当記事ではアニメ『ポケットモンスター XY』『XY&Z』に登場するユリーカについて説明しています。ゲーム『X・Y』におけるユリーカについてはユリーカを参照してください。
(※伊瀬氏の産休に伴う87話~100話の代役。87話予告の時点で既に交代していた)
「お兄ちゃん、お兄ちゃん!キープよ、キープ!」
概要
アニメ『ポケットモンスター XY』(以下XY編)のもう一人のメインヒロイン。
ゲーム同様兄であるシトロンと共に登場し、サトシやセレナとカロス地方を旅して回った。
メインヒロインの複数体制は歴代初で、続編にも影響を与えている。
10歳未満であるためポケモントレーナーにはまだなれず、自身のポケモンを持つことはできない。
そのためトレーナーになれるまで、兄にポケモンを「キープ」してもらっている。
人物
容姿
ゲーム版準拠のデザインで、普段着は茶色のノースリーブに白のスカート、黒のスパッツ。足元はピンクのストラップシューズで、靴下の類は履いておらず素足履き。
黄色いポシェットを提げており、デデンネがいつもその中に入っている。XY&Z編にて新たにプニちゃんをキープした後、セレナに改修してもらい、プニちゃんとデデンネを一緒に収納することができるようになった。
就寝時は何とガチゴラスを模した寝巻きを着用している。
この他、エプロンはブルーを模したもの、水着はヤドラン(映画『光輪の超魔神』ではコアルヒー)を模している等、普段着以外はポケモンをイメージした服が多い。
クノエシティではリーシャンを模した振袖を着用してファッションショーに参加している。またフロストケイブ通過時には、デリバード仕様の寒冷地服を着用して山越えをした。
しかしやはりガチゴラスの寝巻きのイメージは強く、後述のユリーカの行動から「肉食系幼女」と呼ぶ者も少なくなかったりする。
他にもオタチを模したブラシや、ニョロモを模した手鏡、ノズパス型の水筒なども所持している。
83話ではジョーイを手伝うため、セレナと共にジョーイと同じ衣装を着用した。
性格・能力
どこか情けないところがある兄とは違い、しっかり者の女の子。
ロケット団からは「コジャリガール」(ニャースからは「リトルジャリガール」)と呼ばれている。ニャースによれば「超生意気な小娘」。
80話ではセレナのサトシへの好意や、サトシ(とシトロン)の恋愛事への疎さ(ユリーカ曰く「にぶ~い」)を見抜いていることが判明した。
兄とは逆に運動能力は極めて高く、一人で崖を登ったり、セレナはおろかあのスーパーマサラ人でさえ「きつい」と言う上り坂や荒野でも息切れせず進んだりして、疲れを見せることはほとんどない。猛者揃いの歴代のレギュラーキャラクターでもトップクラスの部類に入るだろう。
兄の発明品へのネーミングセンスにはいつも「まんまじゃん」とツッコミを入れているが、XY&Z編1話ではユリーカの発想も兄とどっこいどっこいなことが判明している。
好奇心の方が強いのか怖がりではないようで、14話では他の3人が洋館で次々と起きる不気味な現象に怯える中ただ1人平然としており、その仕掛人であったニャスパーとも怖がることなくコミュニケーションを図り、すぐに仲良くなった。
ただし雷は苦手。
セレナとは同性同士ということもあり、姉妹のように仲が良い。
7話でユリーカはセレナの元に走って彼女の手を取り、「一緒に旅をしよう」と猛烈に誘った。その後サトシのアプローチもあり、セレナは旅をすることを決めたのだが、最初のユリーカの誘いがなければセレナが旅をすることもなかった可能性が高い。
夜は同じテントで休み、ポケモンのモノマネで盛り上がっている描写もある。
一度ミアレシティの自宅に戻った9話では、自室の様子が描かれた。水玉を基調とした壁紙にマリルやウリムーの大きなぬいぐるみが置かれており、年相応の女の子らしいインテリアである。
ユリーカとポケモン
サトシ同様ポケモンが大好き。可愛いポケモンを間近で見た際は目を輝かせ、積極的に触れようとする。
サトシと初めて出会った1話では、彼のピカチュウの可愛らしさに大興奮してぎゅうぎゅう抱きしめてしまい、驚いたピカチュウの電撃をもろに浴びてしまう。しかし全く気にした様子もなく楽しそうに笑っており、この時点で相当な大物であることが窺えた。
