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戦艦大和の編集履歴

2016-07-17 17:29:04 バージョン

戦艦大和

せんかんやまと

旧日本海軍の超弩級戦艦。第二次世界大戦で連合艦隊の旗艦として就役したが、その存在は一般には秘匿されていた。最終決戦兵器として無為に温存され、沖縄出撃の途上で沈められる結果となった。

設計時

基準排水量:64000t

満載排水量:72800t

全長:263.4m

全幅:39m

武装:45口径46cm三連装砲塔3基

   60口径15.5cm三連装高角砲塔4基

   40口径12.7cm連装高角砲塔6基

   25mm三連装機銃8基

   13mm連装機銃2基

搭載機:最大7機(零式水上偵察機、零式水上観測機、他)

カタパルト:2基

装甲:水線部410mm

   甲板230mm

   主砲防盾650mm

   艦橋500mm(最下部)

速力:27ノット

乗員:2500名


概要

戦艦大和は、昭和16年に大日本帝国海軍が建造した戦艦としては最後の型式である大和型のネームシップである。

同型艦に武蔵信濃111号艦

全長263m/満載排水量72809tと、史上最大の戦艦として知られる(アメリカ海軍のアイオワ級戦艦は270m/59331t)。

45口径46cm三連装砲を主砲とした。この主砲は当時は存在を秘匿する目的もあり九四式45口径40センチ砲と公称された。そのため連合国(とくに合衆国海軍ですら)は大東亜戦争終結後その事実を知るまで40センチ砲搭載艦であると認識していた。

この主砲は威力もさることながら爆風反動も凄まじいもので、設計段階からそれを考慮して搭載艇や航空機を艦内収容できるようになっており、主砲発射時には機銃や高角砲要員が艦内に待避するための警報を流した

しかし、ここまでしてなお反動への対策は不十分だったようで、主砲試射時に司令塔内部のエレベーターワイヤーケーブルが切れるという想定外のハプニングを記録している。

これよりも口径が大きい主砲を搭載した戦艦は他国を含めて建造することがなかった為、事実上の口径が世界最大の主砲を持つ戦艦として知られている。(ただし、搭載こそされなかったが次期主力艦載砲の研究のため19インチ(48cm)砲は試作された)

また艦首バルバス・バウには零式水中聴音機というパッシブソナーが配され一部資料に拠れば爆雷も積んであった為「一応」程度であるが対潜能力も持ち合わせていた。


大戦時には連合艦隊司令部として機能させていたことや性能の高さから温存され、出撃の機会が殆ど与えられず砲戦の機会を度々逃した(この間、戦艦金剛などはガ島砲撃を行い、この時に大和が出撃していれば相応の戦果が期待できたはずであるとされている)。呉やトラックに停泊して居ることが多く、豪華な旗艦設備を持つこともあり大和ホテル(姉妹艦の戦艦武蔵武蔵旅館)と揶揄された。結局、漸く出撃の機会を得た比島沖海戦では、レイテ湾突入の機会を与えられながらも所謂「謎の反転」により僚艦武蔵を失いつつ本国へ退却している。


昭和20年4月、沖縄米軍上陸を受け、軽巡洋艦矢矧駆逐艦8隻と共に沖縄へ特攻出撃。

7日、既に海戦の主力の地位は航空機に移っており直掩もなかった大和は、スプルーアンス海軍大将の砲撃による決戦を回避するという決断により米機動部隊艦載機の波状攻撃を受けて横転・爆沈した。この時大和に使った500ポンド爆弾および1000ポンド爆弾合わせて8発、魚雷11発命中していた。

この戦いで艦隊司令の伊藤整一中将は大和と運命を共にし、残る約3299名の乗組員も最終的に9割以上が命を落とすなど尋常ではない人的被害も生じている。

奇しくも同日、本土では日本を終戦に導いた一人・鈴木貫太郎首相に就任し内閣が発足。


要目

艦歴

起工昭和12年11月4日
進水昭和15年8月8日
就役昭和16年12月16日
喪失昭和20年4月7日
除籍昭和20年8月31日

主な戦歴

昭和17年6月5日:ミッドウェー海戦(初出撃)

昭和19年6月19~20日:マリアナ沖海戦(米軍機に対し初の主砲三式弾による攻撃)

昭和19年10月24~25日:レイテ沖海戦(米護衛空母群に主砲124発を発射)

昭和20年4月7日:坊ノ岬沖海戦(戦没)


評価

太平洋戦争開戦の直後、日本海軍の航空部隊が英戦艦プリンス・オブ・ウェールズおよびレパルスを沈めたマレー沖海戦に伴い、いわゆる「大艦巨砲主義」は時代遅れとなり、主戦力は航空戦力へと変わった。大和の就役はその1週間後であり、大和は誕生と同時に時代遅れとなってしまった。

