ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!
どきどきげーむのせかいでだいぼうけん
わたしたち、ゲームの世界に入っちゃった!?絆のパワーでゲーム対決♪
とどけ…!だいすきな想い!
『わんだふるぷりきゅあ!』の単独映画。正式タイトルは『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!』。2024年9月13日公開。
『夢みる♡お子さまランチ!』以来となる単独のプリキュア映画なのだが、前作の『ひろがるスカイ!プリキュア』及び続編が決定している『魔法つかいプリキュア!』との共演が発表されている。単独映画でのクロスオーバーは通算3作目(三作品のプリキュアが共演する映画は『映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日』以来4年ぶりだが、単独映画であれば初)。
映画公開直前となる9月8日に放送された『わんだふるぷりきゅあ!』第32話では、映画宣伝の一環として『ひろプリ』と『まほプリ』のキャラクターがカメオ出演した(声ありは『ひろプリ』のみ)。
タイトルについては従来の作品の頭に必ずついていた「映画」が付かず、メインタイトルの後に「ざ・むーびー!(THE MOVIE)」を付けているのが特徴。
『プリキュアオールスターズF』で復活したミラクルライトは本作では配布せず、再び指輪型の入場者特典となり、中学生以下に「フレンドリング」が配布される。
東映アニメーション側のプロデューサーは、前作の『ひろがるスカイ!プリキュア』のTVシリーズでプロデューサー補を務めていた舟腰優子。
監督は宮原直樹。プリキュアシリーズにおけるダンスエンディングCGの父とも言える人物で、フレッシュプリキュア』のED以降複数の作品にCGディレクターとして参加しており、映画では『プリキュアオールスターズDX3Dシアター』や『Petit☆ドリームスターズ!』で監督を務めている。直近では『プリキュアオールスターズF』で演出を担当しているが、プリキュア長編映画の監督は今作が初となる。
本作のCGディレクターについては中沢大樹が務める。『プリキュアオールスターズNewStage』や『キュアフローラといたずらかがみ』で同職を務め、直近では宮原も演出で参加している『THE FIRST SLAM DUNK』のCG演出でその名をあげた。
なお、監督が宮原でCGディレクターが中沢というコンビは、プリキュアシリーズとも因縁深い『ポッピンQ』以来となる。
脚本には児童向け玩具販促アニメの世界ではよく知られる加藤陽一がプリキュアシリーズ初登板。加藤はバンダイのライバル会社がスポンサーをしている、プリキュアと同時間に放映されている裏番組で10年以上シリーズ構成を続けていたので、絶対にプリキュアシリーズに関われない人とファンの間では囁かれていたのだが、今回の起用はその裏番組が2024年3月に一旦終了したのもあるのかもしれない。本人もインタビューではタイミングが良かったと発言している。ちなみに加藤の妻は『映画 ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ』以降のプリキュアシリーズ関連楽曲の作詞を手掛け、今作でも挿入歌「大好きのキズナ」の作詞を担当したこだまさおりである。
キャラクターデザインは『ひろがるスカイ!プリキュア』で作画監督として参加していた宮谷里沙が担当。
宮谷は脚本の加藤と共に、同じバンダイつながりの女児向け作品『アイカツ!』シリーズに長く関わっていたことがあることから、PV映像とあらすじが公開された際はアイカツっぽい雰囲気を感じるという声もちらほらと出ていた。
ちなみに本作に出演するプリキュア声優には(メインの)アイカツアイドルが3人いる。
『F』では実施されなかった専業声優以外の芸能人のゲスト出演も再び実施され、本作ではお笑いコンビのジャルジャルを起用している。
本作の舞台はゲームの世界であり、こむぎ達がゲームの中に入り込んで冒険する内容となる。
