不滅の戦隊魂が奇跡を呼ぶ!
概要
『轟轟戦隊ボウケンジャー』が第30作目となることを記念した、ドリーム戦隊との競演作で、『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』以降の戦隊を補完するような内容。
スーパー戦隊VSシリーズでは珍しく、追加戦士の高丘映士/ボウケンシルバーを中心にストーリーが展開される。
時系列はダイボイジャー登場後のTask35以降だと思われる。
アカレッドは本作が初出。
ハイビジョン放送であるテレビシリーズに対し、本作品はマジレンジャー以前の4:3での収録となっている。本シリーズのハイビジョンでの制作は、次作『獣拳戦隊ゲキレンジャーVSボウケンジャー』からとなる。 これは恐らくガオレッド、マジレッドの変身バンクやデカブレイクの名乗り映像を起用する際、従来のハイビジョンでは流用出来ないためだと思われる。
尚現在、(後述の事情も重なってか)ドリーム戦隊とのVS作品は本作で途切れており、35作品目はVSシリーズとしては最も早期に共闘した後に別系統のヒーローと、40作品目に至っては遂に快挙を成し遂げた(後者は続く41作品目とは単体での共演はしていないが)。
ストーリー
ゴードム文明と戦うボウケンジャーが、突如現れた時の魔神クロノスによって、異空間へと転送されてしまった!
一人残されたボウケンシルバー/高丘映士は連絡を受け助けに行こうとするが、そこへ謎の戦士アカレッドが現れ、「スーパー戦隊アドレスブック」を映士に託す。
映士は、それをもとに歴代のスーパー戦隊の戦士の下を訪ねていくが…。
登場キャラ
轟轟戦隊ボウケンジャー
上記の通り、時の魔神クロノスによって異空間に飛ばされてしまう。
本作の実質的な主役。初期メンバーを助けるために一人奮闘する。また、本作限定でシルバーもアクセルテクターを装着(30戦隊大全集でも披露)する。
ドリーム戦隊
過去のスーパー戦隊Vシネマの設定が踏襲されている。最初はお互い息が合わずバラバラだったが、最終的にはチーム一丸となって協力しあっている。
・売れっ子歌手として活躍している。多忙ゆえスケジュールにとてもシビア。
・髪型はハリケンジャー本編ではショートヘアだったが、本作ではロングヘアになっている。
・結婚生活3年目。二人目の子育てに奮闘中。この中では唯一、進んで駆け付けようとしていた。
・ハリケンブルーを「忍者さん」と呼び、彼女と口論になっていたが、元々『アバレンジャーVSハリケンジャー』はアバレンジャー本編と一部時系列に矛盾が生じている。
・ヤクザ(宇宙マフィア)に転向したと思われていたが潜入捜査中だった。
・髪型は前作では金髪の短髪だったが、本作ではデカレンジャー本編同様の髪型に戻っている。
・ちなみに本作で『特捜戦隊デカレンジャーVSアバレンジャー』から数えて3作連続でスーパー戦隊VSシリーズに出演したことになる。
・バンタム級のボクサーとして活躍。また、髪型は本編と比べて短髪になっている。
・相棒のスモーキー共々ボウケンジャーの五人より先に異空間に閉じ込められていた。尚、スモーキーは危うくプレシャスとして回収されかけた。ちなみに映士と追加戦士と組、前作と同じテツと同じチームでも見られる。
今作にて初登場の戦士
アカレッド※メイン画像の人物。
・関連項目参照。
敵
ゴードム文明
カース
・『ボウケンジャー』には敵組織が複数あるが、他の敵組織は一切登場しない(ダークシャドウは次作に登場)。
・復活怪人の中では唯一の男(つかオカマ)。宿敵である筈のマジシャインと対峙しているのに無反応(マジイエローには反応したのに…)だったり、どうやってクロノスとガジャがデュエルポンドの間に入ったのかは突っ込んではいけない。
一の槍フラビージョ。
・過去のVシネマの設定が反映されている…筈だが何故か死亡していた。今回は同僚のウェンディーヌを伴わず1人で登場。他の二人に比べて出番が少ないが、しっかりヒーロー達を窮地に陥れている。
・やはり過去のVシネマのストーリーが反映されている作品…の筈なのだが何故かアジトで復活。フラビージョと異なり相方にも触れている。ちなみにガオレンジャー本人は誰も登場していない。
・本作オリジナル。ガジャと結託し、ゴードムエンジンを使って上記の三人を復活させていく。
本作オリジナルロボ
・スーパー戦隊魂を受けてダイボイジャーが強化された姿。
余談
アカレッドについて
アカレッドは当初、スーパー戦隊30作品記念を象徴するキャラクターとして生み出されたのだが、当時最新作だったボウケンジャーが目立たなくなると判断されて一度封印、本作制作の際に解禁されている。
本作制作の経緯、そしてその末に生まれてしまった事態
本作は当初『ボウケンジャーVSマジレンジャー』として企画されていたが、諸事情によりマジレンジャー側のキャストが全員出演することが困難になったため、このような形になったと思われる。その証拠に劇中でもその名残が少なからず散見される(本作オリジナル怪人のデザイン、戦隊ロボの本作オリジナル形態の名称など)。
そのひとつにドリーム戦隊の性格やポジションが該当する。
- 小津蒔人→姶良鉄幹
・高丘がやって来るのはアニキ農場だったのが潜入捜査先の事務所に変えられた?
