概要
詳細は提督、または提督(艦隊これくしょん)も参照。
女性提督とは、海軍を統べる女性の司令官のこと。
もっぱら『艦隊これくしょん』に関連し、女性プレイヤーのことを女性提督と呼んでいる。
創作における女性提督
Pixivでは、艦これ二次創作の独立したキャラクターとして女性提督が描かれることがある。理想像を当てはめてか女性提督はだいたい美女で描かれるが、一部には幼女だったりおばあちゃんだったりする。
T督のようにTヘッドとして描かれることはほとんどないようだ。
艦娘が何らかの理由で提督となっている艦娘提督も、女性提督の一種として扱われている。
もちろん中には「艦これ」に関係なく、オリジナルキャラクターとしての女性提督のみのイラストも多数投稿されている。その場合は「艦これ」「艦隊これくしょん」といったタグを付けるのは望ましくない。
艦これとも女性軍人とも全く関係の無いようなイラストに「女性提督」タグが付けられることも多く、残念ながら一部のユーザーの間で閲覧数稼ぎのタグとして悪用されている部分もある。
また、ふたなりの人物にも女性提督のタグが使用されることがある。
公式のメディアミックスでは、『島風・つむじ風の少女』にて「青崎すみれ中将」なる女性提督が登場しており、「女性提督」の存在が公式化した(※ただし主人公は新任少尉・赤井誠一郎であり、青崎提督ではない)。
公式の画像を用いていない一部ムック本の表紙などでもしばしば女性提督と思しきキャラクターが描かれている。
現実の「女性提督」
現実には女性の提督は艦これのモチーフ元である第二次世界大戦期には存在しなかったものの、現在のアメリカ海軍ではミシェル・J・ハワード少将が2009年、ソマリア沖で諸国連合部隊の「第151合同任務部隊」の司令官に就任するなど、女性提督(将官)の数は増え続けており、さらにそれ以前の史実にも該当者が何名か実在し(下記参照)皆無ではない。
海上自衛隊の実戦部隊においては未だ海将補(帝国海軍における少将に相当)以上の女性自衛官は生まれていないものの、2016年2月には海上自衛隊初の護衛艦艦長(練習艦においてはそれまでも幾人か存在していた)が誕生しており、そう遠くない未来には海上自衛隊でも女性提督が生まれるかもしれない(医官では既に存在している)。2018年には横須賀の第一護衛隊群第一護衛隊指令に女性自衛官(一等海佐)が就任した。護衛群は2個護衛隊から成り、群司令は海将補が就く。また空自では女性空将補が誕生している。
男女平等が言われる昨今、海軍において女性兵士がなかなか増加しないのは、艦艇内のスペースに余裕がないという事情(兵器とは基本小型化が望ましいため)もある。女性兵士が乗り込むとなると、男性兵士とは別の女性専用スペース(トイレ・お風呂等)を設けねばならないため、女性兵士が乗り込んでいるという艦は、艦内スペースに比較的余裕がある大型艦(航空母艦や補給艦など)に限られてくる。潜水艦に至っては魚雷発射管室にすら寝床を確保するほど余裕がないため、さらに難しい。
男女平等を建前とし女性軍人を多数採用したソ連を始めとする社会主義陣営でも(元々こちら側の陣営の海軍がショボかったこともあり)実現していない、とされる。
(現存する中華人民共和国・朝鮮民主主義人民共和国も含め実態は不明)
海上自衛隊では潜水艦隊所属(艦内勤務)の女性隊員は、近年になってようやく門戸が開かれた段階である。
むしろ前近代の艦隊指揮官に女性が散見されるのは、人権というものが確立される以前の時代だったがゆえに成立したものである(要するに男性と共通の生活空間で構わないという考え)。その後アブラハムの宗教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム)の勢力圏となる中東~西欧ではその宗教観に依って女性が排除されていった。他方、これらの影響が少なかったアジア圏では近代化直前までチラホラ出ている。
今日の女性提督・艦隊司令
- リサ・M・フランケッティ大将:在韓米海軍司令官、第6艦隊司令官等を歴任。2022年4月に海軍大将へ昇進し、海軍作戦副長に就任。(後述のミシェル・J・ハワード大将に続き2人目の女性の海軍大将となる)2023年11月には女性で初めて米海軍制服組トップ(統合参謀本部議長及び同副議長を除く)である海軍作戦部長に就任し、統合参謀本部における初の女性メンバーとなる。(2024年12月地点で現職)
