概要
元々は古代に生息していたポケモンたちだが、様々な理由により絶滅してしまい現代でカセキとなって発見される。カセキは初めは道具として入手し、その後復元することによってポケモンの姿に戻すことが出来る。
殆どは1つの化石から復元されるが、中には4種類の化石を組み合わせて復元するポケモンもいる。
モチーフとしては現実世界の古代に生息していた生物をモデルとしている。その上で現段階では1進化までで、2進化まで到達したものはいない(なお、ポケモンカードでは化石自体がたねポケモンとして設定されており、ゲームでの1進化が2進化扱いになっている)。
個体値に関しては、伝説ポケモンと同様、復元した時点で最低3Vが保証されている。そのため、高個体値のメタモンが手元にいない時などには、個体厳選のとっかかりとして利用されることもある(特に連鎖が難しく高個体値のメタモンを狙いにくいBDSP等では割と重要)。
ただし、♀の出現率も御三家並に低く設定されており、厳選要員として有用な5V~6Vの個体を用意したい時や、タマゴ技を覚えさせたい時には少々苦労することになる(第8世代以降は横並び遺伝の方法が新たに導入されたので、タマゴ技の継承に関してはある程度緩和された)。
殆どの化石ポケモンはいわタイプを持つが、これは生前からそうなのかカセキになったため後天的に付与されたものかは不明。
ただ、現代まで氷漬けで保存されていたり時間転移で出現した化石ポケモンも例外なくいわタイプを持つため、単に原始時代に生息していたという性質が影響している可能性も高い。
無進化のプテラを除き、進化後の合計種族値はいずれも495で1つ目のタイプがいわタイプという縛りがあった。
が、第5世代からは例外が少しずつ出始め、特に種族値の縛りは第8世代時点で撤廃された。
基本的に野生で出現しないため第4世代まではモンスターボールにしか入れることはできなかったが、第五世代ではゲームシンクでモンスターボール以外のボールでも捕まるようになった(ただし隠れ特性限定)。
さらにXYでは、親から捕まえたボールを遺伝するようになったことから卵厳選でも違うボールでの厳選が可能となった。
第7世代の時点でもモンスターボール以外に入った化石ポケモンはGTSでの交換で重宝された。それこそ禁止級伝説との交換が容易に成立したぐらいなものであり、準伝説でも誇張抜きにランドロスとまで交換が成立するほどであった。
第8世代以降は、レアボールの入手が以前と比べて緩和されたことや、ボールの種類を問わずポケモンを確定で捕獲できるマックスレイドバトルやテラレイドバトル(ただし、マックスレイドバトルは確定で捕獲できるのはホストのみで、ゲストは確率で捕獲に失敗してしまうので注意)の実装もあり、オシャボ厳選の難易度は下がった。ただ、世代により登場する化石ポケモンが限られているのが難点である。
野生個体
第8世代のDLC『冠の雪原』では、多くの化石ポケモンが生きた姿でフィールドを闊歩するようになった。マックスレイドバトルを含めれば、第8世代初出の者達も出現する程。
オムナイトの図鑑説明によると、逃げ出したり逃がされたりなどの様々な理由で人間の管理から離れた個体が野生化、繁殖しているらしく、これにより今まで出来なかったボール厳選も可能となった。
ただ、化石ポケモンの野生化は作品世界中での社会問題にもなっている模様。
やはりというべきか野放しにされた野生個体が増え始めたのは最近のようで、「久しぶりに帰ってきたら岩っぽいポケモンが増えている」と発言するNPCがいる。
その後、次回作ではこの問題に更に踏み込んだストーリーとなっている。
ポケモンGOでは普通に野生出現する。出現率は高くないが、バリヤード他のように特定の地域・場所でしか出ないなんてこともなく、ただのレアポケモンである。また、年に一度開催される「アドベンチャーウィーク」では化石ポケモンがピックアップの対象となるので、その時に厳選やアメ集めをするのがおススメ。また、GOロケット団の実装後は、彼らが手持ちに加えていることもあり、戦闘後のゲットチャレンジで捕獲して入手することも可能になった。
入れるボールも選べるが、4種類だけ(モンスターボール、スーパーボール、ハイパーボール、プレミアボール)なのであまり意味はないが。
