概要
オリンポス十二神族とは、究極体デジモンで構成されている勢力。
pixivでは「オリンポス十二神」で登録されているタグが多い。
アニメでは色々と不遇な扱いを受ける事こそ多いが、公式設定によるとロイヤルナイツに匹敵する能力を持ちながら、デジタルワールドでの事変では中立のスタンスを取っていた模様。
当初こそわかっていた設定はこれぐらいだったのだが、近年わかった設定によれば、イグドラシルに管理されている我々の知るデジタルワールドとは別のサーバー『デジタルワールド・イリアス』を管理しているデジモン達との事。
このためロイヤルナイツは特にイリアスでの干渉を行わなかったらしいが、イグドラシルの意思や世界を覆うウィルスの襲来によってサーバーを超えて対面する日がいつかやってくるだろう。その時に共闘が待つか、対立が待つかは不明(あの人とかはこっち側に付く可能性も…)。
これらの公務とは別に様々な活動を行っているようで、ウルカヌスモンはデジモン達の武器の作成、ケレスモンは大地の豊穣と飢餓の防止(自身の持つ果実「カルポスヒューレ」による大地の汚染と再生も含まれる)、ユピテルモンは戦場での裁定、ユノモンは反乱分子の殲滅と監視、ネプトゥーンモンは海生デジモンの統治、バッカスモンがデジモン達を集めて宴会を行っている。
ウェヌスモンやメルヴァモンのように支持者の多いデジモンも所属している。
元ネタはギリシャ神話に登場する「オリュンポス十二神」(名称はローマ神話表記に由来)。
また、複合されている生物モチーフは基本的に元ネタの神格の眷属から選ばれているものの、中には神話と全く関係無いモチーフ(その神の性質をイメージさせる生物)から選ばれている事もある。
経歴
初出と集結
初出は「デジタルモンスターカードゲーム ブースター16 真・超融合戦士」収録のマルスモン(Bo-801)。
実はマルスモン自体もデジモン史上、初めて登場したオリンポス十二神族である(初出は『デジモンワールド3 新たなる冒険の扉』(2002年発売))。
この頃は先述の通り、「オリンポス十二神」という勢力名であった。
続いて「デジモンアクセル」(2005年発売)でネプトゥーンモンとメルクリモンが参戦。『デジタライズブースターパック2』(同年発売)ではミネルヴァモンと怒涛の新種発表ラッシュを迎えたが、これで旧デジカ世代での新種発表は終わる。
「デジモンストーリーサンバースト/ムーンライト」(2007年発売)ではアポロモン/ディアナモンの2体が登場。
アニメ「デジモンクロスウォーズ 悪のデスジェネラルと七つの王国」(2011年放送)ではミネルヴァモンの成長した姿であるメルヴァモンが登場。
OCG「デジモンジントリックス」(2011年サービス開始)ではウルカヌスモン、ウェヌスモンの2体が発表。
同年にサービス開始されたソシャゲ「デジモンコレクターズ」ではバッカスモンとユノモン、その翌年の「デジモンクルセイダー」ではケレスモン、ユピテルモンが3体参戦。歴代でも短いスパンでの発表となった。
これにて2014年4月9日にようやく全員が集結した。勢力名だけに12年で揃うことを狙っていたとかいう訳ではないと思う。多分。
実はロイヤルナイツの集結よりちょっとだけ速い(参考までにジエスモンの存在が発表されたのは2014年の夏頃である)。
メディアでの活躍
ロイヤルナイツ同様の一大勢力として扱われている彼らだが、ロイヤルナイツが主人公デジモンの進化系が多く属している為にアニメやゲームでも頻繁にピックアップされた勢力であるのに対し、こちらはアニメでは勢力としての活躍は皆無に等しく、個別での活躍が多かった(※)。
しかも、アニメは公式設定とは異なる扱いで登場する事も多く、『デジモンクロスウォーズ』ではネプトゥーンモンが敵の2面ボスという扱いで登場したり、マルスモンがアポロモンの配下になっていたりと扱いはあまり良くない事もしばしばであった。
とはいえ、『セイバーズ』ではデジモンと人間の間に揺れるイクトと同様に育ての親として苦悩するメルクリモン、『クロスウォーズ』では善悪の人格に苦しめられつつも公明正大であろうとしたアポロモン、天野ネネのパートナーとして姉貴肌としてもお色気要因としても活躍したメルヴァモンなど独自の味付けで印象を残したキャラクターも多かった。
勢力としてピックアップされたのは恐らく『デジモンクルセイダー』が最初であり、彼らが主軸に据えられており、太古のタイタン族との因縁から続く戦いを描く。ここで漸く勢力の存在意義が判明していく。