- 小津芳香→野乃七海
・売れっ子モデルに大ブレイクしている筋書きになっていた?
- 小津麗、ヒカル→アスカ
・マジトピアで子育てに奮闘しており、勇から連絡を受けて高丘にマージフォンで連絡を入れる役目になっていた?
- 小津勇→アカレッド
・小津一家のアドレスブックを高丘に渡す筋書きだったのがスーパー戦隊アドレスブックに(妻と共に)ボウケンジャー5人と後述の魁(とヒカル?)を助けようとするボウケンシルバーとマジグリーンからイエローまでのメンバーを援護する役割がアカレッドに差し替えられた?
- 小津魁→ヒカル
・(ヒカルが閉じ込められた経緯と理由が不明なため推測だが)インフェルシア親善大使である事とその高いポテンシャルをクロノスに警戒され、先手を打たれて異空間に幽閉される筋書きになっていた?
以上のような構図で変えられ、ドリーム戦隊同士の仲間割れも小津兄妹のそれを置き換えた可能性もある。(本来他人に責任の擦り付けをするようなキャラではないアスカや、地球署の捜査官であるテツに対して民間人のプロボクサーの翼が「特キョウも腕が落ちたな」とタメ口で指摘するやり取りは、もともと兄弟間のセリフを置き換えたものと推察すれば辻褄は合うだろう)
もしかするとこんなシーンがあったかも?
現状、東映はこの件に関してコメントはしていないが、後の作品の一部エピソードの演出にて、この作品が元々『ボウケンジャーVSマジレンジャー』だった物を改変した作品である事を暗に認める形となった。
海外版『パワーレンジャー・オペレーション・オーバードライブ』でも本作に相当するエピソードがあるが、大剣人ズバーン初登場回(マジレンジャーモチーフの怪人が登場する)をベースとしている。過去作からの参戦メンバーは軒並み異なり、初代のブラック(マンモスレンジャー)が久々に登場。原作と同色は『ニンジャストーム』のブルー(ハリケンブルー)のみ。その上五人しか参戦しなかったので、センチネル・ナイト(ズバーン)参戦までマーキュリーレンジャー(ボウケンシルバー)は共闘時一人で乱舞する羽目になった。
…何 故 追 加 戦 士 か ら も 選 出 し な か っ た 。
敵の黒幕はクロノスではなく初代の宿敵だったロード・ゼッドと前作の魔法世界の長リタ・レパルサの間に生まれた息子スラックス。因みに余談だが、原作のバンドーラにも一人息子がいた。
尚、パワーレンジャーシリーズでは『ミスティックフォース』以降まともに前作レンジャーとの共演は行われていない(少なくとも前作メンバーが全員揃わない)。
更に、デカレンジャー以降恒例になっている最終回で流れるバトンタッチにおいて、大半が主役同士が面合わせしている(後述のキュウレンジャーとジュウオウジャーですらシシレッドとジュウオウイーグルがしっかりと面を合わせている)のだが、ボウケンジャーとマジレンジャーの組み合わせだけ通話するのみに留まっている。
以上のように、先述の『アバレVSハリケン』のケースを無しにしても見過ごせない過去のVSシリーズとの矛盾点(主にレジェンド戦隊同士の対人関係やフラビージョの扱いとツエツエの死亡現場とガオレンジャー未参戦。次いでに言うと恐竜やも名前すら出ていない)も散見(更にフラビージョに至っては後の『ハリケンジャー 10 Years After』とも矛盾が発生する羽目に…)された上、そんな状況に追い打ちをかける形で結局日本どころかアメリカですらボウケンジャーとマジレンジャーの共演も行われないという、スーパー戦隊シリーズ、特に共演を期待していた両作のファンにとって史上最悪の事態まで発生してしまった。
