「理由など必要ない! 仮面ライダーを倒すこと。それが俺の使命だ!」
「人間を守ることが俺の本望なのかもしれない・・・霧子」
演:上遠野太洸
変身する仮面ライダー/戦士
概要
仮面ライダードライブこと泊進ノ介のライバルに相当するロイミュードの殺し屋。
偶に彼をロイミュードの幹部の一人だと勘違いする人もいるが、彼はあくまでも幹部直属の殺し屋であって幹部ではなく、幹部としての権限等は一切持っていない。
一方で、彼に命令して動かす権限は幹部達にしかない。
人間態は、紫色のライダースジャケットを身に纏い、髑髏をあしらった指輪を付けた冷たい印象を受ける青年。なお、人間態のモデルとなった人物についてはエピローグの項にて。
魔進チェイサーの姿になる際は、変身ツール「ブレイクガンナー」の銃口を手に押し付け、ブレイクガンナーの「ブレイクアップ」の発声と共に変身する。
彼の役割は幹部達の設定したルールに背いたり、彼等の意に反する行為をして目を付けられたロイミュードを処刑する「処刑人」であり、同時にロイミュードを敵対者から守ってその相手を排除する「番人」でもある。
その為に、仲間内では「死神」という異名で呼ばれているが、彼の場合は処刑したロイミュードのコアまで破壊せず、すぐさまブレンが回収して一から人生をやり直す機会が与えられる。
彼からすればむしろ、コアまで完全に破壊し消滅させてしまう仮面ライダードライブの方こそが本当の死神だと怒りを露わにしており、ロイミュードに対しては強い仲間意識を持ち、大切に思っている模様。
その一方で、人間の事は軽蔑しており、クラッシュ・ロイミュードの事件の際は「人間は知恵を得た事で本質が悪になった」と吐き捨て、進ノ介の心に迷いを生じさせ戦意を大幅に下げてしまった。
しかしながら、仮面ライダーを抹殺するのは使命だと思っていても、
「人間は絶対に殺さない」
という独自の美学も持ちあわせており、たとえ敵として現れても、人間にだけは止めを刺さず退く事もある。
本人曰く「殺す価値もない」との事だが、第11話にて停電が起きたら数多くの人々の命が危険にさらされると知るや、心が揺らいでドライブをわざと見逃してしまうなど、軽蔑以外の感情も持ち合わせているようであり、完全な悪人とは言い切れない。
また、メディックに再洗脳された事でドライブと勝負する為に、詩島霧子を誘拐して人質にするという行動も見せたが、一時的に洗脳が弱まった際には人質を取るという卑劣な行為をとった自分に対して戸惑いを見せていた。
進ノ介に対しては「奴を見ているとイライラする」と語る一方、彼がブレンの毒によって瀕死に陥りながらも逃走した際は、「奴はいずれ死ぬ」と言うブレンに「分からんぞ、仮にも仮面ライダーだ」と述べ、敵として決して侮ってはいない。
一方の進ノ介は、敵でありながらも真っ向勝負を仕掛けてくるその姿勢や、決して無関係の市民を巻き添えにしない事をそれなりに評価しており、「嫌いになれない」と語っていた(一方のチェイスは「俺はつまらん軽口ばかり叩くお前が嫌いだ」と一蹴していたが)他、新たな死神を名乗るメディックに対して「おまえとチェイスを一緒にするな!」と怒りを露わにし、第22話における決戦の後には「おまえが味方だったら…」と口惜しそうに呟いている。
おまけに自らの過去の記憶を全て失っている模様で、迷いの無い素振りを見せつつも、ドライブと幾度と無く戦う内に己が何者なのか疑問が生まれ始め、徐々に不安定になっていく。
プロトゼロ
第11話にて登場した、チェイスの真の姿。
同話では本人でさえ理解できない衝動によって人命が失われる事に動揺する姿を見せ、ロイミュードとしての姿を見たベルトさんも驚き、ブレンは彼が危険な存在になる事を危惧するなど、その正体に関して様々な人物の反応が描かれている。
プロトドライブ
「俺…が…この俺が…仮面ライダー……?」
第14話にて、遂に彼の過去が語られることとなった。彼の正体はグローバルフリーズの夜、詩島霧子を救ったプロトドライブだったのである。
グローバルフリーズ後に復活したハート・ロイミュードとの戦いに敗北した後、ブレンによって記憶を消されたことでロイミュード側の戦士である魔進チェイサーに変貌した。しかし消去が不完全だったために「人間を傷つけない」という命令を無意識に守っていたが、正体を知ったことで錯乱を起こした際にメディックによって再洗脳され、命を救った霧子にすら躊躇いもなく引き金を引くほどに変貌した(この変貌っぷりには流石に進ノ介もショックだったのか、「本当の死神になりやがって…」と呟いていた)。また、再洗脳されている間は瞳が灰色がかった紫になっている。
