曖昧さ回避
オリジナルとは
タグとしての「オリジナル」
元になる作品やコンテンツが存在しておらず、投稿者自身が一から独自に創作した作品である作品に付けられるタグ。
そもそも論ではあるが、基本的にPIXIV内に投稿されている作品は投稿者本人が作った作品であることが前提となっている(詳しくは規約違反や無断転載の記事を参照)。
そのため「PIXIVに投稿している作品」の時点で「投稿者独自の作品」となるため、もしも投稿者が自分の描いた二次創作のイラストに対して「他の誰でもない私自身が描いたオリジナルの絵である」という意味合いで本タグを用いることは大きな間違いであることは前提として頭に入れてもらいたい。
既存の漫画・小説・アニメ・ゲームなどの 登場人物や設定を用いて描いた作品を「二次創作物」・「パロディ」・「ファンアート」 / 「ファンフィクション」などと呼ぶが、それらの作品と区別するために用いられる。端的に言えば二次創作に該当しない作品(一次創作)に付ける事が出来るタグ。
「模写やトレスではない」「版権作品の世界観やキャラクター(場合によっては実在人物)を使用してはいるが、作中のシチュエーションやストーリーは執筆者が独自に考えたもの」などの意味では決してない。
(小説の場合、ナマモノ題材でストーリーはフィクションなのでオリジナルに該当するとして、間違ったオリジナルタグの作品が存在している)
英語のオリジナルとは意味合いが違うため注意が必要である。
また、pixiv上では職業作家としてのイラストレーターや漫画家・原作者達も作品宣伝やプライベートの投稿目的でユーザーアカウントを持っている場合があり、中には後述のとおり、(主に商業ベースで流通している)ある作品にまつわる創作物を、その作者自身が発表するケースも見られる。例えアップロードしたのがとあるゲームやアニメ・小説などの公式絵師であったとしても、それらのコンテンツに関連づけられる作品であるとき、オリジナルタグは適用されない。
以上のことから、二次創作・二次オリ・ファンアートなどに分類される作品群に「オリジナル」タグを付けるべきではないと考えられる。
本来であれば一次創作と同義であり、二次創作全般には付けられないタグなのだが、間違った用法で「オリジナル」タグが付けられている作品も媒体やジャンルを問わずしばしば見られる(詳しくは後述するが、小説部門においてはタグの誤用が正式な使用よりも多く見られるのが現状となっている。また、「オリジナル作品ランキング」が実装されたため、却って「オリジナル」タグ誤用の危険性も高くなった)。
「二次創作」や個別の作品名などのタグと一緒に「オリジナル」タグが付けられている例もあるが、それは基本的に「二次創作」および「三次創作」タグと併用するものではなく、検索妨害の発生やディスカバリー・おすすめコンテンツを利用する際の混乱を招く危険性が大きい。
また、外国人ユーザー(海外絵師)の増加に伴い、彼らが意味を理解せず「オリジナル」タグを使用してしまうケースも見られる。→※作者は海外ユーザー
誤用以外でも、パロディなどにおいて自虐的に(意図的に)「オリジナル」タグが付けられたりすることがあるが、これもやはり明らかな検索妨害である。また、「オリジナル作品ランキングにランクインする可能性がある」ことも忘れてはならない。実際に、旬ジャンルや人気作のパロディ絵が本当にランクインしたケースも目撃されている(うろ覚えやそっくり絵などでも入る場合があるため、投稿する場合はタグの設定に細心の注意が必要である)。
各投稿者自身による「オリジナルか、二次創作か」の確認作業のみならず、各ユーザーに対する様々な形での注意喚起も行われるのが望ましい。注意喚起用のタグとしては二次創作にオリジナルタグというものがある。
ここまで読んでもわからないという人がもしいるのであれば「オリジナル」というタグを用いるべき作品は「絵師自身で創作したオリジナルキャラクター」「絵師自身が創作した風景画」のみと考えてもらえば相違無い。要は誰の著作物(作品、キャラクター等)でもなく、どこにもそのモチーフ(既存の風景等)が無い作品は絵師による「オリジナル」のものである。
また、ある人(「A」と呼称)が創作したオリジナルキャラクターは「A」にとっては「オリジナル」のものではあるが、それを別の人(「B」と呼称)がそれを「描いてみた」場合、「B」にとってそれは自身が創作したオリジナルではなく「A」が創作した著作物を用いた「二次創作」になるため、同一のキャラクターを描いた作品であっても「A」にとっては「オリジナル」だが「B」にとっては「二次創作」ということも起こりうる。
このときその著作物に権利があるかどうかは関係なく(※)、描いた人自身から見て自分が1から創作したもの(キャラクター、風景等)なのか、誰かが創作したものを用いて描いた作品なのかで「オリジナル」タグをつけるべきか考えよう。
