概要
携帯機の『ディーアーク』に初登場。テレビアニメ作品では第3作『デジモンテイマーズ』で主人公・松田啓人(タカト)のパートナーデジモンである、ギルモンの究極体デジモンとして登場。
ウィルス種でありながらも聖騎士軍団ロイヤルナイツに所属する究極体・聖騎士型デジモン。ロイヤルナイツは全13体が存在するが、そのうちウィルス種デジモンはデュークモン以外にロードナイトモンのみである。
名前の由来は「公爵」を意味する英語「デューク」(Duke)から。なお、英語名はGallantmon(ガラントモン。Gallantとは「勇敢な」「雄々しい」「婦人に親切な」という意味)である。
元々ロイヤルナイツの設定が出来た間もない頃に登場したデジモンであるため、ロイヤルナイツ内の中でも最も現実の騎士に近いデザインで、装備や必殺技の名前は宗教的な意味合いを持った物が多い。
ロイヤルナイツ所属である関係上、他のアニメ作品の主人公パートナーの単体究極体の中では一つ飛び抜けた実力の持ち主である。また、ロイヤルナイツの中ではオメガモン(『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』などに登場)と並び最も高い人気を持つデジモンであり、本種の可動フィギュア「D-Arts」が発売された際にはデザイナー・As'まりあから「オメガモンとデュークモンはロイヤルナイツの両翼」と呼ばれている。
ウィルス種の持つ破壊の力を、秩序の維持へと使用する異端な存在である。危うい均衡のもとに力を制御しており、一歩間違えればデジタルワールドを滅ぼす混沌の化身となりかねないため、鎧の胸部には危険の象徴『デジタルハザード』のマークが刻まれている。
全身を"クロンデジゾイド"と呼ばれる最高レベルの超合金を99.9%という高純度で使用した聖なる鎧に包み、右手は円錐形の長い槍(ランス)、左手は円盾(ラウンドシールド)になっている。前者のランスは聖槍「グラム」、後者の盾は聖盾「イージス」と呼称される。
敵対する者には一切の容赦はしないが、自身が仕える主君には非常に忠実という性格をしている。
ただし、同じく主君に使え自分が認めたならば悪でも構わないデュナスモンとは異なり、各メディア作品において「主君(イグドラシル)に忠誠を誓いつつも、敵対しても善良なものならチャンスを与え、例え主君であってもデジモンの命を容易く奪う非道な行いをする時には裏切る」という、ロイヤルナイツ内においてある意味ウィルス種らしく、どちらにも傾く可能性があるという危ない存在だと言える。
必殺技は、右手の聖槍「グラム」による必殺の一閃『ロイヤルセーバー』と、左手の聖盾「イージス」から放たれるすべてを浄化する光線『ファイナル・エリシオン』。バトルエボリューションでは『スクリューセイバー』が使用可能。
アニメ作品では声付きの物は、ほぼテイマーズのオリジナルキャストである野沢雅子氏が担当している。『デジモンストーリーサイバースルゥース』では、織田優成氏が担当。
なお野沢氏は2020年から放送されているテレビアニメ『デジモンアドベンチャー:』にて、ナレーターを担当している。
作品での活躍
『デジモンテイマーズ』
CV:野沢雅子
松田啓人(タカト)のパートナーデジモンであるギルモンが、究極体に進化した姿。
ギルモンはベルゼブモンとの戦いの最中、加藤樹莉(ジュリ)のパートナーデジモンだったレオモンを殺されたことに激昂したタカトの怒り・憎悪により完全体・メガログラウモンから邪悪な究極体メギドラモンへと暗黒進化した末にギルモンへと退化してしまったが、タカトが自分との本当の友情に気付いたことに呼応して復活。人間であるタカトと融合(マトリックスエボリューション)して真なる究極体・デュークモンへの進化を遂げ、苦戦しながらも七大魔王の一体に数えられるベルゼブモンに勝利した。
ギルモンっぽさは兜の庇(ひさし / 日除け&目の周囲の防御のための突出部)のみだが、初期イラストを見た子供の中には、マントの羽織具合が尻尾に見えた&兜の庇のせいで恐竜人っぽい顔に見えたため、竜人型と勘違いした子もいたとかいないとか。
ギルモンとは打って変わって、性格が老練で落ち着いた物腰になる。
自己主張が激しく、一人称に「このデュークモン」と付ける。また落ち着いている事が多いとはいえ敵対する者には一切の容赦しない性格から、「このデュークモンが絶対に許さない!」など、ロイヤルナイツ内でも怒りを表す台詞が多い。
さらにグラニ(ゼロアームズ・グラニ/0ARMS-Grani)と融合することで、デュークモン・クリムゾンモードとなることができる。
進化バンクの際には、ギルモン → グラウモン → メガログラウモン → ギルモン → デュークモンとなる演出がされており、一部(?)からは高い評価を受けている。