公式サイトのキービジュアルもゲームソフトのパッケージデザイン風となっている。
前作『オールスターズF』のスケールの大きさから少し身近なところに目先を戻すという意図もあり、遊園地のように楽しめて、見ている子供たちが飽きないようにする作品として作られ、監督も要素が多く、欲張りな作品と述べている。
ゲームの世界はCGで表現されており、ゲーム内でプリキュア4人は頭身が下がったデフォルメがされ、動物キャラクターは二足歩行ができるようになる。監督の宮原によると「もっと身近な存在に感じられるように、ゲームの世界ではプリキュアのサイズを小さく、動物たちを二足歩行にして、目線がぐっと近づくようにしました」。
過去に作画とCGのハイブリッドを採用した『オールスターズメモリーズ』等と同様、本作でもCGパートの台詞がプレスコ形式で先に収録され、その後作画パートがアフレコされている。CGパートはキュアニャミーが謎の第三勢力として暗躍していた時期の収録で、映像も完成していなかったという。
映画の重要な動物がタヌキなのは、テレビシリーズとは違う形で動物との絆を描く意図のもと、ペットとして飼えない動物から選ばれたため。他の有力候補にヤマネコがいたが、ニャミーと被る上に生息地域も限られるため、タヌキに決まった(アニメディア2024年11月号における舟腰プロデューサーのインタビューより)。
一見すると「ゲームの世界で冒険」という本作は動物保護をテーマにした『わんぷり』本編の内容とはかなり乖離がある内容にも思えるが、21年目という事で新たな映像表現にチャレンジしようという話になり、作画とCGで舞台を切り替える形式が決まり、そこから従来のシリーズではあまり描かれなかったゲームの世界を舞台にする事になったとのこと(出典)。
それでも『わんぷり』との接点として、気持ちが伝わりにくいものとの関係から絆というテーマを扱うという狙いやゲームなどでのデジタルペットの存在も関係はあった様子。
また動物保護をテーマにした本作は、様々なアニマルが黒き獣と化しても、決して倒さずに助けるという優しい方法になっているので、「ゲームの世界」で例えるなら、あのゲームに近いか。
テレビシリーズの時系列では「32話くらい」という想定で制作されており、ニコやダイヤモンドリボンスタイルが登場し、本作に出てこないガオガオーンの名前も言及されている一方、まだ悟がいろはに片想い中である事からも、30話から35話までの間の時系列に当たる。
ゲストプリキュア
2021年春に公開された『ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!』にて参戦したプリキュア5や同年秋に公開された『雪のプリンセスと奇跡の指輪!』にて参戦したハトプリに続いて、今年はひろプリやまほプリが参戦した。
『ひろプリ』が選ばれたのは昨年の作品という事で現在のプリキュアシリーズの視聴者層にも馴染みがあり、もう一つのチームを加えた3シリーズにしたかった中で『まほプリ』が選ばれたと答えている。
舟腰プロデューサーは『まほプリ』の参戦理由について「『わんぷり』を観ている子供たちが動物を飼いたくなっているかもしれない、でもいろいろな事情で飼うことができない子もいるだろうと想像していた中で、どのシリーズのプリキュアに出てもらうのがいいだろうかと考えた時に、『まほプリ』にはモフルンがいたなと思いました」「(動物ではないモフルンのような)ぬいぐるみや、おもちゃ、ゲームのキャラクターとも心は通じているんだよということを伝える役割を担ってもらいたいという思いがありました。『まほプリ』の起用にはそういった想いも含まれています」と話している(出典)。宮原監督も「続編のことも考えていましたが、それだけではなくモフルンの存在が大きい」「モフルンは、ぬいぐるみですけど、プリキュアと気持ちが通じています。動物と飼い主の関係に近い」と同様の趣旨の発言をしている(出典)。
宮原監督は短編でモフルンを取り上げたことがあり、また2025年1月からTV放映される続編『魔法つかいプリキュア!!~MIRAIDAYS~』の影響も一応はある様子。
