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路線データ編集

路線名石巻線
路線区間小牛田〜女川
ラインカラーピンク
路線距離44.7km
軌間1,067mm
駅数14駅
最高速度85km
非電化区間全線
単線区間全線
閉塞方式自動閉塞式(特殊)
保安装置ATS-SN
運転指令所小牛田CTC
大都市近郊区間仙台近郊区間:全線
ICカード乗車券エリアSuica仙台エリア:小牛田〜石巻※
第一種鉄道事業者東日本旅客鉄道(JR東日本):全線
第二種鉄道事業者日本貨物鉄道(JR貨物):小牛田〜石巻

※小牛田・石巻のみSuica対応駅。途中駅での利用は不可。


概要編集

小牛田駅(宮城県遠田郡美里町)と女川駅(牡鹿郡女川町)を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)鉄道路線の一つで、地方交通線。

1912年(大正元年)10月28日に小牛田駅〜石巻駅間に開業した軽便鉄道を国有化した路線であり、1939年(昭和14年)10月7日に女川駅までの区間が全通した。


小牛田駅〜石巻駅間は日本貨物鉄道(JR貨物)が第二種鉄道事業者として貨物列車を運行している。


この他に女川駅〜女川港駅間に貨物線が存在したが、1980年(昭和55年)8月1日に廃止された。


全線が大都市近郊区間の仙台近郊区間に指定されており、このうち小牛田駅〜石巻駅間は交通系ICカード乗車券Suica」仙台エリアに設定されている。但し利用可能な駅は小牛田駅と石巻駅のみで、両駅間の通過利用のみ可能であり途中下車は出来ない。


震災後、女川駅から先へと延伸する構想が地元紙で報じられたが、結局実現には至らなかった。


直通運転編集

途中の前谷地駅から気仙沼線が分岐しており、一部は小牛田駅まで乗り入れる為、小牛田駅〜前谷地駅間は路線図や時刻表では運行系統上の気仙沼線としても扱われる。


また上りのみだが陸羽東線(奥の細道湯けむりライン)古川駅まで直通する列車がある。


石巻駅で接続する仙石線経由で仙石東北ラインの列車が下り最終と上り始発の1往復のみ石巻線に直通する。

なお後述するが仙石線全線復旧まで東北本線仙台駅〜石巻駅間に石巻線経由の直通快速が運行されていた。


東日本大震災の影響編集

2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の津波により、石巻線も石巻駅の浸水・女川駅の流失などの甚大な被害を受けた。

女川駅構内に停車中のキハ48形気動車や、廃車となり温泉施設「湯ぽっぽ」の待合室として使用されていたキハ40系気動車が女川駅から離れた高台まで流された姿は、女川町の津波が如何に大規模なものだったのかを物語っている。


比較的被害が少なかった小牛田駅~石巻駅間は被災後2か月という早い時期に復旧しており、同年12月1日からは同じく被災した仙石線の代替として、同線復旧まで仙台駅~石巻駅を小牛田駅経由で直通する快速列車が運転されていた。

