磐越西線
ばんえつさいせん
路線データ
路線名 | 磐越西線 |
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ラインカラー | 茶 |
路線区間 | 郡山〜新津 |
路線愛称 | 森と水とロマンの鉄道(会津若松〜新津) |
路線距離 | 175.6km |
軌間 | 1,067mm |
駅数 | 43駅 |
信号場数 | 2箇所 |
電化区間 | 郡山〜喜多方(交流20,000V) |
非電化区間 | 喜多方〜新津 |
最高速度 | 95km/h |
単線区間 | 全線 |
閉塞方式 |
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保安装置 | ATS-SN |
運転指令所 |
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大都市近郊区間 |
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第一種鉄道事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
第二種鉄道事業者 | 日本貨物鉄道(JR貨物) |
概要
郡山駅(福島県郡山市)と新津駅(新潟県新潟市秋葉区)を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)の鉄道路線で、幹線。
郡山駅〜喜多方駅間は交流電化されており、東北新幹線と接続し首都圏など各地と会津地方を結ぶ地域幹線の役割を果たしている。但し全線を通して磐越自動車道(磐越道)が並走し高速バスが頻繁に運行されている為、対首都圏・対仙台・新潟近郊のみならずローカル運用においても激しく競合している。
また会津若松駅〜喜多方駅間の電化設備は撤去予定で、2022年(令和4年)3月12日ダイヤ改正以降この区間を定期列車として走行する電車は存在しない。臨時列車では団体扱いの快速「フルーティアふくしま」が唯一走行する電車である。
直通運転
以下の区間で直通運転を行なっている。なお直通運転は全て気動車が使用される。
※会津鉄道の車両による運用。
この他に会津鉄道の車両が東武鬼怒川線鬼怒川温泉駅から野岩鉄道会津鬼怒川線・会津鉄道会津線を経由して喜多方駅まで乗り入れる事がある。
沿革
開業〜全通まで
- 1898年(明治31年)7月26日):岩越鉄道の路線として郡山駅〜中山宿駅(仮駅)間開業。
- 1899年(明治32年)3月10日:中山宿駅(仮駅)〜山潟駅(現・上戸駅)間延伸及び中山宿駅の本駅が開業。
- 1899年7月15日:山潟駅〜若松駅(現・会津若松駅)間延伸。
- 1904年(明治37年)1月20日:若松駅〜喜多方駅間延伸。
- 1906年(明治39年)11月1日:鉄道国有法に基づき岩越鉄道国有化。
- 1909年(明治42年)10月12日:国有鉄道線路名称制定により岩越線となる。
- 1910年(明治43年)10月25日:信越線支線として新津駅〜馬下駅間開業。
- 1910年12月15日:岩越線喜多方駅〜山都駅間延伸。
- 1913年(大正2年):信越線支線馬下駅〜津川駅間延伸。
- 1913年8月1日:岩越線山都駅〜野沢駅間延伸。
- 1914年(大正3年)6月1日:信越線支線を信越本線に改称。
- 1914年11月1日:野沢駅〜津川駅間延伸に伴い全線開通。信越本線新津駅〜津川駅間を岩越線に編入。
全通〜国鉄民営化まで
国鉄民営化以降
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴いJR東日本が第一種鉄道事業者、JR貨物が第二種鉄道事業者として継承。
- 1991年(平成3年)10月1日:馬下駅〜新津駅間でワンマン運転開始。