(※):PIXIV等で描いてるだけのオリジナルキャラクターでは所謂特許を取るまでしている絵師はほぼいないため。だからといって勝手に好きなように使っていいわけではなく、本来の創作者に許可を取ることが望ましい。
なお、現在では作品投稿画面における「表現内容」欄にて、「オリジナル」の項目にチェックを入れることで自動的に当該タグが付与されるようになっており、わざわざ手打ち入力する必要は無くなっている(チェックを入れて投稿した後、タグ編集画面で「オリジナル」タグを追加しても無効となる)。
※また、チェック項目によって追加された「オリジナル」タグには頭の「#」が付かない・タグにカーソルを合わせても、ピクシブ百科事典へのリンクのサムネイルが表示されない・太文字表示によって強調されている・常にタグ欄の先頭に表示される(これはタグ編集画面で付けた場合も同様、ただしスマホアプリ版ではタグ編集自体が出来ない上、タグの位置はブラウザ版での編集順どおりに表示される)、タグの個数制限に含まれない…といった特徴がある。
だが、前述した通り英語でいう所のoriginalとはやや意味が異なった使われ方の為この機能が原因で二次創作物にこのチェックを入れて投稿してしまいオリジナル扱いとなってしまっているケースも海外絵師の投稿作品を中心に多数見られている。
ランキングについて
pixiv内においてよく見られるのが、ランキングに載ることが目的のランキング攻略法として、「オリジナル」タグを使用すると言うケースである。
実際pixivにおいても、こうしたオリジナル作品を専門としたランキングは存在する。
ただし、2016年12月現在ではイラスト限定で、小説には実装されていなかった(詳細は後述)。
2021年4月30日にサービス終了予定のピクシブ文芸には、一次創作限定としたランキングが設定されている。
オリジナルタグを付けたうえで「お知らせ」と称して、一次創作とは無関係の話(二次創作のジャンルに関して等)を投稿する行為も、ジャンルによってはオリジナル作品ランキングに入ってしまう事があり、明らかに浮いてしまうために該当タグはつけない方が望ましい。
(詳細はランキング攻略法にて)
イラストにおける新機能
2018年4月5日からの新機能として、pixivでオリジナルイラストを使用したグッズが販売出来るようになった。オリジナル作品に限り、作品ページから直接グッズ制作画面を表示してグッズ制作および販売が行えるというものだったが、現在は機能提供を終了している(グッズ販売関連はFANBOX・BOOTHの記事も参照のこと)。
半オリジナル
「オリジナル」というタグが付けられることがありながら、実際は二次創作との中間に当たる作品も多い。
主要な思想や題材は元から存在するものだが、人物の外見などが精密には設定・伝承されていないものも多く、描き手の作家性が出る。
※たとえば妖怪ウォッチに登場する(デザインや個性の定まった)妖怪を題材にしたり、艦船擬人化に該当する作品でも艦隊これくしょんがベースになる場合は二次創作となるので注意。
※歴史モチーフの場合は、第二次世界大戦を一つのボーダーラインとして考える必要がある。当然のことだが、存命中の人物を創作の題材で扱うべきではない。実際、存命中の人物を題材とした作品の投稿を禁止している場所(小説家になろうなど)もある。
- 既存作品の設定を利用して、投稿者が創作したキャラクターなどを描いた作品
「一定のフォーマットに則って、あるカテゴリーに分類されるキャラをデザイン・設定する」パターン。
グレーゾーンと呼ぶにはかなり二次創作寄りであり、また一歩間違えれば「ぼくのかんがえたさいきょうの○○」的な側面に陥りやすい分野とも言える。
※「元の作品には存在しない、新しい主人公や脇役・敵役・狂言回しなどを既成登場人物の物語に介入させる」パターンはオリ主・二次オリ・メアリー・スーの記事を参照のこと。これらに該当する投稿作(特に、ストーリーのあるマンガや小説)は完全に二次創作に分類されるため、タグの設定には十分な注意を要する。
※クトゥルフ神話(萌えクトゥルフ含む)に代表される「シェアードワールド/シェアワールド内で、世界設定や人物・クリーチャーなどを各作家が自由に登場させたり、新しく考案出来る」システムにおいても、沙耶やニャル子のように版権作品のキャラクターとして独立した存在を別作者が扱う場合は二次創作に当たる。
- 既存の商品や意匠などをモチーフにした、非公式な擬人化
いわゆる萌え擬人化に多く見られるケース。
元ネタが存在する以上はデザイン的な共通点もあるが、キャラクターによっては(特定の手本が無いために)細かいディテールは描き手それぞれの裁量に委ねられていることも(日本人に見つかった結果も参照のこと)。