なお、再洗脳の方法とは、元々チェイスに残っていた人間を護るという基本データは消せないため、護る対象を人間→ロイミュードに置き換えるという方法であり、それ故に死神としての役割(幹部勢の意向にそぐわないロイミュードの処刑)が出来なくなるという欠点を持っている。
逆に考えれば、暴走した同胞を公正させる際、その人物すらをも護る行動を起こす可能性が有るという、メディックが言ったように“危険な方法(諸刃の剣)”である。
仮面ライダーチェイサー
「人間を救うのは…俺の本能なのかもしれない。」
第22話でドライブと完全に決着をつけるために魔進チェイサーとなって激戦を繰り広げる。重加速以上の空間を展開して翻弄するが、タイプフォーミュラにフォームチェンジしたドライブの渾身の一撃によってついに敗れ散った。
と思われていたが、霧子が帰宅途中に瀕死の重傷を負って倒れていたチェイスを発見(演出からして、砕け散ったコアに見えたのはブレンの毒が塊になって排出されたとされる説もある)。廃病院でマッドドクターの治療を受けることになる。ロイミュードであることを知りながら自分を助け出した霧子を前にして、チェイスの心は大きく揺れ動く。
そして、シュート・ロイミュードの事件が片付いた頃に復活。第24話では完全に回復し、第25話では融合進化態となったソード・ロイミュードを倒す(ロイミュードと融合した人間とを分離させ、ロイミュードのみを撃破する)ために必要な強化ロイミュードの体組織サンプルとして、魔進チェイサーの装甲の腹筋部分を剥ぎ取り、霧子に託している。
そして、第26話では負傷した進ノ介や戦闘不能に陥った詩島剛に代わり、霧子から託されたマッハドライバー炎とシグナルチェイサーを使い、仮面ライダーチェイサーへと変身。復活したソード・ロイミュードと戦い、これを撃破する。
だが、それでもなおチェイスは「自分が誰のために闘っているのか」「自分が今更仮面ライダーとなることが許されるのか」を自問自答する等苦悩を続けているようだ。
しかし、霧子や進ノ介に対しては恩義を感じている様で、彼女らの協力の要請にはかなり素直かつ積極的に応じているほか、剛/マッハがとある理由でロイミュードと行動を共にしていた際には、マッハに変わる相棒ライダーとして、苦戦するドライブの元に駆け付けてピンチを救ったことも何度かあった。
第28話にて剛が家族の記憶を利用され暴走していく様を見たことでその人物に使命を忘れさせる『家族』というキーワードに疑問と興味を抱き、続く第29話では同じく家族という存在に心を乱され「市民を守る」と言う自らに課した使命を忘れて、敵として現れたマッハと交戦するドライブに
「何をしている! 人間を守るのが仮面ライダーの使命ではないのか?!」
と一喝する事でドライブに冷静さを取り戻させた。
人間ではなく機械生命体であるが故に人間の感情についてはまだ疎い面があり、上記のように家族という存在について考え込んだり、「誰にも聞かれなかったから」という理由で001(フリーズ)の能力の詳細を話さなかったりするなど、融通が利かない面を見せることもある。
ただし第30話では敵に回った剛の事を心配する霧子が心を乱さない様に虚偽の報告をしたり、第33話で進ノ介を失い悲しみに暮れる霧子のために剛を取り戻しに敵の幹部4名が勢揃いするロイミュードのアジトに単身で乗り込む等、人間を守ると言う義務にも似た使命とは別に、人間を思いやる様子も少しずつ見せてきている。
規律を乱したロイミュードのボディを破壊する任に付いていたためか、ルールという物を遵守しようとする几帳面な面があり、「(図書館では)本を静かに読むのが人間のルールではないのか?」と進之介に問いかけたり、人間の世界では運転免許が必要と知ると運転免許の取得を試みようとした(後述)。
その後も基本単独で行動しているが、ブレンがマッハをおびき出すために霧子を襲った際、彼女を守るために現れたり、ブレンの毒対策に霧子からマッドドクターを渡されて進ノ介のもとに現れたり、ブレンの毒に侵された唐沢ゆかりを救おうとするなど、仲間のために行動することが多い。
