この会社は昭和62年の国鉄の分割民営化により成立したJRグループの一社で、日本全域における鉄道による貨物輸送を行う鉄道会社である。
正式名称は「日本貨物鉄道株式会社」。コーポレートカラーはコンテナブルー。
日本の鉄道による物流を担う重要な役割を果たしているものの、JRグループのなかでは地味なためか、よく忘れられる。
どれぐらい忘れられやすいかはここの編集履歴やアンサイクロペディアを参照して頂きたい。
会社の状況
この会社の株式は2016年現在鉄道建設・運輸施設整備支援機構( 国鉄清算事業のほかに整備新幹線建設などの事業を行う独立行政法人。ほかにJR四国、JR北海道、JR九州の株式を所有する )が100%保有する、準公営の鉄道事業者。主にJRグループや( JR貨物傘下である臨海鉄道なども含む )第三セクターの旅客鉄道会社の路線を使用して走行しているが、僅かながらJR貨物が所有する貨物線も存在する( 自社所有路線は10キロ以下の短区間のみであるが、傘下の第三セクターはより長い区間の貨物線を所有している企業もある )。
荷物の取り扱い
過去においては石炭(運炭)、タンクローリーなども扱ったが、その扱いは廃止されている。現在の取扱貨物のほとんどがコンテナであるが、石油類や石灰類なども扱いがある。
またその他の業務としては客車牽引用の機関車の運行なども存在するが、これは現状はごくわずかである。
とはいえ、例えば津軽海峡線では1日に上下50本以上の貨物列車が設定されており、この区間ではJR貨物は旅客列車より多い本数の貨物列車を運行している。またそのため青函トンネルが三線軌条、すなわち新幹線のレールの内側にレールが1本存在する形となっている。
災害時は救援物資輸送を行うこともある。2011年の東日本大震災時には、寸断された東北本線沿線地域で石油が不足したため、専用の燃料輸送列車を走らせ、復興に貢献した。福島県への輸送は磐越西線を経由したが、線路規格の低さからDF200は入線できず、各地の機関区から退役寸前のDD51を寄せ集めて運用したエピソードがある。
外国の貨物輸送
ちなみにアメリカ合衆国などでは、公営の旅客鉄道会社であるアムトラックが民営の貨物鉄道会社の路線を借りて旅客輸送を行っており、旅客鉄道会社の路線を貨物鉄道会社が借りて運行している日本とは全く逆の構図である。
早期に自動車および航空機に客を奪われ旅客鉄道輸送は衰退しているが鉄道貨物輸送が盛んなアメリカと、旅客運輸偏重で鉄道貨物輸送はトラックと内航海運に挟まれ衰退している日本のお国柄が現れている。
車両形式
基本的に貨車およびそれを牽引する機関車である。機関車には電気機関車およびディーゼル機関車が存在する。なお、電車に関しては動力分散方式の電動貨車という日本面丸出しな代物である。
分割民営化後に新規に形式を起こして製造した在籍機関車は、3桁数字の型番になっている。
電気機関車
国鉄引継ぎ
ED75 ED76(0、1000番台) EF81(0、300、400番台)
JR分割後
EF66 (100番台) EF67(100番台)ED79(50番台) EF81(450番台及び500番台) EF200 EF500
旅客会社から移籍
EF66 (0番台、元JR西日本) EF510(500番台、元JR東日本)EF81(0番台、元JR東日本)
EF65(1000番台、元JR東日本及び元JR西日本) ED76(0番台、元JR九州)
ディーゼル機関車
国鉄引継ぎ
旅客会社から移籍
DE10(1000番台、元JR東日本DE10、3000番台及び3500番台、元JR東日本DE15)
(1500番台元JR東海)
JR分割後
DF200 (0、50、100、200、900番台)
HD300 (0、900番台)
DB500(0、50番台)
DD200(0、900番台)
電車
貨車
長物車:チキ コンテナ車:コキ タンク車:タキ ホッパ車:ホキ無蓋車:トキ
貨車に関してはピクシブ百科事典に項目があるもののみここに挙げる。
現役
JR貨物所有
シキ610(シキ611のみ)
シキ800(シキ801のみ)
過去の貨車
ホキ10000(2020年3月のダイヤ改正で全廃)
シキ610(シキ611及び国鉄時代に廃車になったシキ612を除く3両)
シキ800(シキ800及びシキ810の2両)
関連会社
鉄道事業
JR貨物グループの企業
グループ企業ではないが出資
輸送事業
その他
JRF商事
ちなみに
- JR貨物は副業で福岡県福岡市中央区長浜で天神ゆの華という温泉施設を運営している。
- 国鉄時代に製造された機関車の淘汰を進めているが、特徴的な車両は1両だけ残して運用し続ける傾向がある。形式ではEF66の27号機やEF81の303号機(それぞれ同番台唯一の現役機)、塗装ではEF64の1046号機及びEF65の2127号機(どちらも唯一の広島更新色)が該当し、いずれもファンから高い人気を誇る。
- 新製・廃車・転属といった車両の動きは2000年代までは他の鉄道会社と同様に鉄道雑誌に公表していたが、2010年代に入ってからは公表していない(例として、『鉄道ファン』(交友社)において毎年7月号で行っている特集「JR車両ファイル」や『JR気動車・客車編成表』(交通新聞社 ジェー・アール・アールなど)。ただし例外的に『貨物時刻表』には機関車については機関車配置表を掲載している。このため、2010年代以降はJR旅客会社のみに所属している車両以外の機関車・貨車の形式消滅や廃区分番台の特定については、機関車は貨物時刻表からの機関車配置表から特定することで引き続き可能であるが、貨車については独自に調査する以外に方法はなく、貨車の形式消滅を特定することはJR旅客会社のみに所属している車両を除いて極めて困難な状況になっており、ウィキペディアですら出典を提示することが困難であり、古い情報のままで放置せざるを得ない状況となっている。
関連イラスト
↓サービスマークも存在する。
関連タグ
JR:JR北海道 JR東日本 JR東海 JR西日本 JR四国 JR九州
関連する人物
山本耕史:社歌「春夏秋冬」を歌っている。
参照
外部リンク
JR貨物公式ホームページ:日本貨物鉄道
JR貨物公式YouTubeチャンネル:JR貨物公式チャンネル
JR貨物公式Twitter:JR貨物公式