初対面でサトシのピカチュウの電撃を食らったヒロインとしては、前作のアイリスに続き2人目となった。
ちなみに彼女にとっての「可愛いポケモン」の基準はよくわからないことになっており、心優しいガブリアスや人懐っこいサイホーン、果ては観戦していたバトルに出てきただけのヨノワールや、カセキメラであるサトシのウオノラゴンのことも「可愛い」と言っていた。彼らを可愛いと言うとは相当な強者である。全てのポケモンが可愛いということかもしれない。
基本的にポケモンを「嫌う」という行動を取らない。
後にサトシの手持ちとなるケロマツが、自分やデデンネを泣かせた(こちらもサトシの手持ちとなる)ヤヤコマを懲らしめようとしていたと知った際には、その優しさに感謝して頬擦りしていた。
だがそのヤヤコマのことも嫌うことはせず、サトシにゲットされた直後にその行動を咎め、ヤヤコマが反省する素振りを見せるとすぐに許し、体を拭いて面倒も見ていた。35話でヤヤコマがスカイバトルを断られた際には一緒に観戦しながら励ましている。
53話ではメェークルレースを体験し、セレナの母親であるサキから「あの子は筋が良い」と評価されていた。進化後のゴーゴートは角で乗り手の感情を読む力があるため、ポケモンに対する愛情は相当深いと思われる。
メインヒロインとしてのユリーカ
立場的にいえばAG編以来となるマサトポジションに当たるのだが、キープポケモンのデデンネのみならず、サトシやセレナの手持ち、行く先々で出会ったポケモンたちを積極的に世話する責任感がある。
兄・シトロンのポケモンたちもユリーカに懐いており、ロケット団襲来時など咄嗟の場合には自らデデンネやホルビーに指示を出してバトルに持ち込むこともある。
48話では負傷したラプラスを懸命に看病した末に、海への帰還を見守った。
また26話に登場したフラベベや、87話のチゴラス(→ガチゴラス)などはキープになる可能性があっただけに、その別れを渋るほど執心している。
映画『破壊の繭とディアンシー』では、街中で出会ったディアンシーと仲良くなり、一緒にショッピングを楽しむ場面もあった。その後ディアンシーは、ユリーカに預けたダイヤモンド型のメガストーンによってメガシンカを可能としており、トレーナーであるサトシやセレナたちよりも先にポケモンをメガシンカさせたことになる。
「私がプニちゃんを絶対守るって……離さないって約束したのに」
XY&Z編で新たに加入したプニちゃんに関しては、ユリーカの責任感の強さが顕著に表れている。同シリーズではED「プニちゃんのうた」の歌唱も担当(シリーズ開始時はかない氏が代役を務めている時期であったが、歌唱は伊瀬氏が担当している)。
10話ではフレア団の襲撃の後行方不明になってしまったプニちゃんを心配するあまり、普段の大人びている姿とは正反対の焦燥し感情的になった姿が見られた。
このようにユリーカはポケモンに対して一切の偏見を持たず、他人の所有や野生に関わらずポケモンとすぐに打ち解けられる社交性と責任感を兼ね備えており、自分のポケモンを持てないというハンデを感じさせないほどトレーナーとしてほぼ自立している。
総じて、ユリーカはマサトポジションどころか、アニポケのヒロインとして十分相応しい存在と言えるほど恐ろしい子となった。
…と、ここまで見れば「ポケモンが大好きな妹枠」なのだが、それだけでは済まなかった。
「お願い、お兄ちゃんをシルブプレ!」
その実態は「お兄ちゃん一人じゃ頼りないから、お嫁さんがいれば安心」という理由でシトロンのお嫁さん探しをしており、頼りになりそうな女性を見かけると「お兄ちゃんをシルブプレ!」の台詞でナンパするという、まさかのタケシ枠(と化した)。
※「シルブプレ」(S’il vous plaît)とはフランス語で「お願いします、よろしく」の意。つまり英語で(または日本語でもおどけて)言う「please」である。
序盤こそジムリーダーのビオラやポフレ大会の司会のモナーク等、ストーリーに絡むキャラクターばかりが対象だったため、当初視聴者からは「タケシの二番煎じ」的なネタ程度にしか認識されていなかった。