これにより、終戦後の1987年には当時の大蔵相から「青函トンネルは戦艦大和、伊勢湾堤防に並ぶ昭和三馬鹿公共事業だ」とまで言われることとなる。


それでも戦艦は空母機動艦隊の護衛、または地上艦砲射撃のプラットフォームとしてなお有効ではあったが、大和型と長門型は喪失を恐れて消極的運用に終始し、日本海軍が戦艦として有効に活用できたのは金剛型戦艦の4隻(それと海上輸送艦・輸送艦隊の護衛としては伊勢型戦艦の2隻もそこそこ活躍している)のみであった。これは「金剛型は古いので失っても惜しくない」という判断があったため積極的な運用ができたからである。


無為に温存された大和は、レイテ沖海戦での連合艦隊の壊滅後、内地に残っていた重油をかき集めて生還の望めない沖縄特攻へ出撃。作戦に向かう途上で米軍機の波状攻撃に成す術なく沈没という結果になったが、これは帝国海軍軍令部ももとより予想していた結果であった。「大和」の沈没により帰投した第二艦隊の戦闘詳報では「精鋭部隊(艦船)をもみすみす徒死させた」として軍首脳部の判断を厳しく批判している。


大和出撃により海上護衛戦に使うべき重油が無くなってしまい、海上輸送網を封じられた日本は燃料はもとより生活物資や食糧に事欠く状態になり、飢餓に落ち込んでいく。海上護衛戦の責任者であった大井篤大佐は護衛艦隊の重油を大和出撃に奪われたことに憤り、「国を挙げての戦争に、水上部隊の伝統が何だ。水上部隊の栄光が何だ。馬鹿野郎」と嘆いたという。


なお、大和の存在は戦時中秘匿されていたため一般には明確な形で知られておらず(漠然と「新型戦艦」と呼ばれていた)、一般に広く知られたのは戦後である。


海底の大和

戦艦大和は、長崎県男女群島女島南方176km、水深345mの海底に沈んでいる。

沈没時に大爆発を起こした為、艦体は1番主砲基部と2番主砲基部の間を境に、前後2つに分かれていた形で沈んでいた。前部部分は比較的原型を保ってたが、後部部分は完全に横転した状態で根元から脱落した艦橋は艦首の下敷きとなって原型を留めていない。主砲と副砲塔はすべて転覆時に脱落し、特に3基の主砲は、砲塔の天蓋を下にして海底に塔のように同一線上に直立しており、特に主砲2番砲塔の損傷が酷い。4あるスクリューも3つは無傷で合ったが、1つは折れてシャフト後と抜け落ちて海底に突き刺さっている。


