もしも魔法少女にならなかったら―それは誰かの願った平穏な日常
概要
2022年8月22日から9月5日にかけて開催のサービス開始5周年記念イベント。後半は8月29日公開。
今回の話は冒頭文にあるようにもしいろは達が魔法少女になっていなかったらという誰もが想像しうるifの話を描いている。
魔法少女になっていないという事は、これまでのイベントや魔法少女ストーリーなどで描かれたそれぞれの魔法少女になるきっかけも別の形でクローズアップされることになり、人によってはそれが最悪な状況として顕在化してもいる。
今回のイベント開催に合わせてメインストーリー第2部第11章で登場したいろはの究極形態「∞いろは」も実装されている。
あらすじ
それは魔法少女たちが魔法少女になっていない世界での物語。
いろはは、転入後初めての授業にて、「課題図書の『銀河鉄道の夜』を読んであるテーマを設けて考える」という課題において、作中に出てくる「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう」という一節から、「自分にとっての“ほんとうのさいわい”とは?」と考えていた。
一方みかづき荘は悩める少女たちの駆け込み寺となっており、日々訪れる少女たちの困りごとを聞いたりしている。いろはもその手伝いをしていた。
そんな暮らしの中で様々な笑顔を見ているいろはにとっての“ほんとうのさいわい”とはなんなのか、たどり着いた結論と気づいたある真実とは?
登場人物
本編との設定の差異があるため、ここではそれを一覧化する。
環いろは | 両親が海外赴任し、姉妹揃って神浜市に転居しみかづき荘に下宿する。授業での課題がきっかけとなって“ほんとうのさいわい”について考えるとともに、人との交流の中で笑顔を見続けることで、令のように笑顔を撮るようになる。しかしフェリシアを助けようと追いかけたところへトラックが近づき・・・ |
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環うい | この話では病気は完治しており、姉妹揃って神浜市立大附属学校に転入している。 |
七海やちよ | モデル業など芸能活動からは引退、現在はまだ存命の祖母とともにみかづき荘の管理人になっている。後述のWebCMがきっかけでオファーをもらい、莉愛の後押しもあり管理人との兼業で芸能界復帰を検討し始めている。 |
二葉さな | 本編同様家族からのけ者にされていたのをやちよの祖母が保護。家族との大喧嘩の末にさなは家を出てみかづき荘で暮らすようになった。やちよからの呼称も本編では「二葉さん」だが、今回は「さな」と呼ばれている。後半ではこねこのゴロゴロのような人形作りの仕事をするため勉強も始めている。 |
御園かりん | 魔法少女を題材にした話を考えるなど、漫画を描くのは変わらない。かりんの祖母とやちよの祖母が知り合い同士の関係であることから、頻繁にみかづき荘に遊びに来ている。ただ何らかの家庭の事情を抱えてもいる。同人誌も作るようになっており、壁サークルを目標にしているようである。 |
雪野かなえ | 会話の中で触れられる。かつてみかづき荘にいたが、現在は音楽活動をするために独り立ち。路上ライブの模様がネット上で話題となりテレビ出演が決まった。やちよの祖母が数年前喧嘩でケガしたかなえを助けたことがきっかけで、みかづき荘は駆け込み寺的性質を持つようになった。 |
秋野かえで | マンションが建ったことで自宅の家庭菜園が使えなくなり、その代わりにみかづき荘の庭の一角を借りて野菜を育てている。その後宝くじが当たったことで引っ越すことになった。 |
水波レナ | ツンデレな性格やかえでと喧嘩しがちな点、ドルオタ趣味は変わらず。いろはとは同じクラスの隣の席で、ここから交流を持つようになる。後半では郁美の設立した事務所に所属しアイドルデビューが決まっている。 |
由比鶴乃 | 元気な中華飯店万々歳の看板娘。みかづき荘でもたまに出前を頼んでおり、やちよと鶴乃の姉は知り合い同士であることから、家族ぐるみの付き合いをしている。姉の依頼でやちよに昔取った杵柄でWebCMに出てもらい、これが集客に貢献。これを今後に繋げるためにもさらなる新規メニューを姉とともに企画している。 |
団地トリオ | みと・せいか・れいら3人とも仲良くやっているが、ある日れいらが団地の屋上から転落、救急搬送されるも翌日死亡が確認された。 |
十咎ももこ | レナとはドルオタ仲間。好きな男子と帰り道恋バナからの流れで「好きな人はいるのか?」と聞かれ、パニクった末に「お前だよバカ!」と口を滑らせてしまい、ももことしては不本意ながらもこれが事実上の告白となって結果付き合うことになった。 |
和泉十七夜 | ももこが気になっていたメイドカフェの看板店員なぎたん。変わり者なのは変わらず。ケガをした父親に変わって家計を支えている。 |