しかし、回を重ねる毎に見ず知らずの女性(ゲストキャラのレナなど)やタケシですら自重していた地元・カロスのチャンピオンであるカルネ、兄の母校の恩師のエクレールにまで平気で声をかけ、挙句の果てには名前すら出てこないモブ女性まで対象にしてしまうという凄まじいほどの範囲の広さを見せつけることになってしまった。
それだけならまだしも、3人まとめてシルブプレの対象にしたり、1話の内に2連続(もちろん別人)シルブプレをかましたりしてしまっている。
もうどんな状況に陥ろうが、シトロンがいようがいなかろうが自重などしない。今となってはタケシとは別ベクトルの(命知らずな)猛者として視聴者にその存在を知らしめている。
この子どこまで行くんだ……
ただし誰彼食いつくのかと言えばそうでもなく、悪人であるムサシやフレア団の女性幹部たちには見向きもしない。
また、スポーティーでどちらかと言うとサトシと合いそうな性格のコルニや、忘れがちだがセレナも対象にしていない。やはり年上の女性限定である模様。ただしサンペイの故郷に住むくの一・シノブだけは、100歳の老婆と判明した際に遠慮している。
一方タケシとは異なり、各地に似ている顔が存在するジョーイとジュンサーにもナンパはしない。
いずれにせよシトロンからすれば恥ずかしい以外の何物でもないため、ユリーカがナンパに走る度に「エイパムアーム」で捕まえて止めさせるのがお約束となっている。
ちなみにシトロン不在の際はセレナが止め役になっていた(その際のナンパ対象となったエルやマーシュが、セレナと接点があった相手ということもある)。
とは言え、ユリーカ本人はまだ年頃なのか兄離れができていない。
XY&Z21話でたまたまシトロンと非常に気が合ったリリアに対しては、普段とは一転妨害行為に走っている。
新無印104話ではPWCでサトシと公式バトルしたカロス四天王のドラセナにもアピールしている…
ユリーカ自身はあくまでも兄のために良かれと思ってこの行動を取っているだけ……のはず。
ユリーカの「キープ」ポケモン
シトロンにキープしてもらっているポケモンたち。
ひょっとしたら彼女が10歳になった時、これらのポケモンを使うトレーナーになるかもしれない。
3話で初登場。続く4話でシトロンにゲットされ、ユリーカのために「キープ」された。
歴代で言うポッチャマやキバゴの立場に近い。普段はユリーカの頭の上やポシェットの中にいる。
ただし「眠りネズミ」(ヤマネ)という設定故眠っていることも多く、1話の中でほとんど出番がないこともある。
常時ほっぺに電気がたまっているらしく、ユリーカは愛情表現で頬ずりしては感電してしまっている。
習得している技は「たいあたり」「ほっぺすりすり」「でんきショック」。
XY&Z編1話でポシェットの中に入り込んで以来、一緒に行動し始めた。
正式なキープ宣言はしておらず、フラベベやガチゴラスのように一時的に行動を共にしているだけかもしれない。ただし一時的にしては曲まで作られていることから……?
余談
- 年上のきょうだいがいるメインキャラはカスミ、マサトに次いで3人目(兄弟順が不明のデントを除く)。また、年齢の関係で最後までトレーナーにならなかったメインキャラもマサト以来。
- 上記のデントとは特別編で会っている。
関連イラスト
関連タグ
シトロン(アニポケ) サトシ(アニポケ) セレナ(アニポケ)
共通点があるキャラクター
- カベルネ:前作のキャラクター。「シルブプレ!」の使い手仲間。彼女もユリーカと同じくデントと出会っているうえ(彼のライバルという関係上当然の事だが)、顔は良いが残念要素(ただし、ユリーカとはベクトルが違う)があるという点が似ている。さらに、どちらもサトシと初めて出会った際にピカチュウの10まんボルトを直接浴びている。
- リーリエ:次回作のヒロイン。妹枠で兄がサトシのライバル、手持ちにフェアリー複合(ユリーカはデデンネ、リーリエはマギアナ)がいる、残念な美少女(ただし、ベクトルは異なる。)…という類似点がある。
- ホシ:次回作のライバルの妹。ユリーカと同じく兄妹仲はとても良好だが、兄のシスコンぶりにはどん引きしている。