- 1995年(平成7年)12月1日:定期客車列車廃止。
- 1998年(平成10年)8月12日:集中豪雨の影響で喜多方駅〜新津駅間運休。
- 1998年8月13日:津川駅〜新津駅間運転再開。
- 1998年8月14日:野沢駅〜津川駅間運転再開。
- 1998年8月15日:全線運転再開。
- 1998年8月17日:大雨の為喜多方駅〜馬下駅間が再び運休。
- 1998年8月19日:全線運転再開。
- 2007年(平成19年)3月18日:定期貨物列車廃止。
- 2008年(平成20年)3月15日:五泉駅〜新津駅間が新潟近郊区間及び交通系ICカード乗車券「Suica」新潟エリアに設定。
- 2011年(平成23年)3月11日:東北太平洋沖地震(東日本大震災)の影響で郡山駅〜津川駅間運休。
- 2011年3月26日:全線運転再開。被災地への臨時貨物列車運行開始。
- 2011年4月7日:大規模余震発生の影響で郡山駅〜会津若松駅間運休。
- 2011年4月9日:全線運転再開。
- 2011年4月16日:東北本線復旧に伴い臨時貨物列車の磐越西線経由を終了。
- 2011年7月30日:豪雨による路盤流出の為喜多方駅〜馬下駅間運休。
- 2011年8月6日:喜多方駅〜津川駅間運転再開。
- 2011年8月21日:津川駅〜野沢駅間運転再開。
- 2011年10月14日:全線運転再開。
- 2014年(平成26年)4月1日:郡山駅〜喜多方駅間が仙台近郊区間及びSuica仙台エリアに設定。磐梯熱海駅・猪苗代駅・会津若松駅・喜多方駅でSuica一部機能の利用開始。
- 2017年(平成29年)3月4日:電化区間で一部列車のワンマン運転開始。
- 2022年(令和4年)8月4日:大雨による橋梁崩落の為喜多方駅〜馬下駅間運休。
- 2022年8月6日:野沢駅〜馬下駅間運転再開。
- 2022年8月25日:山都駅〜野沢駅間運転再開。
- 2023年4月1日:全線運転再開。
現在の運行形態
会津若松駅を境に運転系統が分断されている。本項では運行区間ごとに記載する。
郡山駅〜会津若松駅
快速・普通>普通列車合わせて概ね1時間に1本のみの運転。
快速は7往復運行され、うち3往復は指定席が設けられ「あいづ」の愛称が与えられている。
2022年3月12日以降は快速、普通ともに郡山駅〜会津若松駅間の運行で、朝に1往復のみ郡山駅〜磐梯熱海駅間の区間列車が設定されている。
快速停車駅
郡山 - 郡山富田 - 喜久田 - 磐梯熱海 - (川桁) - 猪苗代 - (翁島) - 磐梯町 - (東長原) - (広田) - 会津若松
- フルーティアふくしま
郡山駅〜喜多方駅間で運行される団体列車。登場時は定期の快速列車に連結していたが、2019年(令和元年)以降は単独で運行される。車両の老朽化の為2023年12月をもって引退予定。
詳細は当該項目を参照。
会津若松駅〜新津駅
会津若松駅〜喜多方駅間の交流電化区間はかつて特急「あいづ」をはじめ電車の運行も行われていたが、前述の通り2022年3月12日以降は定期列車では電車が一切運行されなくなった。
- 快速(定期列車)
快速は上記のダイヤ改正で定期快速の「あがの」が廃止された為、同区間を走破する定期優等列車は消滅。わずかに新潟近郊区間の馬下・五泉発新潟行が朝に2本運行されるのみとなった。どちらも磐越西線内は各駅に停車する。
停車駅
※馬下発のみ停車
土休日及び特定日に鬼怒川温泉駅〜会津若松駅間の定期列車が喜多方駅まで延長運転される。2022年3月12日ダイヤ改正までは復路も運行されていたが、同改正で会津若松発会津田島行普通列車を喜多方発に延長する形に変更された。
詳細は当該項目を参照。
- 快速SLばんえつ物語
冬季を除く土休日に運行される臨時快速列車。
詳細は当該項目を参照。
- 普通