実はパートナーデジモン経験者もかなり多い勢力である。先述のメルヴァモンが天野ネネのパートナーとして登場(アポロモンも最終的にクロスハートに加わったが、パートナーデジモンというわけではない)、ゲーム版では『デジモンワールド3』でマルスモン、『デジモンストーリーサンバースト/ムーンライト』でアポロモン/ディアナモン、『デジモンクルセイダー』ではユピテルモンが主人公のパートナーを務めた。
「デジタルモンスターカードゲームリターンズ デジモンアドベンチャー 15th アニバーサリーセット」ではカードゲーム史上初めてオリンポス十二神族が集結…したはよかったが、旧デジカの収録デジモンの関係で進化前は旧デジカに実装されているデジモンとなっているパターンが多かった。
(※)新種発表時期がロイヤルナイツの新種発表時期/活躍時期に近いという事情もある。しかもロイヤルナイツと比べて判明していた数が少なかったが故に活躍を描きにくかったのだろう。
不遇からの脱却
上記のように怒涛の発表ラッシュをしたまでは良かったが、デジモンウェブのデジモン図鑑には長らく掲載されていなかったデジモンも多く、謎の多い勢力である事には違いなかった。
2022年5月25日にデジモンウェブのデジモン図鑑にてユピテルモン:ラースモード、ケレスモン(メディウムと通常版が同じページで紹介されている)、ユノモン(通常版/ヒステリックモード)、バッカスモン(姿は泥酔モード)、プルートモンの公式設定が公開され、これにて全員の掲載が終了した。
海外で配信されている「デジモン新世紀」でも比較的初登場作を尊重した進化ルートが取られている他、令和版「デジモンカードゲーム」でも所属デジモンが次々と収録され始めており、システムの変更から、新規進化ルートが構築できるなどの掘り下げが行われている(例えば、ミネルヴァモンが蛇系デジモンから進化できるようになるなど)。
「DIGIMON CON デジモンゲーム情報 Q&Aコーナー 《日本語版》」(外部リンク)によれば、デジモンストーリーの新作にオリンポス十二神族を中心に据える旨を羽生和正氏が語っている。
いずれにせよ黎明期のような不遇さを脱却しつつあるのは間違いないようだ。
一覧
別形態
形態名 | 対応デジモンと詳細 |
---|---|
グレイスノヴァモン | アポロモン+ディアナモンのジョグレス体 |
ラースモード | ユピテルモンの戦闘形態 |
ヒステリックモード | ユノモンの別側面 |
泥酔モード | バッカスモンの泥酔状態 |
メディウム | ケレスモンの本体 |
ウィスパード | アポロモンの暗黒面 |
ジェットメルヴァモン | メルヴァモンとスパロウモンのデジクロス形態 |
ミネルヴァモン(X抗体) | ミネルヴァモンがX抗体を得た姿 |
タイタン族
デジタルワールド・イリアスにおいて、太古の昔、オリンポス十二神族に敗北して支配権を奪われた種族。
ギリシャ神話におけるティターンに相当するが、筆頭格となっているのはティターンを滅ぼしたハデスモチーフのプルートモンとなっている。
タイタモンとプルートモンの公式設定には「タイタン族」という勢力は確認できないが、どちらもオリンポス十二神族に因縁のあるデジモンという事は共通している。
ちなみに、元はタイタモンがバッカスモンとなる予定で、これは渡辺けんじ氏曰く「バッカス神が酒の神ですので、酒と鬼で酒天童子をイメージしていました。」と語っており(肩アーマーも瓢箪をイメージしていた)、タイタンへモチーフを変更した理由についても「ギリシャ神話の十二神に敵対する巨人“タイタン”をもとに、その関係も持ってこようかと考えました。その結果、オーガモンで巨人だからとタイタモンとなりました。」と語っている(※1)。
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余談
ギリシャ神話モチーフは他にも以下の数体が存在するが、一部を除き、この勢力との関連は不明。
脚注
(※1)出典は「ファミ通.com 『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』イラストレーターインタビュー!」(2013.07.05)より
関連項目
デジモン デジタルモンスター ギリシャ神話 オリュンポス十二神