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ゴールデンカムイの編集履歴

2023-03-19 20:59:32 バージョン

ゴールデンカムイ

ごーるでんかむい

明治時代末期の北海道を舞台にした金塊探しサバイバルバトル漫画。

作者:野田サトル

連載:週刊ヤングジャンプ


概要

週刊ヤングジャンプにて2014年8月から2022年4月まで連載されていたサバイバルバトル漫画。

明治時代末期の北海道を舞台にした珍しい作品であり、あまり知られてこなかった開発途上の北海道史を垣間見ることが出来る。


発行部数は約2300万部以上を誇っている。


作者の前作『スピナマラダ!』を泣く泣く打ち切らざるを得なかった後、2年間の構想を経て連載開始。当初は「明治北海道が舞台の狩猟漫画」だったのだが、すぐにネタ切れしそうだったため「ヒグマ」、「土方歳三」、「白鳥由栄」、「埋蔵金伝説」、そして「アイヌ」といった野田が興味をもった北海道史由来のものがブレンドされて物語を構成している。

数々のアイヌ文献と取材、監修に基づいてその風習や文化が細やかに描写されており、独特の食文化からなるグルメ(ジビエ)レポートも見所。

食文化を通して北海道の自然や生態系についても描かれており、自然・文化・食・軍事・政治情勢等、多角的な視点で明治時代の北海道を描いた本作のストーリーは国内外を問わず非常に高い評価を得ており、かの大英博物館主催の漫画展では、その看板漫画に抜擢され、そのコミックスが収蔵されているほど。

特にアイヌに関しては、これまでのマンガで取り上げられることが少なかったため、読者にとって新鮮であろうと考え、また取材に協力してくれたアイヌの人々から「可哀想なアイヌではなく、強いアイヌ」を描くことを期待されたこともあり、迫害や差別といった暗い背景ではなく、「明るく、おもしろいアイヌ」を描いていけば、読者に受け入れられていくと確信していたという。


他方アイヌだけでなく樺太の少数民族や明治の北海道各地の様子、マタギなどの民俗的知識も豊富。また日露戦争、戊辰戦争、帝政ロシアの革命運動などを描いた歴史ロマン作品でもある。


一方で息をするように登場するアクの強すぎる変態や頭のネジがぶっ飛んだ狂人と言った強烈すぎるキャラクターや、緩急が激しすぎるシリアスとギャグ、頻繁に描かれる男の素っ裸など読者の処理能力を超えるどころかひき逃げして破壊していくスタイルに多くの読者がドン引きの末に魅了され新たな変態を量産している。


作中に登場する人物は、戦闘能力の高い者が多く、メインキャラは顔面に刃や銃弾が直撃してもひるまず、名無しのモブ兵ですら腹にナイフを突き立てられた程度ではひるむことも無く反撃してくる程、生命力に溢れしぶとい。その多くは戦争帰りであるため、「その設定に恥じない、説得力ある描写」と評価されることもある。

また、登場人物の多くが互いに腹に一物を持つ者同士である関係上、劇中での共闘関係・敵対関係がとにかく目まぐるしく入れ替わるのも特徴で、その先の読めない展開も魅力の一つとなっている。


2022年4月28日発売の週刊ヤングジャンプ2022年22・23合併号発表分にて完結することが4月7日に明らかにされ、無事同号で完結した。


ストーリー

時は明治末期。日露戦争最大の激戦地203高地を生き延び"不死身"の異名を持つ元陸軍人・杉元佐一は、戦死した親友との約束のため、かつてゴールドラッシュにわいた北海道で砂金を集める生活をしていた。

そんな彼に、アイヌの一派が集めた埋蔵金とその在り処を示す刺青を彫られた24人の脱獄囚の話が舞い込む。千載一遇のチャンスに歓喜したのも束の間、刺青に執着した為にヒグマに襲われ彼は危機に陥る。

その窮地を救ったのは偶然通りかかったアイヌの少女・アシㇼパだった。彼女もまた、その埋蔵金と因縁がある事を知った杉元は、彼女に手を組もうと持ちかける。


しかし、金塊を狙うのは杉元たちだけではなかった。箱館戦争を生き延びていた新撰組鬼の副長・土方歳三。大日本帝国陸軍第七師団の精鋭たちを率いる鶴見中尉


金塊の在処を示す刺青人皮を巡って、陰謀と策略が渦巻く一大サバイバルバトルが開幕した!