残る石巻駅~女川駅間についても線路の付け替え・駅舎建て替えなどの大規模な工事が進められ、2015年(平成27年)3月21日までに全線が復旧している。


沿革編集

開業〜国鉄分割民営化まで編集


国鉄民営化以降編集

  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴いJR東日本が第一種鉄道事業者として、JR貨物が第二種鉄道事業者として継承。
  • 1989年(平成元年)4月26日万石浦駅開業。
  • 1991年(平成3年)3月16日:一部列車を除きワンマン運転開始。
  • 2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災により被災。女川駅が津波により消失。その他沿線複数箇所で地盤沈下や路盤流出等が発生。
  • 2011年4月17日:小牛田駅〜前谷地駅間運転再開。
  • 2011年5月19日:小牛田駅〜石巻駅間運転再開。
  • 2011年12月1日平日に上り仙台行直通快速が運行開始。
  • 2012年(平成24年)1月10日:平日に下り石巻行直通快速が運行開始。
  • 2012年3月17日:石巻駅〜渡波駅間運転再開。直通快速を毎日運転に変更。
  • 2012年10月9日:貨物列車運転再開。
  • 2013年(平成25年)3月16日:渡波駅〜浦宿駅間運転再開。
  • 2014年(平成26年)4月1日:全線が大都市近郊区間の仙台近郊区間に設定、小牛田駅〜石巻駅間通過利用時に限りSuicaが利用可能になる。
  • 2015年(平成27年)3月21日:全線運転再開。女川駅周辺を移設。
  • 2015年5月29日:翌日の仙石線全線運転再開に先立ち直通快速の運行を終了。
  • 2016年(平成28年)8月6日:仙石東北ラインの石巻線乗り入れ開始。
  • 2019年(令和元年)10月12日台風19号による豪雨の為運転見合わせ。
  • 2019年10月14日:全線運転再開。

運行形態編集

現在の運行形態編集

  • 旅客列車

一部列車を除きワンマン運転が行われている。

1~2時間に1本程度の割合で普通列車が運転される典型的なローカル線である。小牛田駅〜前谷地駅間は気仙沼線の普通列車も運行されている。

全線通しの列車の他、小牛田駅〜前谷地駅・石巻駅間、石巻駅〜女川駅間の区間列車も運行されている。

石巻駅始発の上り一番列車は陸羽東線古川駅までの直通列車。また石巻駅〜女川駅間の下り最終と上り始発は仙石東北ライン経由仙台駅発着の快速で、石巻駅で小牛田駅方面の列車と接続する。なお快速は石巻線内各駅に停車する。


  • 貨物列車

東北本線貨物支線(宮城野貨物線)仙台貨物ターミナル駅〜仙石線貨物支線石巻港駅間に最大8往復の定期貨物列車が設定されている。

これは石巻市に製紙工場があり、その輸送を行う為である。


過去の運行形態編集

東北本線仙台駅〜気仙沼線気仙沼駅間で2往復運行されていた列車。指定席を設けていた。2001年(平成13年)12月1日までは大船渡線(ドラゴンレール大船渡線)盛駅発着の列車も存在した。

東日本大震災の津波で気仙沼線沿線が甚大な被害を受けた為運行休止。正式に廃止のアナウンスは為されていないが、気仙沼線の柳津駅〜気仙沼駅間がBRTに転換された事で事実上消滅した。


  • 臨時快速「リアスシーライナー」

主に夏季に東北本線仙台駅〜八戸線八戸駅間を石巻線・気仙沼線・大船渡線・三陸鉄道南リアス線※・山田線※・三陸鉄道北リアス線※を経由して運行していた臨時快速。基本的に三陸鉄道の車両が運用されていたが、JR東日本のキハ58系を改造したジョイフルトレインエーデルワイス」「kenji」が使用された事もあった。

廃止のアナウンスは為されていないが、東日本大震災による運行不能区間発生後は設定されていない。


※現在の三陸鉄道リアス線区間


  • 直通快速

東日本大震災の津波で仙石線が甚大な被害を受けた為、代替として仙台駅〜石巻駅間の都市間輸送の為1往復(平日の特定日は臨時便を含めて2往復)ノンストップで運行された。

仙石線が2015年5月30日に全線で運転再開される事になった為、再開前日の5月29日をもって役目を終えた。


その他編集

震災復興祈願の一環として、四国旅客鉄道(JR四国)が保有するキハ185系キクハ32形アンパンマントロッコ」を使用したJR東日本・JR四国・JR貨物3社共同の団体臨時列車が石巻線等で運行された。