牧野郁美 | メイドカフェのもう一人の看板店員いくみん。元いたメイドカフェが潰れたことから後輩たちと新規事業を立ち上げようと奮闘しつつ、自身もアイドルデビューを目指している。後半でその事業が軌道に乗り、さらにアイドル事務所を設立したことが語られる。 |
観鳥令 | 珍体験に遭遇しやすいことから、ここでも常日頃写真を撮っている。シャッターチャンスを逃して悩んでいた頃にメイドカフェに客として来店したところ、郁美の願いからメイドカフェのブログ用の写真を提供する仲に。メイドたちや客の写真を撮っている内に自分の撮りたい写真の本質、「笑顔とその背景」に気づく事になった。 |
メイドカフェの客 | 萌花は友人とスイーツを堪能、めぐるは放送部の先輩たちと食レポの特訓中。塁とミユリはここでも本編同様の個性を発揮する。 |
梓みふゆ | 会話の中で「水名の呉服屋の泣き虫な子」として触れられる。見合い話が舞い込んできたため、みかづき荘に駆け込んできた。やちよとは知り合い関係にない。 |
時女静香 | 霧峰村から物産展のために家族たちと共に神浜に来たが、迷子になってしまう。たまたまお使い帰りのいろはに出会い、無事に宿泊先のみかづき荘に連れて行ってもらう。後半ではいろはに贈った食材をパーティーに使うことを快諾。さらに那由他・結菜の協力も取り付ける。近頃では集落紹介サイトを作り始めたが、一昔前のホームページのような感じになってしまった。 |
里見那由他 | 本編同様父に辛く当たる母と言い返さない父を見ているのを耐えられず、宝崎市にある家を飛び出しみかづき荘に駆け込む。そして結菜・いろは・静香と夜通し語り明かす。いとこの灯花と気が合わないのは変わらず。 |
紅晴結菜 | 政治ばかりに熱心な二木市長の父が自分を見てくれないことから、たまには反抗するのも良いかと家出、途中で出会った那由他とともにみかづき荘にやってくる。本編での独特な口調はここでは無い。 |
うらら&くらら | 湯国市の大道芸人コンビとしてテレビ出演している模様が触れられている。 |
佐和月出里 | 小学校で発生した立てこもり事件のニュースの中で女子児童が殺害されたこと、そして犯人が生贄となる児童を選ぶよう投票させたことが語られている。 |
里見灯花・柊ねむ | 里見メディカルセンターに入院中。些細なことで喧嘩するのは変わらず。仲裁役のういが既に退院しているので寂しいようではある。灯花の父は立てこもり事件に巻き込まれた児童たちの心のケアについてテレビの取材を受けている。 |
五十鈴れん | 校内でれいらの転落事故が話題になっている中、ぼんやりとした感じでいろはにぶつかり、謝りもせず「屋上……」とぼそっとつぶやく。そして後半でいじめを苦にビルの屋上から身を投げ、いろはとういはその惨状を目撃してしまう。 |
春名このみ | 高等部でフラワーアレンジメント同好会を立ち上げる。いろははこのみから教わって灯花とねむへの見舞いの品である小さな花束を作る。 |
駆け込んできた少女たち | こころは父親と喧嘩、旭は祖父の過干渉が嫌になって湯国市を飛び出し、理子は知り合いのお姉さんの結婚が認められるまで家に帰らないと宣言。かのこは両親に自分のファッションセンスを理解してもらえない。あきらはトラブル相談が舞い込むことに悩み、ゆきかはトラブルが無くて刺激が無い日々を悩むが、いろはの仲介で出会うことに。沙優希は刀剣好きの友達探しに訪れ、麻友はバイト先の美術館での人間関係でトラブルで悩むも、「美術館なら刀もあるのでは?」といろはが2人を引き合わせる。あいみは好きな人の気持ちが分からないと相談に。 |
アリナ・グレイ | やはり一般人の理解を超えた現代アートを手がけており、かりんも本編同様慕っている模様。一方かりんからサークルの売り子として魔法少女のコスプレを頼まれると怒って数日口を利いてない様子。 |
綾野梨花 | アリナの個展を見た帰りの環姉妹と出会い、好きな人と行くはずだったその個展のチケットを譲ろうとする。失恋直後だったが、相手が同性なのかは不明。後に竜真館の子と意気投合し彼女から薙刀を習い始める。残念ながら、れんとの出会いはなかった。 |
木崎衣美里 | 個展のチケットを落として困っているところに出会い、梨花からチケットを譲ってもらう。そしていつものノリで梨花や環姉妹と仲良くなる。後に梨花とボランティア活動を開始。 |
智珠らんか | いろはとレナがゲームセンターで遊んでいたところ、レナに「クレーンゲーム大会に一緒に出場しないか」と声をかけてくる。レナも快諾し出場。その後レトロなゲームセンター保護を目的にDotuberになり資金稼ぎに励んでいる。 |
笠音アオ | 神浜市への用事ついでにゲームセンターを訪れ大会に興味を示す。他人に声をかける勇気がなかったが、いろはに声をかけられたことをきっかけに彼女とコンビで出場することに。いろはが足を引っ張る結果になったが、ここから連絡を取り合う仲になった。その後SNSで仲間を集めてボードゲームの自主制作を始める。 |