登場人物

【杉元一行】

杉元一味

杉元佐一(スギモト サイチ)

CV:小林親弘

帝国陸軍東京第一師団に所属していた元歩兵。日露戦争で鬼神のような戦いを繰り広げ、瀕死の重傷を負っても決して死なずに生き延びたことから「不死身の杉元」と呼ばれている。

普段は気さくで義理人情に厚くとても優しいが、戦闘になれば命を奪う事に一切躊躇しない非情さを持つ。

亡き親友との約束で金を必要としており、金塊争奪戦に参加する。


アシㇼパ

CV:白石晴香

杉元が出会ったアイヌの少女。「のっぺら坊」に皆殺しにされたアイヌの中に父親がいたことから、仇討ちも含めて杉元の埋蔵金探索に協力する。父親からの教授により豊富なサバイバル知識と狩猟技術を身に着けており、杉元の相棒として時にサポートし、時に彼を導いて行く。

杉元及びファンからの愛称は「アシㇼパさん」。


白石由竹(シライシ ヨシタケ)

CV:伊藤健太郎

入れ墨を持つ脱獄囚の一人。「脱獄王」の異名を持つ侵入・脱走の天才。ただしそれ以外は役立たずと呼ばれるかなりのドジっ子。賭け事や女の子が大好き。金目当てで金塊争奪戦に協力。


土方一派

土方陣営

埋蔵金によって北海道を「蝦夷共和国」として独立させることを目論む。


【鶴見率いる第七師団小隊】

無題

第七師団の冷遇から軍へのクーデターを企てており、その資金となりえる埋蔵金を狙い杉元・土方らと対立する。


網走監獄の囚人

土方歳三

のっぺら坊によって金塊の在処を示した刺青の暗号を彫られた脱獄囚達。全部で24人おり、その多くはおよそ常識から大きく外れた凶悪犯である。


【アイヌの人々】

ウイルク

CV:東地宏樹

アシㇼパの父。樺太アイヌとポーランド人のハーフ。仲間のアイヌと共に和人に対抗する為の武器を手に入れようとしていたが、のっぺら坊に殺され金塊を奪われた。アシㇼパにアイヌや狩猟の知識を教えた人物で、彼女の蒼い瞳は彼から引き継いだものである。


キロランケ

キロランケ

CV:てらそままさき

樺太出身のアイヌで、アシㇼパの父親の古くからの友人。妻子持ち。かつて第七師団に所属していた元工兵であり、火薬の扱いに長けている。一方でその出自や行動目的には謎も多く、杉元からは内心警戒されている。


インカラマッさん

インカㇻマッ

CV:能登麻美子

の様な雰囲気を持つ、怪しいアイヌの女占い師。その占いはよく当たると評判らしい。アシㇼパの父ウイルクの古い知り合いだと語る。


金カムまとめ3(谷マッ)

チカパシ

CV:渡辺明乃

アシㇼパのコタンで育てられているアイヌの少年。両親は疱瘡で亡くしている。猟を手伝わせてくれた谷垣に懐き、彼に付いて回る様になる。


キラウシ練習

キラウㇱ

CV:前野智昭

釧路周辺に住むアイヌ男性。二瓶鉄造とは旧知の仲。二瓶の村田銃を受け継いだ谷垣を動物へのウコチャヌプコロの犯人と勘違いしてしまう。


エノノカ

CV:市ノ瀬加那

樺太アイヌの少女。アシㇼパと違った意味でしっかりしていて、そろばんでお金の計算もできる。

ヘンケ(祖父)と犬橇用の犬を飼っていたことから、鯉登少尉に雇われて一行の樺太巡行に同行する。


【動物】

=

レタㇻ

絶滅したエゾオオカミの生き残り。

かつてアシㇼパに助けられて以降兄弟の様な関係であり、アシㇼパが危険になると助けに現れる。


リュウ

二瓶鉄造の飼っているアイヌ犬。優秀な猟犬。彼の死後は紆余曲折を経て谷垣そしてチカパシとともに行動するようになる。


ヒグマエゾヒグマキムンカムイ

多数登場。通称「ゴールデンカムイ最強キャラ」。第七師団の兵士をまとめて瞬殺するなど恐るべき戦闘力を誇る存在。……なのだが、作中では弓矢で仕留めてしまう美少女咄嗟の機転で単身倒してしまった不死身の猛者200頭も仕留めたという凄腕の猟師素手で投げ飛ばす武道家が登場。果てはウコチャヌプコロを挑んだド変態まで現れるなど相手が悪すぎる。

