概要
「戦国雀王のぶながさん」とは、重野なおきによる四コママンガ「信長の忍び」の番外編作品である。
単行本全1巻。
麻雀により天下の覇を競い、戦よりも麻雀に命を賭けた、戦国武将達の物語。
但し、人は全く死なず、重野なおきの麻雀趣味がふんだんに盛り込まれ、内容は思いっきりギャグに走っており、単行本の巻末には重野なおきのコメントで、
「 僕のこれまでの漫画の中で一番『ギャグ漫画』している作品だと思います。 」
と記されている。
あらすじ
十五××年。
日本国に、天から一つの遊具が舞い落ちた。
その遊具「麻雀」は、その後、日本国に爆発的に広まり、たちまち全国の大名を虜にするに至った。
こうして「戦」ではなく「麻雀」で天下の覇を競う、戦国時代の、もう一つの物語が幕を開けた。
登場人物
基本的に「信長の忍び」とほぼ同じ登場人物であるが、
- 千鳥や助蔵は存在はするが(第14局にてこっそり登場している)、信長とは縁を持たない。
- 「信長の忍び」本編では既に亡くなっていたり(朝倉宗滴)、本編で戦死したり(今川義元)、まだ表舞台に立っていなかったり(伊達政宗)などして登場していない多数の戦国武将が、「いろんなこじつけで(おい)」登場し、「信長の忍び」本編では起こり得ない「夢の対決」が実現する。
などの特徴がある。
以下紹介するが、ネタバレも少し書くので要注意。
織田信長
本作の主人公。
乳母の乳より麻雀牌を好み、「麻雀馬鹿(大うつけ)」と呼ばれ、父の葬儀に焼香の灰ならぬ「点棒」を投げつけた「麻雀の申し子」。
よって普段から普通に強いが、甘いものを食べると更に強くなる。
帰蝶
信長の正室。
牌を並べただけで「天和(テンホー)」、「地和(チーホー)」「国士無双」などが揃ってしまう豪運の持ち主。
第15局で、夫の面子を賭けた信長が帰蝶に対局を挑む。
信長の妹。
「戦国一の美女」と呼ばれている、大人しく優しい少女で、「平和になって欲しいから」と「平和(ピンフ)」を好む。
第8局では信長の提案で「お市争奪麻雀大会」が催された。
木下秀吉
後の豊臣秀吉。
本編と同じくパシリキャラ。
懐で点棒を温めたりする。
徹底して早上がりを目指す鳴き麻雀型。
落ち着きが無い、ともいう。
終盤で「豊臣秀吉・日輪モード」となり、「戦国三英傑対決」が実現する。
秀吉の妻。
本編とほぼ同様のツンデレ雀士。
秀吉にツンデレエールを送ったり、前田利家・まつ夫妻にアツアツぶりを見せつけられたり。
信長の家臣。
秀吉の近所で仲が良かったため、第10局で妻・まつとともに秀吉夫妻と「徹マン」し、そのアツアツ夫婦ぶりを披露する。
明智光秀
捨て牌読みなどなんでもこなす万能型な秀才。
しかし「接待麻雀要員」扱い。
「安くていいから早く上がる」も信条。
本編同様「謀反するかもネタ」が多く、第11局では実際に本編に先駆け「本能寺の変」を起こす(ただしギャグ話)
竹中半兵衛
戦を嫌い隠居していたが、麻雀を打つ相手がいなくて寂しくなり結局現場復帰。
麻雀の腕は最強クラスだが、本編同様に病弱で体力が無いため半荘保たない。
そのため基本解説役だが、更に言えば病弱は解説に向かない(笑)
本編同様にお市様大好き。
挙げ句、「五歳から好き」発言も。
「お市様争奪麻雀大会」で浅井長政と「夢の対決」をする。
まあ、頑張れ(笑)
「戦で人が死なない」ため生きている。
信長とは、雀荘「桶狭間」で一局打つほどの雀友。
但し基本負けっぱなしでやられ役な、主に信長の引き立て役(笑)
信長の雀友。
配牌で苦労するが、我慢に我慢して、最後の最後でひっくり返すのが得意。
「三方原脱糞逸話」も登場する。
終盤、秀吉と同様に「徳川家康・古狸モード」となり、「戦国三英傑」対決が実現する。
本編同様に超スケベ親父(笑)
「美濃のマムシ」。
帰蝶の父。信長の舅。
ペットの「マム郎」を使ったイカサマが得意(おい)
なお本作の美濃国は「刀剣・火縄銃の使用以外は何でもあり」な麻雀ルールである(待て)
