転生した事を把握したものの、自ら銃口を向けた以上は今更スネークに会いに行けないと吐露している。
妻はいたが血のバレンタインで死別し、娘のキャサリーも仕事の多忙でなかなか会えない事に悩んでいる。
ダイアモンド・ドッグズのメンバー。
本作ではプラントのザラ派の人間として潜入し、後に議長となったパトリック・ザラからテスタメントを授かった。
スネークがキラに転生した事を把握しており、前世と同じく彼に「忠を尽くす」のが行動原理となっており、反対にザフトに関しては前世におけるGRU、KGBやCIAと同じと酷評している。
ゼロから「キラを守る為にかなり荒い手段でアークエンジェルを降りさせる」依頼を受け、後にこれはトールが搭乗する戦闘機を撃墜させてキラに隙を与えてアスランのイージスによる自爆で完遂した。
尚、キラとの距離を縮めつつあるラクスに対しては個人的に嫉妬している模様。
- ジョニー
ダイアモンド・ドッグズのメンバー。
マザーベースで保護された二コルの世話役となっている。
その他
前世で関わったスパイの少女。彼女の悲惨な最期は未だにキラを苦しめていた。
しかし歌えなかった恋の抑止力は、コズミック・イラ世界の歌姫によって受け継がれていった。
キラの両親。
ヘリオポリスに移住したのも、カリダがキラを戦争に巻き込ませないようにする為であった。
しかし結果的にキラが戦争に巻き込まれた上に右目を失明してしまい、その事に相当負い目を感じていた(とはいえ上記の通り、移住がきっかけでスネークとしての前世を思い出したのも事実)。
ジャンク屋組合に所属するナチュラルの青年。
カズヒラの依頼でアスランの自爆に巻き込まれたキラの身柄回収に向かった。
孤児たちと暮らしている盲目の導師。
本作も原作通りであるものの、自らが解釈する「SEED」がある人物によって発表された者が元となっている。
前世で関わったスネークの師。
彼女からの教えはスネークに影響を及ぼしたものの、後に師を手にかけた上にその遺志を誤解して決別してしまった事を後悔しており、キラに転生しても未だに引きずっていた。
アスランの自爆によるダメージで一時的に『「あの世」と「この世」の境界線』に来てしまったキラと再会し、蘇生薬を渡して姿を消した(この事から、コブラ部隊共々「あの世」に留まっている事が判明)。
尚、キラは上記の過ちを悔いて謝ったが、彼女は「思想や考えは、その時代の人間によって変わる」と諭している。
女性研究者。優れた種への進化の要素であることを運命付けられた因子たる「SEED」を発表していたが、16年前に起きたメンデルでのバイオハザードにより既に命を落としていた。
現時点でスネークが転生したキラと再会していなかった人物となっている。
機動兵器・戦艦
五機あるGATシリーズの一機。
本作のキラの戦い方に反映してか、アーマーシュナイダーを用いたCQCで敵を圧倒している。
機動性の高いエールストライクをメインとしており、後にランチャーのコンボウエポンポッド、ソードのマイダスメッサーを装着している。端的に言えばパーフェクトストライクから本作のキラが扱いに苦慮しているアグニとシュベルトゲベールを取り外したモノであり、結果的に使い勝手の悪さと機動性の低下を解消できた。
その為か、ランチャーストライクとソードストライク単体の出番は少ない。尚、アグニは原作同様アークエンジェルの補助電源に接続された状態で使われている。
プロトアストレイの内の一機。
本来は本作ではパーツ状態でキラに回収されており、更にはアルテミスの者達が勝手に組み立て挙げた事で完成し、アークエンジェルの戦力となった。
フェイズシフト装甲が実装されてない上にストライカーパックを装備できないものの、大半の装備を使いまわせるため、キラは戦況に応じて本機を選んでいく。
更にはトールやムウも搭乗している他、「ジョシュア」に辿り着いた時はOSデータを引き渡されている。
Nジャマーキャンセラー搭載型試作モビルスーツ。
現時点では装備が不完全な状態な上に重要機密の存在となっているが、連合のストライカーパックに対応している。
動力も核エンジンを用いている事から、マルチプルアサルトストライカーの問題点であるエネルギー消耗の激しさは解消された。
それでも取り扱いの悪さはそのままなのか、オセロットもアグニでの加減に難儀していた。
地球連合軍のモビルスーツ。
サザーランドら将校によってアークエンジェルに配備されたものの、元から切り捨てる前提でパイロットを配備させなかった。
後にアークエンジェルに戻ったムウが105ダガーに搭乗しており、キラのストライクと同じくエールストライク(にコンボウエポンポッドとマイダスメッサーを加えたモノ)を装備。
グリーンアストレイからコピーしたOSをインストールされており、これでナチュラルでも地球連合軍のモビルスーツを操縦する事が出来る。
Nジャマーキャンセラー搭載型試作モビルスーツ。
搭載された核エンジンにより、半永久的にPS装甲を展開できる他、ランチャーストライク以上の火力を叩き出せる事が出来る。尚、本作のキラはスネークが転生した事もあってか、彼向きでは無い様だ。
本作では生体認証を搭載されている為、登録した本人でなければセキュリティを解除できない仕組みとなっている。その為、パトリックもアスランにパイロットの生け捕りを命ずるしかなかった(尚、本作のキラはアスランのみならず、軍人を圧倒する実力を持つため、生け捕りは困難である)。
- コマンドデュエルガンダム
ヴェノム専用モビルスーツにして、本作オリジナルの機体。
アズラエル理事によって提供されたデュエルガンダム(再生産機)を改修しており、黒いカラーリングも相まって「黒いデュエル」となっている(実際、それを見たイザークも驚きを露にした)。
本来はキラが搭乗しているストライクの再生産機をベースにする予定であったが、エリカからモルゲンレーテに回すように要請されたため、代わりとして設計が近いデュエルが選ばれた。
機体各部にラミネート装甲を増加装甲のように覆っており、ビーム兵器においてもある程度の耐性を獲得。また、ミサイルポッドなどの実態弾兵装を外付けできるオプションラックを増加しており、これによってCQCに対応可能なアーマーシュナイダーを複数携帯する事も出来る(やはりというか、ヴェノムの戦い方に倣ってアーマーシュナイダーを用いたCQCで敵を圧倒している)。更に、外付けされたポッドのデッドウェイト化を防ぐため、撃ち切ったものから即座にパージする。
基本兵装はビームライフル、ビームサーベル、アーマーシュナイダー、ゲイボルグとなっており、他にもザフトの兵装も使用できる。尚、ブリッツやバスターの兵装も搭載する試みはあったが、相性が良くない為に没となった。
OSも戦闘用コーディネーター「ソキウス」を基にしている為、実質的にコーディネイターしか扱えない代物となっている。
ザフトが開発した初のNジャマーキャンセラー搭載MS。
本来は解体処分される予定だったが、シーゲルによって第三者に横流しにされていた。その為、フリーダム強奪に加えてこの件もパトリックに追及される事となった。