概要
『ポケットモンスター サン・ムーン』で初登場した、ポケモンに搭乗して移動できるシステム。
『XY』や『ORAS』でも特定のポケモンに乗って移動する機能はあったが、エリアが限定されていた過去2作に対し、ポケモンライドはほぼ全ての野外エリアでポケモンを呼び出して陸海空それぞれの移動ができる点が大きな特徴。
アローラ地方(SM・USUM)
『ポケモンSM』および『ポケモンUSUM』の舞台アローラ地方特有の移動システム。
従来のひでんマシンや、一部の道具の役割を担っている。
ムーランド・ケンタロス・ラプラス・サメハダー・バンバドロ・リザードン・カイリキーなどの力強い大型の種類に騎乗でき、ポケモンごとの能力を活かしたアクションが可能。Bボタンで特殊能力やダッシュ移動を使える。
行く先々の人々から各ライドポケモンの使用権を貰うことで乗れるようになる。
各ライド可能ポケモンはアローラの人間から「ライドポケモン」と呼ばれており、一種の軽車両としてアローラでは古くから使用されている。
少なくともカイリキーは通常の個体よりも大型に見える。
XY・ORASと異なり、乗っているポケモンには「ライドギア」と呼ばれる馬具のような器具が取り付けられており(ソルガレオとルナアーラのみ例外)、それに搭乗して人の力だけでは行けない場所へと移動することが可能。
ただし、崩れた岩を破壊したり跳び越えるには、助走する広い場所が必要である。
ギアに内蔵された白いボールを取り出し、投光器のように翳してライドポケモンを呼び出す様子が「リザードンフライト」で確認できる。
騎乗者は基本的にライドウェアと呼ばれるライダースーツの着用が義務付けられているが、ヘルメットのみの着用者もいる。
水上では水着にライフジャケットを着てビーチサンダルを履く。
野生ポケモンやトレーナーとの戦闘はそれを着たままでも行えるが、眼鏡の類いは移動中も含め日除けや泥除けも兼ねず外している。
ちなみにヘルメットのデザインはルチャブルがモデル。『SM』では通常個体、『USUM』は色違いの個体のカラーリングから色を取ったと思われる。
※グラジオは本編では着ません。ハウの場合はエンディングロールで
ちなみにポケモンライドで搭乗するポケモンを手持ちに入れることは出来ないが、好きな時に呼び出して共に旅をすることはでき、地形によっては草むらを走破できるうえ、乗りながらの通行人との会話や、足元の小さなアイテムを拾う芸当も可能。
一部のNPCトレーナーにはモンスターボールで捕獲した手持ちをライドポケモンにしているケースもある。
ハウオリ市役所のNPCによるとライドポケモンが通る道は自治体によってそれらのポケモンが通れるように整備されている模様。
アローラ地方では秘伝わざによる移動は法律で禁止されているらしく、秘伝わざに関しては今回は廃止され、普通のわざマシンに変化している(例としてはアーカラ島のヴェラ火山は絶えず噴煙を巻き上げ、空ライドポケモンの視界を遮るなど事故も起こりやすい)。
また、じてんしゃやダウジングマシンもライドポケモンの能力として置き換わったため、無くなっている。
フェスサークルのアトラクションでも使用できるが、ウラウラ島にあるマリエ庭園での乗り降りはリザードンを除き止められている。
便利は便利だが、ポケモン同士や自動車との接触事故も存在している。
ただし、ポケモンごとに得手不得手がある。
- サメハダーの上では釣りは不可能で、ラプラスでは岩礁を破壊できない。
- ケンタロスでは人工岩を破壊できず、岩肌を走破出来ない。
- カイリキーは落石した岩を取り除けない。
- バンバドロの通常速度は遅い。
また、人一人が通れる狭所を通過出来ない共通の欠点も存在する。
USUMのディレクターの岩尾和昌が『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン 公式ガイドブック 完全ストーリー攻略+アローラ図鑑』公式クリエイターインタビューで語ったところによると、USUMでマンタインサーフを導入したのはメインの遊び方にメリハリをつけ、舞台となるアローラ地方を活かした結果だという。
ヒスイ地方(LEGENDSアルセウス)
シンオウ地方の過去の姿を描いた『Pokémon LEGENDS アルセウス』の舞台ヒスイ地方においても、ポケモンライドのシステムが登場。
アヤシシ・イダイトウ・ヒスイウォーグルなど、不思議な加護を受けた特別なポケモンが、主人公を認めてその力を貸してくれることとなる。
ヒスイ地方に代々伝わる特別な笛「カミナギのふえ」を吹くと、特別なポケモンが駆けつけて乗せてくれる。