斎藤道三の息子。帰蝶の兄。
「暗愚を装っていた」史実に基づき、「三味線」と呼ばれる嘘つきイカサマ麻雀が得意。
第9局で父・道三に対して謀反を起こす。
マム郎
本編にも登場してる、斎藤道三のペットのマムシ、じゃなくてシマヘビ(毒が無いので。てか名前あったのか…)
めっちゃ健気な、道三の良きイカサマ相棒。
三位一体で「通し技」が得意。
但し「飛ぶ」時も三人一緒。
「信長の忍び」では未登場。
「軍師黒田官兵衛伝」では少し登場している。
「政宗さまと景綱くん」に先駆けて登場。
というか、本作がきっかけで「政宗さま」の連載が決まった経緯がある。
少し早くに生まれて、信長との「夢の対決」に挑む。
料理好きキャラで「ずんだ餅」を携えてやってきたため、信長から「ずんだ餅宗」と呼ばれ、読者からの愛称ともなっている。
隻眼は「牌が透けて見える」能力を持つ。
しかしそれがまあいろいろと足枷ともなる(笑)
「政宗さまと景綱くん」に先駆けて登場。
政宗の右目をえぐり取った逸話など、政宗の片腕として策士キャラとなっている(基本突っ込み役)
またキャラ形成の過程のため、まだ全然ドSではない(なおその片鱗はある←おい)
本編同様に筋肉キャラ。
なのでモノを破壊しまくり(笑)
史実通りにお市と結婚「出来ず」、「お市争奪麻雀大会」に参加したのだが。
ある意味、本作で一番不幸なのかもしれない…。
少し長生きして登場。
本編同様に名言・格言好き。
というか「麻雀あるあるネタ」好き。
また「お市争奪麻雀大会」にも参戦。
歳考えろ(笑)
北条家が誇る巨城「小田原城」を舞台とした麻雀勝負「小田原雀」の一番手。
北条家随一の猛将として恐れられた。
「オッサンにはオッサン」…ではなく、猛将には猛将で、柴田勝家が対局する。
北条氏康の嫡男で、後に北条家四代目当主となる。
木下秀吉が対局するが、「史実では晩年に秀吉にけちょんけちょんに」以下省略。
北条家五代に渡って仕えた家中きっての教養人。
相当な高齢の老人であり、ボケ防止の為に麻雀をやっている。
竹中半兵衛と対局するが、老体が仇となる。
北条家参謀。
明智光秀が対局する。
しかしかなり地味。
「小田原雀」のラスボスで、「相模の獅子」と呼ばれた北条家三代目当主。
決して振り込まない、小田原城の如き鉄壁の打ち手。
………と思われていたが、「北条の忍び・風魔」ネタのため、獅子から猫になった。ニャー。
本編未登場。
盗賊キャラらしく得意技は「スリカエ(イカサマ)」。
本編では未登場。
第12局にて「茶の心>」に基づいた麻雀で信長と対局する。
忍びの里「伊賀」の総領。
「信長の忍び」本編では千鳥と助蔵の上役なので、二人もこっそり登場してたりする。
「信長の忍び」本編に先駆けて登場。
「川中島」にて上杉謙信と徹マン合戦に興じていたが、信長を懲らしめるべく出陣。
家康を巻き込みつつ、信長に対局を挑む。
麻雀の基本を全て高次元に高めている「風林火山」の雀風を持つ。
本編や「真田魂」に先駆けて登場。
「義」に反しようとした信長たちに対するべく、武田信玄に「塩を送る」かの如く加勢し、「夢のタッグ」で信長に対局を挑む。
女性と見紛うほど涼やかでクールなイケメン。
「単騎駆け」が得意な逸話より「単騎待ちなら必ず上がれる」雀技を持つ。
本編同様に足利義昭の側近。
乱世に決着を付けるべく「天下統一麻雀大会」に信長たちを招待する。
室町幕府第15代将軍。
本編同様にウザい。
麻雀やってもウザい。
いつも接待麻雀されており、自分は強いと思い込んでいるため、更にウザい。
他にコウモリっぽい「長宗我部元親」、まんま熊な「龍造寺隆信」、ほぼ投げやりな(おい)「島津四兄弟」もちょこっとだけ登場し、
そして………
信長、秀吉、家康(プラス1)の「戦国三英傑」対決に、足利義昭に憑依する形で乱入。
霊界で手に入れた「他人の能力を吸い取る力」を用いて、
「新しき時代を創りたくば、ワシを倒してみろ!!」
と、信長たちの前に立ちはだかる。