なお、デジモンリアライズには金色の鎧に身を包んだデュークモン(BP)が登場。ギルモン部分は緑色となっている。
- 進化系統
幼年期Ⅰ:ジャリモン → 幼年期Ⅱ:ギギモン → 成長期:ギルモン → 成熟期:グラウモン → 完全体:メガログラウモン → 究極体:デュークモン → (超究極体:)デュークモン・クリムゾンモード
『デジモンフロンティア』
アキバマーケットの武器屋の店主として一瞬登場。何者かに盗まれた友樹のデジヴァイスの在り処を泉から尋ねられていたが、首を横に振っていた。
今作ではロイヤルナイツ(デュナスモンとロードナイトモン)がルーチェモンの配下として登場するが、彼は無関係である。
『DIGITAL MONSTER X-evolution』
CV:野沢雅子
イグドラシルに仕えるロイヤルナイツとして登場。
「Xプログラム」による既存デジモンの抹殺に疑問を感じ、イグドラシルから離反。イグドラシルの命を守ろうとする盟友のオメガモンと対立する。
一度はオメガモンに倒されて死亡するが、後にデュークモンXとして復活。ドルグレモンをイグドラシルの下へ導き、アルファモンへの進化のきっかけを作る。
『デジモンセイバーズ』
CV:野沢雅子
イグドラシルの命令により、人間界を滅ぼしに来たロイヤルナイツの一員として登場。
OPでもロイヤルナイツ集合シーンで最後にロイヤルセイバーを突き出すなど、本作のロイヤルナイツの中では出番が多かった存在で、メンバーの中でメイン格だったクレニアムモンや、主人公サイドについたスレイプモンとともに、(担当声優および劇中描写で)かなり優遇されていた。また同作における他の多くの究極体同様、過去のシリーズに比べて圧倒的に巨大になっている。
デジタルワールド滅亡の危機が愚かな人間によってもたらされた経緯から、登場時は人間を酷く見下し、憎悪していた。
40話で初登場した際には、七大魔王の1体であるベルフェモンを倒したシャイングレイモン:バーストモードとの一騎打ちで劣勢に立っていたクレニアムモンを援護し、ロイヤルセーバーの一撃でシャイングレイモンの進化を解いてしまった。しかし、この時は人間側に寝返ったスレイプモンがマサルやアグモンたちを救出。追撃のファイナル・エリシオンを放ってスレイプモンに深手を負わせ、最終的にクダモン(成長期)にまで退化させるが、マサルたちの抹殺には失敗する。
続く41話では人間界を破壊すべく、人間界(横浜市内)に侵攻。究極体デジモン3体、完全体デジモン2体を聖槍グラムすら使わずフルボッコにし、途中から合流してきたシャイングレイモンをも圧倒。(この時、マサルから顔面にパンチ(ベルフェモンを怯ませるほどの威力)を浴びせられているが、体格差を抜きにしてもまったく動じていなかった)
(原種はデュークモンのグラムに匹敵する威力の槍を持つとされる)バイオダークドラモンを屠ったジオグレイソードを持つシャイングレイモン(ベルフェモン戦の前に暗黒進化→デジタマ化→復活を経たが、復活前よりパワーもスピードも桁違いに向上している)を終始圧倒し、シャイングレイモンに密着状態で必殺技のグロリアスバーストを浴びせられてもダメージ一つ負わなかった。
そのまま彼らにとどめを刺そうとしたが、マサルたちを救うため無理を押して進化したスレイプモンと対峙。スレイプモンの決死の必殺技「オーディンズブレス」によって氷漬けにされ、ともに東京湾に沈んだ。
その後、終盤になって戦いの真相を理解したことでイグドラシルへの盲目的な忠義を捨て、人間界とデジタルワールドの両世界のため、他のロイヤルナイツ(戦死した2体を除く)とともにマサルたちに加勢した。
なお、シャイングレイモンとの対決は何気にデジモンのテレビアニメシリーズでは史上初の新旧主人公究極体デジモン同士の対決でもある。(なお、『02』ではインペリアルドラモンがブラックウォーグレイモン〈ウォーグレイモンの亜種〉と対決している)
また、『セイバーズ』には過去のシリーズに登場したのと同種のデジモンたちが複数登場しているが、過去作と声優まで同じだったデジモンは彼のみである。
『デジモンストーリーサイバースルゥース』
CV:織田優成(『クロスウォーズ』でスティングモンを演じていた)
デジタルワールドを侵食するイーターを滅ぼすべく、その元凶と目される人間界を滅ぼそうとするロードナイトモン、ドゥフトモンに対し、オメガモンと同じく人間界を守る事を選択した。
一方で、デジタルワールドにおいてイーターに侵食されたデジモンに情けをかけ逃してしまった結果、守護していたエリアに多大な被害をもたらしてしまった経験から、危険なものは人間であっても排除すべきと考えている過激さを秘めている。