機械獣
きかいじゅう
概要
『マジンガーZ』に登場するDr.ヘル一味=「地下帝国」が運用するロボット兵器。
もともとは次回作『グレートマジンガー』の悪役「ミケーネ帝国」が作ったロボット兵器(戦闘獣用のボディ、もしくはその原型)で、『マジンガーZ』でヘル一味が運用する機械獣は帝国の遺跡から出土したメカを現代の技術で修復・改修したもの、あるいは発掘調査を通して得た技術をもとにヘルが新造したものが大半を占める。
『真マジンガー』においてはタロス像からサナギを破る昆虫のように出現する。
原子力エネルギーで稼働し、スーパー鋼鉄という特殊合金で造られた装甲は自衛隊の戦車砲程度ではびくともしない。
基本的にはDr.ヘルやあしゅら男爵が持つ「バードスの杖」でコントロールされるが、電子頭脳を搭載しているため、場面によっては自らの判断で行動することもある。
ブロッケン伯爵やピグマン子爵はバードスの杖を持っている描写はなかったが、おそらく同等のコントロール手段を用いていると思われる。
『マジンガーZ』という作品が「研究所を守る」という話の大筋はそのままに92話も放送し続けられたのは偏に機械獣のバリエーションの豊富さ故である。機械獣のバリエーションが豊富だからこそ話の幅も広がり、鉄の城たるマジンガーZ自身も試行錯誤を重ねて様々な技や戦術を繰り出すことができたのである。
スーパーロボット大戦でもザコ敵としておなじみの、ガラダK7やダブラスM2や、金髪美女の姿をしたガミアQなどが有名。
なお、スパロボ(におけるバランス調整)の影響で勘違いされがちだが、本来は獣のごとき高い運動性を誇り、ゆえに「機械の獣=機械獣」と弓教授に名付けられたのである。
また、かつてはスパロボにマジンガーZが参戦する際にはグレートマジンガーやグレンダイザーも一緒に参戦していることが多く、機械獣が戦闘獣や円盤獣の前座として扱われることも珍しくなかったのだが、『第2次スーパーロボット大戦Z』以降は『真マジンガー』や『マジンガーZ/INFINITY』などの機械獣が主要な敵として扱われる作品の参戦機会が増えたた(真マ版の場合は、やられメカとしてタロス像のまま出現してくるケースが多い)めか、性能面でも大幅に強化されてボスの立場に置かれる場面も見られるようになった。
その意匠は、メカニックとして見ても魅力的だが、同時にフリーキーでもあり、ヒーローたるマジンガーZの敵にふさわしい悪役としてまとめられている。
顔が胸部にもあったり(ベルガスV5)、頭部が複数あったり(ダブラスM2、ゲルべロスJ3、ロクロンQ9)、腕が腰や胸、頭部に付いていたり(ジェノサイダーF9、ロッドR2、キケロスN9原案)、両目が尖った触手になっていたり(ガンビーナM5)など、デビルマンに登場するデーモンの如き不気味で人間離れしているデザインも多数存在する。
特に、永井豪御大本人及び、ダイナミックプロの諸氏が描いた原案デザインは、そのフリークス度合いがかなり強く、ロボットでありながら色々と物議をかもしそうな強烈なものも存在する(原案デザインは、当時の東映スタッフがアレンジを加えて清書し、決定稿となるものも多かった。その際にはフリーキーさを抑えられ、無難なデザインにされたものも少なくない)。
その名称は、
(名前)+(アルファベット)+(1~10までの数字)で構成されている。
ただし、6話に登場したザイラD3とダンチェルG8は、劇中の字幕ではアルファベットと数字が無かった。他にも、14話でスパルタンK5と戦ったモーダイルスは、やはりアルファベットと数字が無い(機械獣かどうかは定かではなかったが)。
一覧
TVアニメ
太字は漫画版にも登場した機体
ガラダK7 ダブラスM2 グロマゼンR9 ガイアQ5 キングダンX10
ザイラD3 ダンチェルG8 オゾネスB3 アブドラU6 デイモスF3
ダイアンN4 ブライトンJ2 バイコングO9 ゴロンゴS2 スパルタンK5
チグルE7 ゴリアスW3 バルカンP5 ホルゾンV3 グロッサムX2
デビラーX1 ストロンガーT5 ワインダーA1 バランガM2 ダムダムL2
ジンライS1 エアロスB1 エアロスB2 エアロスB3 ダイマーU5
ベルガスV5 ホーガスD5 グレンゴーストC3 ブルタスM3
メガロンP1 メガロンP2 メガロンP3 ゲルベロスJ3 バラスK9
アーチェリアンJ5 ザリガンG8 グレイダーF3 カーマK5 デルタンV8
ジャイローンJ1 ロッドR2 バジルF7 ブラザスS1 ブラザスS2
マンドラM3 バズラーQ5 カジモフT7 ガンビーナM5 ブリーバーA3
ダガンG3 バズソンM1 ダブルフェイザーV1 ジェイサーJ1
ブローグンG3 サタングロースP10 ユーバリンT9 バルモスQ7
ラインX1 ナイターンO3 ファンガスB3 デビルチーフA7 マリオンP3
ジェノバM9 モントスQ3 スケルトンO7 ブラスターA7 ジェットファイアーP1
『マジンガーZ対デビルマン』
エルキネスK2(見た目はバジンB9とそっくり)
コミカライズ版オリジナル
これらの多くはマジンカイザーや真マジンガーにてアニメデビューを果たしている。
ドグラ・マグラ(ドグラS1&マグラF2) 偽マジンガー バジンB9
『真マジンガー』に登場(一部は設定画から書き起こされた)
なおグロイザーX10は、同じダイナミックプロが原作の『グロイザーX』のパロディである。
グロイザーX10 ノナカーゴH2 ガルダC3 バルガM4 バズカーンA5
『マジンガーZ/INFINITY』に登場
(以下は量産機)
ガラダK7 ダブラスM2 ダムダムL2 ジェノサイダーF9 ジェイサーJ1
ジャイアンF3 タイターンG9 デスクロスV9
※その他、複数のパーツを組み合わせてバリエーションを増やしたオリジナルの機械獣が複数体登場。
関連キャラ
妖機械獣
ゴーゴン大公がDr.ヘルに与えた純ミケーネ製の機械獣。Dr.ヘルの機械獣を遥かに上回る戦闘力を誇り、実質的に「ミケーネ人の脳が組み込まれていない戦闘獣」といっても過言ではない。
これらは上のリストからは除外させていただいた。
合体機械獣ガラダブラMK01
ガラダK7とダブラスM2などをベースに優れた部分を合体させた機械獣。初出は石川賢が書いたマジンガーZの読切漫画『ミケーネ恐怖の遺産』。
OVA『マジンカイザー』に登場したガラダブラは、他の機械獣の支援があった事を差し引いても戦闘獣すら瞬殺レベルのマジンカイザーやグレートマジンガー相手にいい勝負をしてみせた。
『真マジンガー 衝撃! Z編』では、ガラダK7とダブラスM2の本来の姿「勇者ガラダブラ」として過去の世界に登場。つまり、分類としては戦闘獣に該当する。