天音姉妹 | 生まれの違いが要因となって喧嘩をしているところにいろはが出くわしてしまい、仲裁しようとするも一層怒らせてしまう結果に。 |
都ひなの | 化学室で実験中に有毒ガスが発生し死亡した生徒がいる事が語られている。以来南凪自由学園には化学部は存在しなくなったが、令は誰もいない化学室を写真に収め記憶に留めている。 |
夏目かこ | 夏目書房は放火で無くなってしまったものの、建て直しのため青空市で残った在庫を売っている。ただ、在庫がほとんど燃えてなくなったため父は塞ぎ込んでしまっている。また、当然ながらこちらの世界ではフェリシアとは友達になっていない。 |
神楽燦 | 本人は直接出ていないが、宝崎市の光塚の火祭りが終了するに伴い、いろはが見に行くと泣いている人たちがたくさんいたという。 |
飾利潤 | 本人について直接触れられてはいないものの、駄菓子屋のあした屋は無くなっており、跡地にはマンションが建っていることが語られている。 |
鈴鹿さくや | お参りに来たところ涼子に賽銭泥棒の疑いをかけられる。暴力事件があった事から陸上部は出場停止となり、それでもトレーニングがてら走っていたところたまたま寺があったのでそのついでとやってきた。 |
南津涼子 | 存続の危機にある水徳寺でさくやに疑いをかけるも、いろはの証言で誤解が解け土下座。以来さくやと仲良くなり、時には一緒に走っている。 |
胡桃まなか | 水徳寺で目撃されていた、毎日必死の形相で何かをお祈りしている「お百度参りの噂」の主。ウォールナッツの人気が出ないので参拝したものの、効果が出ずがっくり。その後いろはたちはウォールナッツでお薦めのオムライスを食べて絶賛。店のためにいろはは何かできないかと、ここで宣伝も兼ねてみんなへの感謝のパーティーを行う事を提案する。 |
阿見莉愛 | シャイすぎて姿は見せない(本編での姿は魔法少女になった際に得られた物だという事情もある)ものの、ウォールナッツで手伝いしている。やっぱりやちよの大ファン。高校デビューに失敗しお腹を空かしていたところにまなかが弁当をあげたことで交流を持ち始めたという。 |
大庭樹里 | 結菜がストレス発散で通い始めたボクシングジムの娘として触れられ、問題児ではあるものの現役ボクサーの父と熱血指導をしており、なかなか面白い子だとのこと。太助も鍛えてもらっているとか。 |
由貴真里愛 | 南凪区にて近くにいた男の子を助けようとした女子高生が、酒気帯び運転の車にはねられ大ケガを負ったというニュースが流れる。 |
藍家ひめな | いろはが水名神社でお参りしたときに出会い、「みんなが幸せになるように」という願い事にダメ出しするも、泣き出したいろはの話を聞いてあげた。後にヒコ君がいじめで自殺したことについて、関係当事者の実名や顔写真、手口、さらには学校側の対応のひどさなどをSNSで告発。最後に「この世界とはサヨナラするから」と綴り、いろはに動画を残してヒコ君の後を追った。 |
八雲みたま | ひめなが聞いた噂話として、学校で他の生徒の階段からの転落事故が元で自殺未遂をしたことが語られる。 |
深月フェリシア | 街中でうずくまっているのをいろはが見つけ声をかけるが、両親の死を招いた自責に押しつぶされて走り去る。そこへトラックが接近し…・・・ |
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以下本イベントのネタバレがあります
終盤でフェリシアの姿を見かけるも去られてしまったいろは。だがフェリシアに近づくトラックの姿が。
いろははとっさに「危ないっ!フェリシアちゃん!」と名前を知らないはずの彼女の名前を叫び、彼女を庇ってひかれてしまう。
……のだが、いろはは生きていた。それどころか魔法少女だったことを思い出す。
そしてこれまで撮りためた写真が一斉に光り出し、記憶が蘇る。
これまでの話はキモチと繋がり、∞いろはとなったことで映し出された、「もしも魔法少女にならなかったら」という魔法少女たちの想い、そしてそうなったときにあり得たかもしれない日常を描いたものだった。みんなの理想と現実、いろはも、いろはの中のういもこれを見ていたのである。
それとともに魔法少女たちひとりひとりの想いが宝石として姿を現す。それは理想と現実の狭間にいる、魔法少女にならなかったらという想いだけでなく、魔法少女になったからこそ救われたという想いもあった。
そしてもう一つの想いの欠片が。魔法少女たちの救いを求める声が聞こえる。それは自動浄化システムが広がって平和になった後の未来という希望。そうした未来を見るために魔法少女たちはひたすら歩み続ける。いろはも改めてその託された希望を未来へと繋ぐため、中のうい・小さなキュゥべえと共に、もしもの世界から離れ未来に向かっていくのだった。