「何でそれがゼータなんだ、イーノ!」
「間違って味方に撃たれるのがオチだぞ!」
問題のシーン
ラビアンローズに寄港中だったジュドー達は、グレミーらの襲撃を受けて危機に陥る。
そんな中、アーガマのブリッジにイーノから通信が入る。
イーノ「Ζガンダム、発進できます!」
トーレス「えっ?もう修理できたのか!?」
修理中のはずだったZガンダムの出撃許可の打診に驚くトーレスを横目に、ブライトは機体コンディションを気にしつつイーノに出撃許可を出す。
しかし…。
トーレス「あぁっ、艦長!あれ!!」
ブライト「うっ!?なんだあれは!?」
アーガマのカタパルトに出て来たのはなんと、ザクの頭を付けたZガンダムだったのだ。
そんなZガンダム改めZザクの姿を見送りながら、ブライトとトーレスは通信機越しに叫ぶのであった……。
「「ジュドー!ザクの顔のゼータが出た!人相で敵だと思うな!」」
概要
機動戦士ガンダムΖΖ 第12話「リィナが消えた」に登場。
一言で表せば「Ζガンダムの頭をザクⅡのものに付け替えた機体」である。
ハンマ・ハンマとの戦いで頭部を破壊されたΖガンダムを、ジュドー達が拾ってきたザクⅡから頭を流用してイーノが応急で修理した。そのためザクの頭は緑色のままであり、アンバランス感をさらに引き立てている。
そしてイーノがそのまま搭乗し出撃、戦闘に参加している。
その見た目から誤射される危険性を指摘したブライトに対し、イーノは「エンドラの機体にザクはいない」とやけに自信ありげであった。ブライトとトーレスは急いで「ザクの顔のΖ」の存在をジュドーに連絡するも、ミノフスキー粒子が濃かったのかコア・ファイターのジュドーには届いていなかった。
案の定ジュドーは「ジオンのザク!?」と誤認してしまいコアファイターの機銃でΖを攻撃してしまう。これによりイーノは怒り心頭、「胴体はΖでしょ!?機体はZでしょジュドーっ!!」とジュドーに改めて確認させているが当の本人からは「よりによって何て頭付けて…」と呆れられている。そらそうだ。
また敵であるグレミーからも「中途半端」「いい加減」と散々であり、敵味方全方位からトンデモ機体扱いされてしまった。
しかし、ΖΖへの合体までの時間稼ぎの役割は十分に果たしてみせた辺りは、流石Zガンダムと言ったところか。
一応識別信号等の「外見以外に敵味方を見分ける方法」を事前に設定していればまだ安全だったかもしれないが、いかんせんイーノの急な思いつきでザクの頭が付けられた上に何よりあの見た目なので、ある程度の誤認は避けられなかっただろう。
結果オーライとは言え、かなり危険な行為だったと言える。
見た目通りネタに走ったMSと言って良く、容姿のインパクトの割に大した活躍は無い。ただこの回では
・ライバルキャラマシュマーの一時退場
・ジュドーの妹リィナが攫われる
などの重要な展開が複数あり、そう言う意味ではこのZザクが登場した第12話は大事な話と言える。
性能
基本性能は通常のΖガンダムと変わり無いが、メインカメラがザクⅡのもので全天周モニターが使えないばかりか、正面のフレームが視界の妨げになり、さらには(形状的に恐らく)変形も不可能になるなど、応急修理なだけあって見た目同様に性能もいい加減。
一応Ζガンダムではあるので、頭部バルカンを除くΖガンダムの基本武装は問題なく使える(ただ、一部ゲーム作品ではハイパーメガランチャーが使用出来ない)。
尚Ζガンダムに開発時期のまるで違うザクの頭部が装着できた理由については、Ζの開発元であるAE社がザクの開発元であるジオニック社を吸収合併して成長した企業であり、部品に一定の互換性があったからではないかとされる。
実際前作にはAE社製のネモの部品を使ってジオニック社製のゲルググをレストアする話がある。
MSでの戦闘経験の無いイーノが操縦したこともあって、大した戦果はなかった。ただその分損傷もなかったため、数話後には頭部も修理され無事元通りになった。
名称について
近年のメディアミックス作品では「Ζガンダム[ザク頭]」(バトオペ2)や「ザク頭Zガンダム」(EXVSシリーズ、ジオラマフロント)と呼ばれる事もある。
このような違いは、バーナード・ワイズマンやジャン・リュック・デュバルといった参戦しているジオンパイロットが、この機体をザクと認識していないからと思われる(あるいは何らかの事情で「Zザク」という名称が使えなかった可能性もある)。
立体物