- ミシェル・J・ハワード大将:ドック型揚陸艦「ラシュモア」艦長、第7揚陸戦隊司令官、第2遠征打撃群司令官兼第151合同任務部隊司令官等の水上艦艇部隊の要職を歴任し、2014年7月に米海軍の女性として初めて大将へ昇任。米海軍制服組No.2である海軍作戦副長へ就任した(2016年3月時点において現職)
- ノラ・タイソン中将:航空士(Aviator-平たく言えばパイロット)出身。第2空母打撃群司令官(米海軍女性初の空母打撃群司令官)等を経て、2015年から米海軍第3艦隊司令長官を務めている。
- ジャン・タイ中将:米海軍第10艦隊司令官であり、米軍初の女性艦隊司令長官。なお2010年に編成された第10艦隊はサイバー戦部隊であるため、実際に艦船を運用する艦隊では上述のタイソン中将が初めてとなる。
前近代
- アルテミシア(BC4世紀・小アジア/現在のトルコ):ペルシア戦争で艦隊を率いてペルシア側で戦ったハリカルナッソスの女王。
- 神功皇后(2世紀~4世紀?・日本):のちの応神天皇を身籠ったまま朝鮮半島・新羅に出兵、戦わずして降伏させ、さらに高句麗・百済にも朝貢を約させた(という伝説。神功皇后が実在した可能性はかなり低い)。
- ジャンヌ・ド・ベルヴィル(14世紀・フランス):百年戦争でフランスに殺された夫の復讐のため、イングランドの艦隊を率いて活躍。
- グレイス・オマリー(16世紀・アイルランド):アイルランド九年戦争に参加した一部族の女王。
- 大祝鶴(16世紀・日本):戦死した兄、大祝安房に代わり16歳で陣代として出陣、のちに大内義隆の水軍による大侵攻を劣勢の中耐え抜き、最後は敵軍を壊走させた。
- ブブリナ・ラスカリナ(19世紀・ギリシャ)ギリシャ独立戦争で艦隊を率いてオスマントルコと戦う。
- 鄭一嫂(19世紀・中国/清朝):1800隻の船と7万~8万人の部下を抱えた海賊の女統領。清朝に投降後は配下を正規軍に編入。
他のフィクションにおける「女性提督」
- キャスリン・ジェインウェイ(スタートレック):「ヴォイジャー」主人公にしてシリーズ初の女性主人公。「ヴォイジャー」では艦長だが、後のシリーズでは提督に昇格している。
- オナー・ハリントン(紅の勇者オナー・ハリントンシリーズ):「スペースオペラ版女ホーンブロワー」とでも呼ぶべきシリーズ主人公。
- キシリア・ザビ(機動戦士ガンダム):機動軍総司令官。
- ハマーン・カーン(機動戦士Ζガンダムなど):肩書は摂政。MS戦もこなす。
- シーマ・ガラハウ(機動戦士ガンダム0083):彼女も上記ハマーン同様自らMS戦をこなす。
- カティ・マネキン(機動戦士ガンダム00):劇場版では地球圏防衛艦隊総司令を務めていた。
- アザリン、シア・ハス(宇宙一の無責任男シリーズ)
- テレサ・テスタロッサ(フルメタル・パニック!):しかも(強襲揚陸)潜水艦の艦長でもある。
- アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・パリューニュ子爵・ラフィール(星界シリーズ)
- 桃園宮那子内親王(女皇の帝国)
- つる・ヒナ・たしぎ・アインなど(ONEPIECE)
- 葛城ミサト(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q):ヴィレのリーダーにしてAAAヴンダーの艦長、その周囲に数隻の艦船がある。そして名の由来は空母・葛城。
- エルミー・デーニッツ・小澤祀梨・南雲圭子・ユーリ・ユリウスなど(大帝国)
- 『魔法少女リリカルなのはシリーズ』にも「提督」という肩書のキャラはリンディ・ハラオウンなど女性を含め何人か登場するが、所属する組織は軍事組織と言うより警察組織である。
旧帝国海軍における女性について
旧帝国海軍においては女性の「軍人」は存在しなかった。但し、軍属の女性自体は存在していた。著名なものは看護婦であるが、事務員・タイピスト・女工においても採用例が存在した。
関連イラスト
関連タグ
幼女提督 艦娘提督:当たり前ではあるが、女性提督の一種でもある。
メアリー・スー:一部の作品に見られる。
女性提督マジ天使:賛美系タグ
タナカコ:黒歴史
女主人公:ある意味で
女性P:プロデューサー兼業の女性提督もそれなりにいると思われる
女性指揮官(ドルフロ)/女性指揮官(アズールレーン)/女先生/女トレーナー(ウマ娘):後発作品での類似概念