とはいえ対抗できる人物も手段も限られており、大自然の脅威として要所要所に登場、最終決戦にも乱入するなど強い存在感を示し続けた化け物でもある。


【その他】

のっぺら坊

アイヌの一行を惨殺し金塊を奪い取った張本人。囚人曰く、顔がないために「のっぺら坊」と呼ばれている。収監後、隠した金塊の在処を仲間に伝える為、牢を共にした24人の囚人に在処を示した入れ墨を彫り「逃げ出したものには金塊を半分やる」と脱獄を促した。刺青は全員合わせてひとつの暗号となっており、囚人達は脱獄に成功し方々へと散っていったが、その裏には冷酷な秘密が隠されていた。|


金カムまとめ【第七・鶴江渡】

江渡貝弥作(エドガイ ヤサク)

CV:内田雄馬

夕張の外れで剥製工房を営む若き職人。軍人ではなく一般人だが、鶴見中尉に懐柔され刺青人皮の偽物製作を行う。


有坂成蔵(アリサカ ナリゾウ)

CV:島田敏

帝国陸軍の天才的銃器開発者として知られ、三十年式歩兵銃(有坂銃)や二十八珊米榴弾砲などを開発し、日露戦争を勝利に導いた影の功労者とされている。作中では、鶴見中尉率いる第七師団に兵器を提供している。


花沢勇作(ハナザワ ユウサク)

花沢勇作

CV:畠中祐

第七師団の少尉。元第七師団団長の花沢幸次郎と正妻との間に生まれた息子であり、尾形百之助の異母弟。 眉目秀麗、清廉潔白な人物で、妾の子である尾形を「兄様」と慕っていた。203高地で戦死している。


犬童四郎助(イヌドウ シロスケ)

CV:土師孝也

網走監獄の典獄。アイヌの埋蔵金を目当てにのっぺら坊を監禁する一方、それを狙う第七師団の襲撃も見越し、違法な手段で軍資金や最新鋭の武器を入手し監獄を要塞のように武装化させている。

元・明治政府側の人間で、箱館戦争で兄を亡くしたこともあり土方を激しく憎悪しており、彼を屈服させるためあえて処刑せず30年以上もの間収監し続けていた。


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門倉利運(カドクラ トシユキ)

CV:安原義人

網走監獄の看守部長。囚人の集団脱獄以前から勤める古株。いつもやる気の無い態度で仕事をしており、犬童典獄からは「役立たず」「腑抜けたタヌキ」と呼ばれている。


ヴァシリ

ヴァシリ

CV:梅原裕一郎

ロシアの樺太国境守備隊に所属する狙撃兵。その腕前は尾形に勝るとも劣らない。鶴見中尉からリークされた情報に従い、樺太を訪れたキロランケ達を襲撃、同行していた尾形と激突する。


无题

ソフィア・ゴールデンハンド

CV:斉藤貴美子 / 湯屋敦子(若きソフィア)

樺太のアレクサンドロフスクサハリンスキー(亜港)監獄に収監中されている義賊の女頭領。キロランケ、ウイルクとは旧知の仲。ある目的のため、キロランケはアシㇼパを彼女に引き合わせるべく樺太への旅を強行する。


テレビアニメ

2017年7月31日、テレビアニメ化が決定したことが発表された。アニメーション制作は劇場アニメ『虐殺器官』で新設されたジェノスタジオが担当。難波日登志が監督を務める。

2018年4月から同年6月までTOKYOMXの他、時代劇専門チャンネルに加えてBS11とか札幌テレビとか読売テレビとかにて放送された。

第2期は同年10月から同年12月まで放送されている。放送局は1期と同一。また、放送曜日は時代劇専門チャンネルを除いて(ちなみに金曜日に放送)月曜日に合わせられている。

なお、時代劇専門チャンネルが新作アニメの放送を請け負うのは、2017年冬アニメの『鬼平』以来。さらに、とちぎテレビに加えて中国放送とか青森朝日放送とか南海放送とやらでも放送された事がある。


原作漫画の残酷描写や変態描写から本当にアニメ化できるのか(監督曰く、作者「『映像化、やれるもんならやってみろ』というつもりで描いてまいりました」との事)心配の声があったものの、強烈なものを除いて概ね原作通りに制作された。

しかし、話数や諸般の都合から泣く泣くカットされたり、改変されたエピソードも多数存在する。


作中一の変態姉畑支遁が登場する回については内容が内容なだけにアニメ制作の早期からカットが決まっていたらしいが、コミックス23巻の同梱DVD『支遁動物記』として収録が決定した。


カットされたエピソードのうち、『茨戸の用心棒』『怪奇!謎の巨大鳥』『恋をしたから脱獄することにした』『恐怖の猛毒大死闘!北海道奥地に巨大蛇は存在した!』親分と姫の名カップル(?)が登場する『モンスター』はコミックスの同梱DVDとしてアニメ化された。