NEWポケモンスナップの舞台・レンティル地方でもユレイドルが珊瑚礁に、ラムパルドが洞窟に、ガチゴラス・アーケオス・プテラが火山帯に生息する姿が確認されている。
元ネタが生きていた恐竜時代は今よりも気温が高かったそうなので、彼らとしてはそうした熱い地域の方が住みやすいのかもしれない。
LEGENDSアルセウスには時空の歪み限定でズガイドス・ラムパルド・タテトプス・トリデプスが出現する。天冠の山麓内の太古の洞穴にはラムパルドとトリデプスの化石が存在していることから、絶滅前の太古から転移してきた可能性が高い。
ポケモンSVでは本編にこそ出現(既存・新規含め)しなかったが、「ゼロの秘宝後編:藍の円盤」で行けるようになるテラリウムドームにズガイドス・タテトプスが野生で生息している。
化石ポケモン一覧
※初登場したバージョン順に記載。
第1世代(『RGBP』)
No. | 名前(たね) | No. | 名前(1進化) | モチーフ | カセキ名 |
---|---|---|---|---|---|
138 | オムナイト | 139 | オムスター | アンモナイト/オウムガイ | かいのカセキ |
140 | カブト | 141 | カブトプス | 三葉虫/カブトガニ | こうらのカセキ |
142 | プテラ | - | - | プテラノドン | ひみつのコハク |
第3世代(『RSE』)
第4世代(『DPt』)
第5世代(『BW』)
第6世代(『XY』)
No. | 名前(たね) | モチーフ | カセキ名 |
---|---|---|---|
880 | パッチラゴン | 羽毛恐竜+剣竜 | カセキのトリ+カセキのリュウ |
881 | パッチルドン | 羽毛恐竜+首長竜 | カセキのトリ+カセキのクビナガ |
882 | ウオノラゴン | ダンクルオステウス+剣竜 | カセキのサカナ+カセキのリュウ |
883 | ウオチルドン | ダンクルオステウス+首長竜 | カセキのサカナ+カセキのクビナガ |
化石ポケモン予備軍
今も生息している生きた化石や、先祖返りの要素を持つポケモン達。
かつては既に絶滅したと考えられていたポケモンだが、南米ギアナ高地で生きた個体が正式発見された。
なお、劇場版および実写映画のミュウツーはミュウの化石を元に作られたという設定である。
テッポウオの進化系でありオムナイト系統の子孫であるポケモン。
進化により先祖返りをする。
1億年の間、姿が変わっていないため「生きている化石」とも呼ばれる。カセキが見つかっていない、かつ現代でも絶滅せずに生き残っているため、化石ポケモンにはカウントされない。ただし♀の出現率は化石ポケモンと同等で、非常に低い。
化石ポケモンに共通するいわタイプを有する。
げんしのちからを覚えて進化する点や、メガネウラをモチーフとしている点から、先祖返りなのではないかと思われるポケモン。
1万年前の氷河期のポケモン。氷漬けの状態で発見され、そのまま目覚めた個体も存在する。
メガヤンマ、モジャンボと同様にげんしのちからを覚えることが進化の条件となっている。
化石から復元されたポケモンと明言されている、3億年前のポケモン。ただし人間の手で改造されたためかいわタイプを持たず、代わりにはがねタイプを持っている。
ゲーム中でカセキから復活させるわけではないからか、化石ポケモンとはあまり呼ばれない。
太古の昔、ガラル近海に落下した隕石による急激な環境の変化の影響で絶滅してしまったサニーゴ。
現代に生息している種とほぼ同じ姿のため、逆説的に繁栄していた当時は、既に原種に近い姿であった可能性が高い。
太古の海に生息していたが、絶滅し幽霊として甦ったドラゴンポケモン。
タイムマシンで呼び出された古代のポケモン達。
現代のポケモンの先祖と思われるが、現代で化石は発見されていない。
復元された姿について
化石ポケモンは化石から復元される形で現代に復活するが、一部復元が完全ではない可能性が指摘されている種が存在する。
- プテラ
琥珀から遺伝子を抽出する形で復元していることから、完璧な復元は今の科学でも不可能とされている。