駅一覧編集

快速は各駅に停車する為省略


廃止駅編集

  • (貨)女川港駅:1980年(昭和55年)8月1日廃止

使用車両編集

所属の記載の無いものは小牛田運輸区→仙台車両センター小牛田派出所所属。

現在の使用車両編集

JR東日本所属

110-0

現在の主力車両の気動車。

200番台は陸羽東線・陸羽西線用車両。早朝の陸羽東線直通列車で使用される。

100番台は上述の陸羽東線直通列車以外の石巻線・気仙沼線普通列車で運用されている他、東日本大震災前は0番台を連結して快速「南三陸」としての運用にも就いていた。


仙石東北ライン HB-E210系 

仙石東北ライン用気動車。女川駅発着の1往復が石巻線内で運用されている。


短時間挑戦 3295

ジョイフルトレイン。臨時列車として石巻線に入線する。


SATONO

ジョイフルトレイン。臨時列車「だてSATONO」として石巻線に入線する。


JR貨物所属

港に吹き込む新しい風

愛知機関区所属のディーゼル機関車

DE10形DE11形置き換えの為導入された。現在の石巻線貨物列車は全てDD200形が牽引する。


過去の使用車両編集

JR東日本所属

  • キハ40形・キハ48形

冬の会津川口駅

かつての主力車両。東北色に塗られていた。キハ110系に置き換えられ撤退。

なおキハ48-552と女川駅の「湯ぽっぽ」の待合室として使用されていたキハ40-518は東日本大震災の津波で流された車両。


センシティブな作品

快速「南三陸」やツーマン運転の普通列車で運用されていた。2007年(平成19年)6月をもって石巻線から撤退した。

イラストは国鉄色だが、東北色の車両が導入されていた。


センシティブな作品

ジョイフルトレイン「グラシア」を再改造した車両。臨時列車「こがねふかひれ」として運行されていた。

震災前の2010年(平成22年)に引退。


  • キハ58形「エーデルワイス」・「kenji」(画像)

短時間挑戦 2275

盛岡車両センター所属のジョイフルトレイン。

「エーデルワイス」は1999年(平成11年)と2000年(平成12年)、「kenji」は2009年(平成21年)に臨時快速「リアス・シーライナー」で運用された。


JR四国所属

  • キハ185系(画像)・キクハ32形

JR四国 一番列車

高松運転所所属の「アンパンマントロッコ」用車両。

JR東日本線内は自走出来ない為、前述の復興祈願の特別運行時には宇都宮運転所(現・宇都宮運輸区)所属のDE10形が牽引した。


JR貨物所属

  • DE10形・DE11形

'2305 DE10 1101 車輛イラスト。

仙台総合鉄道部所属のディーゼル機関車。石巻線の貨物列車を牽引していたが、DD200形に置き換えられ2022年(令和4年)3月10日の運行をもって撤退した。


三陸鉄道所属

三陸鉄道 36-100形


北リアス線・南リアス線用車両。

臨時快速「リアス・シーライナー」で運用された。


余談編集

  • かの石ノ森章太郎のゆかりの地である石巻市の町おこしを目的に、彼の代表作が車体に描かれたラッピング車両「マンガッタンライナー」が運転されたことがある。
    • 元々仙石線の一部車両で行われていたラッピングだったが、震災後この路線でも行われた。キハ48形が使用され、仙石線復旧と同時に一般車ともども引退している。また、2022年1月19日よりHB-E210系2編成での運行を開始した。

  • 1939年の石巻駅~女川駅の延伸開業より前、石巻市内と女川町内は軽便鉄道である金華山軌道により結ばれていた。石巻線の延伸開業と同時期に同線は営業を休止、翌1940年(昭和15年)に廃止されている。
    • 1915年(大正4年)に牡鹿軌道として開業したこの軽便鉄道は、当初石巻湊駅(石ノ森萬画館に近い)~渡波駅を結んでいたが、北上川対岸の石巻市内や石巻駅に乗り入れられず、自動車と競合し経営が悪化。1924年(大正13年)に運営会社を金華山軌道に変更、2年後にガソリン機関車導入と女川駅(石巻線のそれより南側)までの延伸を実施した。
    • 会社は石巻線延伸・路線廃止に伴う補償金を元手に乗合自動車業に進出するも、戦時下の1945年に仙北鉄道バス部門へと吸収された。一方、軽便鉄道線の路盤は渡波駅以東の大半の区間が石巻線に転用されている。

関連項目編集

JR東日本

宮城県

C11…新製配置から引退まで同線一筋で運用されていた367号機が美里町内の公園に保存されている。保存状態はかなり良好。


外部リンク編集

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