特に、蛮野博士が搭載されたタブレットを奪ったために、ロイミュードから狙われることになった剛を気にかけているようであり(ただし剛はあまり気に入っていないのか「俺はお前のダチじゃねえ」「懐くな!」などと突き放されている)、時に彼の持つ蛮野博士の力を頼ることもある。
また、ロイミュードの元幹部であったためか、海外から招集され剛を襲った006とは面識があるようである。
第39話ではトライドロンの操縦に必要な四輪免許を取得すべく教習所に通い、40話で無事に免許を取得、トライドロンを操縦してドライブとマッハの窮地を救う活躍を見せた。また、40話のラスト以降、泊進ノ介のことを「進ノ介」と下の名前で呼ぶようになった(それまでは「お前」や「泊進ノ介」と呼んでいた)。
第43話以降、霧子に対して想いを寄せているかのような描写が見られるようになっており、そのことを進ノ介や剛に相談している(当然、剛には反発された)。
結局この件は、第44話で進ノ介と霧子が両想いだと知ったことで、「失恋」として胸に留めることにした(なお、画面では分かりにくいが、しっかり泣いている)。本人は初めての失恋に多少なりのショックを受けたようだが、その痛みも「人間らしさ」の発露として愛おしく思い、2人の幸を願うためにも戦い続けるという決意を新たにしている。
数奇な運命、その雄姿
自らの野望を成就させるため、大規模な侵攻に打って出た蛮野=ゴルドドライブ。
チェイスを含む仮面ライダーたち、そして特状課の面々は人類を守るための最終決戦の計画を練る。
決行前夜。チェイスは一人、剛が傷を隠し戦いに赴こうとしていることを見抜いていた。
そんな剛を気遣い戦線離脱を促すが、逆に同じ状況でチェイスが剛に忠告されても聞く気はないだろう、と返され、剛は忠告を聞く気は無かった。
そして作戦の決行当日。進ノ介、剛と共に蛮野の元へと突入し、更にハート、メディックを加えた5人で、ついに蛮野との最終決戦の幕が上がる。
最上階への侵攻を進ノ介、ハート、そしてメディックに任せ、チェイスは自らの手で蛮野を止めようとする剛と共に残ることを選択する。
だが剛は負傷のせいで必殺技を放つことが出来ず、蛮野の必殺技によって地下へと叩き落とされ変身を解除させられてしまう。
剛を守るために後を追ってチェイスは果敢に蛮野に挑んでいくも、その力には敵わない。
「裏切り者の出来損ないが!!」
蛮野には口汚く罵られ、マッハドライバー炎を破壊され、彼もまた変身解除に追い込まれてしまう。
チェイスの目の前で、蛮野はシンゴウアックスを拾い上げ、剛を抹殺せんとそれを振り上げた。
だがチェイスはとっさに魔進チェイサーへと変身し、身を挺して剛を庇い蛮野に一矢報いるも、代わりに攻撃を受けたことで既にその身体は限界を迎えていた。
「何やってんだよ!」と困惑し声を荒らげる剛に「霧子が愛する者たちを守れるなら本望だ」と告げるチェイス。「人間を守る」という使命だけではない、彼個人の意志が、そこにはあった。
「人間が俺にくれた……宝物だ」
「俺とお前は“ダチ”ではないが…持っていてくれ。燃えてしまうと、勿体ない」
そう言って、チェイスは剛に免許証とシグナルチェイサーを手渡す。頑なに『ダチ』であることを認めようとしなかった剛に。
そして、限界の身体で最後の力を振り絞り、チェイスは蛮野へと捨て身の突撃を行う。攻撃をかわし、その身体に組み付いたチェイスは、蛮野を自分諸共倒すために、自爆の道を選んだ。
爆炎と共に蛮野の叫びが木霊する中、身体を失ったコアは空中で破砕した。
"最初の仮面ライダー"として人類を危機から救い、"ロイミュードの死神"として仮面ライダーたちと激突し、そして再び仮面ライダーとして立ち上がったチェイスの運命は、まさしく数奇なものだった。
人間を守るという使命に従って、同族であるロイミュードを倒し、創造主である蛮野に歯向かった彼は、最後に「裏切り者の出来損ない」と罵られた。
それでも自らの愛する者のため、信じて共に戦ってきた仲間のために、使命すら超え自らの命をも投げ打って戦った彼の姿と魂は、誇り高き守護者そのものだったと言えるだろう。
その死に剛の元に駆けつけた霧子や進ノ介はもちろん、ハートは「敵としても味方としても尊敬できる戦士だった」と評し、かつてチェイスを改造、洗脳したメディックすら「あなたにも酷いことをしてしまった」と心の中で彼に詫びるなど、彼の死を嘆き悲しんだ。
コピー元
チェイスは最期まで人間態のコピー元が明かされず、コピー元が気になる者が多かった。
しかし、ロイミュードとの決着が付いた後に初めてそれが明かされる。