一発ネタな機体ではあるが、プラモ初心者でも簡単に再現可能なお手軽さでコアな人気がある。
HGUC GUNPLA EVOLUTION PROJECT Zガンダムでは、同スケールのザクⅡを使用すれば、改造なしでこの形態を再現でき、あろうことか説明書にも記載し、推奨すらしてる節がある。
また、SDガンダムの新しいジャンルのガンプラSDCSではザクⅡとZガンダムが発売されており、当然このZザクが再現可能で、こちらは箱絵の方であるがやはり記載されてすらいる。
同類の機体
宇宙世紀ガンダム
キャノンザク
鹵獲した際に頭部を失ったザクⅡにガンキャノンの頭部とジェネレーターを載せた現地改修機。
「AEとジオニックのMSのキメラ」と言う点ではZザクと同じだが、オリジンの世界線においてAE社はジオニック社とは無関係である為か部品の噛み合わせが悪く、首の結合が甘い。またホワイトベースのカタパルトとの噛み合いも悪く、Zザク以上に運用上の問題が目立つ。
陸戦型ガンダム(カレン機)
アッガイとの戦闘で頭部を損失した陸戦型ガンダムに、陸戦型ジムの頭部を装着した現地改修機。
同軍所属の同系列機同士であることもあってか問題無く運用できる。ただ少々珍妙な見た目ではあるためか劇中ではジム頭と小馬鹿にされており、カレンも嫌がる様子を見せている。
ブルーディスティニー1号機
陸戦型ガンダムに同じく陸戦型ジムの頭部を装着した改修機。
ただしこちらのジムの頭部には重要機密たるEXAMシステムが搭載されており、陸戦型ジムのフレームではEXAMについていけなかったため、急遽頭だけ陸戦型ガンダムに載せ替えたと言う格好
そのため劇中では終始脅威、あるいは主人公ユウの重要な戦力として扱われている。
そしてこれ以降はキチンと陸戦型ガンダムの改造でブルーディスティニーが作成されている
パーフェクト・ガンダム(TB)
サイコ・ザクの装甲をガンダムのものに換装した機体。中身はともかく頭自体はガンダムのものなので、ベース機体的にはZザクと逆パターンとなる。
Ζガンダム頭ザク(仮称)
宇宙海賊が扮する「パチモンガンダムチーム」の1機。ザクⅡの頭をΖガンダムのもの(ハリボテ)に挿げ替えた、言わばΖザクの逆バージョン。登場した時系列は『ΖΖ』の後である事もあり、因果を感じる改造機である。
アーリー・ヘイズル
ティターンズの開発チームT3部隊により運用されたガンダムタイプの戦場における心理的影響の検証の為に頭部をガンダムタイプに交換したジム・クゥエル。その後は実験と改修を重ねた事によりガンダムタイプと呼べる性能の獲得に成功している。
ハイザック
火星においてジオンマーズとティターンズ残党の決起の際に、ガンダムの存在を示すためにヘイズルの頭が付けられた。
ジムⅡ
星月の欠片の第6話に登場する胴を青く塗ったジムⅡ。
警備任務中の機体で実習生の教材として整備を受けていたが、頭部センサーの分解整備中に敵襲を受け、頭部がないままの有視界での戦闘を行う事になりかけたが、実習用のレプリカのガンダムヘッドを見つけ、取り付けたものの完全とは言えない状態ではあったがガンダムになり切ってハイザックと戦闘を行った。
リア・ドーガ
ネオ・ジオンのMSギラ・ドーガをジェガンの部品で改修した機体。どちらもアナハイム社製である。
ムーンガンダム
ネオ・ジオンのMSバルギルにサイコガンダムMk-IVG-ドアーズの頭部を取り付けた機体。
Ζザクの逆パターンで、本機は修理後に色をトリコロールに変更されている。
リーンホースJr
後世の作品で、リーンホースとガウンランドとスクィードという所属の違う戦艦の部品をくっつけてできた魔改造MS母艦。こちらはリガ・ミリティアの新しい旗艦としてザンスカール戦役途中から終戦間際まで稼働している。
そのスマートなシルエットと劇中での活躍からファンの人気も高く、ゲームでも比較的高性能に設定されやすい。
アナザーガンダム
ドレッドノート
NJC搭載の頭部を奪われたため、一時期ゲイツの頭を代わりに取り付けて運用された。こちらは同じザフト製でベース機でもあるためか違和感は少なめ。
フリーダム
レイダーガンダムのミョルニルで頭部が破壊された際、ロウ・ギュールにジンの頭部を取り付けられそうになったことがある。
無論未遂に終わっており、劇中では最後までフリーダムの頭のままだった。
ゲーム作品での扱い
Gジェネ
最初期から登場している。ZガンダムとザクⅡの設計で入手可能。
クライマックスU.C.
