曖昧さ回避
- ヨーロッパの伝承に登場する妖精の一種。本項で詳述。
- いすゞ自動車が製造・販売している小型トラック。「いすゞエルフ」を参照。
- アダルトゲームのメーカー、および、そのブランド名。「elf」を参照。
- エンジンオイルのブランド。石油メジャーの一社であるトタル社が展開している。
- ドイツ語で「11」の意。elf。
- 矢上裕による漫画。「エルフを狩るモノたち」を参照。
- シネクドキによる漫画。「エルフさんは痩せられない。」を参照。
- 友吉による漫画。「変態エルフと真面目オーク」を参照。
- まきしま鈴木によるライトノベル。「日本へようこそエルフさん。」を参照。
以下人名等。基本的に1.に由来している。
- 『エロマンガ先生』の登場人物。「山田エルフ」を参照。
- 『カードファイト!!ヴァンガード』のカード。「ウォータリング・エルフ」を参照。
- 『革命機ヴァルヴレイヴ』の登場人物。5.に由来するコードネーム。「エルエルフ」を参照。
- 『銃夢LastOrder』の登場人物。5.に由来する、主人公ガリィのレプリカ11体目。
- 『Gのレコンギスタ』のモビルスーツ。「エルフ・ブル」「エルフ・ブルック」を参照。
- 戦姫絶唱シンフォギアシリーズの登場人物。5.に由来するホムンクルスで、続く「ナイン」もドイツ語「違う(nein)」に由来している。「エルフナイン」を参照。
- 『戦勇。』の登場人物。「エルフ・ノベンバー」を参照。
- 『蒼穹のファフナー』のファフナー。5.に由来する、ノートゥング・モデル11番機。「マークエルフ」を参照。
- 『飛べウルトラ戦士:友情は永遠に-タロウとエルフ-』に登場したウルトラ戦士。「エルフ(ウルトラ戦士)」を参照。
- 『ドラゴンクエストⅩ』に登場する種族。「エルフ(DQ10)」を参照。
- 『ナンバカ』の登場人物。「エルフ(ナンバカ)」を参照。
- 『ノーゲーム・ノーライフ』に登場する種族。「森精種」を参照。
- 『FAIRYTAIL』の登場人物。「エルフマン・ストラウス」を参照。
- 『ポケモンBW』で登場した種族。「台風(typhoon)」との複合名。「エルフーン」を参照。
- 『遊戯王』シリーズのカード。「ホーリー・エルフ」「ヂェミナイ・エルフ」「ダンシング・エルフ」「バブリー・エルフ」「エルフの剣士」を参照。
- 『Shadowverse』に登場するクラスの一つ。「エルフ(シャドウバース)」を参照。
- 『The Elder Scrolls』シリーズに登場する共通の特性ある種族群の一つ、マーとも呼ぶ。群内の種族ごとに記事がある → ハイエルフ(TES) / ウッドエルフ(TES) / ダークエルフ(TES) / オーク(TES)
1.の概要
北欧起源の妖精の総称。北欧神話の「アールヴ」が語源で、美しく強力な妖精であった。
「光のエルフ」と「闇のエルフ」がいるとされ、後者はダークエルフのイメージの原型的なものである。
これが他地域に広まってゆく過程でドワーフやゴブリンなどと混同する解釈が産まれ、老人や場合によっては魑魅魍魎のようなものとして想像されるようにもなる。
妖怪漫画の第一人者である水木しげるも、古い伝承を元に「イギリスの地下に住む毛むくじゃらな存在」との解釈で描いていた(美しい姿の者にも言及はしている)。
学者でもあったトールキンは『ホビットの冒険』(1937年)や『指輪物語』(1954年)などの小説でエルフを取り上げ、これらが現代的なエルフ像の起源となったと考えられる。
『指輪物語』のエルフは全ての能力において人間を上回り、寿命は存在せず睡眠も必要としない。剣や魔術の扱いにも長け、民族によっては鍛冶の腕前もドワーフと同等以上と、万能の半神的存在として描かれている。『創造神の長子』とも称され、全体として恩寵を受けた種族であるが、アルダ(地球)に運命を縛られている。
一方で、殺戮になんの躊躇いもなく、時には娯楽で狩りを行う物騒な一面もあるとされた。敵だけでなく『小ドワーフ』をそれが何かも知らずに狩っていた場面まである。
その後、ファンタジーが発展する中で物騒な振舞いがダークエルフやオークに整理統合されたり、より明確な弱点が設定されたりしながら、概ね亜人の一種に収まっている。
現代の典型的なイメージ
「耳が長く尖っていて(※1)、長寿」なのが共通事項になっている。
この耳は俗に「エルフ耳」と呼ばれ、エルフ以外の種族であっても耳が尖っていればエルフ耳と呼ばれるケースがある。
このイメージを固着(定番)にさせたのは、ロードス島戦記のディードリットが先駆けとされている。
色白で髪の色も明るく、整った顔立ちをしており、髪以外に目立った体毛は少ない。ダークエルフは肌は浅黒いが、髪の色は明るい扱いが多い。
筋力は比較的弱く、肉体的な耐久力も低めだが、身のこなしは軽く手先も器用。魔術のほか、自然に関わる力や芸術にも長けている個体もおり、物理系武器では弓矢を得意とする個体が多い。