大和を大きく扱った創作作品

  • アミーゴ!戦艦大和5000頭の現物支払いでアルゼンチンに買われ搬送中に事故で沈んだように偽装して秘蔵されていた大和がアルゼンチン海軍艦アントノ・リベロとしてフォークランド紛争に参加。最終的には日本に返還され記念艦となる。
  • 宇宙戦艦ヤマト:大昔に沈み放置されっぱなしの戦艦と見せかけておき、実は海底で密かに宇宙戦艦に改造されていた。ガミラスの脅威に対抗し地球を救いうる唯一の希望としてイスカンダルへと飛び立つ。ちなみに、作中ではほぼ原形を保ったまま沈んでいるように描かれているが、後の海底調査で船体が真っ二つに折れていて「密かに改造」など到底無理と判明(ただしディープな軍事マニアは終戦当時からその事を知っており知らなかったのは宇宙戦艦ヤマトスタッフ等「軍事知識の浅い」者達だけだったとも言われている。)し、スタッフの一部がひどく落胆し、松本零士に至っては泣いて悔しがったというエピソードも。因みにリメイク版である宇宙戦艦ヤマト2199ではこの事実を反映し、「密かに改造」から「軍艦の残骸に偽装して建造」っと経歴が修正された。
  • 一峰大二ウルトラマン:大和の残骸に無数の群体生物が憑りついた軍艦怪獣ヤマトンが出現しウルトラマンと戦う。
  • ウルトラセブンミミー星人が大和を始めとする戦艦の残骸を元に軍艦ロボット・アイアンロックスを作り、船舶や港を砲撃。体内には自爆装置があり、セブンを道連れにしようとした。
  • ストライクウィッチーズ:2期1話で登場。最初から対空兵装強化型として竣工している。物語の後半では自慢の46cm砲をネウロイ相手にブッ放したり、『オペレーション・マルス』成功の鍵としてネウロイ化して空を飛んだり、と他の艦艇以上に見せ場が多かった。最終的には座礁するも、ポーツマス軍港で修復が行われて再航行が可能になり、劇場版にも登場。なんと浮き輪をつけてライン河を上ってきてしまった。ちなみに登場こそしていないが武蔵も存在している。
  • 世界戦艦大和列伝:戦艦大和の設計図がスパイによって世界中に流出してしまった為に、世界中が各国の趣向を凝らした戦艦大和を建造し、「ヤマト・ファイト」が繰り広げられる。
  • 戦艦大和欧州激闘録 鋼鉄の破壊神 … 日本が連合軍に参加したため、イタリア海軍艦との戦闘で大破した後に日米両軍の最新技術で傷だらけの破壊神として復活。地中海と大西洋で転戦・破壊の限りを尽くした。
  • 帝国の危機:作中の日本は民本主義(民意優先の政治思想)で動いており、大和は公共事業の一環として、これまた公共事業で造られた無駄に大きいドックで建造されたため史実より更にデカくなったので、船員一人一人にも小さいながら個室が割り当てられるなど後述する高い居住性がさらに向上、オマケに偶然にも艦橋の形状が高いステルス性を発揮したため敵艦に接近を勘付かれなかった描写もある。
  • ビッグY 戦艦大和の戦後史:偶然の不運と信濃の犠牲に助けられて撃沈を免れた大和が戦後に接収されてアメリカ海軍艦モンタナ名義で何の因果か湾岸戦争にまで参加。最終的には日本に返還され記念艦となる。
  • ジパング太平洋戦争中にタイムスリップした主人公達の前に連合艦隊と共に大和が姿を現す。その後も度々登場し、実際の戦史には無い戦闘を行ったりするが最後はジャックされた挙句、史実と同じように爆発轟沈してしまう。
  • 超弩級空母大和第一次世界大戦に史実以上に深入りした日本は、戦艦というハードウェアに限界を感じ、変わって台頭した航空主兵により超巨大空母の建造を開始する。信濃以外の大和型が空母として完成する架空戦記は他にも存在するが、本作はその代表作といえる。
  • 葵の太平洋戦争明治維新に失敗し徳川幕府体制のまま近代化した日本という設定の架空戦記。同作で本級は当初『大和』の名を予定されていたが、「『扶桑』に続いて『大和』は、朝廷におもねるにも程があるのではないか」という理由から、徳川由来の地を取って三河型戦艦1番艦『三河』として竣工する。艦首に入っているのは菊の御紋ではなく徳川家の三葉葵
  • 連合艦隊秘史 覇龍の戦録:作中世界ではを燃料とする常温核融合の実現・実用化に海軍が成功しており、その煽りで他の艦共々常温核融合炉で稼働しているため燃料の心配が全くない(この常温核融合の仕組みは詳細を秘匿するためなのか『第二石油』と称されている)。大和の場合は炉心が生み出す膨大な電力(この電力には『特号火薬』なる名称がつけられている)を利用して副砲をレールガン化してあるが、電極の損耗率が極めて高いため連射力は主砲と比べるとかなり劣る。
  • 最後のレストラン:最後の作戦である天一号作戦のため沖縄に向けて航海中に現代の横須賀沖にタイムスリップする。有賀幸作は同じ名字の有賀千恵と出会う。
  • ドラえもんラジコン大海戦スネ夫によって壊されたラジコンボート復讐をするためのび太達はスモールライトで小さくなって乗り込み、ラジコンの大和を乗っ取る。これを聞いたスネ夫の従兄のスネ吉はなんとゼロ戦のラジコンで大和を空爆、自沈させてしまう。殺す気か。
  • ファンタシースターオンライン2(幻創戦艦・大和):なんと敵として登場。本物の大和ではなく、超空間通信物質「エーテル粒子」の集合によって具現化した「幻創種」。ストーリークエストでプレイヤーにコテンパンにされたマザー・クラスタの「金の使徒」、亜贄萩斗(あにえ はぎと)がプレイヤーへの意趣返しのために、彼自身のあこがれと妄想から作り上げた存在。彼自身が召喚した自律型具現武装「ハギト・フェムト」によって自律制御される。

  実際の戦闘では、艦砲射撃を基本としつつ燃焼弾、凍結弾、パニック弾、レーザービームを撃ってくるうえ、一度生身で艦砲を破壊した後は武装を再生して飛行し始める。ここから先は生身ではなく戦闘ロボット「A.I.S」による戦闘となる。