『ひろプリ』の参加については前述以上の説明は公式にはないが、ファン側の推測として、前年の『ひろプリ』が単独映画を公開できなかったことに対する埋め合わせも意識していると思われる。
(『ひろプリ』放映年に公開された映画作品は、『ひろがる!スカイプリキュア』の名を冠する映画ではなく、シリーズ20周年記念作『プリキュアオールスターズF』となったことで、『ひろプリ』自体はメインとして扱ったとしているもののキャラクターの出演の尺は相対的に少なくなってしまっていた)
本作の映画プロデューサーの舟腰優子氏は、『ひろプリ』のTVシリーズのプロデューサー補であり、『ひろプリ』について知り抜いている人物でもある。彼女は「TVシリーズのその後のみんなの様子が感じられるような登場にしたいなと思って進めていきました。“相変わらずの関係性なのかな?”とか、『ひろプリ』ファンの方もそういった目線で楽しんでいただけると思います」とコメントしている。
本作品ではあくまで『わんぷり』の単独映画という意識で制作されているため、『まほプリ』『ひろプリ』は終盤のラストバトル以外の活躍は控えめとなっており、映画の主題となるゲームの世界の冒険にはモフルン以外は参加しておらずCG化もされていない(ただし『まほプリ』『ひろプリ』をゲーム内に参戦させる構想はあった。詳細はこちらを参照)。したがって前述した2021年の映画2作品ほど過去作とのコラボレーションを重視した内容ではなく、むしろ『映画キラキラ☆プリキュアアラモード』に『まほプリ』がゲスト出演した時のスタンスに近い。
『わんぷり』の攻撃をしないという作風から客演等での従来のプリキュアらしい活躍は難しいのではないかという考えは以前から一部のファンの間でも度々懸念、あるいはネタにされてきたものだったが、本作では鷲尾天エグゼクティブプロデューサーのアイディアで生き物を倒す描写を避ける形で活躍している。
公開日からの3日間で動員29万5000人、興収3億6700万円を記録、祝日となった9月16日を含めた4日間では動員40万5000人、興収4億9700万円を記録。いずれも前年の『F』に次ぐシリーズ歴代2位(オールスターズ映画以外では歴代最高)のオープニング興行であり、映画観客動員ランキングで初登場第2位に入った。
さらに10月5日の時点で興収10億円、累計動員80万人を突破。本作品は過去2作品とのコラボ要素があるとは言え、オールスターズ映画以外では初めて興収10億円を突破している(オールスターズ映画を除いた、これまでの秋の単独映画の最高記録は『映画ドキドキ!プリキュア』の約9.5億円)。
10月21日の時点で興行収入11.5億円を突破。これにより『HUGっと!プリキュア』の単独映画とオールスターズ映画を兼ねていた『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』の興収も超え、単独映画では歴代1位、プリキュアシリーズ全体でも『F』に次ぐ歴代2位の記録を達成した。
巷で大人気のゲーム『ドキドキ♡タヌキングダム』をプレイするために集まったこむぎ達だが、なんとゲームの世界に吸い込まれてしまい、いろはとまゆが囚われる。こむぎ達は2人を助けるためにゲームに挑戦する事になるが…。
挿入歌
『大好きのキズナ』
『しあわせえぼりゅ〜しょん♡ こむぎ&いろはver.』
- 作詞:マイクスギヤマ
- 作曲・編曲:石塚玲依
- 歌:石井あみ&後本萌葉
エンディングテーマと挿入歌はテレビ本編担当の3人+歴代歌手から北川(劇伴音楽にコーラスで参加)という体制だが、デュエットの組み合わせはEDの2人は同事務所所属、挿入歌の2人は客演作品のOP担当歌手となっている。
テレビシリーズのエンディングテーマ2曲も劇中の挿入歌として使用されている。
SL大樹:本作の公開を記念して「わんだふる号」「にゃんだふる号」が運行される。また、系列施設である東武ワールドスクウェアでは去年に引き続きタイアップイベントが開催される。
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