エクストラステージ、ザクの惑星にてステージボスにザクとして登場する。
カミーユやジュドーなど一部のパイロットとの特別な掛け合いがある。
また自機としても使用可能で、カミーユが乗ると「ちょっと、ザクの頭って…俺の注文と違うじゃないか!!」という台詞が出る。
性能自体は変形がオミットされている以外は同等である。
アクティブスキルはランダムに発動する「???」。
EXVS
当初(フルブースト)はZZのアシスト機として登場。ビームライフルを3連射し、ZZの中~遠距離でのプレッシャー強化に一役買ってくれる。
その後、PS3のDLCとしてまさかの参戦。マキシブースト(ON)にも続投(AC版では「エクストラ機体」と呼ばれる有料会員のみ使用可能だった。PS4版MBONでは最初から使用可能)。それどころか、エンブレムとしてザクの頭のアップまでも出る始末。どちらもコストは最低数値(1000→1500)で、性能は相応に弱められているものの武装は本家Zとさして変わらず、変形不可になったり、ビームコンフューズが百式呼出になったり、ビームライフルの弾数が半分になった程度(ONでは弾数が本家Zと同じく6に)。覚醒技はビームサーベル振り下ろし(イーノ曰く「ジャンク屋殺法」)で、カミーユ機と比べてビームサーベルが短くなっている。
スーパーガンダムロワイヤル
司令100個達成☆4機体として初登場。機体強化のLSは存在しない。その後あろう事に3周年記念ガシャにて新たにLS機能を追加して新録。何故お前なんだ。
ガンダムトライエイジ
大会参加者限定のプロモーションカードとして登場した後、「OPERATION ACE 01」で筐体収録された。
専用機パイロットとしてイーノ・アッバーブも登場。こちらはプロモカードのみ。
機動戦士ガンダムバトルオペレーション2
2022/10/27に配布機体としてΖガンダム[ザク頭]名義で実装。550コストの汎用機。Ζガンダムは600コストなので1ランク下となっている。
武装はΖガンダム用ビームライフル、Ζガンダム用ビームサーベル、腕部グレネードランチャー、ロングビームサーベル。
頭部がザクになっただけなのでスペックはそこまで低下しておらず、600コストのLv2機体は若干足回りが悪い代わりにHPが高くなっている。ただし当然頭部バルカンは無く、変形も不可。
大きく異なる要素はロングビームサーベルの下格闘モーションで、Ζガンダムの同装備は突き→薙ぎ払いなのに対し、こちらは薙ぎ払い→突きとなっている。この薙ぎ払いの発生が非常に早く横の範囲が広い上、高速移動中に即よろけを無効化するマニューバアーマーを有する為、下格闘ぶっぱによるダウン取り能力が非常に高い。ちなみにこのモーションはその後ギャプランTR-5やΖガンダム3号機に引き継がれ、これらの機体の強さを支えている。
Ζガンダムに劣る部分もあるもののΖガンダムより扱いやすいと評される事もあり、配布機体でありながら強力な格闘汎用として評価が高い機体である。
関連動画
※解説は0:41頃から