手塚賞

てづかしょう

手塚賞とは、「漫画の神様」手塚治虫の名前を冠する集英社主催の漫画賞。

概要

1971年より始まった日本のストーリー漫画向けの漫画賞。週刊少年ジャンプとジャンプSQの共同主催。かつてはギャグ漫画も受賞対象だったが、赤塚賞の設立により分岐した。

本来の表記は『手塚賞』ではなく、『手塚賞』（画数が一つ多い）。

新人漫画家向けの募集型企画であり、小学館漫画賞や講談社漫画賞のような現行の連載作品を対象に賞を与えるものではない。

それ故に、受賞者もその後鳴かず飛ばずで漫画から離れた者から、名実ともに業界を代表するトップ漫画家へ上り詰めた者まで様々である。

毎年上半期と下半期に分けられ、2度の選出が行われる。

上から「入選」「準入選」「佳作」の三段階に分かれており、それぞれ賞金が200万、100万、50万円贈られる。佳作は毎回選出されるが、入選と準入選は出ない年も多い。

令和元年までの98度の開催のうち、入選が出たのは計16作に限られる。

審査員

審査委員長

• 手塚治虫：第1回〜第36回
• 赤塚不二夫：第37回〜第75回

審査員

• 鳥山明 代表作：『Dr.スランプ』『ドラゴンボール』
• 尾田栄一郎 代表作：『ONEPIECE』(「WANTED!」にて同賞第44回準入選受賞)
• 井上雄彦　代表作：『スラムダンク』『バガボンド』『リアル』(「楓パープル」にて同賞第35回入選受賞)
• 加藤和恵 代表作：『青の祓魔師』(「僕と兎」にて同賞第59回準入選受賞)
• 堀越耕平 代表作：『僕のヒーローアカデミア』(「ヌケガラ」にて同賞第72回佳作受賞)
• 手塚プロダクション

他

過去の審査員

• 松本零士 代表作：『銀河鉄道999』『宇宙戦艦ヤマト』『宇宙海賊キャプテンハーロック』
• 武論尊 代表作：『北斗の拳』
• 本宮ひろ志 代表作：『男一匹ガキ大将』
• 阿部進 教育評論家。『現代っ子』という言葉の生みの親。ジャンプにコラムを連載しており、当時PTAに激しく抗議された『ハレンチ学園』を擁護した。『男一匹ガキ大将』と『ハレンチ学園』が無ければジャンプは廃刊になっていたと言われている。
• 和月伸宏 代表作：『るろうに剣心』(「ティーチャー・ポン」にて同賞第33回佳作受賞)
• 高橋和希 代表作：『遊☆戯☆王』
• 森田まさのり 代表作：『ろくでなしBLUES』『ROOKIES』(「IT,S LATE!」にて同賞第27回佳作受賞、「ミステリアス・キッド」にて同賞第29回佳作受賞)
• 岸本斉史 代表作：『NARUTO』
• 浅田弘幸 代表作：『テガミバチ』
• 稲垣理一郎 代表作：『アイシールド21』『Dr.STONE』(第71回等審査員)

他

受賞作

入選

回	作品	作者	作者の代表作
第3回	「ガラガラウマウマ」	中本繁
第7回	「生物都市」	諸星大二郎	『妖怪ハンター』
第9回	「はるかなる朝」	星野之宣	『宗像教授伝奇考』
第12回	「ウラシマ」	小池桂一
第22回	「ラスト・スパート」	野村繁裕
第29回	「水平線にとどくまで」	岸大武郎
第35回	「楓パープル」	成合雄彦(井上雄彦)	『スラムダンク』『バガボンド』
第35回	「ジャンプ・ラン」	浅美裕子
第38回	「RUSH BALL・REMIX」	ジョン・M・陸克
第43回	「生まれた日に」	曼陀羅
第50回	「メイプルハウスの私たち」	山川かおり
第51回	「竜鬚虎図」	田中加奈子	『三獣士』
第69回	「未熟仙 - みじゅくせん - 」	栗山武史
第71回	「帰って下さい。」	助野嘉昭	『貧乏神が!』『双星の陰陽師』
第73回	「ハンマーヘッド」	斉藤尚武
第91回	「Real haunted HOUSE」	坂東直