大抵は森の中で小集団で暮らしており、生真面目かつプライドが高く選民意識が強い。
半ば鎖国のような体制を敷いている場合も多く、他種族との交流はあまり盛んでないが、エルフの性質と共存できる相手ならば接触を図る場合もある。人里近くに集落を築く場合も、自然の材料(樹や岩など)を活かし外部からは目立たない造りを好む。
長命な分、気は長く争いを好まないが、保守的で頑固な節があり、特にドワーフに対しては野蛮な印象を抱きやすい(※2)ものの、嫌悪している訳ではなく、利害次第では協力する場合もある。
中には積極的に他種族の社会に入って行ったり、そのまま家庭を築く者もいるのだが、そうしたが最後異端視されたり迫害されたりしてエルフ社会に帰れなくなる場合も少なくない。
とは言え、ファンタジーが多様化し必ずしも中世ヨーロッパ風の世界観ではなくなってくると、エルフ像にも様々なバリエーションが生じてきている。都市に住み文字通り「現金に」生きるエルフは最早当たり前の存在となっている。
注釈
※1=これは古い伝承では軒並み「エルフのはロバに似ている」とあり、その代替として耳を長くしたとされている。
※2=これは古い伝承で「金属全般を妖精が嫌う」とあり、そこからドワーフの冶金技術を嫌っている、あるいは冶金過程の掘削行為などを『自然破壊』と見なしているともされている。
サブカルチャーにおけるエルフ
MARVELコミック
世界各地の神話や伝説の存在が主に「ポケットユニバース」と呼ばれる異次元に存在しているという設定であり、北欧神話の妖精とダンジョンズ&ドラゴンズなどのエルフを折衷したようなエルフ達が北欧神話ベースの「9つの世界」の中に存在している。
「アールヴヘイム」に住む「光のエルフ」と「スヴァルトアールヴヘイム」に住む「ダークエルフ」がおり、両者は「人類の祖先が二足歩行を始める以前からの仇敵同士」。
光のエルフは一般的なファンタジー作品のエルフに比べ、武器や服装は絶対王政期のヨーロッパを思わせるものになっている。(旧式な外見の拳銃を武器にする者も居て、人間と共同戦線を張った際は特に訓練なしに人間が作った銃器を扱えている)
日本語訳版では、光のエルフの中でも指導者層の台詞は古めかしい芝居がかったシェイクスピア劇ような感じの(例えば、人間のヒーローの中でも一目置いている相手は「○○卿」と呼ぶ)口調で翻訳される事が多い。
ダークエルフは、善良な者や平和主義者も居るが、ロクな統治者に恵まれなかったようで、悪役として描かれる事が多く、現在の王である「呪われしマレキス(Malekith the Accursed)」は、あまりに過酷な人生で心が歪み「戦争なくしては今の自分は無かったので、9つの世界を終りなき戦乱に置き続けなければならない」という狂った思想に取り憑かれている。
MCU
原案であるMARVELコミックと同じく「光のエルフ」と「ダークエルフ」が存在する。
ダークエルフはSF的な設定になり、戦闘機などの高度な科学技術を持つ異星人であり、おそらく、古代の地球人が「ダークエルフの魔法」と思ったものの正体は「異星人の科学技術」であると思われる。
光のエルフは、アスガルド崩壊後に、地球上のニュー・アスガルドに移住している者も居るが、全員が善良で品行方正な者達ばかりではないようで、同じ宇宙に存在する別種族のような変身能力を使って、他国でイタズラや犯罪を行なう者も居る。
クリスマスエルフ
欧米では、クリスマスにサンタクロースを手伝う緑と赤の帽子を被った小人もエルフの一種とされている。尖った長い耳は一般的なエルフ像と共通した特徴である。
英語では「Elf on the shelf(棚の上のエルフ)」と言われていて、普段はサンタクロースと一緒に北極に住んでいるが、クリスマスが近づいてくると各家庭にやってきて子供たちを観察するという。
関連イラスト
pixivに投稿される作品は妙齢の女性然とした姿で描いたものが多い。
関連タグ
ハイエルフ ダークエルフ 褐色エルフ ハーフエルフ エルフ娘 バンブーエルフ
精霊:中国語では「エルフ」を「精霊(チンリン)」と訳している。
仙人:「人型で長命」という共通点がある。
他の記事言語
各言語での呼び名
言語 | カナ表記 | 綴り |
---|---|---|
英語 | エルフ | Elf |
ドイツ語 | エルフェ | Elfe |
スペイン語 | エルフォ | Elfo |
イタリア語 | エルフォ | Elfo |
ラテン語 | アルフス | Alfus |
フランス語 | エルフ | Elfe |
タイ語 | エオ | Eo |
インドネシア語 | プリ | Peri |
中国語 | 精靈(チンリン) | Jingling |
なお、英語の「elf」は、ノルウェー語では「alv」であり、印欧祖語で「白い」を意味する「albh」が由来となっている。
更に言うと「albh」はラテン語で「白い」を意味する「albus」、そして「アルビノ」の語源となる。