全ての戦いは終わったが、進ノ介は仲間との別れが受け入れ難く、特状課に顔を出すのを渋っていた。そんな彼と霧子の乗る車を、一人の白バイ警官が停車させる。進ノ介の自家用車が手配中の盗難車と似ているとして免許証提示を求めた彼の顔を見て、進ノ介と霧子は一瞬驚いた後、笑い出す。その顔はチェイスそっくり。すなわちその白バイ警官・狩野洸一(かの こういち)こそがチェイスのコピー元となった人物だったのだ。
(名前を見ればわかるように、演じる上遠野氏の名前を模して付けられている)
チェイスの元となっただけあって筋金入りの生真面目な堅物で、進ノ介が警察官と分かっても全く物怖じせずにナンバーの確認を取るなど、ぶっきらぼうながら任務遂行に大変忠実な男だった。「友達いないだろ?」と指摘されて、動揺しつつも肯定する彼に進ノ介は「今度会いに行く」と約束する。「別にダチなど必要ない」とぼやきながら去ってゆく狩野の背中を見送りながら、進ノ介は特状課に別れを告げる決意を固めた。
ベルトさん、チェイス、ハートらに託された未来へと進むべく、ようやくギアを入れ直したのだった。
そして…
最終回が放送された9月27日、なんとチェイスを主人公としたVシネマ『ドライブサーガ 仮面ライダーチェイサー』が制作される事が発表された。
発売日は2016年4月20日で、初回限定版にはキャストボイスが収録されたDXブレイクガンナー(ドライブサーガver.)とライノスーパーバイラルコアが付属する予定。この作品や特典については、仮面ライダードライブ/バイラルコア/ブレイクガンナーの個別記事などや公式サイト(後述)を参照されたし。
更に、この作品の発売と同じ日に本編最終回の2年後を舞台にした公式小説『小説仮面ライダードライブ マッハサーガ』が発売される。主役は剛が務め、彼のその後や初変身時のエピソードが語られる。内容の一部がドライブサーガとリンクしているらしく、こちらからも目が離せない。
劇場版『仮面ライダージオウ Over Quartzer』においても、詩島剛の回想において登場。
剛は今も彼が復活することを諦めておらず(この辺りの経緯は『仮面ライダーブレン』のラストシーンにおいても描かれている)、そのために必要な知識を持っているクリム・スタインベルトがクォーツァーの歴史介入の影響で一時的に消滅の危機に瀕した際には大変動揺した素振りを見せ、どうにかしてクリムの消滅を阻止して欲しいとソウゴとゲイツの両名に必死に頼み込んでいたほどだった。
死神再び
「俺は死神。仮面ライダーなど凌駕する!」
そして遂に「仮面ライダージオウ」EP47・48に登場。劇中では仮面ライダーチェイサーではなく魔進チェイサーとして登場する。
また、ジオウ本編に登場するレジェンドとしては彼が最後となった。
活躍
- EP47『2019:きえるウォッチ』
ドライブのライドウォッチが壊れた影響でドライブの歴史が解放され、他のロイミュード達やその他大勢の怪人達を率いてゲイツやウォズと敵対。デッドリベレーションなどを駆使して2人を変身解除させるほど圧倒する。
ウォズによると、ドライブの力をソウゴが継承していた事により、オリジナルのドライブの存在が消えている状態でドライブの歴史が解放されたため、チェイスを含め他のロイミュード達も倒されなかった事になっている模様。
そのため、今回現れたチェイスは「仮面ライダーが存在しない世界」からやって来た事になり、当然マッハこと詩島剛の事も知らなかった。
しかし「お前達が仮面ライダーだから」とゲイツ達を襲う理由に対し、ゲイツからは「いないはずのライダーが何故敵になる!?」という矛盾を指摘される。その問いにチェイスは何も答えられず、その直後に過去の記憶がフラッシュバックする事となり……。
- EP48『2068:オーマ・タイム』
ウォズギンガファイナリーがツクヨミを護衛しながら敵怪人を倒している最中、ツクヨミに襲いかかってきた下級ロイミュードからツクヨミを救い、瞬く間に敵を撃破する。
「何故だ……? 何故俺は人間を助けた……!」
この際、ロイミュードである自分があろうことか人間を救ってしまったと苦悩し、そこにウォズから「本来の歴史では、自分もまた憎むべき仮面ライダーであった」ことを明かされる。しかし、
「俺は………死神だッ!!」
自らの失われた記憶に戸惑うチェイスは、逆上のあまり再び魔進チェイサーへと姿を変え、ウォズとツクヨミに襲いかかった。