- 不特定多数の有志によって、自然発生的に誕生したキャラクター
大元の権利者(著作権者)がいない分、上記の「非公式な擬人化」以上に微妙な(版権ものでは無いがオリジナルとも言いがたい)立ち位置と言えよう。
- 商業作家による、自らの既存作品を主題にした新作
商業ベースでの仕事絵などを(主に宣伝・告知目的で)投稿するケースもあるが、それとは異なり個人的な趣味の範囲で発表される場合。まさかの本人・本家・先生何やってんすかタグが付くこともある
目的の作品を探すには
「オリジナル」タグの付く作品は無数にあるため、検索時には閲覧したい内容(描かれている物品や人物の特徴など)を表す、他のタグも併用すると良い。認知度の高いジャンルに関するタグを利用したい場合には、エンターテインメント作品のジャンル一覧などを参照するのも一つの手段である。
- 風景
- 人間キャラクター
関連性の高いタグ:男の子 女の子 創作男女 仕事絵 うちの子 看板娘 など
- 人間以外の生き物
関連性の高いタグ:動物 架空生物 架空動物 幻獣 モンスター 宇宙人 など
- 機械系
※実在兵器(実在車等も含む)の場合は「オリジナル」タグが付かないことが多いが、時折使用している作者も存在。
- 資料系
- pixivファンタジアなどのテーマ企画もの
- TCGゲームのカードで実際に使われているイラスト
仕事絵の一種。
ヴァンガードご本人・デュエマご本人・Z/Xご本人といった独自のタグを持つこともある。
その他にも、ソーシャルゲームやブラウザゲームで実際に使用されている画像およびラフイラスト(設定画)、商業ベースの小説や漫画の単行本、同人誌の表紙といった仕事絵・宣伝イラストにも「オリジナル」タグが付いていることがある(前述のとおり、投稿者自身があらかじめ「表現内容」で指定していることも多い)。
小説の「オリジナル」タグについて
2014年5月頃に「おすすめのオリジナル小説」という、該当作品をランダム表示するスペースが作られていたが、「オリジナル」タグの付けられている二次創作作品が表示されてしまう現象が発生していた。
原因としては、機械的に「オリジナル」タグをチェックして表示していたことも考えられるが、そうした事情が理由なのか不明ながら約1ヶ月後に当該機能は消滅している。「βテストだったのでは?」という説もあるが、真相は謎のままである。
近年はオリジナル小説のコンテストをpixiv公式で行っていることもあり、オリジナル小説にも注目が集まっている。一応、検索時に該当のコンテストタグで検索をすれば、本来の意味でのオリジナル小説を探す事は可能である。しかし「コンテスト未参加のオリジナル小説はどうやって探すべきか」と言う部分で課題は残る。
「オリジナル」タグは「小説家になろう・アルファポリス・カクヨムなどに代表される一次創作メインの小説サイトで、同時掲載が可能である作品限定で付けられるタグ」と考えた方が良いだろう(ピクシブ文芸は一次創作オンリーのため、そちらへ移行可能な作品のタグとも言える)。
2019年7月29日には待望のオリジナル作品ランキングが実装、更にはオリジナル作品の絞り込みも追加された(オリジナル小説のランキングと絞り込み検索をリリースしました(pixiv公式))。
2020年2月5日には小説の「問題を報告する」ボタンが改良され、イラストと同じような仕様の通報方式に変更された。その中には『オリジナル作品の定義に当てはまらない』と言う項目も存在する。
版権二次創作の小説を投稿し、なおかつ「オリジナル」タグがあった場合は通報と同時に削除がほぼ確定するため、タグに関しては慎重に設定することが肝要である。
なお、エッセイ・ノンフィクションでオリジナルタグのついている事例もあるが、特に一次創作要素のない(主に二次創作での)告知(作品取り下げおよび削除告知など)やリクエスト募集にオリジナルタグをつけるのは検索妨害と認識されるだろう。
「オリジナル」タグの誤用(一次創作の項目より、一部を変更して掲載)
イラスト・マンガ・小説のいずれにおいても起こりうることであるが、前述のとおり「アイディアや執筆そのものは自前で、物語のメインはオリジナルキャラかつ、他の版権作品とのクロスオーバーを行ったり諸設定を借りている投稿作は基本的に二次創作扱いとなる」にもかかわらず、「オリジナル」タグが付けられてしまうケースがある(これは、小説に付けられている「オリジナル」タグの最も多い誤用例である)。
こうしたタグ間違いが存在するためか、前述したオリジナル小説主体のサイトから来たユーザーが、本来の意味でのオリジナル小説を発見しにくいという案件も発生している。
小説カテゴリにおいて「オリジナルランキング」が実装された場合、女性向け以外の二次創作で独占される可能性もあるため、こうした事情を踏まえて考慮することが望ましい。