同区間を走破する列車や最長で新潟駅まで運行されるが、会津若松駅〜野沢駅間、津川駅・馬下駅・五泉駅〜新津駅・新潟駅間の区間列車が多い。特に野沢駅〜津川駅間の県境区間は最長で4時間以上間隔が開く時間帯が存在する。新潟近郊区間の列車の一部はワンマン運転を行なっている。
過去の列車
- 特急
現在の様にローカル運用が主となる以前は、東北本線(宇都宮線)上野駅〜会津若松駅間に特急「あいづ」が運行されていた。
1993年(平成5年)12月1日ダイヤ改正で特急の再編が行われると、「あいづ」は磐越西線内のみ運行の「ビバあいづ」に変更。後に土休日運行の列車は「ホリデービバあいづ」に改称。更に後年は「あいづ」の名称が復活し、「ホリデービバあいづ」も「ホリデーあいづ」と再度改称された。
2003年(平成15年)10月1日ダイヤ改正で廃止されたが、その後も上野駅〜会津若松駅間で繁忙期に臨時特急として何度か運転された。
- 快速ばんだい・あいづライナー
電化区間で運行されていた快速列車。
「ばんだい」は上野駅〜会津若松駅・喜多方駅間で運行された準急をルーツとし、急行に格上げされたが国鉄民営化前に臨時列車を除き快速に格下げされて運行されていた。
上述の特急「あいづ」が快速に格下げされ「あいづライナー」に変化すると、同じ区間を使用車両の違いで愛称を分けて運行された。
2004年に一度廃止されるが、2007年に「あいづライナー」が復活し、以後2015年(平成27年)に廃止されるまで郡山駅〜会津若松駅(繁忙期は喜多方駅)間で運行された。
停車駅
郡山 - 喜久田※ - 磐梯熱海 - 猪苗代 - 磐梯町 - 会津若松 - (塩川 - 喜多方)
※:一部停車 ():繁忙期に停車
- 快速あがの
2022年3月11日まで会津若松駅〜新潟駅間で運行されていた列車。
詳細は「あがの」の項を参照。
駅一覧
●:停車 ○:無名の快速の一部が停車
▲:上りのみ停車 ▼:下りのみ停車 レ:通過
※「フルーティアふくしま」は運行終了予定の為省略
郡山駅〜会津若松駅
現在の使用車両
自社車両
- E721系0番台
仙台車両センター所属。郡山〜会津若松間の定期列車は全てこの形式で運用。
新潟車両センター新津派出所所属。会津若松〜新津間で運用。過去には快速「あがの」でも使用された。
郡山総合車両センター所属の只見線用車両。元は新津運輸区に所属しキハ110系と共通運用だったが、只見線転属後は間合い運用で会津若松〜野沢間で運用されている。
- 719系700番台「フルーティア」
仙台車両センター所属。臨時快速「フルーティアふくしま」として運用。2023年運行分をもって引退予定。
新潟車両センター所属のディーゼル機関車。非電化区間の臨時客車列車牽引時に運用される。
新潟車両センター新津派出所所属の「SLばんえつ物語」用蒸気機関車。
新潟車両センター所属の「SLばんえつ物語」用客車。
過去の使用車両
国鉄民営化以降の車両を記載。
自社車両
仙台車両センター所属の特急型車両。特急「あいづ」及び派生列車、快速「あいづライナー」等で使用された。
仙台車両センター所属の特急型車両。485系の代走として快速「あいづライナー」で使用された他、臨時列車で入線した事もある。
仙台車両センター所属。電化区間で快速「ばんだい」や普通列車として使用された。
- 719系0番台(メイン画像)
仙台車両センター所属。電化区間で運用された。
新津運輸区(現・新潟車両センター新津派出所)所属車は会津若松〜新津間で使用された。
郡山総合車両センター所属の只見線用車両は会津若松〜野沢間の間合い運用で使用された。
新津運輸区所属。会津若松〜新津間で使用された。
福島運転所(現・福島統括センター)所属の電気機関車。客車や貨物を牽引していたが、磐越西線の軌道強化によりED75形に置き換えられた。
- ED75形
仙台車両センター所属の電気機関車。ED77形に代わり客車や貨物を牽引していた。
上沼垂運転区(現・新潟車両センター)所属の客車。定期列車で使用された。