  飛翔後はハギトの妄想が過分に含まれるせいか衛星砲やミサイルを召喚するなど幻創種らしいメチャクチャな攻撃を開始する。

  撃破すると艦橋を模したロッドや艦砲を模したツインマシンガン、ナックル、その他地球やA.I.Sモチーフの武器(いずれもレア度13)が手に入ることがある。

  PS4サービスインで新規プレイヤーを多く呼び込んだ直後であり、またストーリー上のイベントであるためか失敗条件はなく、戦闘が長引くと報酬がまずくなるだけである。

  余談だが当初発表されたCGモデルは菊花紋章(厳密にはオリジナルとはデザインが異なるデザイン化された紋章で法的にも使用に問題はなかった)を掲げていたためネット右翼や便乗したアフィブログによって炎上させられ、実装する前に幻創種特有の紋章に挿げ替えさせられたという不幸な経緯を持つ。

余談

先述されたように、この戦艦はあまりの実戦経験のなさから『ホテル』と揶揄されていた。似たり寄ったりな戦歴の艦は他にもいたのに、だ。それには、笑うしかない理由がある。居住性何するものぞな旧日本海軍に身を置きながら、用途の都合で姉妹艦共々当時の日本軍で恐らく一番住み心地のよい住宅としても機能していたからだ。(海軍では居住性に関しては軽視されがちではあったが、最上型のように改善することも進められていた)

  • 弾薬庫の冷却機能が強すぎた影響で士官室は冷暖房完備
  • 冷蔵庫のおかげで食料の備蓄量と種類は桁外れ。もちろん冷凍庫もあった。
  • 厨房も設備人員ともに非常に充実(イモの皮むきと挽肉製造が可能な機械を設置。士官食堂用厨房の料理人は本職を擁し、連合艦隊司令部用厨房の料理人に至っては一流どころのお高い飲食店出身者で構成されていた)
  • うどんやお汁粉など一部の食品は艦内で製造可能で、当時の軍艦御用達だったサイダー製造機だけに飽き足らずアイスクリーム製造機まで設置。ちなみに各種甘味は酒保(今でいう購買部。自衛隊でいえばPX)にてタバコや数種類の共々安価で購入可能であった。
  • 食事も最高水準であり、下士官と兵卒用の食事でもキチンとした炒め物や煮魚を提供。将校クラスのは高級旅館もかくやの豪華朝昼晩揃い踏み。連合艦隊司令長官が食事を始める時に至っては軍楽隊が数十分も演奏(館内放送で艦全域に中継) 。ただし山口多聞にとっては味は兎も角量が足りず不満だったらしいが。
  • 下士官と兵卒が食べるは時たま当人たちが大挙して呑気に釣り糸を垂らして現地調達(停泊中に手空きの乗員が釣りなどを行うのは他の艦でも見られた光景であるが、大和の場合は乗員の頭数の都合から食料の消費が激しいため、このような光景を見られる頻度が多かった)
  • 分隊対抗運動会もしょっちゅう開催

と、このような豪華設備&当時の国民たちに謝れと言いたくなるような超快適居住環境のおかげで、乗組員たちは厳しい訓練はあるが作戦時以外はリゾート同然の極楽勤務を日々送っていたのである。

当然、軍全体からの心証は非常に悪く、仲の悪い陸軍の偉い人に「贅沢ですね」と皮肉られ、同じ海軍の人からも「こんな贅沢で戦に勝てるのか?」と言われていた。


なお、進水~竣工の間に全体像が完全に把握されないように、大和の横には空母鳳翔が横付けされて目隠しの役割を担っていた。ただし全長の差が100メートル近くも存在したために効果としては疑問視されており、46cm三連砲の全体像の把握の阻止が目的であった可能性が高い(大和の全長は263m、鳳翔の全長は168m)。



関連タグ

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架空戦記 宇宙戦艦ヤマト ストライクウィッチーズ ウルトラセブン

ジパング 征途 旭日の艦隊 男たちの大和

サイボーグ009 かみちゅ! 大和(艦隊これくしょん)

勇者王ガオガイガー(列車砲をベースにしたゾンダーロボの砲弾のサイズについて、戦艦大和の主砲と比較する場面が存在する。さほどピックアップされた訳ではないが、それだけ”分かりやすい”比較対象とも言える)

オーバードウェポン(未実装のオーバードウェポンに大和の名を冠した変態兵器が存在する。右ミサイルブロック、左砲塔ブロックで構成される)

ダライアスⅡ(こちらは敵として出てくる。というのも宇宙人(ベルサー軍)の機械に全システム乗っ取られていて、最終的には完全に破壊されてしまう)

有賀幸作

海軍魂注入棒

天一号作戦

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