BLEACH
ぶりーち
【INFORMATION】
【OVERVIEW】
内容は霊感の強い高校生・黒崎一護が死神になって、仲間と共に悪霊『虚(ホロウ)』をはじめとした敵と戦っていくオカルトアクション漫画。
主にスタイリッシュ漫画として評価されていて、バトルや扉絵の端々にもスタイリッシュさが見受けられる。
作者の久保先生曰くキャラクターを先に作り、話は漫画を描きながらその場のノリで考えているとの事。
その為、展開が杜撰になるのが茶飯事だったり、ジャンプ漫画の悪癖たるパワーインフレにどっぷりはまっている点等が、一部の読者から指摘されることもある。
特に「後出しじゃんけんの応酬」に定評があり、味方側の切り札で相手に勝った直後に余裕綽々で敵が反撃に出て窮地に陥る(もちろんその逆もある)のがお約束となっている。
しかしそういったマイナスを補って余りある絵の迫力・演出の巧さ・台詞回しの巧みさで根強い人気を誇る、紛れもないジャンプの名作漫画の一つ。むしろこのどんでん返しの多さこそ、本作を本作たらしめている要素でもあり、慣れてくると先の展開の予想が止まらなくなる独特の中毒性を発揮する。
なお多発する設定の矛盾に関しては、劇中で「それを語っていながら正確な知識がない、またはよく知らないのに断言する」というにわかなキャラが多い事も起因している。
「作者自身が統合性を全く気にしていない」という指摘も多々あるが、「よくよく整理すればきちんと筋は通っている」という反論もある。
累計発行部数は、全世界で1億3000万部を突破している。
【TITLE】
『BLEACH』というタイトルは"脱色剤"や"漂白剤"の意味だが、作者の久保先生によるとこれは「死神をイメージする黒の反対である白を連想させる言葉を選ぶことで、黒をより引き立たせる」という意味から付けられたものらしい。
その為か、基本的に主人公及び味方となる死神は黒を、敵サイドは白をそれぞれメインカラーとした衣装でデザインされている。
【CHARACTER】
【KEY WORD】
人間以外の「死神」「虚 / 破面」「滅却師」「完現術者」など、種族・勢力毎の専門用語は各記事を参照。
順に日本語、スペイン語、ドイツ語、英語が主に用いられている。
- 魂魄(こんぱく)
いわゆる霊魂。
自身の肉体とは「因果の鎖」で繋がっており、幽体離脱は鎖の長さしかできない(切れると死亡する)。魂魄が傷を負った状態で肉体に戻った場合は、肉体にもその傷が現われる。
- 霊子
魂魄など霊的な事象全般を構成する素粒子。人間の肉体など現世を構成する素粒子は「器子」と呼ぶ。
- 霊圧
霊体が発する圧力。個々の霊力の高さやバイタリティーの目安になる。
単なる威圧感にとどまらず物理的な破壊力を持ち、例えば黒崎一護の「月牙天衝」は、刃先から高密度の霊圧を放出することで斬撃そのものを巨大化して飛ばす技である。
【WORLD VIEW】
- 三界
原作本編の舞台となった、人間が住む「現世」、死神の拠点「尸魂界(ソウル・ソサエティ)」、虚が普段住む「虚圏(ウェコムンド)」の3つの世界の総称。
百万年前にこの形になり、いわゆる「輪廻転生」の循環はこの均衡で成り立っている。
- 断界(だんがい)
現世と尸魂界の間にある空間。外界よりも濃密な時間軸が働いている(外界で1時間過ごすと断界では2000時間過ごした事になる)。
また外敵を防ぐ為に霊体を絡め取る気流「拘流(こうりゅう)」で満たされており、さらには7日に一度「拘突(こうとつ)」という死神では太刀打ちできない強力な侵入者排除気流が現れる。
安全に移動するためには尸魂界側から「穿界門(せんかいもん)」を開くか、技術開発局に断界を固定してもらう必要がある。
- 叫谷(きょうごく)
輪廻から外れた魂魄が自然に集合することで断界内に形成される空間。
劇場版第1作『MEMORIES OF NOBODY』後半や小説『Can't Fear Your Own World』終盤の舞台で、原作でも千年血戦篇に登場した。
生前に大罪を犯した人間の魂が送られる空間(世界)。三界が成立する前から存在している。
【MEDIA MIX】
【ANIMATION】
2004年10月~2012年3月に死神代行消失篇までを放送。
そして千年血戦篇が2022年10月期より放送予定。
新登場キャラの追加キャストも順次発表され、そのうち後述のゲーム「Brave Souls」に先行実装されていたキャラについては続投している。
【LIVE ACTION MOVIE】
元々はハリウッドで実写化される予定だったが、企画が頓挫し、日本で2018年夏に公開された。
監督・脚本は『GANTZ』『アイアムアヒーロー』の佐藤信介。
原作の死神代行篇がベースで、ストーリーはそこそこ忠実に再現されており、時系列が前後するところはあるもののこの手の映画に付き物のオリジナルの展開・シーンは少ない。
主題歌はALEXANDROSの「Mosquito_Bite」。
【CAST】
なお主要キャラに如月弦太朗/仮面ライダーフォーゼ、朔田流星/仮面ライダーメテオ、美咲撫子/仮面ライダーなでしこが揃っているため、一部でネタにされた。
【NOVELIZE】
上記の劇場版・実写版のノベライズや、スピンオフシリーズが「JUMP j BOOKS」より発売されている。
原作者の久保帯人は挿絵を担当。またスピンオフは監修も担当しており、原作補完的な側面も持っている。
詳しくは⇒小説版BLEACHを参照。
【GAME】
据え置き型 / 携帯型のゲーム機向けが2000年代後半に、スマートフォン向けアプリが原作完結前後にそれぞれ展開されている。
ソニー・コンピュータエンタテインメント(現・ソニー・インタラクティブエンタテインメント)開発。『ヒート・ザ・ソウル』シリーズや『ソウル・カーニバル』シリーズなどアクション主体。
2015年7月リリースの、アプリの中では最も長く続いてる3Dアクションゲーム。
詳しくは個別記事へ。
【DIGRESSION】
とくに死神には、キャラクター性や名前の元ネタがおそらくは神仏や妖怪などと推測できるキャラクターがそれなりにいる (閻魔大王、愛染明王、シヴァ神、麒麟、山本五郎左衛門、達磨太師、山翁、ひょうすべ、など)。
また、現世と霊界における魂の関係や、死神や滅却師の持つ能力の仕組みなどには、仏教の輪廻転生や神道における八百万の神・付喪神などが大いに参考にされている面が多々ある。