しかしテイルウィッパーによる必殺技を放った瞬間、ウォズギンガファイナリーがジオウトリニティの召喚によって姿を消したため、今度は無防備になったツクヨミを襲撃する。それでも彼女を攻撃する事ができず、そこに現れたスウォルツが変身するアナザーディケイドに静止されてしまう。
そしてアナザーディケイドが実の妹を消し去ろうとした途端、あろうことか自ら盾となってツクヨミを守った。そしてアナザーディケイドに対し、激昂して立ち向かう。
かつて己の欲望のままに暴走した男に立ち向かったように。
「お前は人間だろう!?それが人間の心かっ!」
「人間の心とは……もっと美しい筈だ!!」
しかし、アナザーディケイドの圧倒的な力に押されてしまい、ファングスパイディーの必殺技もアナザーディケイドのオーロラカーテンの能力でかわされ、とうとう致命傷を負わされてしまう。
そして今際の間に駆けつけたゲイツに、自分もまた憎むべき仮面ライダーであったことを打ち明ける。その姿にゲイツは、チェイスが仮面ライダーを憎んでいたように、ロイミュードを憎みながらも最後にはそのロイミュードを友と呼ぶ男がいたことを伝える。
「お前、友がいるぞ……お前を助けようとしている友が」
「……俺に……友が……?」
「俺達も……お前の友だ……!」
そして、最後に安らかな表情を浮かべながら、ゲイツの腕の中でその命を終える。
「……いいものだな……人間、とは………」
肉体は粒子へと還り、残った栄光のナンバーである000のコアも、空に儚く消えていくのだった……。
余談
- なかなか気づきにくいが、ライダーシリーズを通して正規ライダー・擬似ライダー・怪人の三股を掛けている珍しい例である。
- 悪側から正義の仮面ライダーになるという設定についてプロデューサーの大森敬仁氏は2021年の『仮面ライダードライブ』 トークイベントで登壇した際に最初から決まっていたと語っている。
- 脚本を担当する三条陸は彼の立ち位置を新撰組の沖田総司あるいは斎藤一にたとえている。
- 普段は無表情で、味方になった後もそれは変わらないのだが、ドライバーズライセンスの写真は別人と思えるぐらい満面の笑みで映っている。この詳細についてはWeb版のCMやドライブサーガにて語られている。
- コピー元の狩野よりもより堅物で機械的な低めの口調で話すが、初登場の第2話では以後の口調よりも人間的で声色もやや高かった。
- 「仮面ライダードライブ~スペシャルライブ~」にて、仮面ライダーチェイサーに変身した時の撮影の時を語った。変身前の雨の中での変身場面の写真を観た詩島剛役の稲葉友氏は『うわぁぁぁ、かっけぇぇぇぇぇ!!!』と痺れていたがその後『(思わず)おっきぃ声出しちゃった……♪』と語った) ロイミュード側につくか人類側につくかの悩みを振り切って『人類側につくことを決意した時が、この場面!』と出したのは、なんと000と霧子が握手をしている写真。これを見た稲葉友氏は『お客さん達、絶対ここで【仮面ライダーチェイサー】の写真が来ると思ってたぞ!?』と驚いていた。だが、これにはちゃんと理由があり曰く『ロイミュードと人間は、解り合えるんですよ!』とのこと(このコメントに役者達と客は納得してしまったという)。
- ジオウ客演時に見せた本来の歴史なら仮面ライダーになったはずの怪人が、己の心に従いその力を使って誰かを助け、善を成そうとするという姿はアナザーディケイド、敷いては本編におけるアナザーライダー全てに対するアンチテーゼともいえるものであり、レジェンドキャストの大トリを務めるにこれほどふさわしいことはないだろう。
- さらにチェイス自身もかつて仮面ライダーであったことも踏まえれば、ドライブの世界は「たとえドライブがいなかったとしてもまた何らかの形で仮面ライダーが再び現れうる、すなわち「仮面ライダーがいなくならない世界」であるとも考察できる。
- なお、ダチの剛は本編ではなく劇場版『Over Quartzer』の方に出演したため、結果的にすれ違う形になってしまっている。
- 次回作『仮面ライダーゴースト』の3号ライダー・アラン/仮面ライダーネクロムとは敵勢力の一人、当初は敵対していた、物語の途中で人間の心を理解し味方になる、人間世界と常識が異なる事からの天然ボケなど共通点が多い。
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