メガプテラの図鑑説明では失われた遺伝子が復活したとの記載があるため、琥珀内部の遺伝子に不足があるのは確かなようである。
ただ、後述するアルフの遺跡に描かれた実際のプテラの絵は復元個体とあまり変わらないため、細部を除けば元の姿はほぼ再現できている可能性が高い(体色などが異なる可能性はあるが)。
作中表現やビジュアルから別種の化石を組み合わせて復元させたキメラ生物という見方が強い。
- チゴラス、ガチゴラス
完全な復元はできておらず、実は全身に羽毛のような毛があるのではという説があるという(現実世界のティラノサウルスにも羽毛の有無について議論が存在することを踏まえた設定か)。
ただプテラと異なり説のレベルに留まっており、普通に復元した姿が古代の姿である可能性もある。
なお、復元が完全でないことが確実視されているのは上述の通り復元方法が一般の化石ポケモンと異なる種のみであり、他のポケモンにそのような設定は見受けられない。
カブトは一部地域では3億年前から生き残っていることが確認されており、アマルルガは氷山の中から氷漬けの状態で発見された個体が存在するが、いずれも化石から復元する個体と姿形は相違ない。
LEGENDSアルセウスの時空の歪みに出現するズガイドスやタテトプスは復元された個体と全く同じ姿である。
アニポケBW第76話でも、古代のアバゴーラが現代の想像図と同じ姿をしている様子が描かれている。
また、ジョウト地方アルフの遺跡に遺されている封印パズルに描かれたカブト、オムナイト、プテラの三種は復元された姿とほぼ変わらず、生態に関する簡単な解説まで添えてある。
少なくとも遺跡を築いた古代人の認識では彼ら三種はあの姿で間違いなかった様子であり、アルフの遺跡から化石が見つかることを考えると当時は生きた個体が現存していた(もしくは死者を蘇生させるポケモンの力で復活したか、上述した時空の歪みや超常的な力を持つ存在の力で他の時代から飛ばされてきていた)可能性が考えられる。
余談
第2世代・第7世代・第9世代では新規の化石ポケモンが登場していない。
2世代は前世代で1進化であるオムナイト系統とカブト系統に加え、プテラがいた所為、第7世代はアローラのモデルが火山島であるハワイだった事に起因しているとも取れるが。
第9世代では「太古のポケモン達が時を超えやって来る」という事態が起こった。
第8世代に登場した新規の化石ポケモンが特殊な形であるのは第7世代で新規の化石ポケモンが不在、ガラルのモデルのイギリスは化石の発掘地の「ジュラシック・コースト」が有名である他、リチャード・オーウェン等の古生物学者の出身地、あるいは深い関連性があり恐竜が最初に発掘された場所でもあるのが理由と思われる。
新登場の化石ポケモン(特にウオノラゴン)が環境で大暴れしているほか、「冠の雪原」からは化石復元を経ずに好きなボールで化石ポケモンをゲットすることが可能となり、最終的に化石ポケモンがだいぶ優遇された世代になったと言えよう。
2021年に、化石ポケモンとそのモデルとなった古代生物にスポットを当てた、「ポケモン化石博物館」なる企画が発表された。同年7月4日に北海道の三笠市立博物館での展示を皮切りに、全国各地の博物館を巡回していくとしている。
なお、メインビジュアルにはそれぞれのモチーフとなった生物と対応する形で配置されている。
メインビジュアルに描かれているのは以下の9体。
- プテラ(プテラノドン)
- アーケオス(アーケオプテリクス)
- アマルルガ(アマルガサウルス)
- ガチゴラス(ティラノサウルス)
- ズガイドス(パキケファロサウルス)
- タテトプス(プロトケラトプス)
- オムナイト(アンモナイト)
- カブト(カブトガニ)
- アノプス(アノマロカリス)
パラドックスポケモンには特定ポケモンの祖先種らしい種が見られるが、化石ポケモンにも現代のポケモンの祖先と考えられている種が複数存在する。
具体的にはアーケン・アーケオスは鳥ポケモンの祖先、アノプス・アーマルドは一部虫ポケモンの祖先、プロトーガ・アバゴーラは亀ポケモンの祖先、オムナイト・オムスターはオクタンの遠い祖先である。
関連タグ
いわタイプ…第6世代までは全てがこのタイプだった。