また、日米共にこの件について思う所があったかは定かでは無いが、TV本編を含む以降の作品では、
35作品目の戦隊。ボウケンジャー回の巨大戦にてマジレンジャーの大いなる力を使用。
当人達が使うオリジナルでは無いとは言え、ダイボウケンとマジキングが連係攻撃を行うシーンが描かれた。
ゴーカイジャー第二話にあたる部分、5人全員のレッド戦士へのゴーカイチェンジにて唯一、スーパーメガフォースグリーン(ゴーカイグリーン)のゴーカイチェンジがゴセイレッドからボウケンレッドに変更されていた。
最もメタ的に言えば、あちらのゴーカイジャーはゴセイジャーの強化形態として扱われている為、矛盾を回避するためやむなく変更したと思われる。
40作品目の戦隊。ゴーカイジャー客演回後編のゴーカイチェンジにてボウケンレッドとマジレッドが同時に登場した。
45作品目の戦隊。ライバル戦士であるステイシーによってボウケンジャーとマジレンジャーと各々の1号ロボが実体化。その際、Twitterにて「上述のVSが最悪の形で実現してしまった」等と話題となった。
しかしそれ以前に、戦隊側の一部メンバーのモチーフもそれな上、何故かこれの前年の作品に関しては他の戦隊以上にネタがぶち込まれており、そして…。
46作品目の戦隊。当該2作をモチーフとした怪物に変貌しているが、二体とも同一人物かつそれぞれ別々のエピソードだったため並び立つ事は無かった。
しかも、ボウケンジャーモチーフの怪人が登場する回はマジレンジャーモチーフの怪人が登場する回のセルフパロディであり…。
…等、これを意識した描写が時折なされている。
本作以降のスーパー戦隊同士の共演の傾向
本作並びに先述の一件が影響したかは不明だが、VSシリーズの内『VSスーパー戦隊』と表されるタイトルは本作を最後に事実上完全に自粛された形となり、例え前作との共演を描く内容でなかったとしてもドリーム戦隊の結成は一切無く(あったとしてもオリジナルでは無い)、他系列の東映ヒーローが担うか、歴代の悪の幹部が徒党を組むといった形で描かれる事となった。
但しドリーム戦隊その物の結成や、前年以前の戦士の客演がされなくなった訳ではなく、前者はジュウオウジャーのBlu-rayCollectionの映像特典やスーパー戦隊最強バトル、後者もゴーカイジャー以降のTVシリーズ並びにキョウリュウジャーVSゴーバスターズ、ジュウオウジャーVSニンニンジャー…といったように、(ちゃんと戦闘に参加するかどうかは別にしても)機会こそ変わったもののその勇姿を見せている。
更に次作以降、オールスター作品をはじめとしたVS以外のケースを含めて現役と前作の共演並びに共同戦線を何かしらの形で必ず行う(パラレル要素が強いものの、上述通り単体の共演作が製作されず一部のメンバーに面識がある程度に留められたジュウオウジャーとキュウレンジャーですら同じ作品で両戦隊の初期戦士が全員、ジュウオウに至っては追加戦士も登場、共闘している)ようになっており、現状途切れずに行っている。
また本作で追加されたレジェンド戦士の設定やキャラの存在が無かったことにされた訳ではなく、七海はその後ゴーカイジャーにて更に有名になって女優としても活動し『10 Years After』ではタワマン暮らしに、アスカに至っては『許されざるアバレ』にて更に子沢山となっている。アカレッドに関しても、ゴーカイジャー以降の周年の時期には必ず(バックル等スーツの一部を改修しながらも)その姿を現している。