準入選

ピクシブ百科事典に作者もしくは代表作の記事が存在する、あるいは10巻以上の連載作品を持つ者のみ抜粋して列挙。

受賞者数の多さからか下記のように多数の人気漫画家を輩出しており、一部では「入選より成功している」などと囁かれる事も。

回	作品	作者	作者の代表作
5	「霧にむせぶ夜」	ますむらひろし	『アタゴオル』シリーズ
16	「ああ一郎」	こせきこうじ	『県立海空高校野球部員山下たろーくん』等
18	「スペース・エンジェル」	北条司	『キャッツ・アイ』『シティーハンター』
20	「武装ポーカー」	荒木利之(荒木飛呂彦)	『ジョジョの奇妙な冒険』
21	「ラッキールートへランナウェイ」	いたはししゅうほうとアルゴノウツ	『アイ・シティ』
21	「ショット!」	棚渡哲也(猿渡哲也)	『高校鉄拳伝タフ』
21	「転校生はヘンソウセイ!?」	桂正和	『I"s』『電影少女』『ウイングマン』など
22	「サムソン」	うすね正俊	『砂ぼうず』
30	「500光年の神話」	土方繁(小畑健)	『ヒカルの碁』『デスノート』『バクマン。』など
34	「2001年夢中の旅」	浅美裕子	『ワイルドハーフ』
34	「ぶっとびストレート」	冨樫義博	『幽☆遊☆白書』『レベルE』『HUNTER×HUNTER』
40	「情熱のクリッパー」	やぶのてんや	『デジモンアドベンチャーVテイマー01』
41	「渚の記憶」	三部けい	『僕だけがいない街』
42	「失恋男のモノローグ」	金田達也	『死.tv』
42	「もう一人の僕」	甲斐谷忍	『ライアーゲーム』
43	「悪を討つ」	古沢良太	TVドラマ『リーガル・ハイ』
44	「WANTED!」	月火水木金土(尾田栄一郎)	『ONEPIECE』
48	「NO BRAKE」	薮口黒子	『神☆ヴォイス』
52	「熊と翼」	梶川寛太(梶川卓郎)	『信長のシェフ』
57	「サバクノオオクジラ」	多摩火薬(西義之ら3名)	『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』(西義之)
59	「僕と兎」	加藤和恵	『青の祓魔師』
63	「CROSS BEAT」	天野洋一	『AKABOSHI-異聞水滸伝-』『ステルス交境曲』
65	「KING OR CURSE」	坂本裕次郎	『タカヤ-閃武学園激闘伝-』
67	「未来は俺達の手の中 - J.P.STYLE GRAFFITI - 」	服部昇大	6代目『日ペンの美子ちゃん』
74	「メグ・ライアンの君」	竹村洋平	漫画版『パパのいうことを聞きなさい!』『魔都精兵のスレイブ』
75	「ROOM303」	葦原大介	『ワールドトリガー』
81	「IRON CURTAINt」	屋宜知宏	『アイアンナイト』
93	「移ろう時の中で」	比良賀みん也	『NERU-武芸道行-』

佳作

回	作品	作者	作者の代表作
4	「負けるな紀三郎」	柳沢きみお	『特命係長 只野仁』
5	「おれのアルプス」	高橋よしひろ	『銀牙-流れ星銀-』
13	「大地よ蒼くなれ」	寺沢武一	『COBRA』
17	「飛べ雷音図」	次原隆二	『よろしくメカドック』
25	「サイキック・サヨ」	佐藤正	『燃える!お兄さん』
27	「IT,S LATE」	森田まさのり	『ろくでなしBLUES』『ROOKIES』
33	「ティーチャー・ポン」	和月伸宏	『るろうに剣心』『武装錬金』
37	「Lonely Army」	大河原遁	『王様の仕立て屋』
39	「ハメルンの笛吹き」	藤崎竜	『封神演義』
43	「Singing Flame」	樋口大輔	『ホイッスル!』
48	「ITAKOのANNA」	武井宏之	『シャーマンキング』『ユンボル』
48	「MONSTER?」	片岡人生	『デッドマン・ワンダーランド』
50	「RUNE・QUEST」	三好直人	『遊戯王ZEXAL』(コミカライズ)
60	「47th dreaming」	竹内良輔	『憂国のモリアーティ』
64	「日輪侍」	落合さより	『ぎんぎつね』
65	「スマッシングショーネン!」	大竹利朋	『もぐささん』
61	「E.M friend!」	水野輝昭	『メタリカメタルカ』
67	「XXX WITH NO NAME」	田畠裕基	『ブラッククローバー』
70	「ギャンブルドット」	高山としのり	『i・ショウジョ』
72	「パンチ・ドランク・モンク」	川井十三	『タカマガハラ』
72	「ヌケガラ」	堀越耕平	『僕のヒーローアカデミア』
77	「ラブアンドジャスティス」	川田	『火ノ丸相撲』
80	「0.99-ダブルナイン-」	池沢春人	『クロガネ』『ものの歩』
80	「フラグマン！」	丈山雄為	『淫獄団地』(作画)
83	「ラブ♥テス」	永椎晃平	『星野、目をつぶって。』

審査方法（推測）

　基本、新人漫画賞は投稿数が多いため、すべての漫画を漫画家が審査するのはスケジュール上かなり厳しい。そこで漫画誌の編集部員があらかじめ審査をして、投稿作品絞っていくシステムが、多くの漫画賞で取り入れられている。

　実際にジャンプ主催の月例賞「JUNP新世界漫画賞」では第39回の漫画賞講座(審査員：堀越耕平)において、審査に参加する編集者のコメントが発表されており、月例賞よりも作品数が多くなる手塚・赤塚賞ともなれば、この方法を採用している可能性が高い。

　入賞しなければ憧れの先生に審査してもらえない可能性があるものの、光る才能があれば編集者が担当につき、連載を目指すことも出来る。

関連項目

漫画

手塚治虫

週刊少年ジャンプ

ジャンプSQ

赤塚賞

外部リンク

少年ジャンプ漫画賞ポータルサイト

ウィキペディア/手塚賞