ASTROBOY
あすとろぼーい
日本初のTVアニメ番組『鉄腕アトム』は日本で初めて海外放送されたのだが、アメリカに輸出する際に「atomは『オナラ』を表すスラングだからカッコ悪い」と言われ、急遽変更されたのが『ASTROBOY』というタイトルだった。
後にアトム誕生の年である2003年に製作された第3期アトムもこのタイトルが逆輸入されて『ASTROBOY 鉄腕アトム』のタイトルで放送されることとなったのである。
『ASTROBOY鉄腕アトム』は2003年4月から2004年3月(または4月上旬)にかけてフジテレビ系列局、青森テレビ、テレビ山梨、テレビ山口(いずれもTBS系列局)、アニマックスで放送された。
アニメーション制作は手塚プロダクション。
2003年とは鉄腕アトムの誕生した設定年代であり、それに合わせて原作を大胆にリメイクしたアニメとして製作された。
OP・EDはデジタル、本編はセル画で製作され、手塚作品のセルアニメとしては最後の作品となった。
話は人気のある「アトラスの巻」や「地上最大のロボット」などを中心にほとんどをオリジナルエピソードで繋ぎ、手塚スターシステムを死ぬほど贅沢に使用している。
本作は1期、2期とは異なり最初からお茶の水博士がアトムを保有している。そのため天馬博士がアトムの製作者であることは中盤まで伏せられていた。
中盤で原作最大の山場となる青騎士編が開始し、物語は最高潮を迎える。
この作品で天馬博士を演じる俳優の大和田伸也は、さまざまなアトムグッズを自宅リビングに飾り、「アトムは、理想の息子」と言うほど少年時代からの鉄腕アトムの大ファンであり、これを知った手塚プロダクション関係者より念願かなって天馬博士の声を担当した。
OPはあえて「鉄腕アトム」(空を越えてラララ星の彼方のアレ)を使わずZONEの「True Blue」を使用している。今の10代・20代にはとてつもなく琴線に触れる名曲である。また中期はCHEMISTRYの「Now or Never」になり、これもまたイメージをガラリと変えて視聴者にインパクトを残す。
ちなみに後期EDが「鉄腕アトム」をカバーしたもので、放送エピソードの内容によりスカパンクバージョンとバラードの二つを使い分けている。
前期EDは藤井フミヤの「BOY'S HEART」。フミヤは劇中でもロックの声優として出演している。
脚本家や監督の中には平成ウルトラマンシリーズを担当した者(太田愛や長谷川圭一など)が多く参加している。そもそも本作の監督からして平成ウルトラマンシリーズでおなじみの小中和哉なのだから当然と言えば当然だが、小中監督自身は「自分の周囲にいる手塚好きを集めたらこうなっただけで、意図してウルトラシリーズのスタッフを集めたわけではない」事を明言している。(たとえば本作の初期脚本を務めた小中千昭などは言わずもがな監督の兄であり、また本作で中後期のサブライターを務めて後にウルトラシリーズに関わった小林弘利などは小中監督とはもとから同人映画時代の仲間で互いのデビュー作である『星空のむこうの国』からの参加である)
- アトムの両親やコバルトが登場しない。
- 全体的にメカやロボットが丸みの多いデザインから近未来的にリファインされている。
- 海外展開を考慮し、アトムの友達である四部垣やケン一が異国人風に描かれている。
- 天馬博士が第二の自分として創り出したオリジナルロボット「シャドウ」の存在。
- 原作ではチョイ役だったゲジヒトをモデルにしたロボット、デルタが準レギュラーとして登場。
- エプシロンが女。
- アトムの担任がヒゲオヤジじゃない、めっさ若くて美人の女教師。ヒゲオヤジは私立探偵伴俊作として登場。
- 原作以上に反ロボット派の息がでかい。ランプが議員として登場しロボットの排斥を訴えている。
- 天馬博士が原作よりエゴイスティックな性格。
- Dr.カトウというどー見ても七色いんこにしか見えない爆弾魔の存在。アニメ2期では凄腕のサイボーグ私立探偵として登場したのに…。
- おねショタ。
- 全体を貫くのが天馬博士とアトムの愛憎、そして和解への道のりであり、ピグマリオン・コンプレックスを原作以上に克明に描き出している。
友人・協力者
敵対人物
ライバル
その他人物
オープニングテーマ
「true blue」 (第1話~第25話,第49話,第50話)
作詞:町田紀彦
作曲:町田紀彦、吉松隆
編曲:山原一浩
唄:ZONE
「Now or Never」 (第26話~第48話)
作詞:m-flo、CHEMISTRY
作曲、編曲:m-flo
唄:CHEMISTRY meets m-flo