アイヌ語をはじめ多数の言語、方言が飛び交う本作だけに「言葉」への拘りは素晴らしく、アイヌ語には原作でもアイヌ語監修を担当している中川裕氏が原作に続き監修を担当している。

鯉登少尉の薩摩弁にも監修がついており、谷垣の過去を描いたエピソードでは殆どのキャストが秋田県出身者、もしくは秋田弁指導者で占められていた。特に3期からは樺太編に伴いロシア語監修もつき、ネイティブ絶賛の発音を披露している。


2019年7月7日には第3期の制作が決定、2020年10月から同年12月にかけて放送された。

さらに第3期放送期間中の2021年12月5日、第4期が制作される事が明らかにされた。

なお制作スタジオはブレインズ・ベースに変更、監督はすがはらしずたかに交代することになったが、これはジェノスタジオのスケジュールが合わず、ゆえに難波も監督を務めることを断念したがゆえの、やむを得ない交代であった。そのせいかすがはらは監督ではなくシリーズディレクターという肩書きで第4期の制作に望む。


第4期は2022年10月から放送・配信を開始した。実は放送局が一部変更されている。

しかし、11月8日に4期6話以降の放送が延期されることが発表された。製作に欠かせないメインスタッフの1名が逝去したことが影響し、年内はOADや6話までの再放送に切り替えられた。7話以降は2023年4月に再開される予定である。


第1期PV


第2期PV


第3期PV


第4期PV


主題歌

OP

「Winding Road」(第1期)

歌 - MAN WITH A MISSION

「レイメイ」(第2期)

歌 - さユり & MY FIRST STORY

「Grey」(第3期)

歌 - FOMARE

「NEVER SAY GOODBYE feat. Mummy-D」(第4期)

歌 - AlI


ED

「Hibana」(第1期)

歌 - THE SIXTH LIE

「時計台の鐘」(第2期)

歌 - eastern youth

「融雪」(第3期)

歌 - THE SIXTH LIE

「すべてがそこにありますように。」

歌 - THE SPELLBOUND


ゴールデン道画劇場

原作でお馴染みの扉絵ネタやおまけ漫画、アニメでは拾いきれなかったシーンなどを映像化したショートアニメ。放送終了日の翌日あたりから1週間限定で公開されている。

アニメーション制作はジェノススタジオではなくDMM.comのグループ企業DMM.futureworks内のアニメスタジオ事業部ダブトゥーンスタジオが行っている。


実写映画

2022年4月19日に発売された単行本29巻の帯において、実写映画化決定のアナウンスがなされた。

詳細は今後煮詰めていきたいとのこと。


余談

  • 北海道スタンプラリー

2018年から毎年「北海道はゴールデンカムイを応援しています。」スタンプラリーと題して、スタンプラリーを開催している。しかし、原作の舞台である北海道全体を巡るスタンプラリーなので総距離800km以上というまさに試される大地にふさわしい距離数になっている。

(なお、2020年度は距離が1600km以上になりスポットがさらに増えた)

スタンプラリー公式サイト


  • 大英博物館の漫画展の看板に抜擢

少年漫画としての表現力、作風の文化的側面が高く評価され、大英博物館の漫画展の看板として採用された。


比較的史実に基づいた明治の日本という世界観に反し喫煙している者がとても少ない。これは表現の規制だとか誰かに配慮した結果だとかそういう理由ではなく、単に「作者がそういった仕草をかっこいいと感じていないため(ファンブックより)」。なお上述の通り、少ないだけで喫煙者自体はモブからメインキャラに至るまでちゃんと登場しており、煙草を利用するエピソードもある。


本作の評価を行う上で比較されるのが、手塚治虫の創作したシュマリである。

ゴールデンカムイとシュマリはかなり共通点のある漫画で、明治期の北海道金塊のありかを示した刺青砂金として保管されていた黄金実は生きていた土方歳三惚れた女の為に生きる凶暴な性格をした主人公など、様々な類似要素があり、この点でよく比較される。

こちらも手塚治虫の傑作の一つとして挙げられることが多く、ゴールデンカムイとの類似性から読み比べるものも多い。


関連イラスト

完結&最終巻発売おめでとう!!!らくがき

守護者相棒


関連タグ

※腐向け作品用usersタグは金カム腐参照


関連リンク

公式サイト

ゴールデンカムイ公式サイト

ゴールデンカムイ アニメ公式サイト

ゴールデンカムイ展(22年6月26日まで開催)


twitter

作者のtwitter

ゴールデンカムイ公式

ゴールデンカムイ展


その他関連リンク

ゴールデンカムイ 質問箱

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