なお、ラベン博士の台詞の中にアローラ地方のポケモンライドについて言及するものがあり、アローラ地方では、既にこの時代からポケモンに騎乗する独自のシステムが発展していたことが窺える。
パルデア地方(SV)
アローラ、ヒスイに続き三度登場。
物語序盤に仲間になった謎のポケモン・コライドン/ミライドン(バージョンによって異なる)を使用する。
最初は主人公より少し早い程度のダッシュと小ジャンプしか出来ないが、三ルートのうちの一つ「レジェンドルート」を進めることで波乗り・滑空・崖登りといった他のアクションを取得できる。これまでのように複数のライドポケモンを使い分けることはなく、最終的にコライドン/ミライドンただ一匹であらゆる場所への移動が可能になる。
一般的にはモトトカゲが広く使われている。ハンドルやライトなどのライド用装備や、駐輪場に相当するモトトカゲの駐竜場も存在する。
尚、他の地方のように自転車等を使用しない理由として、「パルデアは地形の起伏が激しいから、自転車では走りにくいため」と語られている。
また、スター団によってスターモービルに改造されたブロロロームについてライドポケモンの改造と語られているので、ブロロロームもライドポケモンとして使われることがある模様。
第8世代では自転車で避け切れない敵も多かったが、高速移動がしやすくなっているコラミラはその点の改善と見られる。
ライムシティ(帰ってきた名探偵ピカチュウ)
特定のイベントでピカチュウ(名探偵ピカチュウ)がポケモンに乗って問題を解決する。
当たり前だが本編との違いはポケモンがポケモンに乗ること。
アニポケにおいて
『サン&ムーン』1話の冒頭から登場。
本作中では、空ライド、陸ライド、海ライドの3種に大別され、ケンタロスがポケモンスクールの授業や街のタクシーなどで使用されている為に此処でも重要な足として利用されている。
当初アローラへ観光に来ていたサトシとピカチュウも、アトラクションとしてサメハダーに乗ってアローラの海を散策した。
レギュラーメンバーの中では、サトシのクラスメイトのカキとスイレンがそれぞれ所持している。
カキは亡くなった祖父のパートナーであったリザードンを通学と家の牧場のモーモーミルク配達用にして、アローラの島々を飛び回っている。その仕事量ゆえかパートナーのバクガメス並みにカキのお供ポケモンとしての登場回数が多く、ウルトラガーディアンズでも空ライドポケモンとして使用される。
スイレンは趣味の釣り用にラプラスを所持しており自宅近くの桟橋に留めている。座席は海釣りで使われる際は180度回転できる仕組みで、緊急の時はラプラスのれいとうビームで攻撃もする。
その他、ゲームでライドできない種族のポケモンもライドポケモンとして登場しており、エーテル財団も56話以降、UB保護を目的としたウルトラガーディアンズ用に複数のポケモンをライドポケモン仕様にしている。
ライドウェアもゲーム本編のデザインを基本に各々のメインカラーで統一されている。(サトシ→ウルトラマリン、リーリエ→ピンク、マオ→グリーン、スイレン→ブルー、カキ→レッド、マーマネ→オレンジ、グラジオ→レッドラインのブラック)。
素材自体は特殊な伸縮繊維で出来ているが、違いは肘、膝当ての有無とブーツの形状である。私的に使用する場合も有り、103話ではアーカラ島に行く際に使われ、リザードンにタケシ、ハクリューにカスミがタンデムで乗っている。
102話ではアローラへ来訪したカスミと共に無人島の宝島へマンタインサーフを用いて赴いた。サトシ達はゲーム本編で使用した波乗り用の大技を(リーリエとマオ以外)繰り出している。
ちなみに、ゲーム版のライドポケモンの半数近くはサトシがゲットした経験がある種族。
サトシも自分の手持ちの個体を思い返す台詞を言った事がある。
ライドポケモン一覧
アローラ地方
ポケモン | 能力 | 特徴 | 登録方法 |
---|---|---|---|
ケンタロス | ラッシュ | 高速の突進で特定の岩を破壊できる | ハラの大試練を達成 |
ムーランド | サーチ | 高速で走れる。隠れた道具を探せる | オハナ牧場でブリーダーと会話する |
ラプラス | スイム | 水上を泳いで進む。岩場の釣りも可能 | 試練前にスイレンと会話する |
リザードン | フライト | 空を飛んで目的の場所へ行ける | カキの試練を達成 |
バンバドロ | ダッシュ | 足場の悪い岩肌を走破 | ウラウラ島で再会するハプウと会話する |
サメハダー | ジェット | 水上を高速で進み、岩礁を破壊できる | ギーマと出会い会話する |
カイリキー | プッシュ | 人工岩を押せる | ハプウの祖母と会話する |
マンタイン | サーフ | USUMのみ。アローラの島間をサーフィンで渡れる。ミニゲームも兼ねる | メレメレ島の大試練を含め一通り散策する |
ソルガレオ | ワープ | USUMのみ。様々なウルトラスペースに移動できる。ミニゲームも兼ねる | 月食ネクロズマ撃破後 |
ルナアーラ | ワープ | USUMのみ。様々なウルトラスペースに移動できる。ミニゲームも兼ねる | 日食ネクロズマ撃破後 |
アニメ「サン&ムーン」オリジナル
ポケモン | 能力(推測) | 補足 |
---|---|---|
ホエルコ | スイム | 二人乗りが可能 |
ペリッパー | フライト | 小型ポケモンは口に入れて運べる |
ジバコイル | フライト | 上空からの実況中継に用いられる |
ガブリアス | フライト | ウルトラガーディアンズ用(サトシ専用) |
メタング | フライト | ウルトラガーディアンズ用(マーマネ専用) |
フライゴン | フライト | ウルトラガーディアンズ用(マオ専用) |
ハクリュー | フライト | ウルトラガーディアンズ用(スイレン専用) |
チルタリス | フライト | ウルトラガーディアンズ用(リーリエ専用) |
オンバーン | フライト | ウルトラガーディアンズ用(グラジオ専用) |
第6世代の要素
『XY』『ORAS』にもポケモンに搭乗できる機能やエリアが存在する。
ポケモン | 特徴 | 搭乗エリア |
---|---|---|
XY | ||
サイホーン | 足場の悪い岩肌を走破、岩を砕く | 9ばんどうろ |
ゴーゴート | 街中を移動。停留所で乗降する必要がある | ミアレシティ |
メェークル | 高速で走り、段差も飛び越せる | メェール牧場 |
マンムー | 深い積雪をかき分けて移動、岩を砕く | 17ばんどうろ |
ORAS | ||
メガラティアス | 地方中を自由に飛び回り、隠しエリアにも行ける | ホウエン全土 |
メガラティオス | 地方中を自由に飛び回り、隠しエリアにも行ける | ホウエン全土 |
ヒスイ地方
ポケモン | 能力 | 解禁方法 |
---|---|---|
アヤシシ | 高速で走れ、軽い障害も飛び越せる | オヤブンコロトックを倒してアヤシシに認められる |
ガチグマ | 隠れた道具を探し、掘り出せる | 暴走状態のガチグマを倒して落ち着かせる |
イダイトウ | 水上を高速で進み、二段ジャンプやアイテムの投擲も可能 | ススキの指示を実行する |
オオニューラ | あらゆる崖を昇り降り出来る | ノボリの案内に従い特定の場所まで行く |
ヒスイウォーグル | 空に飛び上がり、自在に滑空できる | ワサビとウォーグルに認められる |
パルデア地方
ポケモン | フォルム | 能力 |
---|---|---|
コライドン | しっそうけいたい | 高速で走れ、ジャンプや崖登りも可能 |
ゆうえいけいたい | 水上を高速で進む | |
かっくうけいたい | 高所から自在に滑空する | |
ミライドン | ドライブモード | 高速で走れ、ジャンプや崖登りも可能 |
フロートモード | 水上を高速で進む | |
グライドモード | 高所から自在に滑空する |
解禁方法:メインストーリー「宝探し」開始時に初期状態(通常速度での地面走行、低いジャンプ)で解禁、以降レジェンドルートのヌシポケモン1体撃破毎にヌシに対応した能力が解禁される。
DLC
フォルム | 能力 |
---|---|
ひこうモード | 自由に空を飛ぶ |
解禁方法:DLC「ゼロの秘宝」の後編「藍の円盤」のストーリー中にチャレンジとして一時的にゲーム形式で飛行可能。更にストーリーをクリアすると正式に解禁され、以降パルデア・キタカミ地方でも自由に飛行可能になる。
関連項目
ポケモンLPLE:一部のポケモン達は手持ちに入れるかつ、連れ歩き状態にすることで乗ることが出来る。
ポケモンレンジャー光の軌跡:自分の手持ちでないポケモンを呼び出して陸・水辺・空を移動できるシステムがある。
モンスターハンターストーリーズ - オトモンのライドアクションと妙に共通点が多い。
ドラゴンクエストモンスターズジョーカー3 - ライドシステムとして、モンスターマスターが仲間モンスターに乗って移動・戦闘可能。
ライダー(Fate)- 幻獣に乗るという点で共通。